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  共分散と相関係数

     村上 始
     林 香澄
    住山 舞依
共分散とは!?
◎ 分散の復習◎

分散とは(前回の授業より)
→ 偏差を2乗してそれらの平均を散布度の
  指標としたもの

 一変数のものをとりあげていた
◎ 共分散◎
これを例題を使って説明すると・・・

「恋愛感情」「孤独感」の2種類の変数を測定してみる
  i というのは何番目の被験者かをあらわす添え字
まず、それぞれの平均値を出すと・・・

恋愛感情→(10+20+30+40+50
 ) / 5=30
孤独感→(20 + 10 + 40 + 30 + 50) /
 5=30

次にこれらを使って平均からの偏差を求めて
 みよう!
そして共分散は偏差の積の平均なので

(200+200+0+0+400) / 5
 =160

となります!!
共分散は散布図で表す場合も便利です!

偏差の積を求めるので積がプラスが多いと
  プラスの勢力が打ち勝って共分散もプラ
  スになる
→ 散布図は右上がり
2
          1
dat[,2]

          0
          −1
          −2




               −3   −2   −1     0       1   2   3

                              dat[,1]
反対に偏差の積がマイナスが多いとマイナ
  スの勢力が打ち勝って共分散もマイナス
  になる
→ 散布図は右下がり
3
          2
          1
dat[,2]

          0
          −1
          −2
          −3




               −3   −2   −1   0         1   2   3

                              dat[,1]
つまり・・・!!
 共分散の値の符号によって、散布図
 が右上がりか右下がりか分かる!

また、
 偏差の絶対値が大きいほど(平均か
 ら離れた値であるほど)偏差の積の
 絶対値は大きくなるので共分散の絶
 対値は大きくなる
これは言い換えると、


共分散の絶対値が大きいほど右上
 がり・右下がりの傾向が強い!!
なぜ共分散が必要なのか?
たとえば、「子供の年齢と体重と
の関係を表したい」と思ったとき
にその二つの変数の関係を表す指
標として共分散をつかうと便利!
!
相関係数



   2班 はやし
1. 相関係数とは?


  共分散を測定単位に
依存しない形に表したもの!
2. 相関係数の式
               S xy
       rxy =
               SxS y
もっと簡単に相関を説明すると
       、
• データを標準化して(データを測定単位
  に依存しない形に変換して)から、標準
  化した変数の偏差同士で共分散式を作っ
  ても測定単位に依存しない形にできる!
  !
Sxy=160 ÷(14.14 ×14.14)=0.80
3. 相関係数と散布図




  r=0.0   r=0.2   r=0.4




  r=0.6   r=0.8   r=1.0
3. 相関係数の値と強さ
相関係数の性質
相関係数の性質
•   1,   外れ値の影響
•   2,   擬似相関
•   3,   データの層別化
•   4,   選抜効果
•   5,   相関関係と因果関係
相関係数の性質

 外れ値の影響
外れ値の影響         外れ値

• 外れ値 ( 右上の点
  ) を含めた相関係
  数:
• r = 0.59
• 外れ値を含めない
  相関係数:
• r = 0.07
• → 散布図を描こう
  !
相関係数の性質

  擬似相関
擬似相関
•   2つの変数 X と Y の間に
    本当は相関がないにもか
    かわらず、第3の変数 Z
    の存在によりあらわれる
    、見かけ上の相関のこと
    。
•   たとえば、アイスの売り
    上げ (x) とサンダルの売り
    上げ (y) の間に相関があっ
    たからといってその2つ
    の間には本当に相関関係
    があるとみなすのではな
    く、気温の上昇 (z) によっ
    てあらわれた相関と考え
    られる。
相関係数の性質

データの層別化
データの層別化
•   全体の相関係数: 0.48
•   ○ の相関係数: -0.77
•   ■ の相関係数: -0.63

•   → 相関係数を解釈すると
    きにはどのような集団に
    基づいて計算されたもの
    なのかを考慮する必要が
    ある
•   「層別相関」:○や■のよ
    うに集団ごとに計算した
    相関係数のこと
相関係数の性質

  選抜効果
選抜効果 / 切断
効果
•   集団の一部だけで相関係
    数を計算すると、相関係
    数が小さくなる傾向にあ
    ること。

•   たとえば、大学試験の成
    績と入学後の成績の相関
    を計算した場合。
•   合格者(成績の良かった
    人)だけで相関係数を計
    算すると相関は低くなっ
    てしまう。
•   不合格者(成績の悪かっ
    た人)も含めて相関係数
    を計算しなくてはいけな
    い。
相関係数の性質

相関関係と因果関係
相関関係と因果関係の違い
• 相関関係:変数 A と B が関係がある。共変関係
  。
• 因果関係:原因と結果の関係。 A (原因)が起
  こったから B (結果)
• → 相関関係が強いということは因果関係をしめ
  すということではない。つまり、変数 A と変数
  B の相関係数が 0.7 であったとしても、「変数 A
  の値が上がるから変数 B の値も上がる」という
  解釈をしてはいけない。
• 正しくは「変数 A の値が低いとき変数 B の値も
  低く、変数 A の値が高いとき変数 B の値も高い

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