Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.
集合知メカニズムによる 政治プロセス改善の  可能性について   2012年3月    駒澤大学    山口 浩
問題意識その1• これまで予測市場をはじめさまざまな集合知  メカニズムが提案されてきた• しかし新たなメカニズムが実際に定着し活用  されている例は少ない• どうしたらいい?         Hiroshi YAMAGUCHI   2
予測市場• 「一定」のプレゼンスは得たが – 実用のツールとして使われている例は少ない• 現実との間の壁 – テーマ自体が興味を惹きつけられない – 負担の割にメリットが少ない – 参加のハードルが高い – 「すでにわかっている選択肢」しか使え...
現実通貨を使う• 賭博罪にならないもの – 懸賞 – パチンコ、カジノ・・? – 仮想通貨を使ったゲーム等 – 公営ギャンブル(公営競技) – 公営くじ – デリバティブ取引           Hiroshi YAMAGUCHI   4
すでにわかっている選択肢のみ• 当選者、支持率、価格、指標等ならよい• 政策や法案はすべての可能性を網羅できない – 多様な論点、判断基準  • 例:「3年以内に消費税増税は実現するか?」    →2年11ヶ月後に増税法案可決、半年後施行だった...
問題意識その2•   現在の政治システムはほぼ「19世紀の技術」•   現在の技術で革新できないか•   とはいえ現実離れした「夢物語」だけでは・・•   現行システムと地続きの道筋が必要            Hiroshi YAMAGUCH...
東浩紀『一般意志2.0』• 大衆の「一般意志」を技術で可視化• 専門家の「熟議」を制約• スリリングで面白い• 現実との間をどうつなぐかに課題 – 「国会審議の横でニコ生」  • ニコ生コメ主と有権者の層の違い  • 一般意志でどう専門家を縛る...
民主主義という集合知メカニズム• 民主主義自体が集合知を活かす手法 – 投票制度 – 間接民主制• 間接民主制の普及と定着 – 人口増 – 専門的知識・能力の必要性 – 「止揚」「妥協」の手法           Hiroshi YAMAGUC...
政治への不満• 「政治家の能力が低い」 – 「あの政治家この分野には疎いからなあ」• 「なんだか小難しい」 – 「結局どういうことなんだかわかんないよ!」• 「政治家はウソをつく」 – 「公約したのに守らないじゃないか!」• 「帯に短し襷に長し...
「政治家の能力が低い」問題• 得手不得手はしかたない• 補ってもらう方法はあるはず – というか既にそうしている場面は多い – 議場で同じことができてもいいのではないか – 議場で通信機器を使えれば可能  ブレーン   秘書    政治家   ...
キャラクターでもいいのではないか• 政治家2.0           © Crypton Future Media, Inc.            「中の人」             Hiroshi YAMAGUCHI            11
キャラクラシー• 濱野智史氏が提唱• 「バーチャルなキャラによる政治家」による(キャラク  ター民主主義)• イデオロギーが似た人たちが、初音ミクのような  バーチャルなキャラクターを共同で作って政治家に  し、自らの声を政治に反映させようとい...
キャラクラシー• 一般人の興味を引きにくいテーマへの関心を  高める? – 好きなキャラクターを応援 – 現実の政治家がイメージキャラクターを決めると   ころから始めれば – 法人格を認める方向もアリではないか – 後は具体的にどう使うか  ...
「なんだか小難しい」問題• 政治の話は難しい – いろいろな問題が入りまじってどう判断していい   かわからない – 人に聞いても「最後は自分の判断だから」とか言   われてしまう          Hiroshi YAMAGUCHI   14
「なんだか小難しい」問題• 本来政治家が説明して理解を得る役割だが・・                 分               政治家                 断   「あちら側」と「こちら側」                 ...
「なんだか小難しい」問題• 投資には投資信託がある• ならば投票には投票信託?があってもいい                             政治家                             政治家         Hir...
票を人に託すしくみ• キャラクターでいいかもしれない     © Crypton Future Media, Inc.                                              政治家              ...
