SlideShare a Scribd company logo
1 of 44
○ 三浦卓馬 (上越教育大学大学院)
西川純 (上越教育大学大学院)
j265634f@myjuen.jp
1 問題の所在 Ⅰ~Ⅶ
2 研究目的
3 研究方法
4 結論
5 今後の課題
世界で教育のイノベーションが発生
「情報革命」によってもたらされた。
コンピューターの大衆化
インターネットによるグローバル化
※ Mac 2014年 Vol.6月号 ページ
21世紀を生きる子どもたちに
求められる力を育む教育を行う。
教育の情報化を推進することが必要
その一つの例としてiPadの活用
※文部科学省「教育の情報化ビジョン(2011)」
東京都多摩市立愛和小学校
1人1台のiPadを使った,共同学習形態の
実践
1人1台のタブレット端末を活用した
学校での授業の実現を目指す。
※東京都多摩市愛和小学校公式ホームページ
ICTを活用することに不安を感じる教員が
約過半数
・授業の準備に時間がかかる
・自分のICTスキルが不足
・計画を立てるのが難しい
※ベネッセ教育総合研究所:「ICTを活用した学びのあり方」に
関する調査報告書
ICTの発展に対し,教員のスキルが
対応しきれない。
授業と関連を意識することが大切である。
※文部科学省 第5章 初等中等教育における学習指導での
ICT活用
単に授業でICTを活用すれば,
教育効果が期待できるものではない。
ICT活用の場面やタイミング,
創意工夫が教育効果に大きく関わる。
※文部科学省 第5章 初等中等教育における学習指導での
ICT活用
「ICTそのものが児童生徒の学力や意欲
を向上させる」のではなく,
「ICT活用が授業に組み込まれることに
よって児童生徒の意欲向上につなが
る。」
※文部科学省 第5章 初等中等教育における学習指導での
ICT活用
ICTを使用した授業の中で
児童の学習意欲の変容を
明らかにする。
研究室として学習支援に入っている
小学校でのICTの活用した授業を行う。
調査日程 2014年 12月中旬
調査対象 N県U小学校 28人
iPadを活用した授業(算数・国語・体育)
行った後に児童生徒にインタビューを
ボイスレコーダで記録してプロトコルを
基にアンケートを集計して分析した。
活用した算数アプリ例
単元終了後、課題を終わった
児童が計算ドリルのかわりに
自由にアプリを使用する
分析①
アンケートからiPadを授業で使うことについての児童の
関心の実態を明らかにする。
分析②
アンケートの自由記述から児童が考えるiPadを使った
授業の良さを明らかにする。
分析③
インタビューから児童が考えるiPadを使った授業の魅力
について明らかにする。
アンケートからiPadを授業で使
うことについての児童の関心の
実態を明らかにする。
調査対象 第5・6学年 複式学級 児童12名
Ⅰ iPadを使った授業は好きか?
Ⅱ iPadの使い方が分からない場合,
周りの友達に聞けたか?
Ⅲ iPadを使った授業を今後,ふやして
ほしいか?
75%
25%
好き まあまあ好き あまり好きではない 嫌い
9人
3人
N=12
82%
9%
9%
できている まあまあできている
あまりできていない できていない
N=12
10人
1人
1人
50%
42%
8%
ふやしてほしい 少しふやしてほしい
あまりふやしてほしくない ふやしてほしくない
N=12
6人
5人
1人
iPadを使った授業にほとんどの
児童が関心があるといえる。
アンケートの自由記述から
児童が考えるiPadを使った
授業の良さを明らかにする。
①iPadを使った授業の良いところを書い
てください。
②どのように今後,iPadをつかっていき
たいか。
