モデル作成編                                                                                  連 載
                                             無償ツールでモデル作成&チューニング入門




                                                 第 4 回 部品:コイル
                                                       応用:スイッチング電源回路
                                                                                       堀米 毅

        整流                                            !
                                                  ババーン スイッチング・ノイズを再現するには
        ダイオード       D1                  L1        このコイルのモデル作成がカギをにぎっている

                                       71μH
入力       220Ω R 1 R              R3                                                     出力                    出力
                    2  C2               コイル   R4        C4      C5       C6       C7                 RL
電圧      AC                 D2    22Ω                                                                          電圧
                                        の出力 270Ω                                        電流
Vin           C 1 22Ω 680p       C3                 4400μ     4400μ    4400μ   4400μ                 10Ω
                                                                                                              Vout
        6.6V                            電圧                                                  Iout
        50Hz  330p               680p
                                        VLout

                                 D1,D2:ダイオード D5LC20U
                                                   (新電元工業)
          フリーホイール・ダイオード
                                 C4∼C7
                                     :電解コンデンサ

図 1 今回再現するスイッチング電源回路
                   (FCC 回路)
                          とモデルを作成するコイル


                                                    とが分かります.
目標:コイルのSPICEモデルを作成して,                                このように微小なノイズを電子回路シミュレーショ
スイッチング電源回路の出力ノイズを再現                                 ンで再現することは簡単ではありません.しかし,精
● 回路と再現する波形                                         度のよい部品モデルを作成すれば,このような微小ノ
 今回は,コイルの等価回路モデルを作成することで,                           イズをシミュレーションで再現できます.
フ ォ ワ ー ド・ コ ン バ ー タ
                   (FCC:Forward Coupling
Converter)回路という絶縁型スイッチング回路       (図 1)              ● コイルの SPICE モデルを作成する
の実機動作    (図 2)をシミュレーションで再現します.                       図 3 の(b)(c)
                                                             と  のシミュレーションで使った部品は,
 FCC 回路の出力仕様は以下の通りです.                               次のような違いがあります.

      出力電圧:5 V
      出力電流:0.5 A
                                                                                       出力電流
 この FCC 回路の出力にはノイズが発生します(図 3).
このノイズの原因はコイルに起因しており,その現象
が LTspice で再現できます.                                                            出力電圧


● LTspice に最初から用意されているコイル・モデ
ルを使うと微小な出力ノイズを再現できない
 入力特性と出力特性    (出力電圧と出力電流)の実機波
形を図 2 に示します.出力ノイズだけの実機波形を図
3 a)
( に,コイルのモデル作成後のシミュレーション
                                                             入力電圧Vin
                                                                                   5V/div          10ms/div
結果を図 3 b)
        ( に,コイルのモデル作成前のシミュレ
ーション結果を図 3 c)( に示します.
 インダクタンス値だけでコイルの特性を表した,
LTspice に最初から用意されているモデルを使うと,
スイッチング回路の出力ノイズを再現できていないこ                            図 2 図 1 の回路の入出力特性(実波形)

                          LTspice の使い方については本誌 2011 年 6 月号特集「超入門 電子回路シミュレーション」!
                          で紹介しています.LTspice 関連情報はウェブ・サイト「超入門 電子回路シミュレーシ            !
           2011 年 10 月号                                                                                    175
                          ョン LTspice の部屋」
                                        (http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/470/Default.aspx)
                                                                                         から入手できます.

トランジスタ技術 2011年10月号(175ページ)

  • 1.
    モデル作成編 連 載 無償ツールでモデル作成&チューニング入門 第 4 回 部品:コイル 応用:スイッチング電源回路 堀米 毅 整流 ! ババーン スイッチング・ノイズを再現するには ダイオード D1 L1 このコイルのモデル作成がカギをにぎっている 71μH 入力 220Ω R 1 R R3 出力 出力 2 C2 コイル R4 C4 C5 C6 C7 RL 電圧 AC D2 22Ω 電圧 の出力 270Ω 電流 Vin C 1 22Ω 680p C3 4400μ 4400μ 4400μ 4400μ 10Ω Vout 6.6V 電圧 Iout 50Hz 330p 680p VLout D1,D2:ダイオード D5LC20U (新電元工業) フリーホイール・ダイオード C4∼C7 :電解コンデンサ 図 1 今回再現するスイッチング電源回路 (FCC 回路) とモデルを作成するコイル とが分かります. 目標:コイルのSPICEモデルを作成して,  このように微小なノイズを電子回路シミュレーショ スイッチング電源回路の出力ノイズを再現 ンで再現することは簡単ではありません.しかし,精 ● 回路と再現する波形 度のよい部品モデルを作成すれば,このような微小ノ  今回は,コイルの等価回路モデルを作成することで, イズをシミュレーションで再現できます. フ ォ ワ ー ド・ コ ン バ ー タ (FCC:Forward Coupling Converter)回路という絶縁型スイッチング回路 (図 1) ● コイルの SPICE モデルを作成する の実機動作 (図 2)をシミュレーションで再現します.  図 3 の(b)(c) と のシミュレーションで使った部品は,  FCC 回路の出力仕様は以下の通りです. 次のような違いがあります. 出力電圧:5 V 出力電流:0.5 A 出力電流  この FCC 回路の出力にはノイズが発生します(図 3). このノイズの原因はコイルに起因しており,その現象 が LTspice で再現できます. 出力電圧 ● LTspice に最初から用意されているコイル・モデ ルを使うと微小な出力ノイズを再現できない  入力特性と出力特性 (出力電圧と出力電流)の実機波 形を図 2 に示します.出力ノイズだけの実機波形を図 3 a) ( に,コイルのモデル作成後のシミュレーション 入力電圧Vin 5V/div 10ms/div 結果を図 3 b) ( に,コイルのモデル作成前のシミュレ ーション結果を図 3 c)( に示します.  インダクタンス値だけでコイルの特性を表した, LTspice に最初から用意されているモデルを使うと, スイッチング回路の出力ノイズを再現できていないこ 図 2 図 1 の回路の入出力特性(実波形) LTspice の使い方については本誌 2011 年 6 月号特集「超入門 電子回路シミュレーション」! で紹介しています.LTspice 関連情報はウェブ・サイト「超入門 電子回路シミュレーシ ! 2011 年 10 月号 175 ョン LTspice の部屋」 (http://toragi.cqpub.co.jp/tabid/470/Default.aspx) から入手できます.