「なんだか小難しい」問題• 自分ではわからない人向き – 公職選挙法第48条(代理投票)  • 身体の故障又は文盲により、自ら当該選挙の公職の    候補者の氏名を記載することができない場合  • これを拡張したらどうか – 「票の売買につなが...
「政治家はウソをつく」問題• 現実の政治に関わるとキャラクターが「汚れ  る」のではないか• せっかくキャラクターを使うなら、為政者の側  ではなく有権者の側に立つ方がよい                             © Crypt...
「政治家はウソをつく」問題• 合意形成のための妥協は誤解されやすい – 変節と受け取られる• 選挙時点からの環境変化 – 頻繁に選挙をやればいいというものではない   「まだない選択肢は選べない」   →集合知メカニズムの根源的な問題     ...
電子国民投票制度• 頻繁に選挙をやって民意を確認? – 政治家の身分が不安定になることの弊害• 民意を示す機会が選挙しかないのは問題 –   世論調査には実効性がない –   国民投票法は憲法問題のみだが –   電子化すれば気軽にできる – ...
「帯に短し襷に長し」問題• 政策形成の過程で政策は変容していく – 「妥協」「止揚」は必然• 現在の政治家は個々が全ての案件に関与 – 多数の有権者が全ての案件で同意見になることは   難しい            Hiroshi YAMAGU...
個人の票を分割する• 政策をキャラクター化し投票      © Crypton Future Media, Inc.                                               政治家有権者           ...
「分人」と「合人」• 分人民主主義 – 鈴木健氏が提唱 – 票を分割してソーシャルネットワークを通して投票 – 自分の票がどこへ行ったかわかりにくい• 合人民主主義 – 複数の人の意思を合わせて意思形成 – 「加重平均」でなく「止揚」 – 最終...
複数の意見を止揚していくしくみ• 機械では代行できないのではないか? – 自らの保身と離れて議論してほしい – 衆愚が直接政策に反映しないように• 変化に柔軟に対応できるしくみ – 有権者の選択は随時変更できるように – 政策も随時変化させてい...
たとえば• 政治家にも政策にも投票できる – 政策キャラクターは集めた票を政治家に割り振る               政治家 A                  B            C                         ...
ここから先はまだです申し訳ございません   Hiroshi YAMAGUCHI   27
すごくぶっちゃけると• 集合知メカニズムの普及のためには集合知  メカニズムに入る前の段階でいろいろ工夫し  ないといけないのではないか• 東浩紀、濱野智史、鈴木健各氏の考えを合  わせて、それにちょっと足して、現行の選挙制  度をベースに少し...
ありがとうございました        Hiroshi YAMAGUCHI URL: http://www.h-yamaguchi.net/
Upcoming SlideShare
Loading in …5
×

集合知メカニズムによる政治プロセス改善の可能性について

2012年3月16日開催の日本経営工学会「予測市場と集合知活用」研究部会会合における発表資料「集合知メカニズムによる政治プロセス改善の可能性について」

  • Be the first to comment

集合知メカニズムによる政治プロセス改善の可能性について

  1. 1. 集合知メカニズムによる 政治プロセス改善の 可能性について 2012年3月 駒澤大学 山口 浩
  2. 2. 問題意識その1• これまで予測市場をはじめさまざまな集合知 メカニズムが提案されてきた• しかし新たなメカニズムが実際に定着し活用 されている例は少ない• どうしたらいい? Hiroshi YAMAGUCHI 2
  3. 3. 予測市場• 「一定」のプレゼンスは得たが – 実用のツールとして使われている例は少ない• 現実との間の壁 – テーマ自体が興味を惹きつけられない – 負担の割にメリットが少ない – 参加のハードルが高い – 「すでにわかっている選択肢」しか使えない Hiroshi YAMAGUCHI 3
