ハードディスクドライブには、今のセキュリティ対策では検知できない隠し領域があります。 そのため、そこに存在するソフトウェアは出現するまで潜伏し続けることができます。たとえグートマン方式のデータ消去を35回実行しても、その領域-PARADAIS-で密かにスタンバイし続けることができます。 もし重要インフラの制御システムに組み込まれているHDDに何かが隠れているとしたら、予期せぬタイミングで思いもよらないソフトウェアが起動し、施設や設備をコントロール不能に陥れるかもしれません。 今回の研究発表では、このようなサイバーテロの脅威がオフライン制御システムにも潜み得る可能性についてのテクニカルな側面と、故障したHDDからのデータ復旧を最も困難にするプラッタダメージへの新たな克服技術について解説致します。 尚、PARADAISついてはイラストを用いてHDDの動作のしくみとあわせての解説と、実演を予定しています。 --- しもがいと だい Dai Shimogaito しもがいとだい(下垣内 太) 愛知県豊川市出身 関西大学総合情報学部卒(1998年) 大阪データ復旧(株)代表取締役 http://www.daillo.com/ 故障したハードディスクからのデータ復旧や問題の生じたデジタルデータの解析に日々取り組みつつ、保全性の高いデータ復旧(HiDR)技術の開発と、テクニカル面におけるPARADAISのサイバーセキュリティリスク対策についても研究を進めている。また、警察等の法執行機関や弁護士からの依頼により、殺人事件や詐欺事件などにまつわるデジタル証拠のフォレンジック調査分析も行う。 最近の主な講演 2014年:CODEBLUE、NPOデジタル・フォレンジック研究会 第11期総会時講演会 2015年:まっちゃ139勉強会、兵庫県警察本部サイバー犯罪捜査研究会、(株)ラック勉強会 2016年:三重県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課、HTCIA International Conference & Training Expo(米国)上記の他、非公開カンファレンスや技術講義など10件以上