Regional Scrum Gathering Tokyo 2018 の講演資料です。 https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2018/schedule/rich#session-24594-info

1. プラチナゲームズ株式会社 森田 和則
株式会社ヘキサドライブ 田口 昌宏
ゲーム開発現場の中心で
心理的安全性を叫ぶ

2. 今日話す事
前半
• なぜ活動を行おうと思ったか
• 活動事例
後半
• 心理的安全性とは？
• まとめ

3. 森田 和則
プラチナゲームズ株式会社
QAエンジニア、メンター制度推進責任者、認定スクラムマスター
ゲーム業界14年目。
リードプログラマー/マネージャーを経て現在の肩書に
コミュニティ 「スクラム道関西」運営スタッフ
プロフィール
2005年入社当初から、「ムダを省く」「チームで楽しく働く」
等に興味があった変なプログラマー。
新卒面接時：
面：プログラマー以外で雇うとしたらどうする？
自：掃除でもなんでもやりますよ。
月曜日の朝からゴミ箱いっぱいとか気分悪いでしょ。
面：それでゲーム作って言える？
自：もちろん！良いゲームを作る為のサポートですから。
携わったタイトル：
・『大神』
・『BAYONETTA（ベヨネッタ）』
・『The Wonderful 101（ザ･ワンダフル ワン・オー・ワン）』
・『ベヨネッタ2』
・『TRANSFORMERS: Devastation』
・『NieR:Automata（ニーア オートマタ）』

4. ゲーム業界で働く人
• プロダクトへの愛が強い
– 「こっちの方が面白い！」そんな事で怒鳴り合い
• 好きだからやっている
– 自分で自身の首を絞める
• 楽しい事は大好き
– 研修、ワークショップでロールプレイすればノリノリ

5. こんな事ありませんか？

6. 社内勉強会に参加しづらいと感じる
隣の席の先輩が参加していない
プロジェクトも大忙し
参加してもいいのか・・・？

7. 参加するのやめよう・・・

8. 社内勉強会を開催したいが・・・
業務時間内にやっていいの？
どこでやる？
報告しないといけない？
うるさい人が来たらどうしよう・・・
ちゃんと出来ないと怒られそう・・・

9. 面倒だからこっそりやろう・・・

10. こんな状態が続くと
モチベーションが
下がる
新しい事への
やる気がなくなる
今持っている
技術・スキルで作る
品質が上がらない
技術力が上がらない
モチベーションが
下がる
期待しなくなる
何も言わなくなる
やりたい事が
出来なくなる

11. そもそも
自分自身が
不安を感じていた

12. 前々から感じていた事
• 〇〇してみたいけど、どうせ無理だろう・・・
– 「じゃ～やったらいいやん？」と言われる。
• 言えば・聞けば良いというけど何処で？
– 組織的なチーム感が薄い。
• アジャイル関連のイベントに参加したいけど無理だろう・・・
– ゲームに関連するイベント以外への参加はまれ

13. でも、どうしてもRSGT 2017に参加したい！

14. 不安
• 参加許可でないだろうな・・・
• 大阪から行くとなると、旅費も発生するし・・・
• なんで？とか言われそう・・・
でも・・・やっぱり行きたいから
上司に相談だ！

15. 許可がでた

16. ジェフ・サザーランド博士の研修が！
何か運命を感じる！
今しかない！！

17. 不安
• しかし会社から研修費用は出るだろうか・・・
• 会社休んで自腹覚悟だ！
「会社とか関係なく今なんだ！」と妻に頭を下げる
自腹OK
会社には一回相談しろ
と言われる

18. 役員会の場に呼ばれOKが出た

19. 勝手に決めつけて
言わずに諦めていた
Photo by Nicole Mason on Unsplash

20. Photo by rawpixel.com on Unsplash

21. 組織の空気を少しずつ変えていく
複数の小さなグループや
「個」からアプローチする
↓
ある程度「集」にした後、
大きな範囲からアプローチを行う
↓
組織・部署で当たり前に
↓
安心して個人が動きやすくなる
組織
開発 非開発
プロジェクト プロジェクト プロジェクト

22. その１．LT大会
組織的な理解を得る為、勉強会や、発表の場を作る

23. 開催目的
• 勉強会のハードルを下げる
• コミュニケーション活性化
• “簡潔に伝える”練習
• 登壇や参加した人が”ちょっと”幸せに

24. 開催概要
• 開催日時
– 毎週木曜日の昼休み
• 開催場所
– 社長の席近くの大型4K TV
• 講演者・講演内容
– ５or１０分申告のLT
– 内容は趣味・学習なんでも
– 毎回２～３名

26. 変化
• イベント参加報告を「レポート」から「LT」に
– 素早く広く共有する事を優先
– 準備の負担軽減
• 自由参加できる勉強会が増えた
– クローズド開催からオープン化
• 4K TVを利用したイベントが増えた
– オープンスペースが本当の意味でオープン化

