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大分県立芸術文化短期大学
    情報発信特講

     ネットを活用した情報発信
       ∼大分県のあゆみと展望


2012/5/21   情報発信特講   1
講義資料の場所

   http://www.fujino.com/
   藤野幸嗣の高度情報化と社会生活
∼スマホからも見ることができます。


※今日の講義のみ、講義時間中
 ケータイやスマホはご自由に。
 2012/5/21     情報発信特講        2
自己紹介
   藤野幸嗣(ふじのゆきつぐ)
梅林建設(株)企画室次長(常勤)
大分大学工学部講師(非常勤)
ハイパーネットワーク社会研究所共同研究員(非常勤)
(株)コアラ取締役(非常勤)

大分市在住。
 仕事は地元の建設会社でデスクワークをしています。
 地域でのネットの活用に様々な立場で20年以上関わってい
 ます。
 最近は大分大学でFacebookを活用する講義をしていま
 す。
    2012/5/21      情報発信特講   3
エゴサーチ
   自分の名前でネット検索をすること。
   ネットの世界で自分がどう見えるか、
    簡単に確認することができます。


   ちゃんとプロフィールが表示される。
   まったく出てこない。
   同姓同名が多くてみつけられない。
    悪口だけがみつかる。
 2012/5/21 情報発信特講      4
Facebookブランディング
 →個人でもSEOを!
   Facebookで自分の名前が付いた
    ページを作成する。
   そこに真面目な話を毎日書き込んでい
    く。
→簡単に自分のエゴサーチの結果を良く
することができます。
    2012/5/21   情報発信特講   5
本日のお話し
「利用者」がネットを使っ
て地域から情報発信をし
てみようと、いろいろな
活動をやってきたという
お話です。
2012/5/21   情報発信特講   6
大分駅前の予想図




2012/5/21   情報発信特講   7
大分の中心市街地のVR
   大分駅の高架工事
 2012年:大分駅高架完成。
駅ビルは2015年春に完成予定。
大分駅南側に幅100Mの道路が完成。
   駅前広場は現在検討中。
バスターミナル、デッキ、横断地下道?
 駅と中心市街地をどう結ぶか?
 2012/5/21 情報発信特講   8
大分市中心市街地のVRデータ
Virtual Reality
仮想現実
大分市の中心市街地と駅南の構想を
コンピューター内で再現できるデータ。
大分経済同友会のサイトからダウンロー
ド、誰でも自由に活用、編集することが
できます。
 2012/5/21    情報発信特講   9
やまなびAR




2012/5/21   情報発信特講   10
やまなびARの画面




2012/5/21   情報発信特講   11
AR(拡張現実)
   現実とコンピュータネットワーク上の
    データを重ね合わせて見えるようにす
    る技術。
   建設現場や観光案内などに応用ができ
    ないか?



    2012/5/21   情報発信特講   12
ネットを使った情報発信

   大分県の地域ネットワークのあゆみ
   コアラ=大分県の市民ネットワーク
  大分初のインターネットプロバイダ
  九州のネットワークベンチャー
   ハイパーネットワーク社会研究所の活動
   インターネットの進展と地域の課題

    2012/5/21   情報発信特講   13
2011




              地域のソーシャルメディア    フェイスブック
                                            14




                             ブログ・ツイッター
               地域ポータル        ソーシャルメディア
       2005




                             Web�2・0
                 地
              NP 域

              観 N
              O S

              光 S




                              コミュニティポータル
27年の主な活動



              ア
              ラ
              コ




               豊の国ハイパーネットワーク
              コアラ法人化         地域イントラ
        2000




                             ブロードバンド


                                            情報発信特講
       開
       始
       A
       D
       S
       L




              豊の国ネットのインターネット対応
              ハイパーネットワーク実験
      1995




              地域プロバイダ
                             インターネット
              ハイパー研発足
       1990


              第一回ハイパーネットワーク会議




                                           2012/5/21
              豊の国ネットワーク       マルチメディア
       1985   コアラ発足          パソコン通信
              一村一品運動         ニューメディア
大分ソフトパーク
   1984年 大分市東春日町にオー
    プン
   地域のソフト開発拠点として
   富士通のソフト工場を地方に誘致
   地域のソフト関連産業を集積
   コンピュータ専門学校
   IT関連施設の設置
    2012/5/21   情報発信特講   15
2012/5/21   情報発信特講   16
地域の拠点開発の手法
   新産業都市(1960年代)
 →臨海工業地帯
   都町の繁栄
 シリコンバレーやシアトルなど
 フランスの「ソフィア・アンティポリ
 ス」を手本にして、大分の
 「ソフトパーク」が計画された。
    2012/5/21   情報発信特講   17
ソフト・「パーク」という命名
   「ソフト」に老若男女が親しむ意図
   学校やメディア企業の誘致
   核としてソフト開発拠点
 →30年たったいまは?
ソフトパークは大分の情報化の拠点に
  なったか?
    実態は東京への出稼ぎ拠点か?
    2012/5/21
           情報発信特講      18
1985年ニューメディアブーム

 産・官・学いずれもリーダーシップを
 とりえない当時の状況で「市民=利用者
 主導」による情報化推進を提案。



        一村一品運動
                       コアラの発足
       ニューメディア
  2012/5/21   情報発信特講        19
パソコン通信コアラのはじまり
 コアラ(発足時「大分パソコン通信

  アマチュア研究協会」の略称)は
ニューメディア時代の一村一村運動
   利用者(市民)による利用者のため
    のネットワークを構築
   パソコン通信による市民の交流を提
    唱。
     2012/5/21
           情報発信特講   20
はじまりはパソコン通信




