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いま「ステマ」を考える
  「     考
    2013年2月

   駒澤大学 山口 浩
自己紹介
• 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部
  教授
 – GLOCOM客員研究員
• 専門分野:経営学・ファイナンス
 – リスクマネジメント 集合知 仮想世界の経済等
   リスクマネジメント、集合知、仮想世界の経済等
• ブログ
  – GLOC「H-Yamaguchi.net」
                g
    http://www.h-
    htt //     h
    yamaguchi.net

• Twitter
  – @HYamaguchi
自己紹介
• 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部
  教授
 – GLOCOM客員研究員
           ブロガー
• 専門分野:経営学・ファイナンス
 – リスクマネジメント 集合知 仮想世界の経済等
   リスクマネジメント、集合知、仮想世界の経済等
            WOMJ会員
• ブログ
            (ガイドライン委員会委員長)
  – GLOC「H-Yamaguchi.net」
                g
    http://www.h-
    htt //     h
    yamaguchi.net

• Twitter
  – @HYamaguchi
本日のお題
• 昨年末に発覚したペ
  昨年末に発覚したペニーオークション詐欺に
             オ クシ ン詐欺に
  関係して行われた、タレントによるステルス
  マーケティングへの批判が高まっている。
  マ ケテ ングへの批判が高ま ている
• 中には新たな法規制を唱える声もある。しか
  し、ただ「ステマはだめだ」と叫んでも、問
       「        叫
  題が解決するわけではない。
• ステルスマーケティングとは何なのか、いま
  何が問題とされているのか、どう対処すれば
  いいのかなどについて、もう一度考え直して
  みたい。
芸能人ステマ「騒動」
• ブログ等で宣伝(報酬を隠す)
ステマ批判
ちょっと待て
•   本来無関係のものと混同してないか?
•   ステマの何が問題なのか?
•   ネットだけの問題なのか?
•   規制すべき?できる?
•   そもそもステマって何か
    わかってる?
どうみるべきか
• 環境の変化
• ルール間の衝突
  ル ル間の衝突
• リスクマネジメント
ステマって?
一般的なイメージ
     般的なイメ ジ
• 企業の依頼を隠して             事業者    ひそかに
                                依頼
  商品等を推奨
• 消費者は本人の感想
  と誤認して信頼



                        ひそかに
                         依頼
                  事業者
              ※消費者庁「「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する
              景品表示法上の問題点及び留意事項」の公表について(2011年
              10月28日)」より
“stealth marketing”
        stealth marketing
• undercover marketing
• roach b iti
      h baiting
サクラは江戸時代から
• 芝居小屋でタダ見をさせてもらった後、
  芝居の見せ場で役者 掛声を掛けたりし
  芝居の見せ場で役者に掛声を掛けたりし
  て盛り上げることや、それを行う人
 – Wikipedia

  江戸時代の歌舞伎興行の模様を描いた絵の中には、客席の様子を詳
  細に描写したものが多くみられる。これらは江戸の流行を伝える等の役
  割をもっていたと考えられるが、同時に、観客が単なる受け身ではなく、
          考     、   、観            、
  役者への支援や掛け声などにより、興行の中で重要な役割を果たして
  いたことを示すものともいえる。
歌舞伎のタイアップ広告
• 『助六』二代目市川団十郎初演
 – 芝居全体が舞台である吉原の宣伝に
 – 朝顔煎餅、福山のうどん、袖の梅という薬な
   ど、実在の商品が劇中に登場
   ど 実在の商品が劇中に登場
 田口章子監修『江戸人と歌
 舞伎:なぜ人々は夢中に
 なったのか』(青春出版社,   江戸時代の歌舞伎衣裳は、役者が自費で
 2002年)          誂えることになっていた。色合、模様、帯
                 の結び方、着こなし、それに合った髪型な
                 ど、歌舞伎から多くの流行が生み出された。
                 歌舞伎役者と染物屋、呉服屋とは深いつな
                 歌舞伎役者と染物屋 呉服屋とは深      な
                 がりがあり、互いの協力によって流行が作
                 られていった。
                 中田節子(1999)「広告でみる江戸時代」
大正、昭和初期には
   大正 昭和初期には
• 露天商や的屋などの仕込み客を隠語でサ
  クラと呼ぶよう
  クラと呼ぶように
• 一般的な売り込みの手法
         糀矢 そうです。ビールなんてね、なかなか
         売れなかったですよ。ビールはその頃(大正
         のはじめ頃)、薬屋が売っていたようです。
         それが、サクラみたいのを使って酒屋に薦
         めに行って、まあ置いてみてくれと言って、
         またサクラが買いに行きますねん。こんなも
         んが売れるんやなあ、と。その時分ビール
         20ケース売ったら、あんた、キリンビールは
         横浜へ招待してくれた。
         「20世紀の酒文化」
         「 世紀 酒文化
         http://www.sakebunka.co.jp/archive/20koujiya/20koujiya01.htm
昭和以降
• 「行列商法」
 – 新店舗オープンなどの際に話題を作る
   新店舗オ プンなどの際に話題を作る



              ゲリラ的手法では
              あり、歓迎はされ
              なかったが、さほ
              ど問題化すること
              もなかった
2000年代に入って問題化
• ソーシャルメディアの普及がきっかけ
pay-per-post
         pay per post
• 2000年代前半、ブログブームとともに流行
 – ブログに記事を書くと報酬
 – 利害関係のない素人を装う場合も
• 米国ではこれをき かけにWOMMA設立(2005)
  米国ではこれをきっかけにWOMMA設立(2005)
Raging Cow
• Dr. Pepper/7up Inc.が2003年3月に発売
  – ティーンから20代前半がターゲットのミルク飲料
    テ   から 代前半がタ ゲットの   ク飲料
• 発売キャンペーンにブログを利用
  – ティーンブロガー6人に依頼
    ティ ンブ ガ 6人に依頼
    • Raging Cowとの関係を隠した
    • 6人のブロガー達のブログの不自然さが話題に
  – 批判の メント トラ クバ クを拒絶
    批判のコメント、トラックバックを拒絶
    • これがさらなる批判へ
• 不買運動に発展
  – ウェブ上で不買運動が盛り上がる
• 製品自体が消滅
ソニー ウォークマンAシリーズ

• 「ウォークマン体験日記 ★
  カワイイ★のがいいの!」
 – 2005年11月
 – ブログで「普通の女の子」の体
   験リポート
   験リポ ト
 – 「音楽をダウンロードする予定
   が、自分のパソコンがマック
   が 自分のパソコンがマック
   だったことに気づき、撃沈。
   Windowsのパソコンを買って、
   やっとダウンロードしてみまし
   や とダウンロ ドしてみまし
   た」
マクドナルド「サクラ」疑惑
• 2008年、新商品発売時に「モニター」を
  雇 店頭 行列
  雇い店頭に行列
環境の変化
ステマの成立条件
• 成熟した消費社会
• 消費者間のコミュニケー
  ション

     広告         広告
          企業



          口 ミ
          口コミ
   消費者          消費者
ソーシャルメディアの普及
          普及




          Hiroshi Yamaguchi
   『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)     23
ソーシャルメディアの現状
    • ソーシャルメディアは主要な情報源の1つ
                          商品購入時の参考情報源(%)
                                                                                      ネットユーザー
                                                                                      ネ ト  ザ
                                                                                      の半数以上が商
                                                                                      品購入時に口コ
                                                                                      ミサイトを参考
                                                                                      に




※「平成20年版国民生活白書」(2008)
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/pdf/08sh_0102_05.pdf
ソーシャルメディアの現状
   • ソーシャルメディアは主要な情報源の1つ
                                                      Twitter、mixi、
                                                      T itt    i i
                                                      Facebookをすべ
                                                      て利用する「鉄
                                                      人」は、情報発
                                                      信のための情報
                                                      収集をブログ、
                                                      SNS、マイクロブ
                                                      ログから多く行
                                                      なっている

※第162回NRIメディアフォーラム「ソーシャルメディアが描く未来」(2011/11)
 http://www.nri.co.jp/publicity/mediaforum/2011/pdf/forum162.pdf
ソーシャルメディアの利用
• J


                                    男性



                                    女性




                Hiroshi Yamaguchi
         『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)      26
マスメディアによる情報の流れ
• 技術制約等によりメディアが情報のボト
  ルネック
 – マスメディアに選択権とパワー

 企業      マスメディア
ソーシャルメディアの発達
• コンテンツ制作、メディア構築のコストが劇
  的に低下
 – 個人でも情報発信が可能に
 – 情報のルートが多様化

            メディア
企業のソーシャルメディア活用

• Y




             Hiroshi Yamaguchi
      『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)     29
企業のソーシャルメディア活用




           Hiroshi Yamaguchi
    『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)     30
ソーシャルメディアマーケティング

• 広告市場全体からみれば小さいが高成長
 – ソーシャルメディアの広告市場は2011年度で
   ソ シャルメディアの広告市場は2011年度で
   665億円規模、前年比110.5%の見込み(㈱
   ミック経済研究所推計)
 – 日本の広告費は2011年で5兆7096億円、うち
   ネット広告費は8062億円(電通調べ)
ネット時代になぜ問題化?
• 口コミの影響力が大きくなった
• 可視化が進んだ
• 嫌儲と衝突した
口コミの力の増大
①




②
    メリットもデメリットも増大
“Stealth”の可視化
     Stealth の可視化
• ネットによる検証可能性の増大
• 関与者の増大
• サクラ自身による情報発信
「嫌儲」文化との衝突
• 「非営利」からスタートしたインターネット
             大学間ネ トと
             大学間ネットと
             して発達、個人
             間通信として普
             及


             アフィリエイト
              1999~
                             嫌儲
 ネットのビジネス活
 用に積極的な人々
              (日本)           ネットの商業利用
 大企業の他、小規模                   自体を嫌悪する
 事業を営む個人等も                   人々
             Suit vs. Geek
             Jock vs. Nerd
学校教育やメディアの影響?
 越   ワ    お
 後   ル    ぬ     ほ    お   い
 屋   よの   しも    ど    代   え
      う                  い
               で    官    え
               は    様




                             金儲け
                             は悪!
ソーシャルメディアへの期待
• マス広告は信用できない?
 – 企業やビジネスそのものへの不信・・
   企業やビジネスそのものへの不信
 – 代替・補完する情報ルートとして
 – 双方向のやりとりによる信頼関係の構築
ル ル間の衝突
ルール間の衝突
「デジタルコンバージェンス」
• デジタル技術によって製品・企業・業界
  などが収斂
• 各々の背景にある「ルール」が衝突
通信と放送
• ルーツは同じだが、性質の違いから異なる
  ル ルが適用
  ルールが適用
• デジタルコンバージェンスで衝突
                 放送           通信
メディアの特徴   マス          パーソナル
                      パ ソナル
受け手       不特定多数の公衆    基本的に特定の個人
機能        一方向         双方向
コンテンツ     マス向け        ニッチ、個人ニーズへ対応
規制        内容規制あり      基本的に規制なし
ステマはなぜ許せないか

• 「仲間 と思 て た消費者が企業と
  「仲間」と思っていた消費者が企業と
  組んでいた→だまされた!


