【ｹｰｽｽﾀﾃﾞｨ】ﾋﾞｼﾞﾈｽﾓﾃﾞﾙ変革事例

0
Copyright © 2017 e-solutions All Rights Reserved.
STRICTLY CONFIDENTIAL
ｲｰｿﾘｭｰｼｮﾝｽﾞ株式会社
【ケーススタディ】ビジネスモデル変革事例（富士フイルム）

1
米ｺﾀﾞｯｸの倒産
当時富士ﾌｲﾙﾑとｶﾗｰﾌｨﾙﾑで競合していた米Kodakは、急激な市場変化に対応できず2012年に
倒産した。
1993 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
2012年破産
（出典）富士ﾌｲﾙﾑとKodakの決算書より、ｲｰｿﾘｭｰｼｮﾝｽﾞにて作成
（兆円）
売
上
高

2
受け皿となったﾍﾙｽｹｱ事業（1次仮設）
本ｹｰｽでは、変革前に写真関連の事業ではなく、且つ売上構成比を押し上げた医療・化粧品な
どのﾍﾙｽｹｱ事業に着目して考察する。※複合機は企業買収のため除外
19%
7%
28%
12%
12%
2%
20%
ﾃﾞｼﾞﾀﾙｶﾒﾗ
ﾌﾟﾘﾝﾄなど
写真関連
商業印刷
ﾍﾙｽｹｱ事業
内視鏡など
医療機器
その他ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｰ材料写真ﾌｨﾙﾑ
1%
5%
9%
11%
16%
5%
2%
4%
47%
写真ﾌｨﾙﾑﾃﾞｼﾞﾀﾙｶﾒﾗ
ﾌﾟﾘﾝﾄなど
写真関連
商業印刷
ﾍﾙｽｹｱ事業
医療機器
医療品・化粧品
その他
ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｰ材料
記録ﾒﾃﾞｨｱ
複合機
変革前売上構成比（2000年）変革後売上構成比（2014年）
写真関連：54%
写真関連：15%
（出典）富士ﾌｲﾙﾑのHP(2016.5)より、ｲｰｿﾘｭｰｼｮﾝｽﾞにて作成
1兆4千億円 2兆4千億円

3
要素技術の棚卸し（1次仮説）
富士ﾌｲﾙﾑの主たる要素技術は、写真ﾌｨﾙﾑ技術に要していた、製膜、分散、ﾊﾞｲｵ技術などが挙
げられる。
• 材料を塗布したﾌｨﾙﾑの作成
 溶かした材料を薄く均一に塗布
 引き伸ばして歪みのないﾌｨﾙﾑを作成
要素技術の棚卸し
写真ﾌｨﾙﾑ技術主な要素技術
（出典）富士ﾌｲﾙﾑのHP（2016.4）より、ｲｰｿﾘｭｰｼｮﾝｽﾞにて
作成
・・・
• 物質をﾅﾉﾚﾍﾞﾙへ分解
 物質を分解するとともに、乳
化技術によって安定化
• 人工ﾀﾝﾊﾟｸ質の精製
 ｺﾗｰｹﾞﾝの遺伝子組換え技術
製
膜
分
散
バ
イ
オ

4
機能化粧品によるﾍﾙｽｹｱ市場の選定
有効成分同士が結合し大きくなることが角質層に浸透しない主な原因と考え、ﾅﾉﾃｸﾉﾛｼﾞｰと乳化
ｺｰﾃｨﾝｸﾞ技術による有効成分の極小化よって解決し得ると想定した。
原因結果
• 有効成分の粒子が結合
して大きくなり、角質
層まで浸透できない
物質を細かくするﾅﾉﾃｸﾉﾛｼﾞｰ
と乳化ｺｰﾃｨﾝｸﾞ技術により
有効成分を極小化
• 性能を保ったまま小さく
し、角質層の奥まで浸透
技術を活かした商品開発
有効成分

