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萩みかん塾 プレゼンテーション
- 2. 今日お話しすること 自己紹介 萩に移住してきた経緯 ワイナリーを取り巻く状況 なぜワイナリーを作るのか 現在地点
- 3. 自己紹介 名前: 寺田 充毅(みちたか) 2020年まで東京でITエンジニアとして16年勤務 • 産業系SE -> 金融系SE -> クラウド提供側 • ソフトウェア開発、サーバの構築管理など様々、IoTも少し 出身 • 熊本生まれ宮城育ち、両親は山口県出身 趣味 • ギターの演奏、ギターの改造 • 最近はDIY 今は何をやっているのか • 昨年までは山口県立農業大学校で研修を受けていた • 今年は永山酒造(山口ワイナリー)で勉強させてもらいつつ、 自園地を整備中
- 4. 萩に移住してきた経緯
- 5. 僕らは移住者 妻、猫、猫と移住 2018年に東京で開催された山口県の就農セミナーが契機 キーパーソンは妻 • 彼女も IT系で勤務する会社員 • 農業を生業とするため、退職して色々チャンスを探していた • 当時住んでいた横浜では現実的に農業を始めることは厳しかった 心機一転、農業を中心としてお金を稼ぐ方法を考え、実践していく生き方へ転換した 萩の果樹団地 平山台を紹介されそこで就農することに • 萩の担当者が好印象 • 応対してくれた農家の方々の技術の高さに感銘を受けた(栽培技術を我々も磨ける環境)
- 9. ワイン全体の出荷数量 国内製造が増加している • 2020年の出荷総量の5.4%が「日本ワイン」 キリンHLD 市場データ・販売概況 https://www.kirinholdings.com/jp/investors/library/databook/wine/ 合計 352,195kℓ 輸入: 64%、国内製造: 36%
- 12. 日本ワイン の出荷数量 2015年以降、順当に伸び ていた(=市場が拡大してい た)がコロナの影響なのか 2020年で減少 2020年以前の傾向を踏ま えると、市場が広がってき ていることが読み取れる 2015 2016 2017 2018 2019 2020 出荷量(kℓ) 15065 15467 14988 16612 17775 16,499 13,500 14,000 14,500 15,000 15,500 16,000 16,500 17,000 17,500 18,000 出荷量(kℓ)
- 13. 主要な産地 ブドウは冷涼で雨の少ない気候を好む ワイナリー数のTop3は山梨(92場)、長野(62場)、 北海道(46場) 中四国はワイナリーの数は 岡山(10場)、 広島(7 場)、島根(5場)、鳥取(5場)、山口(2場) , 地図: 国税庁HP(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/tmcpr2/wine.php) より ワイナリー件数: 国税庁酒類製造業及び酒類卸売業の概況 令和3年分
- 14. 日本ワインは盛 り上がっている のか? Google トレンドで「日本ワ イン」と「日本酒」をへの 興味を検索回数をもとに比 較したグラフ メディアに取り上げられて いるような気はするもの、 世間はそこまで盛り上がっ ていない可能性がある 国としては日本ワインを盛 り上げたという意図があり、 ファンサイトの提供をして いる https://nihonwine- fun.nta.go.jp 0 20 40 60 80 100 120 日付 2014/4 2014/8 2014/12 2015/4 2015/8 2015/12 2016/4 2016/8 2016/12 2017/4 2017/8 2017/12 2018/4 2018/8 2018/12 2019/4 2019/8 2019/12 2020/4 2020/8 2020/12 2021/4 2021/8 2021/12 2022/4 2022/8 検索インタレスト 日本ワイン 検索インタレスト(Max = 100) 日本ワイン 日本酒
- 15. 避けらない話題: 若者の酒離れは本当な のか？ Yes 飲酒習慣をもつ人 は今後ますます減 少する可能性が高 い 年々酒類を売るの は困難になると予 想される 経産省 資料:縮小傾向の国内酒類市場；飲酒習慣が市場変化の要因に より
- 16. 課税額も減少中 1994年の2.1兆円をピークに2019年で1.24兆円まで減少 (補足)課税移出数量 酒蔵から出荷されて 課税対象となったお 酒の量 国税庁 酒のしおり(令和3年 3月)より
- 17. まとめ 国内のワインの消費量はワインブームを経て安定成長中 日本ワインの定義が明確化されたことでワイナリーの設立が急増 日本ワインの製造本数、出荷本数ともの増加傾向で市場が拡大している 但し長期に見ると酒類全体が売れなくなる傾向 < 考察 > 日本ワインの醸造所の場数は増加傾向にあり免許は下りやすい状況にあると推測できる その一方で競争は激化すると考えられ、個性や魅力を明確化してわかりやすくお客様へ提示しない と生き残れない可能性が高い 日本ワイン市場はメディアが言うほどには広がっていないため自分達で市場を作る活動をしていく 必要がある
- 18. なぜワイナリーを作るのか