     報酬         広告
          企業



          口 ミ
          口コミ
   消費者          消費者
2つのルール
• 市場規範         • 社会規範
 – 金銭が媒介する交換    – 善意による無償交換
                  善意   無償交換


    有益な情報は      金で動かされ
    金銭で報いら      た情報は信用
    れるべき         きな
                できない
2つの世界、2つのルール
  2つの世界 2つのルール
       市場規範   社会規範

        広告    報道

企業の
情報発信


              口コミ

個人の
個人
情報発信
ソーシャルメディアで融合
       市場規範    社会規範

        広告      報道
                      広告と報道
企業の                   の線引は
                      一応ある
                       応
情報発信


                口コミ
                      こちらは
個人の
個人      ソーシャルメディア     線引がまだ
情報発信                  ない
対立する価値のバランス
• 「表現の自由」と「誤認防止」
• 「個人の能力」と「情報の信頼性に関す
   個人の能力」と 情報の信頼性に関す
  る責任」
  この
          受け手      客観的     体験の    関係性
  ラーメン    の誤認      根拠      真実性    の明示
  おいしい!   信じて食った
          信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
          がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
  表現の     どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
  自由      れる!                     んだろ
  限られ
  た能力
ステマと法律
• 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)第
  4条
 – 実際より優良ないし有利と消費者に誤認させるよ
   うな表示を禁じる
• 特定商取引に関する法律(特商法)
 – 広告の表示内容に関する規制(第11条)
 – 誇大広告等の禁止(第12条)
 – 「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよ
   り著しく優良であり、もしくは有利であると人を
   り著しく優良であり もしくは有利であると人を
   誤認させるような表示」を禁止
景表法の考え方
• 「優良誤認」「有利誤認」
 – 証明できる範囲で
          証明は
          難しい
  この
  ラーメン
  おいしい!   信じて食った
          信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
          がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
          どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
          れる!                     んだろ
消費者庁2012.5.9
• 「インターネット消費者取引に係る広告
   インタ ネット消費者取引に係る広告
  表示に関する景品表示法上の問題点及び
  留意事項」の一部改定について
 – 「問題事例」に追加

 商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿
 の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに
           依
 関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、
 口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト
 上で当該商品 サ ビスに対する好意的な評価はさほど多くな
 上で当該商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くな
 かったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の
 内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受け
 ているかのように表示させること。
 ているかのように表示させること
消費者庁長官
• 2012年12月19日記者会見
• ブログなどでの口コミサイトのことですが、こちらの
  ほうは、これも昨年の10月、景品表示法上の留意事項
  というものを公表しております。そこで(中略)実際
  の商品・サービスを供給する競争事業者に係るものよ
  りも、著しく優良または有利であると、 般消費者に
  りも 著しく優良または有利であると 一般消費者に
  誤認されることのないようにする必要があるというこ
  とを述べていますので、この観点からチェックをして
  いくということになります。
  いくということになります
• 業界団体からその適正化に向けたガイドラインの遵守
  ですとかが示されておりますので、そこの徹底を図っ
  ていくということだと思っています。
      く
WOMJ「関係性の明示」
• 衝突するルール間の調整
 – 情報発信者の自由な表現を守りつつ、情報受信者
   に判断の手がかりを与える       判断の
                                   手がかり
   この        表現の自由の範囲だし
   ラーメン      証明できないし
   おいしい!   信じて食った
           信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
           がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
           どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
           れる!                     んだろ
法規制強化論
• 隠れ広告 「お薦め」に注意 ブログで紹
  介 実は報酬(中日新聞
  介…実は報酬(中日新聞2013年1月24日)
                 年 月 日)
 – 消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士(東京)は
   (中略)紀藤さんは 景品表示法の対象を広げ、
   (中略)紀藤さんは「景品表示法の対象を広げ
   米国の取り組みを参考にガイドラインづくりを
   急ぐ必要がある」と話す。
   急ぐ必要がある」と話す
推奨・体験談広告ガイドライン
• 米連邦取引委員会(FTC)が2009年に発表
• 「推奨及び体験談の広告への使用に関す
   推奨及び体験談の広告への使用に関す
  る指針」
• ネ トに限らない
  ネットに限らない
 – むしろ本命はマスメディア
• 推奨者の意見、体験談が「本物」かどう
  かが問われる
• ブロガーも責任を問われる可能性
FTCガイドラインの考え方
• 「専門家としての知見に基づく推奨」
• 「実際に経験したかどうか」
                    専門家     一般人    関係性
                    の知見     の体験    の明示
   この
   ラーメン
   おいしい!   信じて食った
           信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
           がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
           どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
           れる!                     んだろ



マスメディアも
   デ  も
規制対象
CPUTR2008(英国)
• 「不公正取引から消費者を保護するため
  の法律」(
  の法律」(2008)
           )
• EU不公正慣習指令(2005)に基づく
• 消費者の「i f
  消費者の「informed d i i
              d decision」を阻害す
                         を阻害す
  る行為を禁止
CPUTR2008の考え方
• 「消費者の意思決定を歪めないか
  「消費者の意思決定を歪めないか」
• 「判断に影響する情報が隠されていないか」
   判断 影響  情報 隠さ      」
                                   関係性
             品質等の情報                の明示
   この
   ラーメン
   おいしい!   信じて食った
           信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
           がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
           どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
           れる!                     んだろ



マスメディアも
   デ  も
規制対象
日弁連意見書
• 「インターネットを用いた商取引における広
  告の適正化を求める意見書」2012年2月17日
• 特定商取引に関する法律(いわゆる特商法)
  の改正を提言
• 口コミサイトにつき、関係性明示の不備を、
  同法第12条の2に定めるいわゆる不実証広告
  規制の対象とせよ、と主張
• 関係性明示がない場合には消費者の側に解約
  権な
  権などを認めよとの趣旨か
       認     趣旨
日弁連意見書の考え方
• 「不実証広告」で立証責任を事業者へ
• 通販が対象
 – マスメディアもネットのステマの多くも対象外
  この
             現行法
  ラーメン
  おいしい!   信じて食った
          信じて食 た   おいしいと   ほんとに   どうせ金
          がまずいぞ    いう科学的   食べたの   もらって
          どうしてく    根拠は何か   か?     嘘ついて
          れる!                     んだろ
なぜ法規制ではだめなのか
•   ステマの外部からの判別は難しい
•   法令ではきめ細かい対応ができない
•   中途半端な規制はかえって事態を悪化
•   悪質なケースは現行法で対応済み
•   ネットだけ狙い撃ちはおかしい
なぜ法規制ではだめなのか
      シロ                           クロ



                 グレーゾーン
                              法律
いい         萎縮   法律があるせいで
事業者        撤退   「やってよい領域」
                と割り切る事業者    厳密にするため
                が出てくる       にきめ細かくで
                            きない
 悪い
 事業者
                      極悪
                      事業者


                 全体として状況は不可視となり悪化
問題は悪化しているのか
• JAROへの苦情・意見は減っている
 – 広告手法自体の問題は改善しつつある
安易な規制はよくない
•   成長機会を奪い産業をつぶす
•   かえって問題を悪化させる
•   規制するならまずマスメディア
•   業界の自主規制で対応すべき
•   業界は自浄能力を示すべき
消費者の責任
• 発信する消費者の責任
 – エンパワメントと表裏一体
   エンパワメントと表裏 体
 – 発信力に応じた責任の分担を
• 一般消費者の責任
   般消費者の責任
 – 権利と責任のトレードオフ
 – 「赤ちゃん扱い」されたいのか
2000年代後半以降
   苦情・問合せ等は減少
• ソーシャルメディア普及と同時期
 – 消費者の目こそが最大の武器
規制のあり方
• 影響の範囲と深刻度で分けるべき
         高           医薬品等の
                       広告
     影
             (専門家)             マスメ
   響
   の深                   規制の    ディア
    刻                   必要性    広告
    度          口コミ
             マーケティング

