スッキリ!
問題解決でプロジェクトを進めよう
2016-02-26
名古屋アジャイル勉強会
山本 博之
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自己紹介
●
山本 博之(やまもと ひろゆき)
●
ベンダー勤務のソフトウェア技術者
●
データベース移行支援の仕事をしています。見事なま
でのザ・ウォーターフォール・プロジェクト。敵を知れば百
戦危うからず、スパイになった気持ちで日々Excelで設
計書を書いています。いつかこの経験が活きる日が来
ると信じています。
●
ご飯の友この一品:先日静岡県焼津のサカナセンター
に行きまして、鮭の切り身を買ってきました。鮭は本当に
おいしいですね。
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ご案内
● 本資料は後日Web公開します。ですので、この資料
の内容をメモする必要はありません。
●
みなさんがその時その時に感じたこと、参加者のど
なたかの発言ではっとするものがあったら、それは
ぜひメモしてください。付箋紙やA3用紙、サインペン
等は自由に使用していただいてかまいません。
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アジェンダ
●
今回のテーマの背景
●
問題解決とはなにか
●
アジャイル開発における問題解決
●
対立解消図ワークショップ
●
まとめ
5
今回のテーマの背景
●
今回のテーマは「問題解決」です。
●
みなさん、何らかの組織でプロジェクトに参加して
働いておられると思います。それぞれのプロジェクト
に目的があり、予算や人員、期間といった制約の元
で目的を達成し成果を出すために、日々頑張ってお
られます。
●
おつかれさまです。
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プロジェクトに問題発生はつきもの
●
プロジェクトを成功に導くべく、計画を立て、それを
遂行します。段取り八分。よい準備ができていれば
勝機あり。そのとおりです。
●
しかし、期間が短い、使えるリソースが少ない、ゴー
ルが明確になっていない、実現方法が未知数、
等々、今日のプロジェクトにはさまざまな困難があり
ます。
●
計画の遂行を阻害するできごと、計画外のできご
と、すなわち「問題」の発生は避けられません。
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プロジェクトは問題解決の連続
●
プロジェクトを遂行するとは、問題解決の連続であ
る、といってよいと思います。
●
どんな問題が発生するか完全に予測することはで
きませんが、問題は起きうるという心構えと準備をし
ておくことはできると思います。
●
問題が発生したときに、どのように解決していくか。
問題解決の考え方と技術について、今日は学んで
みたいと思います。
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自己紹介
● 以下の項目について、A3用紙に書いてください。
– お名前(本名でなくてかまいません)
– お仕事(話せる範囲でかまいません)
– ご飯がいちばん進む一品と言ったらなんでしょう?
● それを見せながら、一人1分程度で自己紹介をお願
いします。
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問題解決とはなにか
●
問題解決とはどういうことか、分解して考えてみま
しょう。問題解決とは以下のようなフェーズから成り
立っています。
1.問題が起きていることを認識する
2.なぜそれが問題なのか理解する
3.問題の原因を考える
4.問題の解決策を検討する
5.解決策を実行する
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話しあってみましょう
●
みなさんは、問題解決に取り組むときに、これらの
フェーズを意識していますか?
●
ここに挙げられていないことで、行っていること、意
識していることがあったりしますか?
●
うまく行うためのコツがあったりしますか?
1.問題が起きていることを認識する
2.なぜそれが問題なのか理解する
3.問題の原因を考える
4.問題の解決策を検討する
5.解決策を実行する
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アジャイル開発における問題解決
●
アジャイル開発において、問題解決がどのように考
えられているかをみていきましょう。
●
アジャイル開発の定義とも言える「アジャイルマニ
フェスト」では、「計画に従うことにも価値があるけ
れど、変化への対応により価値を置く」としていま
す。
– 変化とは、想定と現実の差異であり、問題そのもの、ある
いは問題の原因となるものですね。
●
アジャイル開発で用いられるさまざまなプラクティス
(実践項目)が、問題解決のために役立ちます
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アジャイルプラクティスと問題解決
●
問題を認識する
– 朝会、スプリントレビュー、ふりかえりなどの機会
– タスクやストーリーの完成の定義による問題の定義の明確化
– タスクボードやバーンダウンチャート、自働化(テスト、インテグレーション、
デプロイ等)による問題発生の見える化
– スクラムマスターによるファシリテーションや問題の見える化による気づき
●
なにが問題かを理解する
– インセプションデッキやふりかえり、各種ミーティングを通じた価値観の共
有
●
問題の原因を把握する
– なぜなぜ5回や因果関係図などのツール
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アジャイルプラクティスと問題解決
●
解決策を検討する
– KPT等のふりかえり・改善のフレームワーク
●
解決策を実行する
– ふりかえりによる予実の管理
– 開発タスクと問題解決タスクを区別しないタスク管理
●
今日の勉強会ではこれらのプラクティスひとつひと
つについては説明できませんが、問題解決の観点
から理にかなったプラクティス群が用いられていま
す。
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タスクボードの例
https://ja.wikipedia.org/wiki/かんばん_(ソフトウェア開発)
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バーンダウンチャートの例
https://en.wikipedia.org/wiki/Burn_down_chart
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因果関係図の例
長いリリースサイクル
リリースの遅延
収益発生の遅れ 顧客を失う
スコープ全体の増加
現在のリリースサイク
ルに新機能が追加さ
れる
現在のリリース
サイクル中にビ
ジネスニーズが
変わってしまう
優先度の低い機能が削除されな
い
http://www.slideshare.net/yasushihagai/nagoya-agile-60causeeffectdiagram
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ここまでの理解を確認します
●
「表明じゃんけん」でここまでの理解度を教えてくだ
さい。
– 十分よくわかった:パー
– いまいちだが進んでよし:チョキ
– 全然理解できない:グー
●
せーの、で、グーチョキパーのいずれかを出してくだ
さい。
●
せーの!
