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Blockchain技術の適用・拡大に向けた
上流テクニカルコンサル実践
2019年5月28日
富士通株式会社
ミドルウェア事業本部 デジタルウェア開発統括部 企画部
山岡 慧
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自己紹介
 氏名:山岡 慧
 所属:富士通株式会社 ミドルウェア事業本部 デジタルウェア開発統括部 企画部
 業務:ブロックチェーンプラットフォーム開発・ブロックチェーンアプリ開発・技術コンサルティング
 経歴:A銀行様 銀行間決済システム実証実験
B保険様 健康推進アプリ実証実験
 趣味:クライミング(ボルダー)最高グレード初段
ニュージーランドの岩場に遠征予定
 最近気になること:良質な睡眠のとり方・後天的にショートスリーパーにはなれないのか
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今回のテーマ
Blockchain技術のビジネス適用・拡大に向けた
上流テクニカルコンサル実践
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富士通の取り組み
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富士通のブロックチェーンが提供する価値
 企業の垣根や国を超えた共創に必要な“Trust”をテクノロジーとして提供
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堅牢性/可用性秘匿化・暗号化
透明性
ガバナンス
情報倫理・道徳
リスク管理
クロスインダストリー
アカウンタビリティ
社会責任
コンプライアンス
説明可能性
人 システム
データ システム
ビジネス
ビジネス ビジネス
人データ
サイバーセキュリティGDPR
データ証跡管理
契約
本人認証
Trust
ルール/規制
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富士通に対する市場評価
 ブロックチェーンで先進的な企業 第 位
 米国でブロックチェーン関連のETF*を取り扱うReality Shares社がスコアリング
 パートナーとの共創実績や提供サービスの充実度などを評価
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※上場投資信託
出典:「Top 5 Blockchain-Related Stocks For 2019」, Forbs, 2019年1月24日
パートナーとの共創
 全国銀行資金決済ネットワーク様との
デジタル通貨による銀行間資金決済実証
 三菱地所様とのデータ利活用の共創 など
サービス提供状況
 データ流通・利活用サービス Virtuora DX
 PoBサービス(ベルギー) など
テクノロジー標準化等への貢献
 Hyperledger Project プレミアメンバー
 Blockchain Research Institute など
活用レベル
情報発信
特許
研究開発費
パートナーとの共創
サービス提供状況
テクノロジー標準化
(コスト削減/収益増/
生産性向上等)
Role in blockchain ecosystem
Blockchain
product stage
Blockchain
economic impact
Institute memberFillings
Patents
R&D
スコア
74
5
ブロックチェーン商談状況
 商談件数 : 300+ (2017年度以降)
 業種比率 : 金融に続き、流通/サービス業と製造業の商談が増加
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業種比率
金融
31%
流通・
サービス
23%
製造
13%
官庁/公共
18%
エネルギー
9%
その他
6%
2017
年度
2018
年度
流通/
サービス
34%官庁/公共
15%
製造
19%
金融
17%
エネルギー
6%
その他
9%
6
デジタルビジネスの強化
 上流分野の強化:テクニカルコンサルの強化
 デリバリーの変革:エンタープライズ・アジャイル/SI・運用のデジタル化(自動化)
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上流テクニカルコンサル実践
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WG
上流テクニカルコンサル実践-概要
製造業の業界団体で将来の業界ITを研究するWG(以降WG)
 製造業界で近い将来必要になる企業間IT連携
の概要と構成を明らかにする。という目的で活動
 製造業メーカーから代表が参加し2週間に1回議論を行う
 富士通の関わり方
 企業間IT連携の共通データ管理基盤にブロックチェーンが検討されていた
 ブロックチェーン技術支援としてWGに情報提供を行う
ブロックチェーン
技術・ノウハウ
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上流テクニカルコンサル実践-問題
 ブロックチェーン技術支援の具体的な関わり
 WGの議論で出たブロックチェーンの技術的な質問からユースケース・事例等の回答や参考資料の作成
 資料をWGが次に行われるまでの2週間で作成し次回のWGで提出
 問題:WGに提供した資料とお客様の思いの食い違い
 お客様の依頼された通り持って行ったが満足する資料ではなかった
 後日WGリーダーからお叱りメールをいただいてしまった…
正直、他案件の提案書の切り貼りイメージを受け、
それをもとにした議論ができませんでした。だせる、
だせない、そもそも無理というご意見はありますが、
そもそもお願いの主旨をご理解いただけていない
のでは?という感じでした。私が思っているのは、
直近のタスク・課題をくみとっていただき、情報を
提供していただきたく思っています。
(全文は省略、一部抜粋)
WGで言われた通りの資
料を持って行ったのに…
前回と議論していた内容と
違う話になっている…
開発チームでも議論したの
にどうしてこうなった…
もう行きたくない…
Oh my ...
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 疑問:要望を理解しきれていなかったのではないか?
 お客様に必要だと言われた資料を作成し、WGに持って行ったが違うと言われた
 依頼されて持って行った資料がWGで要求されない場合があった
 主旨をご理解いただけていないのでは?という文面
 次の疑問:なぜ要望を理解しきれていなかったのか?
上流テクニカルコンサル実践-疑問
課題:WG外の検討結果のキャッチアップ
Why !?
最終目的
報告資料
定期リーダー会
中間報告会 報告資料検討会
WGの方向性
定期リーダー会WG
WG
WG
実は…WGは2週間ごと開催されているがその間に
リーダー会や報告会等の別の議論が行われる場があった
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 転機:WG幹部から居残りの議論の提案
 WGに複数あったチームの中で報告会資料の進捗があまり芳しくなかった
 議論がループしてしまうことや発散してしまうことが多くあった
 疑問解消のため居残り議論に参加
 「富士通さんは技術支援だから残らなくて大丈夫です。」とチームメンバーに言われた
 しかし疑問の答えを知りたい、課題を解決したい、という思い
 課題解決のために質問を投げかけた
 議論の方向性が2週間で変わっている理由、WGや他の会議の目的やその役割
 幹部の意見を直接聞くことで疑問に思っていたことが解消された
 WGにおける課題の本質(ビジネスモデル具体化の必要性)が見えてきた
上流テクニカルコンサル実践-転機
今後の方向性と報告会
資料のことについて少し
自分の意見を言わせて
もらっていいですか?
I see !!
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ユースケースとして個人のデータ
が必要になるがそのデータはブ
ロックチェーンに格納すべきか
上流テクニカルコンサル実践-気づき
 居残り議論の後から行った事
 ビジネスモデルのフィックス
• 登場人物(ステークホルダー)の整理
• データの利用目的
• ブロックチェーン利用のメリット
 ユースケースのフィックス
• シェアリングサービスへの適用
• 部品、製品のサプライチェーン
 データ構造、モデルのフィックス
全てのデータをブロックチェーンに入
れる事は技術的にも使用性として
も避けるべきではないか
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・利害関係を調整できるキーマンを見つける
・キーマンを巻き込みビジネスモデルからフィックス
・技術的に機能非機能の観点からブロックチェーンのメリットを整理
個人情報はブロックチェーンに格納して大
丈夫か
リアルタイム性のあるデータはどの程度のレ
スポンス性が求められているのか
ステークホルダーはサプライヤーと製造者、
物流、コンシューマー、メンテナンス業者?
位置情報などはデータ量が大きくなるため
ブロックチェーンに格納するには工夫が必
要であるがトレースできるという意味では入
れる意味はある
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Blockchain fujitsu slide_201905