2012/5/21   情報発信特講   21
当時は音響カプラの時代




2012/5/21   情報発信特講   22
当時のパソコンの立ち上げ画面
>A:




2012/5/21   情報発信特講   23
最初から勘違いの連続
   オンラインの地域データベースを目指す
 →そんなものは誰もみない
 →「オンライン=カフェ」(掲示板)をオープンし
 てみた。
   市民同士の情報交流に方針転換
 1985年に、市民がパソコンを購入して、
 交信をするというのは、「破天荒」なことだった。
  ∼高価、面倒、かなりの知識が必要
   わが国でも最初期の電子掲示板システムの立上げ  
                            
    2012/5/21   情報発信特講   24
やってみてわかったこと
   情報発信は気負わなくてもできる。
   コンピュータによる通信は強力。
   コミュニケーションを「オープン」で
    「ソーシャル」に行うことは地域から
    の情報発信として認知される。
   クローズ、カジュアル(私的)なやり
    とりは「情報発信」にならない。
    2012/5/21   情報発信特講   25
オープンでフォーマルな利用
      クローズ             オープン
   メーリングリスト                 Facebook
フォ
   グループウェア                 実名のTwitter
ーマ
   社内SNS                   各種ソーシャル     
ル
   エントリーシート                サービスの連携

カ 友達同士のメール
                     匿名掲示板
ジュ クローズなSNS          仮名Twitter
アル  をかけたTwitter      仮名ブログ
   2012/5/21      情報発信特講            26
コアラの活動理念
   実名主義 
地域での生活者、個人としての責任ある発言
   個人の利用支援(ボランタリーな活動)
   地域に根付いた活動
    →毎月一回の例会を開催
    →いろいろな市民層の参加
   行政や企業による支援
   ハードのみの提供、運営は利用者にまかせる
      2012/5/21   情報発信特講   27
ネットの利用者同士の連携
   サポートを期待するとコストがかかる
   便利なのは、やはり詳しい友人
   相談相手がいればパソコンも安心だ
   地域での利用には自主的
  (ボランタリー)な横連携が必要
   USAでは街毎のユーザーズグループが
    PCの利用基盤を支えていた。
     2012/5/21
            情報発信特講     28
パソコン通信で学んだこと
   技術は天から降ってくるものではな
    い。
   困ったことは自分たちでまず解決す
    る。
   真剣に考えれば道は開ける。
   利用者のニーズこそが真理。
   技術を盲信しない。
    2012/5/21   情報発信特講   29
困っていたことを解決
   遠距離の電話代が高い!
→行政で大分県民一律料金の通信網を構築した。(豊の国ネットワー
ク)

   画像通信をやりたい!
→地域に研究所をつくってシステム検討。(ハイパーネット
ワーク社会研究所)

   他の地域と連携したい!
→インターネットの導入検討

   通信速度を速くしたい!
    2012/5/21   情報発信特講        30
豊の国情報ネットワーク
   県民共通の通信インフラを提案
   「ふるさと創生資金」を活用
    →県、市町村の拠出金
   県下12の電話料金区間毎にアクセスポイン
    ト →3分10円の県内の公共アクセス網
   県内の公的なデータベースと接続し、
 そのコミュニケーション機能としてコアラを

     2012/5/21   情報発信特講   31
ハイパーネットワーク社会研究所
   理論研究
→情報文化・文明論
→将来のネットワークの問題を考える
   実践研究
  →地域の情報基盤づくり
  →インターネットの先進的利用とそ
 の推進
  →最近は安心なネット利用を目指す
 2012/5/21 情報発信特講     32
ハイパーネットワーク別府湾会議




2012/5/21   情報発信特講   33
コアラのインターネット接続
   1994年7月 会員 2600名
   月額 2,000円固定

                                   データベース
                                    サブ・システム
                               データベース
                                サブ・システム
                             データベース
                              サブ・システム
             COARA−4                            ゲートウェイ

                                     豊の国ネット
    世界へ       コミュニケーション
                                    (パケット型)
インターネット            サブ・システム           通信コントロール
                                      サブ・システム
                    WWWサーバ                        ユーザー
                  インターネット接続

Infoweb
    プロバイダー
      2012/5/21    ユーザー        情報発信特講                    34
1994年頃




2012/5/21   情報発信特講       35
インターネットブーム到来
   1994年7月にコアラでプロバイダ
    を開始
 わが国初の地域プロバイダ
  それまで年間200人の加入が
  一気に十倍近くに増加する。
   WINDOWS95によるインターネッ
    ト利用も後押し。
    2012/5/21   情報発信特講   36
利用者の不満
   電話料金が高い
 →大分市のみのアクセスポイント
 →遠近格差と長時間利用
   通信速度が遅い
 画像の扱いは容易になったが
 電話回線では表示速度が遅い。

    2012/5/21   情報発信特講   37
ハイパーネットワーク実験
NTTマルチメディア共同利用実験網            東京   1995年∼
        福                    インターネットで世界へ
                                     6年
        岡



               大分ハイパーステーション
                             メディアサ
  20ヶ所の光網                     ロン

  県庁,商店街,病院,                  ダイアルアップによる利用
  学校,工場,大学
コンベンションホールなど

   2012/5/21        情報発信特講                38
報
コ
ン
セ
ン
ト
の
あ
る
街
    2012/5/21   情報発信特講   39
マルチメディア電子会議
百聞一見の画面




