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第7回 ディスカッションペーパー
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watanabe ryouta
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官僚とは何か、政治家との関係はそのようであるかに関して学んだ。転じて、どうして今の日本では権力が集中しないのか考察した。
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5/7 JPD 第7回 渡辺涼太 明治維新の成果とその現代への遺産を論ぜよ 【要約】 幕末期、御箇条の御誓文が布告された。身分によらない人材登用や参加型政治を目指す方針であっ た。当時実務を担う徴士として身分を問わず秀才を募ったり、公議輿論を実現する貢士を藩の代表に担 わせた。これは十分に開かれた門戸とは言えなかった。実際は藩閥による縁故・情実採用の色が強 かった。後に貢進生を藩から集め、大学で洋学などの高度教育を施すようになる。まだ藩閥の色はあっ たが、そのおかげで学生の競争が激化した。業務を積んでいき行政の頂点となった維新官僚の中には 藩閥政治家となる者もいた。一方で大学で学んだ学士官僚は藩閥政治家を支えながらも、政党政治を 理想としていた。日清日露戦争が終わり大正時代になると、学士官僚の中には政党政治実現に向けて 政治家への道を志す者も出てきた。彼らは立憲を掲げ、横断型政党を立ち上げ少しずつ藩閥政治家・藩 閥官僚を駆逐していった。責任連帯の横断型は政治家と官僚の繋がりをより深めた。事務が最適化さ れたり政党間競争が激化することで官僚の創造性は失われ、政党政治に対する不信感も蓄積されて いった。官僚出身者の政権は超前内閣の二の舞となり失敗に終わる。戦後は再び政党と官僚が恊働し 現在の構造を支え続けた。 【論点】 明治維新の成果は現在の教育・登用制度、政党政治に鏤められている。教育制度・登用制度に関し て、維新官僚は行政の拡大に対処するため門戸開放を謀った。また官僚を資格任用とすることで正当 性を確保し、全国の青年の競争意欲を掻き立てた。仮に今に至まで官職における縁故採用が慣習化さ れていたら、人々の行政に対する不信感は募り、また行政の実務能力低下も免れないだろう。政治参 加の土台が出来た。だからこの開かれたエリートの道としての大学を目指す構図(小中高大の中での知 への憧憬を生み出した)を作ったことは評価すべきである。ただ現在の大学と当時の大学は違う。現 在は大学の名のつくものは多いが、果たして高度教育を習得した人材を輩出できているだろうか。民 間の大企業の採用基準を満たすための学歴を求めるだけの学生が多いのではないか。そのために大学 側も高度教育機関ではなく就職支援機関に成り下がっていないか。門戸を開いたはいいが、今は開き すぎて学生の多くが資本主義の餌食となっているのである。(高い学費に対しリターンは少ないが、大 学進学は一般化されてきている)こうした観点からは負の遺産とも取れる。 学士官僚は現在の政党政治の土台を築き上げてくれた。明治十四年の政変など政党政治の内容に関し て対立することはあったものの、時代が進み留学制度が整えられると官僚達は国の風土や歴史に合う 制度を模索し始めた。その甲斐あってか、現在は民主主義的な議院内閣制が取られている。本来首相の 強いリーダーシップが期待できる体制だが、今の日本は各省にセクショナリズムが蔓延し首相に権力が 集約されているとはいえない。これは強大権力を嫌う日本国民の気風の表れであるともとれる。同一制 度の中でも、首相が権力を発揮できたり、権力を分散させたりすることができる柔軟性をもった政治 の土台を築いたという点は評価すべきである。ただ政党がある以上党派性が生まれる。国民は普遍的 欲求が満たされた後は、より個別的な欲求を求めるだろう。そうした際、どうしても党派性によって国 民の受益に格差が生まれるのではないか。党の理念が中立であれば、より客観的な国民の利益追求を 行えるはずだ。このように明治維新の産物はよくも悪くもある。が当時の官僚に今の悲惨の責任を求 めるのは酷である。今の人間がすべきは、現在の風土歴史を鑑みて制度を適応させていくことにある。
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