             (一般人)
             ( 般人)    (有名人)
         低

             低                       高
                       影響の範囲
法規制強化の主張
• 主張しているのは誰か
• 彼らと法規制の関係性は?
WOMJガイドライン
• WOMマーケティング協議会
 – 2009年7月設立
 – WOMマーケティングに関わる企業、個人
• WOMマ ケテ ングに関するガイドライン
  WOMマーケティングに関するガイドライン
 – 2009年制定
 – 2011年12月改訂
  • http://womj.jp/womjguideline.pdf
    http //womj.jp/womjguideline.pdf
ガイドライン改訂の経緯(1)
• 2011年4月ごろ~ガイドライン委員会で啓蒙用
  冊子作成をめざした活動
 – ガイドライン「社会啓発の原則」
 – ガイドラインを会員社営業現場に浸透させたい
• 2011年10月、消費者庁「インターネット消費
  者取引に係る広告表示に関する景品表示法上
  の問題点及び留意事項」公表
 –   啓発活動の重要性を改めて認識
 –   消費者庁との連携へ向けた動き
 –   説明会開催のための準備開始
 –   駒澤大学でのWOMJ連携講座開催準備
ガイドライン改訂の経緯(2)
•   2012年1月初旬:食べログやらせ問題などで口コミマーケティングと
    倫理に関する関心が高まる
•   1/16:WOMマーケティングガイドラインに関する説明会開催
•   2/6:ガイドライン委員会定例会
    – 会員よりガイドラインの解釈に関する説明を求める文書
•   2/10・11:ガイドライン委員会WG合宿開催
•   2/13:合宿を受けてのミーティング開催
•   2/20:WGミーティング開催
•   2/27:WGミーティング開催
•   3/5 :WGミーティング開催
     /     Gミ   グ開催
•   3/12:WGミーティング開催
•   3/21:理事懇談会にてガイドライン委員会より活動報告
    – 理事が全員参加する臨時理事会を別途開催し、結論を出すことを確認
•   4/2 :臨時理事会開催
    – ガイドライン委員会の提案を承認
ガイドライン改訂の経緯(3)
•   4/9:理事会からのフィードバック
    4/9 理事会からのフ     ドバ ク
•   4/20:WGミーティング開催
•   4/26:WGミーティング開催
    4/26 WGミ      グ開催
•   5/10:WGミーティング開催
•   5/14:WOMJサミットにて経過報告
     /            に 経 報告
•   5/30-6/9:意見募集
•   6/15:WGミーティング開催
     /
•   6/18:WGミーティング開催
•   7/31:WGミーティング開催
ガイドライン改訂の経緯(4)
• 意見募集(5/30-6/9)
 – 「主体の明示」:「~普及委員会」などの仮
    主体の明示」   普及委員会」などの仮
   想の主体名は許容されないのか?
 – 「マーケティング」の定義が不明確
   「マ ケティング」の定義が不明確。
   「偽装行為」も詐欺的なもの以外は啓発にと
   どめるべき
 – ブロガーへの記事内容の強制についての見解
   はどうなったのか?
 – 未成年者への配慮は入らないのか?
( )
 ガイドライン改訂の経緯(5)
• 委員長案に対する会員からの意見募集
 – 8/9~23
• 理事会で決定
 – 12月21日改訂、1月21日発効
WOMマーケティングに関するガイドライン
I.WOMJガイドラインの目的
   1.本ガイドラインは、WOMマーケティング業界の健全なる発展を実現するために定める。
   2.前項の目的達成のために、情報受信者の「正しく情報を知る権利」を最大限に尊重し、その保護に努める。
II.    WOMJガイドラインの位置づけ
   1.WOMマーケティングとはオンライン・オフラインを問わず、消費者間のコミュニケーションをマーケティング活動に活用することである。
   2.本ガイドラインは、WOMマ ケティングの中でもオンライン上の消費者間のコミュニケ ションに限定し適用する。
   2 本ガイドラインは WOMマーケティングの中でもオンライン上の消費者間のコミュニケーションに限定し適用する
   3.WOMJ会員はWOMJの理念を共有する一員として、自らの良心に基づき、自らの責任で、本ガイドラインを遵守する。
III.言葉の定義
   1.本ガイドラインでは、以下の用語について次の通り定義する。
    ・情報発信者
       情報を発信する消費者のこと。
    ・情報受信者
     情報受信者
       情報を受信する消費者のこと。
    ・情報発信者から発せられる情報
       情報発信者がオンライン上に表現するもの。言語以外の表現手法も含む。
    ・消費者間のコミュニケーション
       情報発信者から発せられた情報を、情報受信者が受け取ること。
    ・マーケティング主体
       一連のWOMマーケティングの主催者のこと。
       中間事業者はマーケティング主体ではない。
    ・消費者行動の偽装
       現実とは異なる「情報発信者から発せられる情報」や「消費者行動の履歴」を、あたかも現実であるかのように表現すること。投票数や評価の水増しのような、
       言語以外の表現手段も含める。
IV.WOMJガイドラインの適用範囲
   1.本ガイドラインは、WOMJ会員が関与するオンライン上での消費者間のコミュニケーションに適用する。
   2.本ガイドラインの適用は、日本国内のみとする。
V.消費者行動偽装の禁止
   1.消費者行動の偽装は、情報受信者が正確な情報を知る機会を損なうおそれがあるため、WOMJ会員はこれを行なってはならない。
VI.関係性明示
VI 関係性明示
   1.情報発信者に対し、WOMマーケティングを目的とした、重要な金銭・物品・サービス等の提供が行われる場合、マーケティング主体と情報発信者の間には「関
       係性がある」と定める。関係性がある場合には、その関係性は情報受信者が容易に理解できる方法で明示されるべきである。
   2.関係性がある場合には、情報発信者に対し原則として関係性明示を義務付けなければならない。義務付けることが極めて難しい合理的な理由がある場合には
       義務付けなくてもよいが、その場合でも関係性が明示されるよう最大限の努力を行わねばならない。
   3.関係性の明示の際には、WOMマーケティングのマーケティング主体の名称と、情報発信者への金銭・物品・サービス等の提供の有無は示されるべきである。
       金銭・物品・サ ビス等の提供の内容についても、詳細に示されることが望ましい。
       金銭・物品・サービス等の提供の内容についても 詳細に示されることが望ましい
VII.社会啓発
   1.WOMマーケティング協議会とWOMJ会員は、本ガイドラインの認知と理解を高めるために必要な啓発活動を行う。
主要な変更点
• 文言の明確化
 – 合意することに意義⇒実質的基準へ
• 「消費者行動偽装の禁止」の追加
 – ソ シ ルメデ アの発達に対応
   ソーシャルメディアの発達に対応


• あわせて、今後の改訂に備えた体制整備
 – 実態に合わせる柔軟性
会員社の悩み
                  員
• ガイドラインを守っている/守ろうとしている
 – そうでなければWOMJに加入しない
• しかし必ずしも「徹底」できていない
  しかし必ずしも 徹底」できていない
 – 営業現場の隅々にまで徹底できているか
 – 発信する消費者に強制できるか
 – 取引先を選べるか
          ⼀次請け   ⼆次請け   三次請け…


                                         消費者     消費者
          WOMJ   WOMJ   WOMJ            (読み⼿)   (書き⼿)
           会員     会員     会員

  発注者                            消費者
 ex.広告主                         (書き⼿)
                                         消費者     消費者
          WOMJ   WOMJ   WOMJ            (読み⼿)   (書き⼿)
          ⾮会員    ⾮会員    ⾮会員
1   ガイドラインの目的
1. WOMマーケティング業界の健全なる発展
  を実現する
2. 1 の実現のために 情報受信者の「正
2  1.の実現のために、情報受信者の「正
  しく情報を知る権利」を保護する
多様で豊かな消費者間のコミュニケーショ
ンが交わされる社会
消費者間のコミュニケーションでは、通常
のマーケティング活動に適用される法規制
の  ケテ ング活動に適用される法規制
や業界自主規制のような、消費者権利保護
の仕組みがまだ未整備
2 ガイドラインの位置づけ
1.WOMマ ケティングとはオンライン オフラ
1.WOMマーケティングとはオンライン・オフラ
  インを問わず消費者間のコミュニケーショ
  ンをマーケティング活動に活用すること
2.本ガイドラインは、WOMマーケティングの中
  でもオンライン上の消費者間のコミュニ
  ケ シ ンに限定し適用
  ケーションに限定し適用
3.WOMJ会員はWOMJの理念を共有する一員とし
  て、自らの良心に基づき、自らの責任で本
  て 自らの良心に基づき 自らの責任で本
  ガイドラインを遵守
例
• 街頭サンプリングでオンライン・オフラ
  インでの消費者間のコミュニケーション
  の創出を意図する場合

               オフライン
                情報発信




   街頭サンプリング    オンライン
                情報発信

              本ガイドラインを適用
3    言葉の定義
• 情報発信者  情報を発信する消費者
• 情報受信者  情報を受信する消費者
• 情報発信者から発せられる情報
 – 情報発信者がオンライン上に表現するもの。言語以
   外の表現手法も含む
• 消費者間のコミュニケーション
 – 情報発信者から発せられた情報を、情報受信者が受
   け取ること
• マーケティング主体
 – 一連のWOMマーケティングの主催者のこと。
  • 中間事業者はマーケティング主体ではない。
情報発信者
• 情報を発信する消費者
 – テキスト、画像、映像、音声、…
   テキスト、画像、映像、音声、
 – プロのジャーナリストや著名人も個人の立場
   としての情報発信に見える場合は含む
  • 商業媒体、ビジネスとしての情報発信は含まない
マーケティング主体
• 一連のWOMマーケティングを主催する企業や
  団体
 – 一般に広告主や媒体社など
 – 消費者からの問い合わせに対し主体として回答
   する立場の企業・団体
 – WOMマ ケテ ングの業務委託を受ける中間事
   WOMマーケティングの業務委託を受ける中間事
   業者は(主催者に含まれていない場合は)、
   マーケティング主体ではない
   マ ケテ ング主体ではない
4 適用範囲
1. 本ガイドラインは、WOMJ会員が関与する
  オンライン上での消費者間の
  オンライン上での消費者間のコミュニ
  ケーションに適用する。
2. 本ガイドラインの適用は、日本国内のみ
2 本ガイドラインの適用は 日本国内のみ
  とする。   WOMマーケティング


                   WOMJ
          オンライン上   会員
情報の責任主体
• WOMマーケティングでは、情報の責任主体
  が誰なのか、情報受信者の立場からは判断
  しにくい
                     ブログ記事、
                     レビュー等


マーケティング
  主体
             情報発信者            情報受信者
 よくわからない

   責任主体たる企業等が明確…ガイドライン適用外
情報発信者自身が責任主体
• 芸能人、有名人ブログ等
  – 自分自身の情報発信のように見える場合

            有名人等

                    ブログ記事等


マーケティング
  主体
            情報発信者            情報受信者
            責任主体


          ガイドラインを適用
責任主体が不明確
• 芸能人、有名人ブログ等
 – 自分自身の情報発信のように見える場合


                   ブログ記事等
                   ブ グ記事等
マーケティング            (広告表記)
  主体が
   体
 わからない
           情報発信者
                            情報受信者
責任主体が不明確


      ガイドラインを適用
情報発信者以外が責任主体
• 企業の契約タレント等
  – マーケティング活動と情報発信者の関わりが
    よく知られている場合等
            契約タレント等