          2012/5/21   情報発信特講   40
マルチメディア電子会議




2012/5/21   情報発信特講   41
新アクセス方法を模索
   アクセス系のブロードバンド化を模索
   光ファイバーはやはり高い
(将来はともかく当面個人向きではない)
   CATVインターネット
 大分ケーブルテレビがサービスを開始
   ADSL
コアラが1999年12月に全国で初めて
  2012/5/21 情報発信特講      42
大分県の基盤構想の背景
   第3次の「豊の国ネットワーク」
   行政内のネットワーク利用の増大
   今後の行政間ネットワーク利用の予測
  →総合行政ネットワークも背景に
   地域内の情報格差の是正
   都市部以外の情報基盤整備の遅れ
   技術革新(とくにインターネットまわり)
    への対応
    2012/5/21 情報発信特講  43
「豊の国ハイパーネットワーク」
                                      高田国東ルート
                                   (H16.4供用開始予定)             姫島村
          アクセスポイント
                                           香々地町        国見町
                                          真玉町
                       中津市     県北ルート                                                  豊の国医療診断
                                                                                                      県庁内サーバ      県立芸術文化
                             (H15.1供用開始)               国東町                             支援センター
                                               豊後高田市                                                              短期大学  
                                      宇佐市
   中津日田ルート                                             武蔵町
(H16.1供用開始予定)                                                                                豊の国情報
                       三光村                             安岐町
                                                                                                                     大分大学
                                                                             県立図書館
    山国町              本耶馬溪町           安心院町             杵築市                                    ネットワークセンター
              耶馬溪町           院内町
                                     山香町                   国東別杵ルート                                                  県教育センター

  日田市                                                      (H15.4供用開始)                      (データセンター)
                     玖珠町                             日出町
                                                                                           介護研修センター   産業創造機構   スポーツ公園
                                                                                                           
                                         別府市
           天瀬町             九重町
前津江村           日田玖珠ルート 湯布院町                            大分市               佐賀関町
        大山町
               (H15.4供用開始) 庄内町
                                          挾間町                          臼杵市              佐伯臼杵ルート
                                                野津原町                                 (H16.4供用開始予定)
 中津江村
        上津江村                                                                  津久見市
                             大野竹田ルート                  犬飼町      県南ルート
                             (H14.4供用開始)                     (H13.9供用開始)             上浦町
                                                       千歳村       野津町                                  ネットワーク利用予定システム  
                                               大野町

                                         朝地町                       弥生町                                ●豊の国医療診断支援システム
                                                                                       鶴見町
           CATVサービス中
                                   竹田市                                                                ●学校教育情報ネットワーク 
                                                           本匠村           佐伯市
           CATVサービス予定                    緒方町                                               米水津村       ●生涯学習システム     
                                                     三重町
                                               清川村
                                                                  直川村                                 ●防災情報システム     
                                                                                     蒲江町
                                                      宇目町
                                                                                                      ●福祉、介護情報システム  
                                                                                                      ●産業科学情報システム   
              2012/5/21                                      情報発信特講                                                      44
                                                                                                      ●各種行政利用システム   
ハイパーネットワーク構想の目的
    行政ネットワークの構築
   県庁内イントラネット
   県=市町村間の行政ネットワーク
    上記の設備を活用した、民間への解放
     を予定
   (利用料は無料ないし低額を検討)
  県内CATVへの接続用伝送路として
 インターネット域内バックボーンとし45
2012/5/21 情報発信特講
<凡例>       赤線       県整備伝送路
   犬飼町ネットワーク構成例
                                                              青線       市村村整備伝送路
豊の国医療診断支援システム
                                                              黒線       既設伝送路
大分県産業科学情報システム
大分県水産業情報システム                                                           県三重総合庁舎
                                            WDM (1Gbps)
                                                                県整備

大分県生涯学習システム           大分県庁
大分県介護情報システム
                                                             10km
                                                            県整備
大分県総合防災情報システム
                                        1000 BASE-LX                   犬飼町中央公民館
県学校教育情報ネットワーク
                                        犬飼町整備
  犬飼町役場                光コンバータ                                        大分県生涯学習システム
 大分県総合防災情報システム            メディアコンバータ                                  犬飼町保健センター
                                                                           V2
                                              100 BASE-FX

                          メディアコンバータ

 大分県生涯学習システム
                                            100 BASE-FX
                                                                    大分県介護情報システム
                                                                       在宅介護支援センター

            長谷小学校V2
                                   犬飼小学校         V2


                                                                       大分県生涯学習システム
                                                                       デイサービスセンター
    県学校教育情報ネットワーク 犬飼中学校
    2012/5/21                 情報発信特講                                           46
                                                                      大分県生涯学習システム
ハイパーネットの特長
   自前の光ファイバーを公共網として構築
  県と市町村役場、学校・公民館
   民間にも積極的に開放を行う方針
   通信会社ではなく「広域LAN」という
    思想
   アクセス系は地域の特性に応じて選択
   利用面を重視する。
     2012/5/21
             情報発信特講   47
インフラ整備から活用へ
   2003年高速行政網は完成した。
   ブロードバンド時代の到来
 基盤の利用はできるようになったが、
 問題は地域で活用しようという意識
 ビジネス、生活、地域、遊びに
 ネットワークを活用しようという意識
 が欠如?していたのかも?
    2012/5/21   情報発信特講   48
ユーザーも地域で様々な活動
   別府八湯メーリングリスト
 別府の街づくりの情報交換拠点
   国東半島メーリングリスト
   BuNGO Channel
    個人の動画作成支援教室などを主宰
   日田や中津、佐伯でも地域ポータルの
    運営がみられる。
    2012/5/21   情報発信特講   49
別府八湯メーリングリスト
   活動歴15年以上
   約300名の参加
   メールの数 13万通以上
→様々な街づくり活動の提案と実行の場
に
路地裏散歩、別府トラスト、オンパク、
・・・その他→地域のソーシャル・キャ
    2012/5/21   情報発信特講   50
Social Capital=Mail List
   別府路地裏散歩
 週末、市内数カ所でボランティアによ
 る観光案内
   別府八湯トラスト∼町並保存
   地域通貨の発行→湯路(ユーロ)
   ハットウ・オンパク∼地域イベント
   空店舗活用→混浴温泉世界(アート)
    2012/5/21    情報発信特講         51
NPO観光コアラ
   2004年1月 設立認証
   大分県の新しい観光を提案
「おおいた・ゆふいん観光マップ」
予約ができる
「地域ポータル」
を開始