  4. 4. 現実通貨を使う• 賭博罪にならないもの – 懸賞 – パチンコ、カジノ・・? – 仮想通貨を使ったゲーム等 – 公営ギャンブル(公営競技) – 公営くじ – デリバティブ取引 Hiroshi YAMAGUCHI 4
  5. 5. すでにわかっている選択肢のみ• 当選者、支持率、価格、指標等ならよい• 政策や法案はすべての可能性を網羅できない – 多様な論点、判断基準 • 例:「3年以内に消費税増税は実現するか?」 →2年11ヶ月後に増税法案可決、半年後施行だったら? →1年後に「今後2年間に限って増税」となったら? →品目ごとに税率がちがっていたら? – 現時点でわかっていないものは無理 • 現実の「選択肢」はどんどん変化していく Hiroshi YAMAGUCHI 5
  6. 6. 問題意識その2• 現在の政治システムはほぼ「19世紀の技術」• 現在の技術で革新できないか• とはいえ現実離れした「夢物語」だけでは・・• 現行システムと地続きの道筋が必要 Hiroshi YAMAGUCHI 6
  7. 7. 東浩紀『一般意志2.0』• 大衆の「一般意志」を技術で可視化• 専門家の「熟議」を制約• スリリングで面白い• 現実との間をどうつなぐかに課題 – 「国会審議の横でニコ生」 • ニコ生コメ主と有権者の層の違い • 一般意志でどう専門家を縛る? • 意見集約のメカニズムをどうする? Hiroshi YAMAGUCHI 7
  8. 8. 民主主義という集合知メカニズム• 民主主義自体が集合知を活かす手法 – 投票制度 – 間接民主制• 間接民主制の普及と定着 – 人口増 – 専門的知識・能力の必要性 – 「止揚」「妥協」の手法 Hiroshi YAMAGUCHI 8
  9. 9. 政治への不満• 「政治家の能力が低い」 – 「あの政治家この分野には疎いからなあ」• 「なんだか小難しい」 – 「結局どういうことなんだかわかんないよ!」• 「政治家はウソをつく」 – 「公約したのに守らないじゃないか!」• 「帯に短し襷に長し」 – 「この政策は賛成だけどあれは反対」 Hiroshi YAMAGUCHI 9
  10. 10. 「政治家の能力が低い」問題• 得手不得手はしかたない• 補ってもらう方法はあるはず – というか既にそうしている場面は多い – 議場で同じことができてもいいのではないか – 議場で通信機器を使えれば可能 ブレーン 秘書 政治家 Hiroshi YAMAGUCHI 10
  11. 11. キャラクターでもいいのではないか• 政治家2.0 © Crypton Future Media, Inc. 「中の人」 Hiroshi YAMAGUCHI 11
  12. 12. キャラクラシー• 濱野智史氏が提唱• 「バーチャルなキャラによる政治家」による(キャラク ター民主主義)• イデオロギーが似た人たちが、初音ミクのような バーチャルなキャラクターを共同で作って政治家に し、自らの声を政治に反映させようというもの• 匿名ユーザーが政策を書いたり、PR動画を作ったり、 キャラの忠実な「エージェント」として国会に参加した りする。 Hiroshi YAMAGUCHI 12 (c)Hiroshi Yamaguchi
  13. 13. キャラクラシー• 一般人の興味を引きにくいテーマへの関心を 高める? – 好きなキャラクターを応援 – 現実の政治家がイメージキャラクターを決めると ころから始めれば – 法人格を認める方向もアリではないか – 後は具体的にどう使うか Hiroshi YAMAGUCHI 13
  14. 14. 「なんだか小難しい」問題• 政治の話は難しい – いろいろな問題が入りまじってどう判断していい かわからない – 人に聞いても「最後は自分の判断だから」とか言 われてしまう Hiroshi YAMAGUCHI 14
  15. 15. 「なんだか小難しい」問題• 本来政治家が説明して理解を得る役割だが・・ 分 政治家 断 「あちら側」と「こちら側」 政治家 Hiroshi YAMAGUCHI 15
  16. 16. 「なんだか小難しい」問題• 投資には投資信託がある• ならば投票には投票信託?があってもいい 政治家 政治家 Hiroshi YAMAGUCHI 16
  17. 17. 票を人に託すしくみ• キャラクターでいいかもしれない © Crypton Future Media, Inc. 政治家 政治家 Hiroshi YAMAGUCHI 17
