量子プログラミング
入門
2018/12/23
いとう
今日の目標
• 量子力学の4つのPostulatesを理解する
• 量子アルゴリズムについて理解する
• 結局量子コンピュータのどこがすごいねん?という疑問に対して
ちょっとした解答を得る。(ドイチェ=ジョサのアルゴリズム)
有益な文献たち
• https://www.cl.cam.ac.uk/teaching/0910/QuantComp/
• Foundations of Quantum Programming
• Nielsen, M.A. and Chuang, I.L. (2000). Quantum Computation
and Quantum Information. Cambridge University Press.
• Mermin, N.D. (2007). Quantum Computer Science. CUP.
量子力学の4つのPostulates
1. 孤立量子系の状態空間はヒルベルト空間で表現される
2. 孤立量子系の状態の時間変化は
時間の依存するユニタリ作用素により表現される
3. 量子測定はヒルベルト空間の正規化条件を満たす作用素とし
て表現される
4. 複合量子系は個々の状態空間のテンソル積として表現される
Postulate 1
• Bits
• 0と1の離散的な状態の組み合わせ
• Qbit
• 𝛼 0 + 𝛽 1 など
• 状態 0 , 1 を複素数 𝛼, 𝛽によって重ね合わせる。
Postulate 1
• 結局 𝛼 0 + 𝛽 1 とはなんなのか。
• 0 , 1 はベクトル
• 0 が確率 |𝛼|2で観測される。
• 1 が確率 |𝛽|2で観測される。
Postulate 1
孤立量子系の状態空間はヒルベルト空間で表現される
• ヒルベルト空間とは
• 内積が定められた空間
• ベクトル空間
• 内積が定まるということは、距離も定まる
• 完備空間(任意のコーシー列が収束する)
• 極限が存在する
Remark:ヒルベルト空間というと普通は無限次元を想像するこの本ではそうでもない
ヒルベルト空間の書き方
• ::ヒルベルト空間
• 𝜑 , 𝜓 :ヒルベルト空間の元
• 𝜑 𝜓 :ヒルベルト空間の内積
• 𝜙 ⊥ 𝜓 :垂直・内積0
• :直交空間
ヒルベルト空間例
①
②
付けたし
• 一番有名なヒルベルト空間:𝐿2
• L2空間が完備であることの証明
• 内積(積分)と極限が交換する→Lebesgue積分!
• ヒルベルト空間の正規直交を求めること
• フーリエから始まる
Postulates 2
孤立量子系の状態の時間変化は
時間の依存するユニタリ作用素により表現される
Postulates 2
孤立量子系の状態の時間変化は
時間の依存するユニタリ作用素により表現される
• ヒルベルト空間のあいだの写像 が作用素であるとは
• 作用素UがUnitary作用素であるとは、
• ただし とは次を満たすもの
Postulate 2とシュレディンガー方程式
• Schrodinger
• →ユニタリー作用素
• Why unitary?
Postlate 3
量子測定は
ヒルベルト空間の正規化条件を満たす作用素として表現される
観測mが起きる確率
Posulate 4
複合量子系は個々の状態空間のテンソル積として表現される
• ベクトルのテンソル積とは次を満たすベクトルの積
• のとき
つけたし
• 場の量子論っていうのがあってですね。。。
量子回路
• 量子回路とはユニタリー作用素の組み合わせである
• 各Uは2^n × 2^n 行列である。
PauliのX,Y,Zゲート
量子回路(2ビット以上)
• 量子回路は2ビット以上で組まれることが多い。
• 究極の目標は
• という関数が与えられたとき
• のようなユニタリー作用素の列を作ることである。
• しかし、これはユニタリー作用素ではないこともあるため、
• を考える。
マルチqbitの計算
• テンソル積であらわされる
CNOT
Controlled U gate
• もっと一般化して
Toffoli gate
量子アルゴリズム
• たくさん回路を並べてきたが結局何ができるねん?
と思うころであろうので、簡単なアルゴリズムを作ってみる
ドイチェ=ジョサのアルゴリズム
がconstantかbalancedであることがわかっている。
どちらかを決めよ。
ドイチェ=ジョサのアルゴリズム
• 次の2つの回路を使う
量子アルゴリズム
• で結局なんで量子コンピュータがすごいんや?となるはず
• そのカギは
量子並行性と量子干渉にある。
量子並行性とは
• fのような2^nこのくみあわせを持つ関数を同時に評価できる
アダマールゲートをn個くみあわせることにより均一な重ね合わせができる
それにユニタリー作用素をかますことは1回の計算でできる。
量子干渉
• しかし、それを一個一個観測するのでは手間がかかるので、
• 一気にまとめて大域的観測をすることを量子干渉という。
ドイチェ=ジョサの並列計算
• 量子並行と量子干渉を同時に使用することにより、
• ドイチェ=ジョサの問題はn次元でも同時に解くことができる

量子プログラミング入門