2012/5/21   情報発信特講   52
大分市子育て支援サイト




2012/5/21   情報発信特講   53
SNSを使ったおしゃべりnaana




2012/5/21   情報発信特講   54
地域の様々なFacebookページ




2012/5/21   情報発信特講   55
大分県の情報化の意義
ソーシャルキャピタルとしての地域情報化
   インターネットによる地域情報化を県域と
    いう広域で実現しようとした。
   都市部のインフラの整備と郡部のインフラ
    の準備
   地域活動とネットワーク利用の連携
   地域からの利用アプリケーションの提案
   地域からの情報発信
    2012/5/21   情報発信特講   56
これからの大分の課題
利用者層の厚みと地域のソーシャルキャ
 ピタルを生かせる施策が必要
   ソーシャルパワーの分散が課題
   IT企業のプレゼンスとニーズのミス
    マッチ 
   技術研究拠点のパワー不足
   足を引っ張る教育と行政セクター
    2012/5/21   情報発信特講   57
インターネットの課題
   誰もが情報発信できる時代
  →ウェブはソーシャルへ
   情報の確実性や真実性は低下する。
  →情報を評価する能力が問われる。
  →情報を自らのものとして発信する能力
 が必要なのだけど、
   現代の高等教育はそうした要請に答えてい
    ない。
    2012/5/21   情報発信特講   58
共有価値の創造
   組織の目的=フェアトレードの場を提供
価値観の変化
 →モノの所有に意味が無くなった
 →価値を共有するコトに向かう。
「社会的不経済」をもたらす組織は排除される。
 →震災後のエネルギー価格はなぜ安定なの?
「東京電力」の広報が最悪の例。
 社会とソーシャルな関係を持った組織として、インタラク
 ションを継続して行い、共有価値の創造を行うことが組
 織の目的。
    2012/5/21   情報発信特講   59
ネット→オープンな社会へ
   行政は「公開が原則」へ。
   企業の目的は「利益確保や組織の継
    続」ではなく「共有価値の創造」へ。
   管理者のスキルは「情報統制」から
    「オープン・リーダーシップ」へ。
   個人はネットを活用してサード・プレ
    イスを充実させる。
    2012/5/21   情報発信特講   60
ネットはどこで役立つ?
   ファースト・プレイス(家庭) 「生活の場」
  家庭、親戚 日常的な付合い範囲。
   セカンド・プレイス(会社)「仕事の場」
  仕事上 職場の付き合い。
   サード・プレイス(地域)→「社交の場」
 家庭や職場以外のくつろげる場所のこと。 
 「ゆるい紐帯」の付合い。
  
 2012/5/21   情報発信特講    61
ネットの世界的普及
   地球の反対側に瞬時にメールを送れる
    ようになった。
   ツイッターやUstreamで世界中の情
    報が入ってくるようになった。
   でも、すぐ近所で何が起こっているの
    かは、ネットではわからない。
   もっと足下の地域のこともネットで知
    られるようにならないのか?
    2012/5/21
            情報発信特講   62
地域とネット
   世界中の情報はたちどころに知ること
    ができるようになった。
   それなのに自分の暮らしているところ
    の情報はあまり入ってこない。
   地域でのネット活用とくに生活情報を
    充実させて利便性を高めようという活
    動→地域情報化にネットを生かす。
    2012/5/21   情報発信特講   63
人々の関係
   強い連携
  家族+4名∼6名
   弱い連携
 数十名∼150名ぐらいのグループ
多層化している。クラス、同窓会、職
場、取引先・・・
   一時的な連携
    2012/5/21   情報発信特講   64
弱い連携の限界
   ダンパー数 150名が限界
 明確なルールや指導者がいなくても集
団が保持できる限界値。
 顔の見える範囲。
   ネットは顔の見える限界を技術(アー
    キテクチャー)で越えられるか?→地
    域情報化
    2012/5/21   情報発信特講   65
ソーシャルメディア
=Web上に出現した、共有、共感、共創のための空間。
   発信の共有→ブログ、Wiki、Skype
   映像や動画の共有→Flickr、YouTube
   つぶやきの共有→Twitter、
   ブックマークの共有→del.cio.us、はてブ
   ライフストリームの共有→friendfeed
   ネット空間共有→
       SocialNetwork∼MySpace、
 Facebook
   3次元共有→SecondLife
    2012/5/21   情報発信特講          66
アクティビティを共有
   つぶやきを共有
   記事を共有
   聞いている音楽を共有
   写真を共有
   動画を共有
   リンクを共有
   文章を共同制作
    2012/5/21   情報発信特講   67
アクティビティの統合
   メールの送受信
   ブログや日記のメッセージ
   掲示板のメッセージ
   Twitterのつぶやき
   ソーシャルブックマークの記録
   写真をWebアルバムに登録
   動画を動画サービスに登録
 →こうした行動を友人達と共有する。
 2012/5/21 情報発信特講    68
キューレーションという行為
   本来は美術館や博物館の展示の企画や
    運営を行う専門職のこと。
   最近はネットの膨大な情報から、自分
    の友達(フォローワー)に、適切なタ
    イミングで情報の意味づけをする行
    為。
   ネットジンやブログ、最近はTweet
    のRTやFacebookのシェアなど。
    2012/5/21
            情報発信特講    69
最近の課題
1.社内のSNSツールの選定
→掲示板では古い。共有するデータの肥大化への対
処とセキュリティ。
2.高等教育とソーシャルメディアの活用
3.NPOなど社会活動の情報発信の支援
→Facebookとの連携など。
4.大分の地域活性化
 まちづくりや観光情報の発信支援
2012/5/21   情報発信特講    70
ネットを使って問題解決を!
   地域の身近な問題についてネットで意
    見を応募。
→パブリック・インボルブメント
→住民参加もネットを使えば簡単。
これからの地域づくりに必要。
大分中心市街地の問題もできればもっと
ネットを活用して意見交換して欲しいと
    2012/5/21   情報発信特講   71
コミュニティ・エリア・ネットワーク
   そこに企業も市民も行政も集い、
   ネットワーク上のコミュニティを形
    成する