①iPadを使った授業の良いところを書いてください。
自分の「レベル」や「ペース」で勉強を進め
られる。ゲーム形式なので集中できるし楽
しくできる。友達と教えあうことがたくさん
ある。効果音などが出るからやる気が出
る。
①iPadを使った授業の良いところを書いてください。
算数のじゅぎょうでつかったときはかんた
んにふくしゅうができるし計ドよりもiPadの
ほうがやる気がでて良かった。国語でつ
かったときもコンピューターしつにいかなく
てもしらべられてよかったです。
①iPadを使った授業の良いところを書いてください。
授業で分からないところもiPadをつかって
分かりやすいところを教えてくれる。資料
がないときにさがしてくれる。
①iPadを使った授業の良いところを書いてください。
調べ学習の時にいちいちPC室に行かなく
てもいい(時間たんしゅく)だれでもできる
からいろんなことができる。
②どのように今後,iPadをつかっていきたいか。
勉強や調べ学習の時などにつかったり
全ての授業に取り入れてほしいと思いま
す。
②どのように今後,iPadをつかっていきたいか。
算数のじゅぎょうの時や,国語のじゅぎょ
うの時。しらべ学習と時やふくしゅうのと
き。
②どのように今後,iPadをつかっていきたいか。
体育時間に運動の動画をつかって勉強
する。
②どのように今後,iPadをつかっていきたいか。
これからも調べ学習の時につかっていき
たい。算数の勉強など計算練習の時もつ
かいたい。
児童が考えるiPadを使った授業の良さと
は,以下のようなことである。
・自分の「レベル」や「ペース」で勉強を進
められる。
・既存の教材よりも意欲が喚起される。
インタビューから児童が考える
iPadを使った授業の魅力につ
いて明らかにする。
調査対象 第5・6学年 複式学級 5名
iPadを使った授業は楽しいと思う理
由を教えて下さい。
iPadを使った授業は楽しいと思う理由を教えて下さい。
児童A(5年生)
「iPadはあんまり小学生の子どもには大人の人は
もたせないし,それでああいうでっかいタブレット
みたいなやつは,はじめて使うから楽しいし,ネッ
トとかで調べる時も前はコンピューター室で,調べ
るのに時間がかかったけど,iPadだと時間がかか
らずに教室でできるから時間短縮にもなる。」
iPadを使った授業は楽しいと思う理由を教えて下さい。
児童B(6年生)
「普通の授業よりずっと触るだけで動かせたりで
きるし調べるのにも楽しいから楽しいと思いま
す。」
iPadを使った授業は楽しいと思う理由を教えて下さい。
児童C(5年生)
「勉強の為になる。分からないところも面積の
求め方も分かるし勉強になると思います。」
児童が考えるiPadを使った授業の魅力と
は,自分が興味ある情報を調べるときに
簡単な操作ですぐに情報を得ることができ
ることである。
ICTを授業に組み込んで使用す
ることで児童の意欲が向上する
ことがインタビューやアンケート
によって明らかになった。
約過半数の児童がiPadを使うことに
肯定的な意見を述べ,iPadを今後の
授業に取り入れてほしいことが明ら
かになった。
多教科に渡って有効なICT活用を
検討すると同時に,子どもの自由
な発想や自由な使い方を活かした
iPadの使用法を今後明らかにして
いく。
Mac 2014年 Vol.6月号 ページ
高橋弘毅:「タブレット端末を用いた教育実践報告」,
日本教育工学会研究報告集,pp.47-52,2013
東京都多摩市愛和小学校公式ホームページ
文部科学省 第5章 初等中等教育における学習指
導でのICT活用
ベネッセ教育総合研究所:「ICTを活用した学びのあ
り方」に関する調査報告書
ご清聴ありがとうございました。

