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1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組
情報処理学会 情報システム教育委員会主催の第13回情報システム教育コンテスト(http://miyagawa.si.aoyama.ac.jp/wiki/isecon_2020) 奨励賞の発表スライド
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1人1台情報端末時代に向けた小学校英語教材オンライン化の取組
1.
1人1台情報端末時代に向けた 小学校英語教材オンライン化の取組 青山学院初等部 井村裕 合田紀子、John A.C.G Boettcher、Sam
David Felix
2.
本取組の背景 政府は2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針として、学習者用コンピュータを 3クラスに1クラス分程度の整備を求めている。 →この理由として1日1コマ程度の活用ができる環境 ICTを活用した学習場面として、各教科等の指導でICTを活用することは、子供たちの 学習への興味・関心を高め、分かりやすい授業や「主体的・対話的で深い学び」の実現や、 個に応じた指導の充実に資するものとしている。 本取組では、今後起こりうる、学習者コンピュータ1人1台かつ持ち帰り環境を想定し、 子供たちの学習への興味・関心を高め、分かりやすい授業の実現や、個に応じた指導の 充実を目指し、英語教育での活用とその効果を検討した。
3.
教育の対象者および目標 初等・中等・高等教育に属する児童・生徒・学生 本実践では 東京都内私立小学校 第4学年児童 (男子62名 女子63名
計125名) 教育の対象者 学校・家庭で同じ教材を使い、 繰り返し学習することによる理解度の向上 教育の目標 本実践の検証期間 2019年4月17日~5月31日(計45日)
4.
教材のデジタル化 独自の英語教材をスキャナーで取り込み、リスニング用音声を 加えてPowerPointのスライドにした。
5.
教材のオンライン化 MicrosoftのサービスSharePointを用いて、オンラインの スライドショー形式で表示できるようにした。 オンラインスライドショー 状態の画面 SharePointでのファイル一覧ビュー
6.
児童のアクセス状況 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0417 0418 0419 0420 0421 0422 0423 0424 0425 0426 0427 0428 0429 0430 0501 0502 0503 0504 0505 0506 0507 0508 0509 0510 0511 0512 0513 0514 0515 0516 0517 0518 0519 0520 0521 0522 0523 0524 0525 0526 0527 0528 0529 0530 0531 アクセス数
7.
児童のアクセス状況 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0417 0418 0419 0420 0421 0422 0423 0424 0425 0426 0427 0428 0429 0430 0501 0502 0503 0504 0505 0506 0507 0508 0509 0510 0511 0512 0513 0514 0515 0516 0517 0518 0519 0520 0521 0522 0523 0524 0525 0526 0527 0528 0529 0530 0531 アクセス数 継続的にアクセスしている様子が読み取れる。 テスト前などは特に集中してアクセスする傾向があり、家庭での学習で活用している様子がうかがえる。 全クラスにおいて 授業中に初めて アクセスした日 確認テスト実施 の前の週
8.
児童のアクセス状況 アクセスログ上では家庭からアクセスした児童数は105名いた。 教材コンテンツを場所・デバイス問わず使えるようにしたため、「スマホ・タブレット」からの アクセスが半数を超えた。 21% 17% 5% 57% アクセスに使った機器 学校Tablet 自宅Windows 自宅Mac
スマホ・タブレット
9.
児童のアンケート結果 アンケート上では家庭からアクセスした答えた児童数は90名いた。 一週間に1~2回が最も多く、5~6回と頻繁に使っている児童も21%いた。 38 31% 27 22% 25 21% 32 26% 一週間に平均して何回くらいオンラインの教材を 使い英語の学習をしましたか 1~2回 3~4回 5~6回
一回も使ったことがありません
10.
児童のアンケート結果 「平均して週に1回以上アクセスした」と答えた児童に対して質問を行った。 8割越えの児童が「オンラインの教材を使うことで、授業で力を発揮することができた」と回答した。 73 81% 17 19% オンラインの教材を使うことによって、英語の授業で、 力を発揮することができましたか よくできました。 まったくできませんでした。
11.
児童のアンケート結果 使用頻度と力が発揮できたかの関係性をみると、使用頻度が高くなると「力を発揮できなかった」と いう回答が減った。 →繰り返し行うことで、英語の理解度が向上し、授業で力を発揮できる。
12.
児童のアンケート結果 歌やビデオなどの教材をオンライン上に入れて欲しいという児童が80名を越えた。 0 10 20
30 40 50 60 70 80 90 フラッシュカード(絵や言葉など) 歌、ビデオ プリント(言葉、会話練習など) その他 英語の授業に向けて、オンライン上に どのような教材を入れてほしいですか
13.
保護者のアンケート結果 特定の1クラスの保護者にアンケートを実施(有効回答数25) ・「便利・効果的と感じた」と回答した保護者は20名(80%) ・「今後も続けて欲しい」と回答した保護者は19名(76%) →保護者の評価は高かった 0% 10% 20%
30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 便利・効果的と感じましたか 今後も続けて欲しいですか 20 19 5 6 はい いいえ
14.
児童の確認テスト 図のような確認テストを実施した。 実践前に実施した 確認テスト 実践中に実施した 確認テスト
15.
児童の確認テストの結果 実践中に実施した確認テストは、満点(10点)だった児童が91.87%(113名)になった。 実践中に実施した確認テストで、8点以上の児童は97.56%(120名)だった。 0% 10% 20%
30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 実践前 実践中 76 113 7 4 11 3 7 2 6 1 10 0 2 0 3 0 1 0 0 0 1 0 確認テストの結果 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 得点
16.
児童の確認テストの結果 実践前の確認テストが8点未満の児童29名に対して、実践中の確認テストの結果とオンライン教材 へのアクセス数の関係は以下の通りになった。 8点以上になった児童は、全体的にオンライン教材にアクセスしている傾向がある。 逆に8点以上にならなかった児童は、オンライン教材にアクセスしていない傾向がある。 アクセス数 8点以上になった 8点以上にならなかった 0回
3人 2人 1~10回 10人 0人 11~20回 7人 0人 21~30回 3人 1人 31~40回 2人 0人 41~50回 1人 0人
17.
児童の確認テストの結果 実践前の確認テストが8点未満の児童29名に対して、実践中の確認テストの結果との得点差と オンライン教材へのアクセス数の関係は以下の通りになった。 オンライン教材にアクセスすることで点数が向上している傾向がある。 アクセス数 2点向上 3点向上
4点向上 5点向上 6点向上 7点向上 0回 1人 3人 0人 0人 0人 1人 1~10回 0人 3人 2人 4人 1人 0人 11~20回 1人 2人 1人 3人 0人 0人 21~30回 0人 1人 1人 1人 0人 1人 31~40回 0人 1人 1人 0人 0人 0人 41~50回 1人 0人 0人 0人 0人 0人
18.
本取組のまとめ 本取組の 総括 アクセスログを分析したところ教材をオンライン化したことで、繰り返し 学習する様子をうかがうことができた。 繰り返し学習を行ったことで、確認テストの結果も向上し、理解度の向上に 本取組が一定の貢献をしていることが分かった。 アンケート結果から、児童・保護者共に本取組への評価が高いことが分かった。 今後の取組 他学年での実施。 複数年にわたる実施。 →本取組の教育効果を範囲を広げて検証していく。
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