    2012/5/21   情報発信特講   72
ご静聴、
        有り難うございました!




2012/5/21   情報発信特講    73

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  • 1. 大分県立芸術文化短期大学 情報発信特講 ネットを活用した情報発信 ∼大分県のあゆみと展望 2012/5/21 情報発信特講 1
  • 2. 講義資料の場所  http://www.fujino.com/  藤野幸嗣の高度情報化と社会生活 ∼スマホからも見ることができます。 ※今日の講義のみ、講義時間中  ケータイやスマホはご自由に。 2012/5/21 情報発信特講 2
  • 3. 自己紹介  藤野幸嗣(ふじのゆきつぐ) 梅林建設(株)企画室次長(常勤) 大分大学工学部講師(非常勤) ハイパーネットワーク社会研究所共同研究員(非常勤) (株)コアラ取締役(非常勤) 大分市在住。  仕事は地元の建設会社でデスクワークをしています。  地域でのネットの活用に様々な立場で20年以上関わってい ます。  最近は大分大学でFacebookを活用する講義をしていま す。 2012/5/21 情報発信特講 3
  • 4. エゴサーチ  自分の名前でネット検索をすること。  ネットの世界で自分がどう見えるか、 簡単に確認することができます。  ちゃんとプロフィールが表示される。  まったく出てこない。  同姓同名が多くてみつけられない。 悪口だけがみつかる。  2012/5/21 情報発信特講 4
  • 5. Facebookブランディング  →個人でもSEOを!  Facebookで自分の名前が付いた ページを作成する。  そこに真面目な話を毎日書き込んでい く。 →簡単に自分のエゴサーチの結果を良く することができます。 2012/5/21 情報発信特講 5
  • 7. 大分駅前の予想図 2012/5/21 情報発信特講 7
  • 8. 大分の中心市街地のVR  大分駅の高架工事  2012年:大分駅高架完成。 駅ビルは2015年春に完成予定。 大分駅南側に幅100Mの道路が完成。  駅前広場は現在検討中。 バスターミナル、デッキ、横断地下道?  駅と中心市街地をどう結ぶか? 2012/5/21 情報発信特講 8
  • 10. やまなびAR 2012/5/21 情報発信特講 10
  • 11. やまなびARの画面 2012/5/21 情報発信特講 11
  • 12. AR(拡張現実)  現実とコンピュータネットワーク上の データを重ね合わせて見えるようにす る技術。  建設現場や観光案内などに応用ができ ないか? 2012/5/21 情報発信特講 12
  • 13. ネットを使った情報発信  大分県の地域ネットワークのあゆみ  コアラ=大分県の市民ネットワーク   大分初のインターネットプロバイダ   九州のネットワークベンチャー  ハイパーネットワーク社会研究所の活動  インターネットの進展と地域の課題 2012/5/21 情報発信特講 13
  • 14. 2011 地域のソーシャルメディア フェイスブック 14 ブログ・ツイッター 地域ポータル ソーシャルメディア 2005 Web�2・0 地 NP 域 観 N O S 光 S コミュニティポータル 27年の主な活動 ア ラ コ 豊の国ハイパーネットワーク コアラ法人化 地域イントラ 2000 ブロードバンド 情報発信特講 開 始 A D S L 豊の国ネットのインターネット対応 ハイパーネットワーク実験 1995 地域プロバイダ インターネット ハイパー研発足 1990 第一回ハイパーネットワーク会議 2012/5/21 豊の国ネットワーク マルチメディア 1985 コアラ発足 パソコン通信 一村一品運動 ニューメディア
  • 15. 大分ソフトパーク  1984年 大分市東春日町にオー プン  地域のソフト開発拠点として  富士通のソフト工場を地方に誘致  地域のソフト関連産業を集積  コンピュータ専門学校  IT関連施設の設置 2012/5/21 情報発信特講 15
  • 16. 2012/5/21 情報発信特講 16
  • 17. 地域の拠点開発の手法  新産業都市(1960年代)  →臨海工業地帯    都町の繁栄  シリコンバレーやシアトルなど  フランスの「ソフィア・アンティポリ ス」を手本にして、大分の  「ソフトパーク」が計画された。 2012/5/21 情報発信特講 17
  • 18. ソフト・「パーク」という命名  「ソフト」に老若男女が親しむ意図  学校やメディア企業の誘致  核としてソフト開発拠点  →30年たったいまは? ソフトパークは大分の情報化の拠点に   なったか? 実態は東京への出稼ぎ拠点か? 2012/5/21 情報発信特講 18
  • 20. パソコン通信コアラのはじまり  コアラ(発足時「大分パソコン通信 アマチュア研究協会」の略称)は ニューメディア時代の一村一村運動  利用者(市民)による利用者のため のネットワークを構築  パソコン通信による市民の交流を提 唱。 2012/5/21 情報発信特講 20
  • 24. 最初から勘違いの連続  オンラインの地域データベースを目指す  →そんなものは誰もみない →「オンライン=カフェ」(掲示板)をオープンし てみた。  市民同士の情報交流に方針転換  1985年に、市民がパソコンを購入して、  交信をするというのは、「破天荒」なことだった。   ∼高価、面倒、かなりの知識が必要  わが国でも最初期の電子掲示板システムの立上げ     2012/5/21 情報発信特講 24