                    ブログ記事等


マーケティング
  主体
            情報発信者            情報受信者
 責任主体

          ガイドライン適用せず
情報発信者以外が責任主体
• 広告スペースや自社媒体等
  広告スペ スや自社媒体等
 – マーケティング活動として情報発信が行われ
   ていることが明らかな場合

           自社媒体等

           記事広告等

マーケティング
  主体
 責任主体                情報受信者
           情報発信者

        ガイドライン適用せず
3つの原則
• 消費者行動偽装の禁止
• 関係性の明示
• 社会啓発
消費者行動偽装の禁止
1.現実と乖離した「情報発信者から発せら
1 現実と乖離した「情報発信者から発せら
  れる情報」や消費者行動の履歴を、あた
  かも現実であるかのように表現すること
  を、「消費者行動の偽装」と定める。
  「消費者行動の偽装」には、投票数や評
  「消費者行動の偽装」には 投票数や評
  価の水増しのような、言語以外の表現手
  段も含める。
  段も含める
2.「消費者行動の偽装」は、情報受信者の
  正しく情報を知る権利を損なうため、
  正しく情報を知る権利を損なうため
  WOMJ会員はこれを行なってはならない。
消費者行動偽装の禁止
• Facebookの「いいね!」の数など、情報発
  信者の投票行動履歴に対価を支払い購入す
  ることで 水増し」する行為
  ることで「水増し」する行為
• YouTubeの閲覧数など、情報発信者の閲覧行
  動履歴に対価を支払い、自動化された方法
  動履歴に対価を支払い 自動化された方法
  や人為的な繰り返し作業で「水増し」する
  行為
消費者行動偽装の禁止
• ランキングサイトやクチコミサイト等で、
  情報発信者の実体験と乖離した数値や指標
  を意図的に操作してつくり上げる行為
• ランキングやクチコミサイト等で、情報発
  信者の実体験と乖離した推奨コメントや批
  判的なコメントを履歴として残す行為
消費者行動偽装の禁止
• マーケティング主体と競合関係にある対象
  の評判を貶める行為
• マーケティング主体との関係が不明な場所
  マ ケティング主体との関係が不明な場所
  で、情報発信者から発せられる情報を改ざ
  んする行為
• その他、明らかに情報受信者を欺く行為と
  WOMJガイドライン委員会が定めるもの。
 – 継続的にWOMJガイドライン委員会で協議 決定
   継続的にWOMJガイドライン委員会で協議、決定
関係性の明示(1)
1.情報発信者に対し、WOMマーケティングを目
  的とした、重要な金銭・物品・サービス等
  の提供が行われる場合、
  の提供が行われる場合、マーケティング主
                ケティング主
  体と情報発信者の間には「関係性がある」
  と定める。
  と定める
  関係性がある場合には、その関係性は情報
  受信者が容易に理解できる方法で明示され
  るべきである。
関係性の明示(1)
• 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的
  がWOMマーケティングではない場合には、関
  係性は明示する必要はない
• 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな
  い場合には、関係性は明示する必要ない
  い場合には 関係性は明示する必要ない
 – 情報発信内容に有意な差異が出るか?
 – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか?
• これらの判断は会員の裁量
 – ただし理事会の求めあれば説明義務
関係性の明示(1)
• 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的
  がWOMマーケティングではない場合には、関
  係性は明示する必要はない
• 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな
  い場合には、関係性は明示する必要ない
  い場合には 関係性は明示する必要ない
 – 情報発信内容に有意な差異が出るか?
 – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか?
• これらの判断は会員の裁量
 – ただし理事会の求めあれば説明義務
関係性の明示(1)
• 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的
  がWOMマーケティングではない場合には、関
  係性は明示する必要はない
• 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな
  い場合には、関係性は明示する必要ない
  い場合には 関係性は明示する必要ない
 – 情報発信内容に有意な差異が出るか?
 – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか?
• これらの判断は会員の裁量
 – ただし理事会の求めあれば説明義務
関係性の明示(1)
• 「サービス」
 – 情報発信者
   情報発信者へのイベントへの参加権利
            イ  ト  参加権利
 – 会員向けポイントや特典など、情報発信者が得を
   する権利
 – 懸賞賞品が当たる権利(情報発信することが、懸
   賞の応募条件である場合など)
 – 懸賞賞品の当選確率がアップする権利
 – WOMJガイドライン委員会が「サービス等」と定め
   WOMJガイドライン委員会が「サービス等」と定め、
   WOMJ会員に通知したもの
 – その他 社会通念上「重要」と考えられる情報発
   その他、社会通念上「重要」と考えられる情報発
   信者への経済的利益やインセンティブ
関係性の明示(1)
• 金銭・物品・サービス等の提供者が誰であっ
  ても、関係性はマーケティング主体と提供を
  ても 関係性はマ ケティング主体と提供を
  受ける情報発信者の間に発生する

               金銭・物品・
               サービス等の    ブログ
      依頼         提供      記事等



  広告主         WOM              情報受信者
マーケティング
マ ケテ ング    マーケティング
           マ ケテ ング   情報発信者
  主体        施策を行う者


           関係性
関係性の明示(2)
2. 関係性がある場合には、情報発信者に対し原
   則として関係性明示を義務付けなければなら
   ない。
   義務付けることが極めて難しい合理的な理由
   がある場合には義務付けなくてもよいが、
   がある場合には義務付けなくてもよいが
   その場合でも関係性が明示されるよう最大限
   の努力を行わねばならない。
   の努力を行わねばならない
関係性の明示(2)
• WOMJ会員は情報発信者に対して原則として
      会員は情報発信者 対し 原則 し
  関係性明示を義務付けるべき
• 関係性明示を義務付けることが難しい場合
  にも、関係性明示に向けた最大限の努力
 – 有名人等の場合
 – 金銭・物品・サービス等を提供するものの、オ
   ンライン上での情報発信を要求しない場合
  • 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的がWOMマー
    ケティングである
  • 提供する金銭・物品・サービス等が「重要である」
関係性の明示(3)
3.関係性の明示の際には、WOMマーケティング
  のマーケティング主体の名称と、情報発信者
   の金銭 物品 サ ビス等の提供の有無は
  への金銭・物品・サービス等の提供の有無は
  示されるべきである。金銭・物品・サービス
  等の提供の内容についても、詳細に示される
  等の提供の内容についても 詳細に示される
  ことが望ましい。
関係性の明示(3)
• 情報受信者に十分な認知がある場合に以
  下のものも使用可
 – 組織・団体の正式名称以外の「通称・略称」
  • 例:日本放送協会   ⇒   NHK
 – 商品 サ ビスのブランド名
   商品・サービスのブランド名
  • 例:「コカ・コーラ」等のマーケティング主体名
 – 長期にわたって使用されている広告キャン
    期に    使      広告
   ペーン名称等
関係性の明示(3)
• 実体を伴わない架空の団体名をマーケ
  ティング主体の名称として表記すること
  は原則として不可
 – ただし、情報受信者からの問い合わせ先が明
   確に示されており、本来のマーケティング主
   確に示されており 本来のマ ケティング主
   体が確実に対応できる場合に限り使用可

 インターネット取引に関する問題点
 ・事業者の連絡方法・連絡先が分からない。
 ・消費者向け電話相談窓口を設けていない所が多い。
 ・複数の事業者が、契約にかかわっており、契約関係が複雑。
 ・責任の所在が不明確。
 「インターネット取引に関する問題点と相談事例」(東京都消費生活総合センター、2012年)
 「インタ ネット取引に関する問題点と相談事例 (東京都消費生活総合センタ  2012年)
関係性の明示(3)
• ティザー型のキャンペーンでは、ティ
  ザー期間中に限り、マーケティング主体
  の名称の代わりに、キャンペ ン名称や
  の名称の代わりに、キャンペーン名称や
  「一時的な仮の名称」を使用可
 – テ ザ 期間終了後は本来のマ ケテ ング
   ティザー期間終了後は本来のマーケティング
   主体の名称を明示
 – ティザー期間中はキャンペーン名称や「一時
                    「
   的な仮の名称」のもとで、消費者からの問い
   合わせに答える機能をもつこと
関係性の明示(3)
• 具体的な関係性明示の方法は会員の裁量
 – 望ましい表記、よくない表記例につき解説に
   記載
 – ツイッターでも主体と関係性の明示は必要
 – 今後も随時検討していく


      会員社の裁量と説明責任が
      セットになっている
今後の可能性
• 「優良マーク」
 – 関係性明示その他法令を順守する発信者
 – 典型的には有名・有力ブロガー等
 – 一般消費者がわかりやすい表示
    般消費者がわかりやすい表示



 – 現状では運営コスト、実効性に課題
   現状では運営 スト、実効性に課題
 – 行政は期待している?
リスクマネジメント
ネット炎上リスクの増大
• ネット炎上のリスク
• ネット炎上がマスメディアに飛び火する
  リスク
• ネ ト炎上が実損に ながるリスク
  ネット炎上が実損につながるリスク
ソーシャルメディアリスク
• 企業のソーシャルメディア活用
• 役職員等のソーシャルメディア利用
  役職員等のソ シャルメディア利用
• ソーシャルメディアにおける顧客間の口
  コミ
   ミ

           お金もらった
           けどいちいち
           書くのめんど
           いし
ステマはリスキー
• ソーシャルメディアが重要に
 – 購入判断に大きな影響
• 炎上の影響は深刻に
 – 自社だけでなく取引先にも及ぶ
• マーケティング活動にもリスクマネジメ
    ケテ  グ活動 もリ ク ネジ
  ントの視点が必要
 – 「品質管理」は責任ある企業の努め

ステマを許容する企業との取引は危険
リスクとは何か
• 「事業目的の達成を阻害する発生不確実
  な事象」( ナソ ック㈱)
  な事象」(パナソニック㈱)
   – 企業戦略と密接に関係
   – 企業によって違う
• JISQ2001
   – 事態の確からしさとその結果の組み合わせま
     たは事態の発生確率とその結果の組み合わせ



                            110
リスクとは何か
• ハザード
 – 床が濡れている(危険な状況)
• ペリル
 – 滑 て転ぶ(事象が発生)
   滑って転ぶ(事象が発生)
• リスク
  リ ク
 – 骨折して入院する(損失が発生)

