私たちが一般的な移動手段として利用する自動車は、車輪が回転することで便利に移動することができます。ただし、車輪による移動を効果的に機能させるためには、道路を舗装して環境を整える必要があります。一方で生物はその長い進化の過程でそれぞれの生活環境に適応した歩き方を獲得してきました。これらを模倣することによって人の手が入らない環境、例えば体内や災害現場において有効な新たな移動手段の開発が期待されています。本研究では、不整地を踏破することができる歩行モデルの作成を目的として、生物の中でも特に多足生物を参考にした歩行モデルをリンク機構を用いてデザインしました。さらに、この歩行モデルを物理演算に基づいた2D仮想環境の中でシミュレーションすることによって、その基本的な歩行性能を調べました。また、不整地の踏破性能や耐故障性についても検証しました。