  18. 18. 「なんだか小難しい」問題• 自分ではわからない人向き – 公職選挙法第48条(代理投票) • 身体の故障又は文盲により、自ら当該選挙の公職の 候補者の氏名を記載することができない場合 • これを拡張したらどうか – 「票の売買につながるおそれ」 • なぜ売買してはいけないのか?(暴論) • というか事実上やってるよね? • 政治意思決定をゆがめる恐れがあるとすれば、それ は自らの票が政策につながっている実感が持てない からではないか? Hiroshi YAMAGUCHI 18
  19. 19. 「政治家はウソをつく」問題• 現実の政治に関わるとキャラクターが「汚れ る」のではないか• せっかくキャラクターを使うなら、為政者の側 ではなく有権者の側に立つ方がよい © Crypton Future Media, Inc. Hiroshi YAMAGUCHI 19
  20. 20. 「政治家はウソをつく」問題• 合意形成のための妥協は誤解されやすい – 変節と受け取られる• 選挙時点からの環境変化 – 頻繁に選挙をやればいいというものではない 「まだない選択肢は選べない」 →集合知メカニズムの根源的な問題 Hiroshi YAMAGUCHI 20
  21. 21. 電子国民投票制度• 頻繁に選挙をやって民意を確認? – 政治家の身分が不安定になることの弊害• 民意を示す機会が選挙しかないのは問題 – 世論調査には実効性がない – 国民投票法は憲法問題のみだが – 電子化すれば気軽にできる – 「ときどきやる」のではなく「いつもやってる」もの• 「君子豹変」と「政治家への信頼」を両立させるに は? – 政治家を政見以外の点で評価するしくみ – 政策について別途民意を反映するしくみ Hiroshi YAMAGUCHI 21
  22. 22. 「帯に短し襷に長し」問題• 政策形成の過程で政策は変容していく – 「妥協」「止揚」は必然• 現在の政治家は個々が全ての案件に関与 – 多数の有権者が全ての案件で同意見になることは 難しい Hiroshi YAMAGUCHI 22
  23. 23. 個人の票を分割する• 政策をキャラクター化し投票 © Crypton Future Media, Inc. 政治家有権者 政治家 Hiroshi YAMAGUCHI 23
  24. 24. 「分人」と「合人」• 分人民主主義 – 鈴木健氏が提唱 – 票を分割してソーシャルネットワークを通して投票 – 自分の票がどこへ行ったかわかりにくい• 合人民主主義 – 複数の人の意思を合わせて意思形成 – 「加重平均」でなく「止揚」 – 最終的に自分で決める Hiroshi YAMAGUCHI 24
  25. 25. 複数の意見を止揚していくしくみ• 機械では代行できないのではないか? – 自らの保身と離れて議論してほしい – 衆愚が直接政策に反映しないように• 変化に柔軟に対応できるしくみ – 有権者の選択は随時変更できるように – 政策も随時変化させていくように Hiroshi YAMAGUCHI 25
  26. 26. たとえば• 政治家にも政策にも投票できる – 政策キャラクターは集めた票を政治家に割り振る 政治家 A B C まずデフォル 合計 トの投票先を 決める有権者 投票先は随 政策1 時変更できる 政策2 政治家は政 策を議論し修 合計 正していく →有権者と政治家のインタラクションを活性化する Hiroshi YAMAGUCHI 26 © Crypton Future Media, Inc.
  27. 27. ここから先はまだです申し訳ございません Hiroshi YAMAGUCHI 27
  28. 28. すごくぶっちゃけると• 集合知メカニズムの普及のためには集合知 メカニズムに入る前の段階でいろいろ工夫し ないといけないのではないか• 東浩紀、濱野智史、鈴木健各氏の考えを合 わせて、それにちょっと足して、現行の選挙制 度をベースに少し変えて、電子化された国民 投票制度と併せて実装したら、面白いんでは ないか• という話 Hiroshi YAMAGUCHI 28
  29. 29. ありがとうございました Hiroshi YAMAGUCHI URL: http://www.h-yamaguchi.net/

×