   「ステマがばれて炎上」は
   ここでいう「リスク」ではない
   ここでいう「リスク ではない
                     111
リスクは全体でとらえる
• ソーシャルメディアだけの問題ではない
 – ステマが失敗すると何が起きるか
 – なぜステマを行ってしまうのか

 規定不備                売上減少

 研修不足     ステマ        広告費増

 チェック
                     ブランド
 体制不備
                     力低下
リスク対策の選択

      大
          C                          A
                             移転
                  回避        (低減)
                            (分散)
損害の
大きさ

                   低減           受容
                  (移転)
      小   D                          B
              高          発生頻度            低
PDCAサイクル
•   基本方針の策定
•   基本計画の策定
•   対策の実施
•   モニタリング
•   是正・改善

• 経営者のコミットメントがカギ
ハインリッヒの法則
• 労働災害に関する「1:29:300の
  法則」
 – 1件の重大災害
 – 29件の「軽災害」
 – 300件の「ヒヤリ体験」



 小さなリスクを見逃していると
 大きなリスクに気づかない
顧客は単なる受け手ではない
• サポーター/アンバサダー
 – 彼らを騙さない/騙しに加担させない
• 広告主側も真剣に考える必要
ありがとうございました



         Hiroshi YAMAGUCHI
 URL: http://www.h-yamaguchi.net/
       Twitter: @HYamaguchi
       T itt @HY       g hi