●
なにか質問かコメントがありますか?
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対立解消ワークショップ
●
問題解決のツールのひとつに、「対立解消図」とい
うものがあります。
– 制約理論(TOC)の思考ツールのひとつ。書籍「ザ・ゴー
ル2」で紹介されました。
●
これは、意見の対立という形で問題が生じていると
き、その背景を明確にするとともに、対立を解消する
新たな考え方を導くツールです。
●
今日はこの「対立解消図」を実際に描いて、問題解
決を体験してみましょう。
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対立解消図を取り上げる理由
●
対立解消図を描く時、対立した意見の背景を考え
ます。背景を考えることは、どのような場合でもとて
も有意義なことです。
●
対立を解消するとき、どちらが正しいのか、正しい方
を選ぶことで解決する、ということをしがちですが、
それだけが解決の方法ではありません。両方の要
求が満たされるWin-Winの解決ができれば、それ
が好ましいです。
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対立解消図
要望① 行動①
共通目的
要望② 行動②
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対立解消図の描き方①
行動①
行動②
対立する行動(主張)を書き出します。
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対立解消図の描き方②
行動①
共通目的
行動②
対立するからには、実は共通する目的があるはず
です。それを明らかにします。
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対立解消図の描き方③
要望① 行動①
共通目的
要望② 行動②
それぞれの行動は、共通目的のために、どのような
要望を満たそうとしているのか、明らかにします。
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それぞれのつながりを確認しましょう
要望① 行動①
共通目的
要望② 行動②
論理的なつながりに不自然なところがないか、確認
しましょう。
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対立を解消する方法
●
回避:対立などないフリをする
●
強要・あきらめ:どちらかをあきらめる
●
どっちつかず:毎回ブレる
●
妥協:完全には要望を満たさないが、我慢する。一部要望を満
たさない行動を選択する
● Win-Win:両方の要望を満たす新たな行動を創造する
●
行動は要望のひとつのあらわれです。両方の要望を満たす行
動を考えることができれば、よりよい解決を導くことができます。
●
よりよい解決法を考えるには、ひとりで考えるよりも、関係者全
員の知識と想像力を動員するほうがよいですよね。
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対立解消図
要望① 行動①
共通目的
要望② 行動②
行動③
ふたつの要望を満たす新たな行動③=解決策を考
えます。
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例:アリとキリギリスの対立
働く
働かない
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例:アリとキリギリスの対立
働く
楽しく暮らす
働かない
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例:アリとキリギリスの対立
冬に備える 働く
楽しく暮らす
今日楽しく 働かない
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例:アリとキリギリスの対立
冬に備える 働く
楽しく暮らす
今日楽しく 働かない
本を書く!
一緒に自分たちの物語を書いてベストセラーにすれ
ばいい!
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対立解消のポイント
●
行動と要望は別のものです。行動が対立していて
も、要望はそうでないかもしれません。
●
ふたつの要望を満たす行動は本当にないでしょう
か?
– きっとあります。ひとつとは限りません。
●
思い込みが解決を阻んでいます。背景や理由を客
観的に考えてみましょう。
– 成功体験、ルール、信条、常識などが発想を固定化しま
す。
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対立解消図を描いてみよう
●
お題は、最初の自己紹介で考えていただいた「ご飯
が進む一品」です。
●
自分の書いた一品とは違うものを挙げた人と二人
一組になってください。
●
この対立を解消してみてください。
● A3用紙、ペン、付箋を自由に使ってください。
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まとめ
●
今日のプロジェクトは問題解決の連続です。
●
問題解決は、問題の認識、原因の把握、対策の立
案と実施、というステップに分解できます。
●
アジャイル開発には問題解決に立ち向かう覚悟と
仕組みが組み込まれています。
● 対立解消図を描くことで対立を解消し、Win-Winの
解決を導く方法を学び、試しました。
●
思い込みから離れることが解決のヒントです。過去
と常識に縛られず、客観的に考えましょう。
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感想の共有
●
対立解消図を描いてみて、どうでしたか?
●
どのようなシーンで有効でしょうか?逆に使いづら
いのは?
●
どうすればうまく使えそうですか?
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参考資料
● 考える力をつける3つの道具 – 岸良裕司/きしらまゆこ著 – 対立解消図
(クラウド)
● 世界一やさしい問題解決の授業 - 渡辺健介著 - 問題解決の考え方
● アジャイル開発宣言 - アジャイル開発の4つの価値
● アジャイルサムライ – Jonathan Rasmusson著 – アジャイル開発におけ
る問題解決の取り組み
● リーン開発の現場 – Henrik Kniberg著 – アジャイル開発における問題
解決の取り組み
● スクラムガイド - Ken Schwaber, Jeff Sutherland著 – スクラムにおける
問題解決の取り組み
● いらすとや - http://www.irasutoya.com/ - 資料内で用いたイラスト

第80回名古屋アジャイル勉強会「スッキリ!問題解決でプロジェクトを進めよう」