  • 25. やってみてわかったこと  情報発信は気負わなくてもできる。  コンピュータによる通信は強力。  コミュニケーションを「オープン」で 「ソーシャル」に行うことは地域から の情報発信として認知される。  クローズ、カジュアル(私的)なやり とりは「情報発信」にならない。 2012/5/21 情報発信特講 25
  • 26. オープンでフォーマルな利用 クローズ オープン メーリングリスト Facebook フォ グループウェア 実名のTwitter ーマ 社内SNS 各種ソーシャル      ル エントリーシート サービスの連携 カ 友達同士のメール  匿名掲示板 ジュ クローズなSNS  仮名Twitter アル をかけたTwitter  仮名ブログ 2012/5/21 情報発信特講 26
  • 27. コアラの活動理念  実名主義  地域での生活者、個人としての責任ある発言  個人の利用支援(ボランタリーな活動)  地域に根付いた活動     →毎月一回の例会を開催     →いろいろな市民層の参加    行政や企業による支援    ハードのみの提供、運営は利用者にまかせる 2012/5/21 情報発信特講 27
  • 28. ネットの利用者同士の連携  サポートを期待するとコストがかかる  便利なのは、やはり詳しい友人  相談相手がいればパソコンも安心だ  地域での利用には自主的   (ボランタリー)な横連携が必要  USAでは街毎のユーザーズグループが PCの利用基盤を支えていた。 2012/5/21 情報発信特講 28
  • 29. パソコン通信で学んだこと  技術は天から降ってくるものではな い。  困ったことは自分たちでまず解決す る。  真剣に考えれば道は開ける。  利用者のニーズこそが真理。  技術を盲信しない。 2012/5/21 情報発信特講 29
  • 30. 困っていたことを解決  遠距離の電話代が高い! →行政で大分県民一律料金の通信網を構築した。(豊の国ネットワー ク)  画像通信をやりたい! →地域に研究所をつくってシステム検討。(ハイパーネット ワーク社会研究所)  他の地域と連携したい! →インターネットの導入検討  通信速度を速くしたい! 2012/5/21 情報発信特講 30
  • 31. 豊の国情報ネットワーク  県民共通の通信インフラを提案  「ふるさと創生資金」を活用     →県、市町村の拠出金  県下12の電話料金区間毎にアクセスポイン ト →3分10円の県内の公共アクセス網  県内の公的なデータベースと接続し、  そのコミュニケーション機能としてコアラを 2012/5/21 情報発信特講 31
  • 32. ハイパーネットワーク社会研究所  理論研究 →情報文化・文明論 →将来のネットワークの問題を考える  実践研究   →地域の情報基盤づくり   →インターネットの先進的利用とそ の推進   →最近は安心なネット利用を目指す 2012/5/21 情報発信特講 32
  • 34. コアラのインターネット接続  1994年7月 会員 2600名  月額 2,000円固定 データベース  サブ・システム データベース  サブ・システム データベース  サブ・システム COARA−4 ゲートウェイ 豊の国ネット 世界へ コミュニケーション (パケット型) インターネット  サブ・システム 通信コントロール  サブ・システム WWWサーバ ユーザー インターネット接続 Infoweb プロバイダー 2012/5/21 ユーザー 情報発信特講 34
  • 35. 1994年頃 2012/5/21 情報発信特講 35
  • 36. インターネットブーム到来  1994年7月にコアラでプロバイダ を開始  わが国初の地域プロバイダ   それまで年間200人の加入が   一気に十倍近くに増加する。  WINDOWS95によるインターネッ ト利用も後押し。 2012/5/21 情報発信特講 36
  • 37. 利用者の不満  電話料金が高い  →大分市のみのアクセスポイント  →遠近格差と長時間利用  通信速度が遅い  画像の扱いは容易になったが  電話回線では表示速度が遅い。 2012/5/21 情報発信特講 37
  • 38. ハイパーネットワーク実験 NTTマルチメディア共同利用実験網 東京 1995年∼ 福 インターネットで世界へ 6年 岡 大分ハイパーステーション メディアサ 20ヶ所の光網 ロン 県庁,商店街,病院, ダイアルアップによる利用 学校,工場,大学 コンベンションホールなど 2012/5/21 情報発信特講 38
  • 39. 報 コ ン セ ン ト の あ る 街 2012/5/21 情報発信特講 39
  • 42. 新アクセス方法を模索  アクセス系のブロードバンド化を模索  光ファイバーはやはり高い (将来はともかく当面個人向きではない)  CATVインターネット  大分ケーブルテレビがサービスを開始  ADSL コアラが1999年12月に全国で初めて 2012/5/21 情報発信特講 42
  • 43. 大分県の基盤構想の背景  第3次の「豊の国ネットワーク」  行政内のネットワーク利用の増大  今後の行政間ネットワーク利用の予測   →総合行政ネットワークも背景に  地域内の情報格差の是正  都市部以外の情報基盤整備の遅れ  技術革新(とくにインターネットまわり) への対応 2012/5/21 情報発信特講 43