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いま「ステマ」を考える

  • 1. いま「ステマ」を考える 「 考 2013年2月 駒澤大学 山口 浩
  • 2. 自己紹介 • 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授 – GLOCOM客員研究員 • 専門分野:経営学・ファイナンス – リスクマネジメント 集合知 仮想世界の経済等 リスクマネジメント、集合知、仮想世界の経済等 • ブログ – GLOC「H-Yamaguchi.net」 g http://www.h- htt // h yamaguchi.net • Twitter – @HYamaguchi
  • 3. 自己紹介 • 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 教授 – GLOCOM客員研究員 ブロガー • 専門分野:経営学・ファイナンス – リスクマネジメント 集合知 仮想世界の経済等 リスクマネジメント、集合知、仮想世界の経済等 WOMJ会員 • ブログ (ガイドライン委員会委員長) – GLOC「H-Yamaguchi.net」 g http://www.h- htt // h yamaguchi.net • Twitter – @HYamaguchi
  • 4. 本日のお題 • 昨年末に発覚したペ 昨年末に発覚したペニーオークション詐欺に オ クシ ン詐欺に 関係して行われた、タレントによるステルス マーケティングへの批判が高まっている。 マ ケテ ングへの批判が高ま ている • 中には新たな法規制を唱える声もある。しか し、ただ「ステマはだめだ」と叫んでも、問 「 叫 題が解決するわけではない。 • ステルスマーケティングとは何なのか、いま 何が問題とされているのか、どう対処すれば いいのかなどについて、もう一度考え直して みたい。
  • 7. ちょっと待て • 本来無関係のものと混同してないか? • ステマの何が問題なのか? • ネットだけの問題なのか? • 規制すべき?できる? • そもそもステマって何か わかってる?
  • 8. どうみるべきか • 環境の変化 • ルール間の衝突 ル ル間の衝突 • リスクマネジメント
  • 10. 一般的なイメージ 般的なイメ ジ • 企業の依頼を隠して 事業者 ひそかに 依頼 商品等を推奨 • 消費者は本人の感想 と誤認して信頼 ひそかに 依頼 事業者 ※消費者庁「「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する 景品表示法上の問題点及び留意事項」の公表について(2011年 10月28日)」より
  • 11. “stealth marketing” stealth marketing • undercover marketing • roach b iti h baiting
  • 12. サクラは江戸時代から • 芝居小屋でタダ見をさせてもらった後、 芝居の見せ場で役者 掛声を掛けたりし 芝居の見せ場で役者に掛声を掛けたりし て盛り上げることや、それを行う人 – Wikipedia 江戸時代の歌舞伎興行の模様を描いた絵の中には、客席の様子を詳 細に描写したものが多くみられる。これらは江戸の流行を伝える等の役 割をもっていたと考えられるが、同時に、観客が単なる受け身ではなく、 考 、 、観 、 役者への支援や掛け声などにより、興行の中で重要な役割を果たして いたことを示すものともいえる。
  • 13. 歌舞伎のタイアップ広告 • 『助六』二代目市川団十郎初演 – 芝居全体が舞台である吉原の宣伝に – 朝顔煎餅、福山のうどん、袖の梅という薬な ど、実在の商品が劇中に登場 ど 実在の商品が劇中に登場 田口章子監修『江戸人と歌 舞伎:なぜ人々は夢中に なったのか』(青春出版社, 江戸時代の歌舞伎衣裳は、役者が自費で 2002年) 誂えることになっていた。色合、模様、帯 の結び方、着こなし、それに合った髪型な ど、歌舞伎から多くの流行が生み出された。 歌舞伎役者と染物屋、呉服屋とは深いつな 歌舞伎役者と染物屋 呉服屋とは深 な がりがあり、互いの協力によって流行が作 られていった。 中田節子(1999)「広告でみる江戸時代」
  • 14. 大正、昭和初期には 大正 昭和初期には • 露天商や的屋などの仕込み客を隠語でサ クラと呼ぶよう クラと呼ぶように • 一般的な売り込みの手法 糀矢 そうです。ビールなんてね、なかなか 売れなかったですよ。ビールはその頃(大正 のはじめ頃)、薬屋が売っていたようです。 それが、サクラみたいのを使って酒屋に薦 めに行って、まあ置いてみてくれと言って、 またサクラが買いに行きますねん。こんなも んが売れるんやなあ、と。その時分ビール 20ケース売ったら、あんた、キリンビールは 横浜へ招待してくれた。 「20世紀の酒文化」 「 世紀 酒文化 http://www.sakebunka.co.jp/archive/20koujiya/20koujiya01.htm
  • 15. 昭和以降 • 「行列商法」 – 新店舗オープンなどの際に話題を作る 新店舗オ プンなどの際に話題を作る ゲリラ的手法では あり、歓迎はされ なかったが、さほ ど問題化すること もなかった
  • 17. pay-per-post pay per post • 2000年代前半、ブログブームとともに流行 – ブログに記事を書くと報酬 – 利害関係のない素人を装う場合も • 米国ではこれをき かけにWOMMA設立(2005) 米国ではこれをきっかけにWOMMA設立(2005)
  • 18. Raging Cow • Dr. Pepper/7up Inc.が2003年3月に発売 – ティーンから20代前半がターゲットのミルク飲料 テ から 代前半がタ ゲットの ク飲料 • 発売キャンペーンにブログを利用 – ティーンブロガー6人に依頼 ティ ンブ ガ 6人に依頼 • Raging Cowとの関係を隠した • 6人のブロガー達のブログの不自然さが話題に – 批判の メント トラ クバ クを拒絶 批判のコメント、トラックバックを拒絶 • これがさらなる批判へ • 不買運動に発展 – ウェブ上で不買運動が盛り上がる • 製品自体が消滅
  • 19. ソニー ウォークマンAシリーズ • 「ウォークマン体験日記 ★ カワイイ★のがいいの!」 – 2005年11月 – ブログで「普通の女の子」の体 験リポート 験リポ ト – 「音楽をダウンロードする予定 が、自分のパソコンがマック が 自分のパソコンがマック だったことに気づき、撃沈。 Windowsのパソコンを買って、 やっとダウンロードしてみまし や とダウンロ ドしてみまし た」
  • 22. ステマの成立条件 • 成熟した消費社会 • 消費者間のコミュニケー ション 広告 広告 企業 口 ミ 口コミ 消費者 消費者
  • 23. ソーシャルメディアの普及 普及 Hiroshi Yamaguchi 『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社) 23
  • 24. ソーシャルメディアの現状 • ソーシャルメディアは主要な情報源の1つ 商品購入時の参考情報源(%) ネットユーザー ネ ト ザ の半数以上が商 品購入時に口コ ミサイトを参考 に ※「平成20年版国民生活白書」(2008) http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/pdf/08sh_0102_05.pdf
  • 25. ソーシャルメディアの現状 • ソーシャルメディアは主要な情報源の1つ Twitter、mixi、 T itt i i Facebookをすべ て利用する「鉄 人」は、情報発 信のための情報 収集をブログ、 SNS、マイクロブ ログから多く行 なっている ※第162回NRIメディアフォーラム「ソーシャルメディアが描く未来」(2011/11) http://www.nri.co.jp/publicity/mediaforum/2011/pdf/forum162.pdf
  • 26. ソーシャルメディアの利用 • J 男性 女性 Hiroshi Yamaguchi 『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社) 26
  • 27. マスメディアによる情報の流れ • 技術制約等によりメディアが情報のボト ルネック – マスメディアに選択権とパワー 企業 マスメディア
  • 28. ソーシャルメディアの発達 • コンテンツ制作、メディア構築のコストが劇 的に低下 – 個人でも情報発信が可能に – 情報のルートが多様化 メディア
  • 29. 企業のソーシャルメディア活用 • Y Hiroshi Yamaguchi 『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社) 29
  • 30. 企業のソーシャルメディア活用 Hiroshi Yamaguchi 『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社) 30
  • 31. ソーシャルメディアマーケティング • 広告市場全体からみれば小さいが高成長 – ソーシャルメディアの広告市場は2011年度で ソ シャルメディアの広告市場は2011年度で 665億円規模、前年比110.5%の見込み(㈱ ミック経済研究所推計) – 日本の広告費は2011年で5兆7096億円、うち ネット広告費は8062億円(電通調べ)
  • 33. 口コミの力の増大 ① ② メリットもデメリットも増大
  • 34. “Stealth”の可視化 Stealth の可視化 • ネットによる検証可能性の増大 • 関与者の増大 • サクラ自身による情報発信
  • 35. 「嫌儲」文化との衝突 • 「非営利」からスタートしたインターネット 大学間ネ トと 大学間ネットと して発達、個人 間通信として普 及 アフィリエイト 1999~ 嫌儲 ネットのビジネス活 用に積極的な人々 (日本) ネットの商業利用 大企業の他、小規模 自体を嫌悪する 事業を営む個人等も 人々 Suit vs. Geek Jock vs. Nerd
  • 36. 学校教育やメディアの影響? 越 ワ お 後 ル ぬ ほ お い 屋 よの しも ど 代 え う い で 官 え は 様 金儲け は悪!
  • 37. ソーシャルメディアへの期待 • マス広告は信用できない? – 企業やビジネスそのものへの不信・・ 企業やビジネスそのものへの不信 – 代替・補完する情報ルートとして – 双方向のやりとりによる信頼関係の構築
  • 39. 「デジタルコンバージェンス」 • デジタル技術によって製品・企業・業界 などが収斂 • 各々の背景にある「ルール」が衝突
  • 40. 通信と放送 • ルーツは同じだが、性質の違いから異なる ル ルが適用 ルールが適用 • デジタルコンバージェンスで衝突 放送 通信 メディアの特徴 マス パーソナル パ ソナル 受け手 不特定多数の公衆 基本的に特定の個人 機能 一方向 双方向 コンテンツ マス向け ニッチ、個人ニーズへ対応 規制 内容規制あり 基本的に規制なし
  • 41. ステマはなぜ許せないか • 「仲間 と思 て た消費者が企業と 「仲間」と思っていた消費者が企業と 組んでいた→だまされた! 報酬 広告 企業 口 ミ 口コミ 消費者 消費者
  • 42. 2つのルール • 市場規範 • 社会規範 – 金銭が媒介する交換 – 善意による無償交換 善意 無償交換 有益な情報は 金で動かされ 金銭で報いら た情報は信用 れるべき きな できない
  • 43. 2つの世界、2つのルール 2つの世界 2つのルール 市場規範 社会規範 広告 報道 企業の 情報発信 口コミ 個人の 個人 情報発信
  • 44. ソーシャルメディアで融合 市場規範 社会規範 広告 報道 広告と報道 企業の の線引は 一応ある 応 情報発信 口コミ こちらは 個人の 個人 ソーシャルメディア 線引がまだ 情報発信 ない
  • 45. 対立する価値のバランス • 「表現の自由」と「誤認防止」 • 「個人の能力」と「情報の信頼性に関す 個人の能力」と 情報の信頼性に関す る責任」 この 受け手 客観的 体験の 関係性 ラーメン の誤認 根拠 真実性 の明示 おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって 表現の どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて 自由 れる! んだろ 限られ た能力
  • 46. ステマと法律 • 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)第 4条 – 実際より優良ないし有利と消費者に誤認させるよ うな表示を禁じる • 特定商取引に関する法律(特商法) – 広告の表示内容に関する規制(第11条) – 誇大広告等の禁止(第12条) – 「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよ り著しく優良であり、もしくは有利であると人を り著しく優良であり もしくは有利であると人を 誤認させるような表示」を禁止
  • 47. 景表法の考え方 • 「優良誤認」「有利誤認」 – 証明できる範囲で 証明は 難しい この ラーメン おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて れる! んだろ
  • 48. 消費者庁2012.5.9 • 「インターネット消費者取引に係る広告 インタ ネット消費者取引に係る広告 表示に関する景品表示法上の問題点及び 留意事項」の一部改定について – 「問題事例」に追加 商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿 の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに 依 関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、 口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト 上で当該商品 サ ビスに対する好意的な評価はさほど多くな 上で当該商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くな かったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の 内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受け ているかのように表示させること。 ているかのように表示させること