- 19. 自分達のモチベーション 自分達が自信を持って売れるものを原料から作って売りたい お酒: エンターテイメント • 人と人との交流を促進するもの、一人でも楽しめるもの • ワインのある豊かな時間を提供したい ワイナリー、ブドウ園の魅力を共有したい • カリフォルニア ナパへの旅行が原点 • ワインブドウを食べながら、自然の中でワインを飲む体験 • この魅力的な場を自ら作って提供したい
- 20. 耕作放棄地の減少へ寄与できないか 山口県の農業を主業とする人の平均年齢は72.3歳 • 全国平均 +4.5歳 • 43歳(私の年齢)ですら若手 平山台も耕作していない土地が出てきている ワイナリーを興して続けることで、社会問題の解決の一助にな れると考えている • 我々のブドウ畑は耕作されてない樹園地を活用して開設している • 今後も未耕作地を活用していくことで景観の維持、産地としての品質 の維持に貢献したい(虫、病気の軽減)
- 21. 萩にワイナリーを作る理由 高品質なブドウを作れる環境がある • 平山台という伝統的な果樹産地の土地、気候、技術を活用して高品質なブド ウを作る 山口県: ワイナリー未開の地に近い • 非メジャーな産地にあるワイナリーという希少性が我々の武器となる • その一方で、ワイナリー設立の下地がなく障害が多い可能性あり 萩には豊富な食材がある一方で、地の物とあう地ワインはまだない • 食を引き立てるワインを作って萩の食を盛り立てたい 観光地 萩 • コロナ前(2019年)で年間450万人が訪れる • ワインを楽しんでもらえる場面は多くある • ワイナリーを観光資源として活用できる
- 23. 現在地点
- 25. ブドウ畑 平山台に栽培面積 約2,700㎡のブドウ畑を開設中 想定収量 • 読みきれないところだが、2.1トン程度 萩市はワイン特区 • 2kℓ(2トン)で免許が下りる • ブドウの重量の75%がワインになるので、2tトン÷ 75% = 約2.7トン • 園地の拡張が必要 栽培品種は9種類 • 全て醸造用品種
- 26. ワイナリー = 自家醸造なのでは？ 醸造免許の取得 ワインの醸造には醸造免許(果実酒)が必要 この取得のためには様々な要件をクリアしていく必要がある • 場所的要件 • 人的要件 • 受給調整要件 • 技術設備要件 • 経営基礎要件 経営基礎要件には資金面の評価だけでなく原材料の確保や、販路の 有無も含め総合的に評価される 現時点の取得は厳しい
- 27. ワイナリー ≠ 自家醸造 第一段階としては委託醸造でスタート 原材料の確保と販売実績を作るため、一足飛びに醸造免許の取 得を行わず自家栽培ブドウを使った委託醸造で立ち上げる 委託先は県内に限らず広く現在検討中 最終目標まで道筋が見えていないが走り出すことに • 余談: まずはブドウを植えよ • 「 悩む暇があったらブドウを植えたほうが良い」 • これは周防大島ワイナリーの方のアドバイス
- 28. スケジュール 2022 2023 2024 2025 2026 ブドウ園整備 (約2,700㎡) 幼木育成 ▲初収穫 ワイン 委託製造 ▲販売開始! 技術研修 (山口ワイナリー)
- 29. ここ半年の進捗 研修と並行して小屋の建設を実施 • もうちょっとで完成 ブドウの雨除けの設計を行い発注、資材の確保を実施 • ブドウは雨に弱く、簡易な雨除けがないと病気になり育たない • ブドウの雨除けは非常にコストが高いため自力で施工することに • 業者に頼むと1,000㎡で400万円オーバー
- 30. 小屋
- 33. 小さいワイナリーの戦い方 特色のあるワインの実現: 品種の工夫 ワインを売り切るための場を作る: 人が集まる場所を作る 認知度を上げ将来の顧客を確保する: SNSの活用
- 34. 具体的には 品種の工夫 • カベルネソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノノワールなど主要品種以外のブ ドウを植える(ピノタージュなど) • 色がつくのか、ちゃんと育つのかなどリスクは高いが挑戦し特色の一つとし ていく 人が集まる場所を作る • ワイナリー予定地に軽食、喫茶ができる店を週末限定ではあるがワイナリー に先行してオープン予定(2023年度内) • 酒販場も同一敷地内に設ける予定 SNSの活用 • 山口県6次産業化アドバイザーのアドバイス • テーマは「日本ワインと萩の食材のマッチングを紹介する」(Instagram) • 将来は萩の食材と我々のワインのマッチングを積極的に紹介します
- 35. 今後の課題: 自家醸造に向けて 委託醸造の成功と販売の実績を作ることが重要 そこをクリアした上でまだ課題がある 資金調達 • 醸造場を建てるための資金の確保、補助金の活用の検討 • ここまでは自己資金で頑張ってきているが限界はある • 小規模ワイナリーはワイナリーと聞いて連想するような億単位の資金はかか らないものの資金の調達は必要 園地の拡大 • 3トンを超えるブドウが必要 • 次は日本在来品種を植える予定(日本のワイナリーゆえ)
- 36. チャレンジ: 園地の拡大と社会問題の セット解決 耕作放棄地の中にはビニールハウスが廃墟化しているものがあ る ブドウは雨除けが必要 ビニールハウスの骨を活用することでブドウを栽培する棚が作 れる 不要ハウスの撤去、回収を行い耕作放棄地に建て直してブドウを 植える。これにより耕作放棄地、廃墟ハウスを減らしつつ園地の 拡大を図る。