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Certified Scrum Master 研修
萬年 司
2020/12/01~2020/12/05
概要
・企画会社
アギレルゴコンサルティング株式
会社
・会場
オンライン(ZOOM)
・参加人数
34名
・日程
2020/12/01 - 2020/12/05
14:00 - 18:00
講師: James Coplien
研修の流れ
・Day1
・認定試験について
・スクラムとは
・Day2
・プロダクトオーナーやバックログについて
・バックログや見積もりのエクササイズ
・Day3
・スクラムマスターの役割
・タスクボードやバーンダウンチャート
・Day4
・スプリントレビューやレトロスペクティブについて
・スプリント中の緊急対応
Day 1
Scrum とは
・方法ではない
・やるべきことややり方を教えるものではない
・ソフトウェアに限ったことではなくプロダクト開発全般に対して効果がある
・検査と適応を可能にする枠組み
・チームはもっとも重要な作業から手を付ける
・楽しくなる傾向がある
スクラムの認定資格を持っていても直ぐになんでも問題が解決するわけでは無い
スクラムの歴史
The Knowledge-Creating Company
アメリカ海兵隊(U.S Marine)
Software in 30 days
アジャイル開発とスクラム~
顧客・技術・経営をつなぐ協
調的ソフトウェア開発マネジ
メント
オンラインエクササイズ 1
本研修のエクササイズは Mural を使用して行われた。
・参加者全員がそれぞれ付箋に名前を書いて貼る
・各々その中から 2 人選ぶ
・選んだ 2 人から自分の付箋が等間隔になるよう
に配置する
もし 1 人のマネージャーがこの作業をやる場合各々が選んだ人を全てヒアリングしてそれ
に伴って並び替える必要がある
しかしこのように自己組織化された集団がそれぞれ自分で場所を変えていけば作業は効率よ
く行える
The Scrum values
・勇気 ・・・失敗を恐れずに伝える
・集中 ・・・プロダクトバックログにあるものだけに取り組む
・コミットメント・・・スプリントゴールに確約する
・尊敬 ・・・お互いの技術力、領域の違いなどを理解し尊重する
・オープン・・・チームの見通しが良い状態、また心が開かれていること。交換
可能な部品としてではなく、人として認めること
その他 Q&A 等
・失敗をプロセスに伝播させない
バグを直す事も必要だがプロセスから改善していく
・クロスファンクショナルなチーム
出荷可能なプロダクトを作るのに必要案スキルを有したチームをスクラムでは目
指すべき
・スクラムに沿って見積もり通りやっていたら納期に間に合わず残業が必要・・・?
それは見積もりが間違っているから。そももそ正しい見積もりで終わらない
量の仕事をやらなければいけない状態ならスクラム関係なくブラックなだけでは
Day 2
プロダクトオーナー
役割
・プロダクトバックログの維持管理
・複数の上司や異なる意見外部からの干渉からもたらされる混乱が起きないよう
にする
・プロダクトの価値に責任を持つ
...等々
プロダクトオーナー
すべきではない事
・プロジェクトマネージャーとして振る舞う
・チームのやる気を削ぐ 信頼こそが全て
・なにをいつまでに終わらせなければならないと指示する
オンラインエクササイズ 2
James の要求から PO としてプロダクトバックログを作る
日本庭園を作って欲しい。
大きさは・・・
外壁があって・・
茶室があって・・・
内壁の大きさは・・・
Mural 上でバックログを作成して見せると・・・
オンラインエクササイズ 2
このバックログには一番大
切なビールサーバーが無
い!この日本庭園に一番必
要なのはビールサーバー。
一番大切な事はなにかをしっかりヒアリングしていないとこういう事に
なる。そもそも聞かれていないから話していないという事は往々にして
ある。。。
James の要求から PO としてプロダクトバックログを作る
オンラインエクササイズ 3
プロダクトバックログから見積もりを行う
PBI 1
PBI 2
PBI 3
1 4 3 3
2 2 2 2
zoom の breakout room で分かれて同じく Mural 上で
プランニングポーカーを行った
Day 3
プロダクトオーナについての補足
以下は CSPO で教えている内容でもあるが・・・
プロダクトは実際にリリースしてみないと分からない
需要が少ないものは削除する勇気を持つ
そしてその分のリソースを新たな価値に回す
スクラムマスターの役割
・開発者とプロダクトオーナーの間の壁を取り除き、プロダクトオーナーが開発
を直接駆動できるようにする
・PO にスクラムによって利益を最大化する方法を伝える
・創造性と励ましによって開発チームを活気づける
・開発チームの開発効率改善
・プロダクトを potentially shippable な状態にする
PO はプロダクトに責任を持ち SM はデリバリーに責任を持
つ
Long lived stable team
スクラムでは長期的安定したチームを目指す
・決めた納期に over commit して燃え尽きて人が抜けていく・・・
・無理やり上げたベロシティでとりあえず動くものをデリバリーするのはバスの
運転手に 6 時間かかる目的地に 4 時間で行かせるようなもの
・何らかの理由で離職率が高い
これらは長期的安定したチームとは言えない
スクラムでは Long lived stable team として長期的に成長
していけるチームを目指す
Day 4
緊急要件
スクラムでは短いスプリントで開発を行うため、急な要件変更でも次のスプリン
トに回す事で対応可能
しかしそのスプリント内で取り掛かりたいさらに緊急な案件が発生、スプリント
のバッファも足りない・・・
→ 緊急対応かスプリントゴールどちらを優先すべきかは PO が判断する
→ スプリントの中断は PO しかできない
アジャイルな対応も必要だがスプリントゴールの達成も大切。
そのバランスが大事
スプリントレビュー
potentially shippable incremen の説明を行う
・パワポ禁止!(スプリントレビューでは実際に動くものを触ってレビューして
貰う事が大切なのでスライドでの説明は NG という事。もちろんコンセプトの説
明等ではパワポでの説明も問題無い。)
・最大でプレゼンは 1 時間くらい ← こちらもユーザに動くものをレビューして
もらう事が大切だという事
感想
オンラインで Zoom を使っての実施となったが Mural を使ったエクササイズ
など新鮮な経験となった。内容に関しては全体を通して基本的なスクラムについ
ての内容が多くを占めていたため既にスクラムを実施している人にとってはやや
知っている内容が多いと感じるかもしれない。しかしながら質疑応答の時間も多
く設けれていたため細かい事に関しても直接 Coplien さんやアギレルゴの川口さ
んが回答してくれ、有意義な情報を得られたとも感じる。4 日間で午後からの開
催という事で通常のオフラインの開催と比べて短いものだったためもう少し長い
時間で受けてみたいとも思った。最後にいくつか質問したい事もあったがやや時
間が足りなかったのが残念。今回 1 年 以上スクラムでの開発を行っている状態
で講義を受けたがもっと早い段階で受講しても学べた事は多かったと思われる。
高価な研修ではあるがスクラム初心者にもおすすめの内容だと感じた。

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