研究目的
- 18. 調査対象 第5・6学年 複式学級 児童12名
Ⅰ iPadを使った授業は好きか?
Ⅱ iPadの使い方が分からない場合,
周りの友達に聞けたか?
Ⅲ iPadを使った授業を今後,ふやして
ほしいか?
- 43. Mac 2014年 Vol.6月号 ページ
高橋弘毅:「タブレット端末を用いた教育実践報告」,
日本教育工学会研究報告集,pp.47-52,2013
東京都多摩市愛和小学校公式ホームページ
文部科学省 第5章 初等中等教育における学習指
導でのICT活用
ベネッセ教育総合研究所:「ICTを活用した学びのあ
り方」に関する調査報告書
Editor's Notes
- これより発表をはじめさせていただきます。。発表題目は「教育現場でのICT活用と学習意欲について」です。西川との共同研究ですが今回は三浦が代表して発表させていただきます。なお予稿と多少異なる点がありますがご了承ください。それでははじめさせていただきます。よろしくお願いします。
- 発表の流れはご覧の通りに進めさせていただきます。
- 今,世界で教育のイノベーションが発生している。「情報革命」によってもたらされたコンピューターの大衆化とインターネットによるグローバル化は,実体経済やそれに伴う産業構造の変化をもたらした。情報革命とは情報技術の発展によって社会や生活が変革することであり情報技術とITとの関連からIT革命ともいわれます。1980年代以降、急速に発展したコンピューター情報通信技術は社会や生活の在り方に劇的な変化をもたらしている。21世紀に入り、公衆無線LAN、携帯電話の普及により常時インターネットに接触できる環境が整ってきている。人類の技術から考えると、最初に農業による農業革命が起こり、その後、工業による工業革命に続き、情報革命は3度目の革命ともいわれている。情報革命が起こった社会は工業社会から情報社会に移行するとされており2010年代に入った現在においても世界規模で進行中にあるという見方が一般的である。
- 文部科学省「教育の情報化ビジョン(2011)において21世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を行う為には教育の情報化を推進することが必要であると指摘されている。その一つの例としてiPadが挙げられる。。学校教育の枠内では黒板を使った既存のスタイルが一般的だが,時代に合わせて学びのスタイルをアップデートしていくことが求められるようになった。
- 近年の動向としてICTを学校の中で活用していくという動きが活発になっている。「フューチャースクール推進事業」「学びのイノベーション事業」はそのような動きのひとつだ。また東京都多摩市立愛和小学校のように1人1台のiPadを使った,共同学習形態の実践のような1人1台のタブレット端末を活用した学校での授業を実現するために様々な取り組みを積極的に続けている学校も多い。ここ数年で国などによる実証実験や自治体による一人一台のタブレット端末導入・活用事例は急速に増えている。
- しかし一方で「ICTを活用した学びの在り方の調査報告書(2013)によるとICTを活用することに不安を感じる教員は過半数で理由として「自分の準備に時間がかかる」「自分のICTスキルが不足している」「授業の計画を立てるのが難しい」などが挙げられている。
- このようにICTの発展に対し,教員のスキルが対応しきれない現状がある。授業と関連を意識することが重要になる
- 単に授業でICTを活用すれば,教育効果が期待できるものではなく,ICT活用の場面やタイミング,活用する上での創意工夫が教育効果に大きく関わっていると考えられる
- つまり,「ICTそのものが児童生徒の学力や意欲を向上させる」のではなくICT活用が授業に組み込まれることによって児童生徒の意欲向上につながるといえる。しかしICT活用が授業に組み込まれることによる児童の意欲の変容に焦点を当てた実践例は少ない。そこで本研究では子どもの学習意欲に焦点をあてた研究を行った。
- こちらのアプリを算数の授業で使用しました。対象学年は5/6年生で,単元の学習が終了した児童に使用させました。算数ドリルDXは小学生が6年間で学ぶ12単元を一つのアプリで学べる総合算数ドリルです内容は段階的に難しくなり,単元の計算は中学受験に対応できるレベルまでとなっています。
- スクリーンショットのない用です
- 好きが12名中9名で,12名中3名がまあまあ好きと回答。全員が肯定的な意見を述べた。
- できている10名
- ふやしてほしい6名 少しふやしてほしい5名
- 円グラフからiPadを使った授業が好きな児童が12名中9名おり,11名の児童がiPadを使った授業をふやしてほしいという回答を得ることができたので,iPadを使った授業にほとんどの児童が関心があるといえる。
- 計ド(計算ドリル)
- 自分の「レベル」や「ペース」で勉強を進められるといった発言や計算ドリルよりもやる気がでたという肯定的な回答を得ることができた。また調べ学習の時にiPadを活用してほしいという意見も出たので,iPadを他教科にわたって使用する可能性も大いにある。
- アンケートでiPadを使った授業は楽しいと答えた児童5人を抽出し,インタビュー項目は二つの項目に分けて実施しました。①iPadを使った授業は楽しいと思いますか?②その理由を教えてください
- コンピューター室で調べるよりも時間短縮になったり普通の授業より触るだけで動かせたりできるし調べるのにも楽しいというインタービュー内容が聞けたのでiPadを使う授業は魅力的だといえる。
- 本研究では、算数のアプリを使った実践例を挙げましたが、この他にも国語の調べ学習で調べる際にiPadを活用したり、
体育の鉄棒の際にiPad使用して動画を撮影して、その様子をグループで共有したりしました。その際に工夫した事は
iPadの使用法について事前に理解しておくのと同時になるべく、子どもに自由にiPadを使わせるということです。
- 先ほどのアンケートの調査結果にもあったように、円グラフから多くの児童がiPadを使った授業は好きと回答し、92パーセントの児童が
iPadを使った授業を今後ふやしてほしいと回答しました。
- 今後の授業では、国語、算数、体育だけでなく全ての教科においてiPadを取り入れた授業について検討していきたい。それと同時に
、教師が使い方を制限して一方的に教えるのではなく、子どもの自由な発想やアイデアを生かし、相互的にiPadを活用することが、
21世紀を生きる子どもにとって必要な能力を養うことにつながると感じる。黒板を使った既存のスタイルが一般的であり大切だが,時代に合わせて学びのスタイルをアップデートし、iPadを中心としたツールを使いこなすことがITリテラシーが求められるようになったといえるだろう。