  • 44. 「豊の国ハイパーネットワーク」 高田国東ルート (H16.4供用開始予定) 姫島村 アクセスポイント 香々地町 国見町 真玉町 中津市 県北ルート 豊の国医療診断 県庁内サーバ 県立芸術文化 (H15.1供用開始) 国東町 支援センター 豊後高田市 短期大学   宇佐市 中津日田ルート 武蔵町 (H16.1供用開始予定) 豊の国情報 三光村 安岐町 大分大学 県立図書館 山国町 本耶馬溪町 安心院町 杵築市 ネットワークセンター 耶馬溪町 院内町 山香町 国東別杵ルート 県教育センター 日田市 (H15.4供用開始) (データセンター) 玖珠町 日出町 介護研修センター 産業創造機構 スポーツ公園     別府市 天瀬町 九重町 前津江村 日田玖珠ルート 湯布院町 大分市 佐賀関町 大山町 (H15.4供用開始) 庄内町 挾間町 臼杵市 佐伯臼杵ルート 野津原町 (H16.4供用開始予定) 中津江村 上津江村 津久見市 大野竹田ルート 犬飼町 県南ルート (H14.4供用開始) (H13.9供用開始) 上浦町 千歳村 野津町 ネットワーク利用予定システム   大野町 朝地町 弥生町 ●豊の国医療診断支援システム 鶴見町 CATVサービス中 竹田市 ●学校教育情報ネットワーク  本匠村 佐伯市 CATVサービス予定 緒方町 米水津村 ●生涯学習システム      三重町 清川村 直川村 ●防災情報システム      蒲江町 宇目町 ●福祉、介護情報システム   ●産業科学情報システム    2012/5/21 情報発信特講 44 ●各種行政利用システム   
  • 45. ハイパーネットワーク構想の目的  行政ネットワークの構築   県庁内イントラネット   県=市町村間の行政ネットワーク  上記の設備を活用した、民間への解放 を予定   (利用料は無料ないし低額を検討)  県内CATVへの接続用伝送路として  インターネット域内バックボーンとし45 2012/5/21 情報発信特講
  • 46. <凡例> 赤線 県整備伝送路 犬飼町ネットワーク構成例 青線 市村村整備伝送路 豊の国医療診断支援システム 黒線 既設伝送路 大分県産業科学情報システム 大分県水産業情報システム 県三重総合庁舎 WDM (1Gbps) 県整備 大分県生涯学習システム 大分県庁 大分県介護情報システム 10km 県整備 大分県総合防災情報システム 1000 BASE-LX 犬飼町中央公民館 県学校教育情報ネットワーク 犬飼町整備 犬飼町役場 光コンバータ 大分県生涯学習システム 大分県総合防災情報システム メディアコンバータ 犬飼町保健センター V2 100 BASE-FX メディアコンバータ 大分県生涯学習システム 100 BASE-FX 大分県介護情報システム 在宅介護支援センター 長谷小学校V2 犬飼小学校 V2 大分県生涯学習システム デイサービスセンター 県学校教育情報ネットワーク 犬飼中学校 2012/5/21 情報発信特講 46 大分県生涯学習システム
  • 47. ハイパーネットの特長  自前の光ファイバーを公共網として構築   県と市町村役場、学校・公民館  民間にも積極的に開放を行う方針  通信会社ではなく「広域LAN」という 思想  アクセス系は地域の特性に応じて選択  利用面を重視する。 2012/5/21 情報発信特講 47
  • 48. インフラ整備から活用へ  2003年高速行政網は完成した。  ブロードバンド時代の到来  基盤の利用はできるようになったが、  問題は地域で活用しようという意識  ビジネス、生活、地域、遊びに  ネットワークを活用しようという意識 が欠如?していたのかも? 2012/5/21 情報発信特講 48
  • 49. ユーザーも地域で様々な活動  別府八湯メーリングリスト  別府の街づくりの情報交換拠点  国東半島メーリングリスト  BuNGO Channel 個人の動画作成支援教室などを主宰  日田や中津、佐伯でも地域ポータルの 運営がみられる。 2012/5/21 情報発信特講 49
  • 50. 別府八湯メーリングリスト  活動歴15年以上  約300名の参加  メールの数 13万通以上 →様々な街づくり活動の提案と実行の場 に 路地裏散歩、別府トラスト、オンパク、 ・・・その他→地域のソーシャル・キャ 2012/5/21 情報発信特講 50
  • 51. Social Capital=Mail List  別府路地裏散歩  週末、市内数カ所でボランティアによ る観光案内  別府八湯トラスト∼町並保存  地域通貨の発行→湯路(ユーロ)  ハットウ・オンパク∼地域イベント  空店舗活用→混浴温泉世界(アート) 2012/5/21 情報発信特講 51
  • 52. NPO観光コアラ  2004年1月 設立認証  大分県の新しい観光を提案 「おおいた・ゆふいん観光マップ」 予約ができる 「地域ポータル」 を開始 2012/5/21 情報発信特講 52
  • 56. 大分県の情報化の意義 ソーシャルキャピタルとしての地域情報化  インターネットによる地域情報化を県域と いう広域で実現しようとした。  都市部のインフラの整備と郡部のインフラ の準備  地域活動とネットワーク利用の連携  地域からの利用アプリケーションの提案  地域からの情報発信 2012/5/21 情報発信特講 56