More Related Content

Similar to 研究目的

産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料
産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料
産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料Kenichi Nagai
 
教育の情報化に対応した教員養成の取り組み
教育の情報化に対応した教員養成の取り組み教育の情報化に対応した教員養成の取り組み
教育の情報化に対応した教員養成の取り組みNaoki Kato
 
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価 ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価 abemanabu
 
日本における教育と情報の施策 変遷とこれから
日本における教育と情報の施策 変遷とこれから日本における教育と情報の施策 変遷とこれから
日本における教育と情報の施策 変遷とこれからKotatsu RIN
 
20120428_Gakutoken_Tokyo
20120428_Gakutoken_Tokyo20120428_Gakutoken_Tokyo
20120428_Gakutoken_TokyoFukuji Imai
 
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdf
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdfAIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdf
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdfTomokoYoshida4
 
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習Kotatsu RIN
 
日本におけるオープンエデュケーションの現状
日本におけるオープンエデュケーションの現状日本におけるオープンエデュケーションの現状
日本におけるオープンエデュケーションの現状Katsusuke Shigeta
 
教師のためのコンピュータセキュリティ
教師のためのコンピュータセキュリティ教師のためのコンピュータセキュリティ
教師のためのコンピュータセキュリティNaoki Kato
 
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~Fukuji Imai
 
下水道の取り組み
下水道の取り組み下水道の取り組み
下水道の取り組みMichio Inaba
 
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?Katsusuke Shigeta
 
「オンライン授業」は高等教育を変えるか
「オンライン授業」は高等教育を変えるか「オンライン授業」は高等教育を変えるか
「オンライン授業」は高等教育を変えるかKatsusuke Shigeta
 
20170624情報メディア学会
20170624情報メディア学会20170624情報メディア学会
20170624情報メディア学会良和 日向
 
デジタル教科書を中心とした 学校ICT環境への期待
デジタル教科書を中心とした学校ICT環境への期待デジタル教科書を中心とした学校ICT環境への期待
デジタル教科書を中心とした 学校ICT環境への期待Naoki Kato
 
20120629 FS足代小学校 記念講演スライド
20120629 FS足代小学校 記念講演スライド20120629 FS足代小学校 記念講演スライド
20120629 FS足代小学校 記念講演スライドKotatsu RIN
 
Lecture on Social Media for Teachers
Lecture on Social Media for TeachersLecture on Social Media for Teachers
Lecture on Social Media for TeachersShinya ICHINOHE
 

Similar to 研究目的 (20)

産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料
産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料
産学官共同プロジェクト 次世代型学びプロジェクト「ひの@平山小」 説明会資料
 
教育の情報化に対応した教員養成の取り組み
教育の情報化に対応した教員養成の取り組み教育の情報化に対応した教員養成の取り組み
教育の情報化に対応した教員養成の取り組み
 
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価 ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価
ゲーム機でのネット接続を題材とした情報モラル授業の開発と評価
 
日本における教育と情報の施策 変遷とこれから
日本における教育と情報の施策 変遷とこれから日本における教育と情報の施策 変遷とこれから
日本における教育と情報の施策 変遷とこれから
 
1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組
1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組
1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組
 
20120428_Gakutoken_Tokyo
20120428_Gakutoken_Tokyo20120428_Gakutoken_Tokyo
20120428_Gakutoken_Tokyo
 
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdf
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdfAIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdf
AIの理解を促進する教材導入に挑戦中(スライド抜粋).pdf
 
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習
日本の状況から見る10年後のICT活用教育と学習
 
日本におけるオープンエデュケーションの現状
日本におけるオープンエデュケーションの現状日本におけるオープンエデュケーションの現状
日本におけるオープンエデュケーションの現状
 
教師のためのコンピュータセキュリティ
教師のためのコンピュータセキュリティ教師のためのコンピュータセキュリティ
教師のためのコンピュータセキュリティ
 
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~
「情報活用能力」とつながるために: 『現在を語る』~GIGAスクールと学校 図書館~
 
下水道の取り組み
下水道の取り組み下水道の取り組み
下水道の取り組み
 
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?
いかに「MOOCブーム」の価値を高めるか?
 
