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Final1 部 基調スピーチ
7 月 18 日(日) 19::30—24::00
NHK ホール
まずこの基調スピーチでは我々つばめ組が改憲を目指している理由とそして今回の国民投票
が何を問うものなのかということを説明いたします。
日本は 70 年前戦争に負けました。日本国そして日本人に癒えることのない深い傷が残りま
した。しかし日本は再び立ち上がりました。敗戦をきっかけに作られた新たな憲法の下に。
日本は、日本人は努力し続け、成長しました。衣食住にも困っていた敗戦直後から、世界中
から奇跡だといわれるほどの高度成長期を迎えました。当時の国民の血のにじむような努力
こそが成長の原動力でした。高度成長を担っていた人々が教えてくれたことがあります。そ
れは「競争こそが成長には必須である」ということです。彼らはあらゆるビジネスチャンス
を同僚やライバル企業、時には世界を相手にして、競争に勝ち、モノにしてきました。その
強い競争心の根底にはやはり敗戦直後の食うものにも困った経験があったでしょう。「成長
のためには競争が必要だ」という原理・原則は今でも変わりません。その原理のもと、日本
は成長したのです。そして気づけば成熟した先進国となっていたのです。それと同時に世界
も変化しました。輸送技術の進歩、インターネットの普及などにより、あらゆる利害が地球
規模で共有されるグローバリゼーションが進行しました。現在の日本の世界での地位、そし
て日本国民の皆さんの生活を維持・向上するためには常に世界と日本国内の情勢の変化に対
応しなければなりません。
日本の成熟・グローバリゼーションの進行という二つの変化により、日本国憲法の、敗戦か
らの復興を目指した価値観のままでは対応しきれない問題が生じています。具体的に一つ言
うと、国と地方のあり方においてです。敗戦から復興し、成長する際には、従来の価値観に
基づいた中央集権体制が適していました。多くの都道府県を貫く高速道路や新幹線を通すた
めには国が大きな権限を持って判断したほうが、一つ一つの自治体を通すより早いですよ
ね?しかし時代は進み、地方ごとの独自のニーズの高まりや、国に依存できてしまう地方財
政などの問題が表面化してきました。地方・日本ともに成長するためには地方分権を進め、
国のやることは外交など国にしかできないことに限るべきです。
今の例は氷山の一角にすぎず、日本国憲法の価値観の限界というのは様々な面で生じていま
す。68 年前には考えられなかったサイバー攻撃、経済的自立を目指していた日本に財政規
律はいりませんでした。そして戦争の反省のために武力の放棄をうたった 9 条。制定当時に
は自衛隊もなかったし、アメリカが世界の警察を辞めるなんて想像もできなかったでしょう。
このままでは日本は変化の速いグローバル社会に対応できず、世界を舞台にした競争で一人
負けしてしまいます。現憲法が日本の成長の足かせになっているのです。
日本は変化に対応し、成長し続けるために新たな方向性を定める必要があります。それが
我々の提案する憲法草案です。つばめ組は敗戦後の焼野原から奇跡的な速度で復興を遂げた
日本人の成長へのエネルギー・経験、そして現状抱える多くの経済的問題から、新たに憲法
に付与する最適な価値観が経済的繁栄だというところに行きつきました。
将来年金がもらえるか不安だ、子供や孫に苦労させたくない、と皆さんお思いでしょう。あ
らゆる豊かさの根底には経済力が必要だと言うこと、経済と国民の皆さんの生活は直結して
いるということです。
そして我々の改憲案が達成された先には、強固な経済基盤のもと皆さんの豊かな生活を守る
「不屈の経済大国」という未来が待っています。
この国民投票は、日本が衰退から脱却し、成長するために変化をするか、変化を恐れ、従来
の価値に固執するかという選択です。
国民の皆さんには自分自身の成長を信じて、成長への覚悟を持って努力してほしい。国は国
民の成長の邪魔はせず、国民の努力を促すための最大限の環境整備をする。それが我々の目
指す日本の未来像の達成には不可欠です。皆さんならできるでしょう、この国をここまで支
えてきたのは日本人のたゆまぬ努力だったのだから。
つばめ組特別顧問 知念善吉

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  • 2. そして我々の改憲案が達成された先には、強固な経済基盤のもと皆さんの豊かな生活を守る 「不屈の経済大国」という未来が待っています。 この国民投票は、日本が衰退から脱却し、成長するために変化をするか、変化を恐れ、従来 の価値に固執するかという選択です。 国民の皆さんには自分自身の成長を信じて、成長への覚悟を持って努力してほしい。国は国 民の成長の邪魔はせず、国民の努力を促すための最大限の環境整備をする。それが我々の目 指す日本の未来像の達成には不可欠です。皆さんならできるでしょう、この国をここまで支 えてきたのは日本人のたゆまぬ努力だったのだから。 つばめ組特別顧問 知念善吉