東京理科大学の「こうよう会」にて行った講演のスライドです(一部改変あり)。本スライドは、私自身が大学院博士課程へと進学する際、両親に賛同を得てもらうために、その説得に用いた資料をベースに作りました。データ等は最新のものになっていますが、概ね、当時のままです。もし、両親に進学を反対されていて、どうしても説得したいと考えている学生がおりましたら、本資料を参考に、ご自身の所属大学のデータを用いて説得してみてはいかがでしょうか?
Twitter→ @ONODA_in_Onodac
Website→http://www.atsuto-onoda.com/
補足説明:各方面からの疑問に対して補足いたします。
1.修士2年生は親への説得は必要か?
親子関係は人それぞれですが、私の場合は親に納得してもらい、後顧の憂いなく博士課程で研究に没頭したかったので、説明しました。またプレゼンスライドはあくまでも「今回の講演用」であり、説得時にはプレゼンをしたわけではなく、あくまでも資料(就職率や奨学金等)を用意しただけです。
2.牛丼は何?
「辛そうにしているときはとりあえず、美味しいご飯を食べさせてあげてください。私は1杯300円の牛丼に救われました。」という趣旨の内容をお話しするために用意いたしました。
3.熱意はいらんの?
親に説明したときは、もちろん、自分の行っている研究内容について触れ、自分の目指している夢についても語りました。しかし、今回の講演では、それは不要(時間的に足りない)と判断して泣く泣くカットいたしました。
4.就職率100%にバイトなどのワーキングプアは含まれていないのか?
大学が公開している公的な資料によると、就職率と就職先の名前は書いてありますが、そこでの待遇等は記載されておりません(プライバシー的な問題が大きいのでしょう)。私も、就職後の情報を記載することが重要だと思ってはいるのですが、残念ながらそこまで追いかけることができませんでした。申し訳ございません。ただ、正規雇用と判断される企業への就職率は7割を超えている(残り3割は教員、公務員、未定等)ため、少なく見積もっても7割はワーキングプアではないのではないかと想定しております。
5.理系限定じゃね? 文系は?
すみません。うちの大学理系総合大学故……誰か文系版作って。
6.そんなに学振DCなどの金銭的援助を得られる奴ばっかじゃないだろ
これは、最低(援助なし)と最高(様々な援助有)を示すことで、この範疇に入りますという趣旨のスライドです。限りなく不可能に近いかとは思いますが、理論上の最高値を示すことで、「世の中には博士の支援制度がたくさんあるんですよ」、ということを説明しています。なので、必ずしも全員が通るわけではない、特に育志賞(賞金110万円)は年間20人弱、学振DCは全博士の1割程度しか通らないと、口頭で述べています。ただ、「それ以外の財団や大学、国外の政府が行っている奨学金制度、それに加えて理研や産総研が行っているRA制度などを活用することで、生活費を賄うことができます。実際に私の同級生は全員何かしらの形で生活費を自分で準備していました。」と述べました。
更に同時に、理論上最高値であったとしても、程修士卒の理系会社員には400万円程低いということも説明いたしました。
7.デメリットに触れないのはフェアじゃない
私にとって博士課程の最大のデメリットは、「その期間会社員になって得られたはずの経験が得られない」というものです。これには当然、金銭を受け取るというのも含まれます。これに関しては、上記の援助に関する部分で同時にお話ししています。博士号の学位取得できない可能性等に関しましては、本学の場合、就職した方全員が学位を取得しているうえ、取得できなかったとしても、満期修了退学後に大学へ論文を提出することで学位取得できる(論博ではないです)ため、高確率で取得できると判断し、割愛いたしました。
8.博士課程の厳しさについてもっと触れるべき
申し訳ございません。私としては、「博士号の意義」と「メンタルヘルス」の部分で述べたつもりになっていたのですが、足りていませんでした。次回以降改善いたします。