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嗜好と嗜癖に関する臨床心理学的探究
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1. …嗜好、嗜癖、 2
嗜好と嗜癖、そして依存症
嗜好嗜癖
● 嗜 好:たしなみこのむこと。
※嗜好品:「栄養摂取を目的とせず、香味や刺激の類を得る
ための飲食物。酒、茶、コーヒー、タバコの類。」
● 嗜 癖:あるものを特に好きこのむ癖。(新村, 2008 )
習慣が行き過ぎてしまい、行動を抑制することが困難。
(久里浜医療センター HP, http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_01.html )
◎ 依存症:嗜癖によって問題が生じている状態。
依存症
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2. 嗜好品、嗜癖行動に関する心理学的効果
報酬獲得的?( 嫌悪) 回避的?
個
の
活
動
に
お
け
る
効
果
社
交
的
な
場
面
の
効
果
嗜好品摂取によって得られる心理学的効果について
■ 尺度開発過程における因子構造
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セルフ・エンパワメント
恥ずかしさが和らぐ
かっこよさを演出する
自信を持つ
嫌なことを忘れる
集中力の向上
頭の中を整理する
作業がはかどる
集中力が増す
次の計画を考える
コミュニケーション
の促進
他者と有意義な時間を過ごす
会話が弾む
会話を楽しむ
ポジティブ気分の獲得
(+リラクセーション)
くつろぐことができる
癒しを得る
気持ちが和む
息抜きをすることができる
横光他 (2017). 行動科学 , 55, 1-13.
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
特定の概念がもつ特徴
● 連続的or 非連続であるかは、病理・状態の理解、
アウトカム測定(従属)変数の解釈(介入)、分析
、にも影響 → 連続的であるかを考える必要
14
連続的な場合
A さん
25 ← 35
B さん
45 ← 55
A さん
25 ← 35
B さん
45 ← 55
非連続的な場合
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
ニコチン依存の場合
■ 研究例
●目 的 ニコチン依存が連続的かを検討
● 対 象 18 歳以上の喫煙者 12,467 名
● 指 標 喫煙行動とニコチン依存症状( NSDUH )
● 結 果 ニコチン依存は非連続的(境界が示唆)
16
Goedeker & Tiffany (2008). Journal of Abnormal Psychology, 117, 896-909.
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
性的な欲求の場合
■ 研究例
●目 的 性欲過剰( hypersexuality: 色情症)が
連続的かを検討●
対 象 大学生 1,146 名
指 標 The Multidimensional Inventory of Development, Sex, and Aggression(MIDSA)
…結 果 性欲の過剰は連続的(境界はない )
19
Graham et al. (2016). Journal of Sex Research, 53, 224-238.
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
… ギャンブリング症状の場合
■ 研究の紹介
●目 的 ギャンブリング症状が連続的かを検討
● 対 象 大学生 342 名( SOGS1 点以上)
● 指 標 South Oaks Gambling Screen 日本語版
● 結 果 ギャンブリング症状は非連続的
MAMBAC: CCFI = .669, MAXEIG: CCFI = .447
Lmode: CCFI = .762 ( average = .626 )
21
現在、結果集約&論文執筆中( unpublished )
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
その他の Taxometric分析をあわせて考えると
■ ギャンブリング症状は非連続的
→ SOGS には、「借金をする」、「仕事や学校の時間
をむだにする」、「意図していた以上にギャンブ
ルをする」など、日々の行動に関連する項目
■ 認知的特徴 ( ギャンブルに対する偏った考え方 ) は
連続的
ギャンブルへの期待(ギャンブルすると物事がうまく行く気がする)、幻想
的必勝法(ある特定の色や数字は勝つ確率を増やしてくれる)等
23
Yokomitsu et al. (2015). Asian Journal of Gambling Issue & Public Health, doi:
10.1186/s40405-015-0006-4.横光(2014)北海道医療大学大学院博士論文
認知的な特徴
ギャンブリング関連行動
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3. 嗜好と嗜癖をわける要因
ギャンブリング症状を重症化させる(わける)要因は?
■ 質的な差異は、behavioral な特徴に関連する可能性
→病的かどうかは、意思決定が関連?
目先の利益にとびつき、長期的な損失につながる
選択をする傾向(報酬と罰の感受性)
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Brever et al. (2015). Addiction Biology, doi:10.1111/adb.12239.
Hong et al. (2015). Journal of Gambling Studies, 31, 1617-1632.
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Take homemessages
■ 嗜好、嗜癖、依存症の概念の整理
■ 嗜好、嗜癖には
共通する症状(例:心理学的効果)がある
■ 嗜好(すき)と嗜癖(やりすぎ)を分ける前に、
概念そのものの特徴を把握する
■ 概念がもつ特徴に合わせたアプローチの必要性
■ そのための臨床心理学的研究の必要性
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