「オンライン授業」は高等教育を変えるか
「オンライン授業」は高等教育を変えるか「オンライン授業」は高等教育を変えるか
「オンライン授業」は高等教育を変えるか
 
20170624情報メディア学会
20170624情報メディア学会20170624情報メディア学会
20170624情報メディア学会
 
デジタル教科書を中心とした 学校ICT環境への期待
デジタル教科書を中心とした学校ICT環境への期待デジタル教科書を中心とした学校ICT環境への期待
デジタル教科書を中心とした 学校ICT環境への期待
 
iPad校内研修
iPad校内研修iPad校内研修
iPad校内研修
 
iPad 校内研修
iPad 校内研修iPad 校内研修
iPad 校内研修
 
20120629 FS足代小学校 記念講演スライド
20120629 FS足代小学校 記念講演スライド20120629 FS足代小学校 記念講演スライド
20120629 FS足代小学校 記念講演スライド
 
Lecture on Social Media for Teachers
Lecture on Social Media for TeachersLecture on Social Media for Teachers
Lecture on Social Media for Teachers
 

More from 卓馬 三浦 (13)

Scikit learn
Scikit learnScikit learn
Scikit learn
 
React native
React nativeReact native
React native
 
Scikit
ScikitScikit
Scikit
 
5 1
5 15 1
5 1
 
Pre react native0504
Pre react native0504Pre react native0504
Pre react native0504
 
Pytorch
PytorchPytorch
Pytorch
 
Nuxt
NuxtNuxt
Nuxt
 
Vuenative
VuenativeVuenative
Vuenative
 
Vue
VueVue
Vue
 
React
ReactReact
React
 
GGA、10月12日開催@G's
GGA、10月12日開催@G'sGGA、10月12日開催@G's
GGA、10月12日開催@G's
 
Shibuya a企画(最新)
Shibuya a企画(最新)Shibuya a企画(最新)
Shibuya a企画(最新)
 
Gga? (3)
Gga? (3)Gga? (3)
Gga? (3)
 