  • 49. 消費者庁長官 • 2012年12月19日記者会見 • ブログなどでの口コミサイトのことですが、こちらの ほうは、これも昨年の10月、景品表示法上の留意事項 というものを公表しております。そこで(中略)実際 の商品・サービスを供給する競争事業者に係るものよ りも、著しく優良または有利であると、 般消費者に りも 著しく優良または有利であると 一般消費者に 誤認されることのないようにする必要があるというこ とを述べていますので、この観点からチェックをして いくということになります。 いくということになります • 業界団体からその適正化に向けたガイドラインの遵守 ですとかが示されておりますので、そこの徹底を図っ ていくということだと思っています。 く
  • 50. WOMJ「関係性の明示」 • 衝突するルール間の調整 – 情報発信者の自由な表現を守りつつ、情報受信者 に判断の手がかりを与える 判断の 手がかり この 表現の自由の範囲だし ラーメン 証明できないし おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて れる! んだろ
  • 51. 法規制強化論 • 隠れ広告 「お薦め」に注意 ブログで紹 介 実は報酬(中日新聞 介…実は報酬(中日新聞2013年1月24日) 年 月 日) – 消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士(東京)は (中略)紀藤さんは 景品表示法の対象を広げ、 (中略)紀藤さんは「景品表示法の対象を広げ 米国の取り組みを参考にガイドラインづくりを 急ぐ必要がある」と話す。 急ぐ必要がある」と話す
  • 52. 推奨・体験談広告ガイドライン • 米連邦取引委員会(FTC)が2009年に発表 • 「推奨及び体験談の広告への使用に関す 推奨及び体験談の広告への使用に関す る指針」 • ネ トに限らない ネットに限らない – むしろ本命はマスメディア • 推奨者の意見、体験談が「本物」かどう かが問われる • ブロガーも責任を問われる可能性
  • 53. FTCガイドラインの考え方 • 「専門家としての知見に基づく推奨」 • 「実際に経験したかどうか」 専門家 一般人 関係性 の知見 の体験 の明示 この ラーメン おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて れる! んだろ マスメディアも デ も 規制対象
  • 54. CPUTR2008(英国) • 「不公正取引から消費者を保護するため の法律」( の法律」(2008) ) • EU不公正慣習指令(2005)に基づく • 消費者の「i f 消費者の「informed d i i d decision」を阻害す を阻害す る行為を禁止
  • 55. CPUTR2008の考え方 • 「消費者の意思決定を歪めないか 「消費者の意思決定を歪めないか」 • 「判断に影響する情報が隠されていないか」 判断 影響 情報 隠さ 」 関係性 品質等の情報 の明示 この ラーメン おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて れる! んだろ マスメディアも デ も 規制対象
  • 56. 日弁連意見書 • 「インターネットを用いた商取引における広 告の適正化を求める意見書」2012年2月17日 • 特定商取引に関する法律(いわゆる特商法) の改正を提言 • 口コミサイトにつき、関係性明示の不備を、 同法第12条の2に定めるいわゆる不実証広告 規制の対象とせよ、と主張 • 関係性明示がない場合には消費者の側に解約 権な 権などを認めよとの趣旨か 認 趣旨
  • 57. 日弁連意見書の考え方 • 「不実証広告」で立証責任を事業者へ • 通販が対象 – マスメディアもネットのステマの多くも対象外 この 現行法 ラーメン おいしい! 信じて食った 信じて食 た おいしいと ほんとに どうせ金 がまずいぞ いう科学的 食べたの もらって どうしてく 根拠は何か か? 嘘ついて れる! んだろ
  • 58. なぜ法規制ではだめなのか • ステマの外部からの判別は難しい • 法令ではきめ細かい対応ができない • 中途半端な規制はかえって事態を悪化 • 悪質なケースは現行法で対応済み • ネットだけ狙い撃ちはおかしい
  • 59. なぜ法規制ではだめなのか シロ クロ グレーゾーン 法律 いい 萎縮 法律があるせいで 事業者 撤退 「やってよい領域」 と割り切る事業者 厳密にするため が出てくる にきめ細かくで きない 悪い 事業者 極悪 事業者 全体として状況は不可視となり悪化
  • 61. 安易な規制はよくない • 成長機会を奪い産業をつぶす • かえって問題を悪化させる • 規制するならまずマスメディア • 業界の自主規制で対応すべき • 業界は自浄能力を示すべき
  • 62. 消費者の責任 • 発信する消費者の責任 – エンパワメントと表裏一体 エンパワメントと表裏 体 – 発信力に応じた責任の分担を • 一般消費者の責任 般消費者の責任 – 権利と責任のトレードオフ – 「赤ちゃん扱い」されたいのか
  • 63. 2000年代後半以降 苦情・問合せ等は減少 • ソーシャルメディア普及と同時期 – 消費者の目こそが最大の武器
  • 64. 規制のあり方 • 影響の範囲と深刻度で分けるべき 高 医薬品等の 広告 影 (専門家) マスメ 響 の深 規制の ディア 刻 必要性 広告 度 口コミ マーケティング (一般人) ( 般人) (有名人) 低 低 高 影響の範囲
  • 66. WOMJガイドライン • WOMマーケティング協議会 – 2009年7月設立 – WOMマーケティングに関わる企業、個人 • WOMマ ケテ ングに関するガイドライン WOMマーケティングに関するガイドライン – 2009年制定 – 2011年12月改訂 • http://womj.jp/womjguideline.pdf http //womj.jp/womjguideline.pdf
  • 67. ガイドライン改訂の経緯(1) • 2011年4月ごろ~ガイドライン委員会で啓蒙用 冊子作成をめざした活動 – ガイドライン「社会啓発の原則」 – ガイドラインを会員社営業現場に浸透させたい • 2011年10月、消費者庁「インターネット消費 者取引に係る広告表示に関する景品表示法上 の問題点及び留意事項」公表 – 啓発活動の重要性を改めて認識 – 消費者庁との連携へ向けた動き – 説明会開催のための準備開始 – 駒澤大学でのWOMJ連携講座開催準備
  • 68. ガイドライン改訂の経緯(2) • 2012年1月初旬:食べログやらせ問題などで口コミマーケティングと 倫理に関する関心が高まる • 1/16:WOMマーケティングガイドラインに関する説明会開催 • 2/6:ガイドライン委員会定例会 – 会員よりガイドラインの解釈に関する説明を求める文書 • 2/10・11:ガイドライン委員会WG合宿開催 • 2/13:合宿を受けてのミーティング開催 • 2/20:WGミーティング開催 • 2/27:WGミーティング開催 • 3/5 :WGミーティング開催 / Gミ グ開催 • 3/12:WGミーティング開催 • 3/21:理事懇談会にてガイドライン委員会より活動報告 – 理事が全員参加する臨時理事会を別途開催し、結論を出すことを確認 • 4/2 :臨時理事会開催 – ガイドライン委員会の提案を承認
  • 69. ガイドライン改訂の経緯(3) • 4/9:理事会からのフィードバック 4/9 理事会からのフ ドバ ク • 4/20:WGミーティング開催 • 4/26:WGミーティング開催 4/26 WGミ グ開催 • 5/10:WGミーティング開催 • 5/14:WOMJサミットにて経過報告 / に 経 報告 • 5/30-6/9:意見募集 • 6/15:WGミーティング開催 / • 6/18:WGミーティング開催 • 7/31:WGミーティング開催
  • 70. ガイドライン改訂の経緯(4) • 意見募集(5/30-6/9) – 「主体の明示」:「~普及委員会」などの仮 主体の明示」 普及委員会」などの仮 想の主体名は許容されないのか? – 「マーケティング」の定義が不明確 「マ ケティング」の定義が不明確。 「偽装行為」も詐欺的なもの以外は啓発にと どめるべき – ブロガーへの記事内容の強制についての見解 はどうなったのか? – 未成年者への配慮は入らないのか?
  • 71. ( ) ガイドライン改訂の経緯(5) • 委員長案に対する会員からの意見募集 – 8/9~23 • 理事会で決定 – 12月21日改訂、1月21日発効
  • 72. WOMマーケティングに関するガイドライン I.WOMJガイドラインの目的 1.本ガイドラインは、WOMマーケティング業界の健全なる発展を実現するために定める。 2.前項の目的達成のために、情報受信者の「正しく情報を知る権利」を最大限に尊重し、その保護に努める。 II. WOMJガイドラインの位置づけ 1.WOMマーケティングとはオンライン・オフラインを問わず、消費者間のコミュニケーションをマーケティング活動に活用することである。 2.本ガイドラインは、WOMマ ケティングの中でもオンライン上の消費者間のコミュニケ ションに限定し適用する。 2 本ガイドラインは WOMマーケティングの中でもオンライン上の消費者間のコミュニケーションに限定し適用する 3.WOMJ会員はWOMJの理念を共有する一員として、自らの良心に基づき、自らの責任で、本ガイドラインを遵守する。 III.言葉の定義 1.本ガイドラインでは、以下の用語について次の通り定義する。 ・情報発信者 情報を発信する消費者のこと。 ・情報受信者 情報受信者 情報を受信する消費者のこと。 ・情報発信者から発せられる情報 情報発信者がオンライン上に表現するもの。言語以外の表現手法も含む。 ・消費者間のコミュニケーション 情報発信者から発せられた情報を、情報受信者が受け取ること。 ・マーケティング主体 一連のWOMマーケティングの主催者のこと。 中間事業者はマーケティング主体ではない。 ・消費者行動の偽装 現実とは異なる「情報発信者から発せられる情報」や「消費者行動の履歴」を、あたかも現実であるかのように表現すること。投票数や評価の水増しのような、 言語以外の表現手段も含める。 IV.WOMJガイドラインの適用範囲 1.本ガイドラインは、WOMJ会員が関与するオンライン上での消費者間のコミュニケーションに適用する。 2.本ガイドラインの適用は、日本国内のみとする。 V.消費者行動偽装の禁止 1.消費者行動の偽装は、情報受信者が正確な情報を知る機会を損なうおそれがあるため、WOMJ会員はこれを行なってはならない。 VI.関係性明示 VI 関係性明示 1.情報発信者に対し、WOMマーケティングを目的とした、重要な金銭・物品・サービス等の提供が行われる場合、マーケティング主体と情報発信者の間には「関 係性がある」と定める。関係性がある場合には、その関係性は情報受信者が容易に理解できる方法で明示されるべきである。 2.関係性がある場合には、情報発信者に対し原則として関係性明示を義務付けなければならない。義務付けることが極めて難しい合理的な理由がある場合には 義務付けなくてもよいが、その場合でも関係性が明示されるよう最大限の努力を行わねばならない。 3.関係性の明示の際には、WOMマーケティングのマーケティング主体の名称と、情報発信者への金銭・物品・サービス等の提供の有無は示されるべきである。 金銭・物品・サ ビス等の提供の内容についても、詳細に示されることが望ましい。 金銭・物品・サービス等の提供の内容についても 詳細に示されることが望ましい VII.社会啓発 1.WOMマーケティング協議会とWOMJ会員は、本ガイドラインの認知と理解を高めるために必要な啓発活動を行う。
  • 73. 主要な変更点 • 文言の明確化 – 合意することに意義⇒実質的基準へ • 「消費者行動偽装の禁止」の追加 – ソ シ ルメデ アの発達に対応 ソーシャルメディアの発達に対応 • あわせて、今後の改訂に備えた体制整備 – 実態に合わせる柔軟性
  • 74. 会員社の悩み 員 • ガイドラインを守っている/守ろうとしている – そうでなければWOMJに加入しない • しかし必ずしも「徹底」できていない しかし必ずしも 徹底」できていない – 営業現場の隅々にまで徹底できているか – 発信する消費者に強制できるか – 取引先を選べるか ⼀次請け ⼆次請け 三次請け… 消費者 消費者 WOMJ WOMJ WOMJ (読み⼿) (書き⼿) 会員 会員 会員 発注者 消費者 ex.広告主 (書き⼿) 消費者 消費者 WOMJ WOMJ WOMJ (読み⼿) (書き⼿) ⾮会員 ⾮会員 ⾮会員
  • 75. ガイドラインの目的 1. WOMマーケティング業界の健全なる発展 を実現する 2. 1 の実現のために 情報受信者の「正 2 1.の実現のために、情報受信者の「正 しく情報を知る権利」を保護する 多様で豊かな消費者間のコミュニケーショ ンが交わされる社会 消費者間のコミュニケーションでは、通常 のマーケティング活動に適用される法規制 の ケテ ング活動に適用される法規制 や業界自主規制のような、消費者権利保護 の仕組みがまだ未整備
  • 76. 2 ガイドラインの位置づけ 1.WOMマ ケティングとはオンライン オフラ 1.WOMマーケティングとはオンライン・オフラ インを問わず消費者間のコミュニケーショ ンをマーケティング活動に活用すること 2.本ガイドラインは、WOMマーケティングの中 でもオンライン上の消費者間のコミュニ ケ シ ンに限定し適用 ケーションに限定し適用 3.WOMJ会員はWOMJの理念を共有する一員とし て、自らの良心に基づき、自らの責任で本 て 自らの良心に基づき 自らの責任で本 ガイドラインを遵守
  • 77. 例 • 街頭サンプリングでオンライン・オフラ インでの消費者間のコミュニケーション の創出を意図する場合 オフライン 情報発信 街頭サンプリング オンライン 情報発信 本ガイドラインを適用