27. 継続させる為に
• 「 LT大会やりたいんですよね。」と流布
– 単発で終わらないようにスタート前に協力者を探す
– 4K TV前での開催許可をなんとなく取る
• スペシャル会を開催
– 第10回目は大ベテランのディレクターに登壇を依頼
• 地道な宣伝告知
– 他のイベントとリンクしLT大会をなぜ始めたのかを宣伝
– 毎週メールで告知。

28. 今後行いたい事
• 非開発の方の参加をもっと増やしていく
• 出向社員が講演できるようにする
• 社外の方にSkype等で講演してもらう
• 隔月くらいでビアバッシュ形式で開催

29. その２．CHATWORK 社員雑談部屋
素早く共有したり、雑な事を言える雰囲気を作る

30. ChatWorkに全社員の部屋を作る

31. 社長、役員全員含めて
勝手に
作っちゃった

32. 運用に関して
 退室自由
 興味なければ出て行って下さい。
 非難禁止
 それでも何か言いたい事ある人は、管理者まで
 時期をみて情報の発信量をコントロール
 根回し、バカなふり
 「それ雑談部屋で言っておいてよ」
 「（誰が知っているかわかっているけど）〇〇って誰か知りません？」

33. 雑談部屋で感じ取って欲しい事
 とりあえず間違ってても雑に発信して良いんだ
 モヤッとしてる事を言っていいんだ
 こんな事言っていいんだ。やっていいんだ
 やりたい事、熱量を吐き出していいんだ
 プロダクトチームは別でも、組織というチームに居るんだ

34. 言える化が出来るまで
Phase ３：問題や間違いを指摘し合える
Phase 2：相談したり助けてと言える
Phase 1：思い込みを取り除き、気軽に発言できる

35. 始まるまでの仕掛け
１．プログラマーセクションで、勉強会、書籍、ブログ紹介等、「情報発信部屋」からスタート
２．執行役員がいる、とあるセクションで、少人数でテスト的にスタート
３．伝播し、乱立し始める
まとめたら？
誰も文句言わないでしょ？

36. よく頂く質問
半年とか、すごく時間がかかっていますが、
その間、辛くなかったですか？
Photo by Emily Morter on Unsplash

37. 楽しかった！
Photo by Ben White on Unsplash

38. 巻き込めずイライラするよりも
Photo by Andre Hunter on Unsplash

39. Photo by Phil Coffman on Unsplash

40. 外を見るより、中を大切にしていれば
きっと輪は広がります

41.  1995年にゲームプログラマとして就職
 2002年ぐらいからアジャイル開発に興味を持ち始める
 2004年、実際にアジャイル開発をやってみる
 2010年、認定スクラムマスター(CSM) 取得
 2016年、認定スクラムプロフェッショナル(CSP) 取得
 『開発者に笑顔を！』をモットーに
アジャイルやゲーム界隈で講演活動
田口 昌宏 taguchimasahiro
 株式会社ヘキサドライブ ＣＴＯ
 CEDEC 2013～2018 運営委員
 スト４とかメタスラとか作ってた
 スクラム道 スクラム道関西 スタッフ
アジャイルラジオ パーソナリティ

42. 心理的安全性って？
仲間に背中を預け
チャレンジできる
状態・状況

43. 例えば？
多少の失敗（見積もりミス、予期せぬバ
グ等）もこのチームでならなんとかなる
理解ある上司がいる
十分な信頼貯金
チームの身の丈を知っている
個人的な不安の払拭
個人が安心して
本気で取り組める

44. そのために
やってきたこと

45. 話し合える場
対等な立場でプロダクトやチームに
ついて話し合える場
スプリントレビュー
ふりかえり

46. 話すきっかけ＆雰囲気作り
ムードメーカーに期待
話しづらい雰囲気を払拭
ムードメーカーに情報が集まるケースも
 モスバーガーの看板法

47. 個人との対話も重要
サシで話し合うこと
個人の不安はふりかえりでは拾えない
人への不満の話は時間の無駄
チームや組織、プロダクトへ向き合って
『チーム vs 問題』の構図になるように

48. とにかく
対話から

49. 問題や不安を挙げられるようになり、
ふりかえりが機能するようになる
チーム内で感謝の気持ちが表われる
うまくいっているかの評価例

50. まとめ
心理的安全性とは、チームが安心してチ
ャレンジできる雰囲気を指します
心理的安全性を高めるということは、チ
ームのことをよく知り、不安を払拭する
ことです
まず第一歩として、チームのことをよく
知るために対話しましょう

51. スクラム道関西
https://www.facebook.com/ScrumDoKansai/
私たちは開発者のみなさんがいつも笑顔で開発できる
ような世界を目指しています。

52. アジャイルラジオ
http://agileradio.github.io/