研究目的

Editor's Notes

  1. これより発表をはじめさせていただきます。。発表題目は「教育現場でのICT活用と学習意欲について」です。西川との共同研究ですが今回は三浦が代表して発表させていただきます。なお予稿と多少異なる点がありますがご了承ください。それでははじめさせていただきます。よろしくお願いします。
  2. 発表の流れはご覧の通りに進めさせていただきます。
  3. 今,世界で教育のイノベーションが発生している。「情報革命」によってもたらされたコンピューターの大衆化とインターネットによるグローバル化は,実体経済やそれに伴う産業構造の変化をもたらした。情報革命とは情報技術の発展によって社会や生活が変革することであり情報技術とITとの関連からIT革命ともいわれます。1980年代以降、急速に発展したコンピューター情報通信技術は社会や生活の在り方に劇的な変化をもたらしている。21世紀に入り、公衆無線LAN、携帯電話の普及により常時インターネットに接触できる環境が整ってきている。人類の技術から考えると、最初に農業による農業革命が起こり、その後、工業による工業革命に続き、情報革命は3度目の革命ともいわれている。情報革命が起こった社会は工業社会から情報社会に移行するとされており2010年代に入った現在においても世界規模で進行中にあるという見方が一般的である。
  4. 文部科学省「教育の情報化ビジョン(2011)において21世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を行う為には教育の情報化を推進することが必要であると指摘されている。その一つの例としてiPadが挙げられる。。学校教育の枠内では黒板を使った既存のスタイルが一般的だが,時代に合わせて学びのスタイルをアップデートしていくことが求められるようになった。
  5. 近年の動向としてICTを学校の中で活用していくという動きが活発になっている。「フューチャースクール推進事業」「学びのイノベーション事業」はそのような動きのひとつだ。また東京都多摩市立愛和小学校のように1人1台のiPadを使った,共同学習形態の実践のような1人1台のタブレット端末を活用した学校での授業を実現するために様々な取り組みを積極的に続けている学校も多い。ここ数年で国などによる実証実験や自治体による一人一台のタブレット端末導入・活用事例は急速に増えている。
  6. しかし一方で「ICTを活用した学びの在り方の調査報告書(2013)によるとICTを活用することに不安を感じる教員は過半数で理由として「自分の準備に時間がかかる」「自分のICTスキルが不足している」「授業の計画を立てるのが難しい」などが挙げられている。
  7. このようにICTの発展に対し,教員のスキルが対応しきれない現状がある。授業と関連を意識することが重要になる
  8. 単に授業でICTを活用すれば,教育効果が期待できるものではなく,ICT活用の場面やタイミング,活用する上での創意工夫が教育効果に大きく関わっていると考えられる
  9. つまり,「ICTそのものが児童生徒の学力や意欲を向上させる」のではなくICT活用が授業に組み込まれることによって児童生徒の意欲向上につながるといえる。しかしICT活用が授業に組み込まれることによる児童の意欲の変容に焦点を当てた実践例は少ない。そこで本研究では子どもの学習意欲に焦点をあてた研究を行った。
  10. こちらのアプリを算数の授業で使用しました。対象学年は5/6年生で,単元の学習が終了した児童に使用させました。算数ドリルDXは小学生が6年間で学ぶ12単元を一つのアプリで学べる総合算数ドリルです内容は段階的に難しくなり,単元の計算は中学受験に対応できるレベルまでとなっています。
  11. スクリーンショットのない用です
  12. 好きが12名中9名で,12名中3名がまあまあ好きと回答。全員が肯定的な意見を述べた。
  13. できている10名
  14. ふやしてほしい6名 少しふやしてほしい5名
  15. 円グラフからiPadを使った授業が好きな児童が12名中9名おり,11名の児童がiPadを使った授業をふやしてほしいという回答を得ることができたので,iPadを使った授業にほとんどの児童が関心があるといえる。
  16. 計ド(計算ドリル)
  17. 自分の「レベル」や「ペース」で勉強を進められるといった発言や計算ドリルよりもやる気がでたという肯定的な回答を得ることができた。また調べ学習の時にiPadを活用してほしいという意見も出たので,iPadを他教科にわたって使用する可能性も大いにある。
  18. アンケートでiPadを使った授業は楽しいと答えた児童5人を抽出し,インタビュー項目は二つの項目に分けて実施しました。①iPadを使った授業は楽しいと思いますか?②その理由を教えてください
  19. コンピューター室で調べるよりも時間短縮になったり普通の授業より触るだけで動かせたりできるし調べるのにも楽しいというインタービュー内容が聞けたのでiPadを使う授業は魅力的だといえる。
  20. 本研究では、算数のアプリを使った実践例を挙げましたが、この他にも国語の調べ学習で調べる際にiPadを活用したり、 体育の鉄棒の際にiPad使用して動画を撮影して、その様子をグループで共有したりしました。その際に工夫した事は iPadの使用法について事前に理解しておくのと同時になるべく、子どもに自由にiPadを使わせるということです。
  21. 先ほどのアンケートの調査結果にもあったように、円グラフから多くの児童がiPadを使った授業は好きと回答し、92パーセントの児童が iPadを使った授業を今後ふやしてほしいと回答しました。
  22. 今後の授業では、国語、算数、体育だけでなく全ての教科においてiPadを取り入れた授業について検討していきたい。それと同時に 、教師が使い方を制限して一方的に教えるのではなく、子どもの自由な発想やアイデアを生かし、相互的にiPadを活用することが、 21世紀を生きる子どもにとって必要な能力を養うことにつながると感じる。黒板を使った既存のスタイルが一般的であり大切だが,時代に合わせて学びのスタイルをアップデートし、iPadを中心としたツールを使いこなすことがITリテラシーが求められるようになったといえるだろう。