  • 78. 言葉の定義 • 情報発信者 情報を発信する消費者 • 情報受信者 情報を受信する消費者 • 情報発信者から発せられる情報 – 情報発信者がオンライン上に表現するもの。言語以 外の表現手法も含む • 消費者間のコミュニケーション – 情報発信者から発せられた情報を、情報受信者が受 け取ること • マーケティング主体 – 一連のWOMマーケティングの主催者のこと。 • 中間事業者はマーケティング主体ではない。
  • 79. 情報発信者 • 情報を発信する消費者 – テキスト、画像、映像、音声、… テキスト、画像、映像、音声、 – プロのジャーナリストや著名人も個人の立場 としての情報発信に見える場合は含む • 商業媒体、ビジネスとしての情報発信は含まない
  • 80. マーケティング主体 • 一連のWOMマーケティングを主催する企業や 団体 – 一般に広告主や媒体社など – 消費者からの問い合わせに対し主体として回答 する立場の企業・団体 – WOMマ ケテ ングの業務委託を受ける中間事 WOMマーケティングの業務委託を受ける中間事 業者は(主催者に含まれていない場合は)、 マーケティング主体ではない マ ケテ ング主体ではない
  • 81. 4 適用範囲 1. 本ガイドラインは、WOMJ会員が関与する オンライン上での消費者間の オンライン上での消費者間のコミュニ ケーションに適用する。 2. 本ガイドラインの適用は、日本国内のみ 2 本ガイドラインの適用は 日本国内のみ とする。 WOMマーケティング WOMJ オンライン上 会員
  • 82. 情報の責任主体 • WOMマーケティングでは、情報の責任主体 が誰なのか、情報受信者の立場からは判断 しにくい ブログ記事、 レビュー等 マーケティング 主体 情報発信者 情報受信者 よくわからない 責任主体たる企業等が明確…ガイドライン適用外
  • 83. 情報発信者自身が責任主体 • 芸能人、有名人ブログ等 – 自分自身の情報発信のように見える場合 有名人等 ブログ記事等 マーケティング 主体 情報発信者 情報受信者 責任主体 ガイドラインを適用
  • 84. 責任主体が不明確 • 芸能人、有名人ブログ等 – 自分自身の情報発信のように見える場合 ブログ記事等 ブ グ記事等 マーケティング (広告表記) 主体が 体 わからない 情報発信者 情報受信者 責任主体が不明確 ガイドラインを適用
  • 85. 情報発信者以外が責任主体 • 企業の契約タレント等 – マーケティング活動と情報発信者の関わりが よく知られている場合等 契約タレント等 ブログ記事等 マーケティング 主体 情報発信者 情報受信者 責任主体 ガイドライン適用せず
  • 86. 情報発信者以外が責任主体 • 広告スペースや自社媒体等 広告スペ スや自社媒体等 – マーケティング活動として情報発信が行われ ていることが明らかな場合 自社媒体等 記事広告等 マーケティング 主体 責任主体 情報受信者 情報発信者 ガイドライン適用せず
  • 88. 消費者行動偽装の禁止 1.現実と乖離した「情報発信者から発せら 1 現実と乖離した「情報発信者から発せら れる情報」や消費者行動の履歴を、あた かも現実であるかのように表現すること を、「消費者行動の偽装」と定める。 「消費者行動の偽装」には、投票数や評 「消費者行動の偽装」には 投票数や評 価の水増しのような、言語以外の表現手 段も含める。 段も含める 2.「消費者行動の偽装」は、情報受信者の 正しく情報を知る権利を損なうため、 正しく情報を知る権利を損なうため WOMJ会員はこれを行なってはならない。
  • 89. 消費者行動偽装の禁止 • Facebookの「いいね!」の数など、情報発 信者の投票行動履歴に対価を支払い購入す ることで 水増し」する行為 ることで「水増し」する行為 • YouTubeの閲覧数など、情報発信者の閲覧行 動履歴に対価を支払い、自動化された方法 動履歴に対価を支払い 自動化された方法 や人為的な繰り返し作業で「水増し」する 行為
  • 90. 消費者行動偽装の禁止 • ランキングサイトやクチコミサイト等で、 情報発信者の実体験と乖離した数値や指標 を意図的に操作してつくり上げる行為 • ランキングやクチコミサイト等で、情報発 信者の実体験と乖離した推奨コメントや批 判的なコメントを履歴として残す行為
  • 91. 消費者行動偽装の禁止 • マーケティング主体と競合関係にある対象 の評判を貶める行為 • マーケティング主体との関係が不明な場所 マ ケティング主体との関係が不明な場所 で、情報発信者から発せられる情報を改ざ んする行為 • その他、明らかに情報受信者を欺く行為と WOMJガイドライン委員会が定めるもの。 – 継続的にWOMJガイドライン委員会で協議 決定 継続的にWOMJガイドライン委員会で協議、決定
  • 92. 関係性の明示(1) 1.情報発信者に対し、WOMマーケティングを目 的とした、重要な金銭・物品・サービス等 の提供が行われる場合、 の提供が行われる場合、マーケティング主 ケティング主 体と情報発信者の間には「関係性がある」 と定める。 と定める 関係性がある場合には、その関係性は情報 受信者が容易に理解できる方法で明示され るべきである。
  • 93. 関係性の明示(1) • 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的 がWOMマーケティングではない場合には、関 係性は明示する必要はない • 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな い場合には、関係性は明示する必要ない い場合には 関係性は明示する必要ない – 情報発信内容に有意な差異が出るか? – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか? • これらの判断は会員の裁量 – ただし理事会の求めあれば説明義務
  • 94. 関係性の明示(1) • 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的 がWOMマーケティングではない場合には、関 係性は明示する必要はない • 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな い場合には、関係性は明示する必要ない い場合には 関係性は明示する必要ない – 情報発信内容に有意な差異が出るか? – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか? • これらの判断は会員の裁量 – ただし理事会の求めあれば説明義務
  • 95. 関係性の明示(1) • 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的 がWOMマーケティングではない場合には、関 係性は明示する必要はない • 金銭・物品・サービス等の提供が重要でな い場合には、関係性は明示する必要ない い場合には 関係性は明示する必要ない – 情報発信内容に有意な差異が出るか? – 情報受信者の行動に有意な差異が出るか? • これらの判断は会員の裁量 – ただし理事会の求めあれば説明義務
  • 96. 関係性の明示(1) • 「サービス」 – 情報発信者 情報発信者へのイベントへの参加権利 イ ト 参加権利 – 会員向けポイントや特典など、情報発信者が得を する権利 – 懸賞賞品が当たる権利(情報発信することが、懸 賞の応募条件である場合など) – 懸賞賞品の当選確率がアップする権利 – WOMJガイドライン委員会が「サービス等」と定め WOMJガイドライン委員会が「サービス等」と定め、 WOMJ会員に通知したもの – その他 社会通念上「重要」と考えられる情報発 その他、社会通念上「重要」と考えられる情報発 信者への経済的利益やインセンティブ
  • 97. 関係性の明示(1) • 金銭・物品・サービス等の提供者が誰であっ ても、関係性はマーケティング主体と提供を ても 関係性はマ ケティング主体と提供を 受ける情報発信者の間に発生する 金銭・物品・ サービス等の ブログ 依頼 提供 記事等 広告主 WOM 情報受信者 マーケティング マ ケテ ング マーケティング マ ケテ ング 情報発信者 主体 施策を行う者 関係性
  • 98. 関係性の明示(2) 2. 関係性がある場合には、情報発信者に対し原 則として関係性明示を義務付けなければなら ない。 義務付けることが極めて難しい合理的な理由 がある場合には義務付けなくてもよいが、 がある場合には義務付けなくてもよいが その場合でも関係性が明示されるよう最大限 の努力を行わねばならない。 の努力を行わねばならない
  • 99. 関係性の明示(2) • WOMJ会員は情報発信者に対して原則として 会員は情報発信者 対し 原則 し 関係性明示を義務付けるべき • 関係性明示を義務付けることが難しい場合 にも、関係性明示に向けた最大限の努力 – 有名人等の場合 – 金銭・物品・サービス等を提供するものの、オ ンライン上での情報発信を要求しない場合 • 金銭・物品・サービス等の提供の主な目的がWOMマー ケティングである • 提供する金銭・物品・サービス等が「重要である」
  • 100. 関係性の明示(3) 3.関係性の明示の際には、WOMマーケティング のマーケティング主体の名称と、情報発信者 の金銭 物品 サ ビス等の提供の有無は への金銭・物品・サービス等の提供の有無は 示されるべきである。金銭・物品・サービス 等の提供の内容についても、詳細に示される 等の提供の内容についても 詳細に示される ことが望ましい。
  • 101. 関係性の明示(3) • 情報受信者に十分な認知がある場合に以 下のものも使用可 – 組織・団体の正式名称以外の「通称・略称」 • 例:日本放送協会 ⇒ NHK – 商品 サ ビスのブランド名 商品・サービスのブランド名 • 例:「コカ・コーラ」等のマーケティング主体名 – 長期にわたって使用されている広告キャン 期に 使 広告 ペーン名称等
  • 102. 関係性の明示(3) • 実体を伴わない架空の団体名をマーケ ティング主体の名称として表記すること は原則として不可 – ただし、情報受信者からの問い合わせ先が明 確に示されており、本来のマーケティング主 確に示されており 本来のマ ケティング主 体が確実に対応できる場合に限り使用可 インターネット取引に関する問題点 ・事業者の連絡方法・連絡先が分からない。 ・消費者向け電話相談窓口を設けていない所が多い。 ・複数の事業者が、契約にかかわっており、契約関係が複雑。 ・責任の所在が不明確。 「インターネット取引に関する問題点と相談事例」(東京都消費生活総合センター、2012年) 「インタ ネット取引に関する問題点と相談事例 (東京都消費生活総合センタ 2012年)
  • 103. 関係性の明示(3) • ティザー型のキャンペーンでは、ティ ザー期間中に限り、マーケティング主体 の名称の代わりに、キャンペ ン名称や の名称の代わりに、キャンペーン名称や 「一時的な仮の名称」を使用可 – テ ザ 期間終了後は本来のマ ケテ ング ティザー期間終了後は本来のマーケティング 主体の名称を明示 – ティザー期間中はキャンペーン名称や「一時 「 的な仮の名称」のもとで、消費者からの問い 合わせに答える機能をもつこと
  • 104. 関係性の明示(3) • 具体的な関係性明示の方法は会員の裁量 – 望ましい表記、よくない表記例につき解説に 記載 – ツイッターでも主体と関係性の明示は必要 – 今後も随時検討していく 会員社の裁量と説明責任が セットになっている
  • 105. 今後の可能性 • 「優良マーク」 – 関係性明示その他法令を順守する発信者 – 典型的には有名・有力ブロガー等 – 一般消費者がわかりやすい表示 般消費者がわかりやすい表示 – 現状では運営コスト、実効性に課題 現状では運営 スト、実効性に課題 – 行政は期待している?
  • 107. ネット炎上リスクの増大 • ネット炎上のリスク • ネット炎上がマスメディアに飛び火する リスク • ネ ト炎上が実損に ながるリスク ネット炎上が実損につながるリスク
  • 108. ソーシャルメディアリスク • 企業のソーシャルメディア活用 • 役職員等のソーシャルメディア利用 役職員等のソ シャルメディア利用 • ソーシャルメディアにおける顧客間の口 コミ ミ お金もらった けどいちいち 書くのめんど いし
  • 109. ステマはリスキー • ソーシャルメディアが重要に – 購入判断に大きな影響 • 炎上の影響は深刻に – 自社だけでなく取引先にも及ぶ • マーケティング活動にもリスクマネジメ ケテ グ活動 もリ ク ネジ ントの視点が必要 – 「品質管理」は責任ある企業の努め ステマを許容する企業との取引は危険
  • 110. リスクとは何か • 「事業目的の達成を阻害する発生不確実 な事象」( ナソ ック㈱) な事象」(パナソニック㈱) – 企業戦略と密接に関係 – 企業によって違う • JISQ2001 – 事態の確からしさとその結果の組み合わせま たは事態の発生確率とその結果の組み合わせ 110
  • 111. リスクとは何か • ハザード – 床が濡れている(危険な状況) • ペリル – 滑 て転ぶ(事象が発生) 滑って転ぶ(事象が発生) • リスク リ ク – 骨折して入院する(損失が発生) 「ステマがばれて炎上」は ここでいう「リスク」ではない ここでいう「リスク ではない 111
  • 112. リスクは全体でとらえる • ソーシャルメディアだけの問題ではない – ステマが失敗すると何が起きるか – なぜステマを行ってしまうのか 規定不備 売上減少 研修不足 ステマ 広告費増 チェック ブランド 体制不備 力低下
  • 113. リスク対策の選択 大 C A 移転 回避 (低減) (分散) 損害の 大きさ 低減 受容 (移転) 小 D B 高 発生頻度 低
  • 114. PDCAサイクル • 基本方針の策定 • 基本計画の策定 • 対策の実施 • モニタリング • 是正・改善 • 経営者のコミットメントがカギ
  • 115. ハインリッヒの法則 • 労働災害に関する「1:29:300の 法則」 – 1件の重大災害 – 29件の「軽災害」 – 300件の「ヒヤリ体験」 小さなリスクを見逃していると 大きなリスクに気づかない
  • 116. 顧客は単なる受け手ではない • サポーター/アンバサダー – 彼らを騙さない/騙しに加担させない • 広告主側も真剣に考える必要
  • 117. ありがとうございました Hiroshi YAMAGUCHI URL: http://www.h-yamaguchi.net/ Twitter: @HYamaguchi T itt @HY g hi