5
苗床素材によるﾍﾙｽｹｱ市場の選定（1/2）
従来のﾊﾞｲｵ薬品は、投与後に感染症やｱﾚﾙｷﾞｰの発症があるなど課題があった。
再生医療でのﾊﾞｲｵ薬品
「感染症」や「ｱﾚﾙ
ｷﾞｰ」の
発症ﾘｽｸ有り
投与

6
苗床素材によるﾍﾙｽｹｱ市場の選定（2/2）
苗床が牛や豚から精製させる動物由来のｺﾗｰｹﾞﾝであることに注目し、自社保有の人工ﾀﾝﾊﾟｸ質
の精製技術を活用することによって、非動物由来のｺﾗｰｹﾞﾝを精製できると想定した。
原因結果
• 苗床に使用するｺﾗｰｹﾞﾝは
牛や豚から精製
人工ﾀﾝﾊﾟｸ質の精製技術に
よって非動物由来のｺﾗｰｹﾞﾝ
の精製が可能
• 高い安全性と加工性、
安定した品質を実現
技術を活かした商品開発

7
製薬会社の買収（1次仮設）
ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ治療薬を有する富山化学を買収することによって、「診断」から「治療」までｻｰﾋﾞｽ領域
の拡大を図った。
ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ治療薬（ｱﾋﾞｶﾞﾝ）
従
来
の
買
収
後
診断治療
ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞｳｨﾙｽ検査ｷｯﾄ
富士ﾄﾞﾗｲｹﾑIMMUNO AG1
ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞｳｨﾙｽ検査ｷｯﾄ
ｻｰﾋﾞｽ領域の拡大
富士ﾄﾞﾗｲｹﾑIMMUNO AG1
（2008年に1169億円で買
収）
（参考情報）
当初、ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞ薬とし
て期待されたが、胎児
に対する催奇形性
が指摘。現在、緊急
の場合のみ製造可
能。

8
人工知能技術の活用（1次仮説）
同社が持つX線画像の診断技術と人工知能技術を組合せることによって、画像における黒斑の
大きさや濃さなどの変化から、癌の可能性を自動検知するｼｽﾃﾑを開発した。
癌自動検知
従
来
の
フ
ロ
ー
人
工
知
能
活
用
フ
ロ
ー
医者の診断
黒斑の大きさや濃さの変化から、
癌の可能性を自動検知
人工知能技術の活用（2014年4月～）
X線撮影過去ﾃﾞｰﾀとの照合
Database
手動照合
診断
自動照合抽出
Database
医者の診断
過去ﾃﾞｰﾀ
過去ﾃﾞｰﾀ

9
製薬会社の買収（1次仮説）
2014年に再生医療の製造・販売を行うJ・TECを、2015年にips細胞の製造・販売を行うCDIを買収
し、再生医療業界への進出を加速させた。
HDGS
MSDﾊﾞｲｵﾛｼﾞｸｽ
ﾀﾞｲｵｼﾝｽ
買収（20１１年）
• ﾊﾞｲｵ医薬品の開
発・製造
買収（20１１年）
• ﾊﾞｲｵ医薬品の開発・
製造
ｼﾞｬﾊﾟﾝ・ﾃｨｯｼｭ・ｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ
ｾﾙﾗｰ・ﾀﾞｲﾅﾐｸｽ・ｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ
（CDI）
買収（2014年）
• iPS細胞の製造・販
売
• iPSを使った創薬
買収（2015年）
• 再生医療品の製造・
販売
再
生
医
療
領
域
（
参
考
）
そ
の
他
領
域

【ｹｰｽｽﾀﾃﾞｨ】ﾋﾞｼﾞﾈｽﾓﾃﾞﾙ変革事例

Recommended

Recommended

More Related Content

More from e-solutions

More from e-solutions (20)

Recently uploaded

Recently uploaded (11)

【ｹｰｽｽﾀﾃﾞｨ】ﾋﾞｼﾞﾈｽﾓﾃﾞﾙ変革事例