  • 57. これからの大分の課題 利用者層の厚みと地域のソーシャルキャ ピタルを生かせる施策が必要  ソーシャルパワーの分散が課題  IT企業のプレゼンスとニーズのミス マッチ   技術研究拠点のパワー不足  足を引っ張る教育と行政セクター 2012/5/21 情報発信特講 57
  • 58. インターネットの課題  誰もが情報発信できる時代   →ウェブはソーシャルへ  情報の確実性や真実性は低下する。   →情報を評価する能力が問われる。   →情報を自らのものとして発信する能力 が必要なのだけど、  現代の高等教育はそうした要請に答えてい ない。 2012/5/21 情報発信特講 58
  • 59. 共有価値の創造  組織の目的=フェアトレードの場を提供 価値観の変化  →モノの所有に意味が無くなった  →価値を共有するコトに向かう。 「社会的不経済」をもたらす組織は排除される。  →震災後のエネルギー価格はなぜ安定なの? 「東京電力」の広報が最悪の例。  社会とソーシャルな関係を持った組織として、インタラク ションを継続して行い、共有価値の創造を行うことが組 織の目的。 2012/5/21 情報発信特講 59
  • 60. ネット→オープンな社会へ  行政は「公開が原則」へ。  企業の目的は「利益確保や組織の継 続」ではなく「共有価値の創造」へ。  管理者のスキルは「情報統制」から 「オープン・リーダーシップ」へ。  個人はネットを活用してサード・プレ イスを充実させる。 2012/5/21 情報発信特講 60
  • 61. ネットはどこで役立つ?  ファースト・プレイス(家庭) 「生活の場」   家庭、親戚 日常的な付合い範囲。  セカンド・プレイス(会社)「仕事の場」   仕事上 職場の付き合い。  サード・プレイス(地域)→「社交の場」  家庭や職場以外のくつろげる場所のこと。   「ゆるい紐帯」の付合い。    2012/5/21 情報発信特講 61
  • 62. ネットの世界的普及  地球の反対側に瞬時にメールを送れる ようになった。  ツイッターやUstreamで世界中の情 報が入ってくるようになった。  でも、すぐ近所で何が起こっているの かは、ネットではわからない。  もっと足下の地域のこともネットで知 られるようにならないのか? 2012/5/21 情報発信特講 62
  • 63. 地域とネット  世界中の情報はたちどころに知ること ができるようになった。  それなのに自分の暮らしているところ の情報はあまり入ってこない。  地域でのネット活用とくに生活情報を 充実させて利便性を高めようという活 動→地域情報化にネットを生かす。 2012/5/21 情報発信特講 63
  • 64. 人々の関係  強い連携   家族+4名∼6名  弱い連携  数十名∼150名ぐらいのグループ 多層化している。クラス、同窓会、職 場、取引先・・・  一時的な連携 2012/5/21 情報発信特講 64
  • 65. 弱い連携の限界  ダンパー数 150名が限界  明確なルールや指導者がいなくても集 団が保持できる限界値。  顔の見える範囲。  ネットは顔の見える限界を技術(アー キテクチャー)で越えられるか?→地 域情報化 2012/5/21 情報発信特講 65
  • 66. ソーシャルメディア =Web上に出現した、共有、共感、共創のための空間。  発信の共有→ブログ、Wiki、Skype  映像や動画の共有→Flickr、YouTube  つぶやきの共有→Twitter、  ブックマークの共有→del.cio.us、はてブ  ライフストリームの共有→friendfeed  ネット空間共有→        SocialNetwork∼MySpace、 Facebook  3次元共有→SecondLife 2012/5/21 情報発信特講 66
  • 67. アクティビティを共有  つぶやきを共有  記事を共有  聞いている音楽を共有  写真を共有  動画を共有  リンクを共有  文章を共同制作 2012/5/21 情報発信特講 67
  • 68. アクティビティの統合  メールの送受信  ブログや日記のメッセージ  掲示板のメッセージ  Twitterのつぶやき  ソーシャルブックマークの記録  写真をWebアルバムに登録  動画を動画サービスに登録  →こうした行動を友人達と共有する。 2012/5/21 情報発信特講 68
  • 69. キューレーションという行為  本来は美術館や博物館の展示の企画や 運営を行う専門職のこと。  最近はネットの膨大な情報から、自分 の友達(フォローワー)に、適切なタ イミングで情報の意味づけをする行 為。  ネットジンやブログ、最近はTweet のRTやFacebookのシェアなど。 2012/5/21 情報発信特講 69
  • 71. ネットを使って問題解決を!  地域の身近な問題についてネットで意 見を応募。 →パブリック・インボルブメント →住民参加もネットを使えば簡単。 これからの地域づくりに必要。 大分中心市街地の問題もできればもっと ネットを活用して意見交換して欲しいと 2012/5/21 情報発信特講 71
  • 72. コミュニティ・エリア・ネットワーク  そこに企業も市民も行政も集い、  ネットワーク上のコミュニティを形 成する 2012/5/21 情報発信特講 72
  • 73. ご静聴、 有り難うございました! 2012/5/21 情報発信特講 73

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