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価値再発見のためのオペレーションマネジメント

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2013年5月25日の「IT投資マネジメントの変革」(松島桂樹編著)の出版記念セミナーでの発表資料です。
ソフトウェア資産管理の重要性と、事業資産としての管理のあり方(新たな考え方)について、検討しています。

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価値再発見のためのオペレーションマネジメント

  1. 1. ブレインズテクノロジー株式会社第5章. 価値再発⾒のためのオペレーション・マネジメント~「IT投資マネジメントの変⾰」出版記念セミナー~「ITがもたらす価値の創造と最大化に貢献すること」が私たちの使命です。可能性は無限大 Infinite Possibilities2013年5月25日河田 哲Discussion Purpose Only
  2. 2. Copyright (c) Brains Technology, Inc. JapanAgendaはじめに1.保守作業の現状と今後のあり⽅についての事例研究 ……書籍:P.88~982.運用業務における現状と今後の課題 ……書籍:P.97~1013.オペレーション・マネジメントのパラダイム転換 ……書籍:P.102~105まとめDiscussionPurpose Only1河田 哲(かわたてつ)経歴:神⼾大学 経営学部卒(1997)→NTT→フューチャーアーキテクト→現在職業:ITマネジメント領域&システム基盤技術分野を専門とするITコンサルタントプロフィールプロフィール
  3. 3. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan61.4%44.1%38.6%55.9%開発費 保守費はじめに保守・運用段階には…多額のIT投資がなされている極論をすれば、新規開発=戦略的な投資で「正義」、保守運用=コスト削減対象であり「悪」という偏った議論が多いのでは?開発時にIT投資の評価をしている会社は数多く・・・その中に、保守・運用段階のIT投資にきちんと向き合っている会社は?しかし、これまでのIT投資では・・・パッケージ開発システム自社開発システム(出所:JUAS 2012)【新規開発費と保守費の5年TCO累計】新規システム開発時の5年間TCOの内、約5割を保守費が占める新規開発費と保守費の⽐率は4:6~3:7 (出所:JUAS 2012,経産省 2007 )DiscussionPurpose Only2
  4. 4. 保守、運用、IT資産の管理など、システム稼働後(ITサービス開始後)のプロセス全般にわたる、組織全体の活動を管理し、IT投資効果の最大化を図る取り組みと定義しています。オペレーション・マネジメントとは?画像引用:Flickr WingedWolf
  5. 5. ビジネス環境変化への迅速な対応、仮想化・自律化等の技術環境変化への対応に備え、保守・運用のあり⽅を⾒直す動きが増えています。画像引用:Flickr Michael Dales
  6. 6. 2011年1月6日号保守の効率化を目的として現⾏システムをリプレースする事例(新規開発より既存アプリの活用)の増加ITリフォームの増加2012年6月7日号メーカーから垂直統合型のサービスが増加、運用ノウハウに特化したサービスを販売するベンダーも登場垂直統合モデルへの回帰2013年4月18日号DevOpsへの対応開発(Dev)と運用(Ops)の連携を強化し、ビジネス変化に即応できる開発・運用体制の整備ニーズが増加
  7. 7. 悩ましい問題も多くあります。クラウドサービスに単純には切替えられない・・・クラウドサービスに単純には切替えられない・・・IT要員のシフトは一朝一夕IT要員のシフトは一朝一夕ではできない・・・稼働後のシステムをどのように評価すればよいのか?稼働後のシステムをどのように評価すればよいのか?画像引用:Flickr Cybergabi
  8. 8. 保守・運用段階の活動の現状は?そして、今後…IT投資の観点ではどのようにマネジメントしていくべきか?画像引用:Flickr Saad Faruque
  9. 9. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan1.保守作業の現状と今後のあり⽅についての事例研究保守作業は「必要悪」なのか?業務改⾰と保守の関係保守活動の価値DiscussionPurpose Only8
  10. 10. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan1-1.保守作業は「必要悪」なのか?情報システムの稼働から廃棄に至るまでの期間は10年以上の⻑期にわたることもあるが、保守はしばしば必要悪と⾒なされてきた(Burch& Grupe, 1993)単調である後ろ向きである費用のかかる経営層の関心も決して高いとは言えず、既存研究の多くは情報システムの開発や導入段階が対象事後的に、かつ積極的に検証されることが少なく、結果として「場当たり的」、「ツギハギ的」に実施DiscussionPurpose Only9【保守作業への認識】 【保守作業の実態】【課題認識】保守の「役割」とは?保守の「価値」とは?保守の活動は…一律に費用なのか?
  11. 11. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan1-2.業務改⾰と保守の関係業務改⾰(BPR:業務プロセスの再設計)と情報システムの保守の間には・・・「①環境変化への適応手段(受動的保守)」と、「②業務の改⾰・改善を支援・促進する手段(能動的保守)」があり、相互に影響を及ぼし合う。情報システムの保守業務(改⾰)①環境変化への業務の適応手段(受動的保守)(能動的保守)②業務の改⾰・改善を支援・促進する手段再帰的関係(recursive relationship)【図表5-1 情報システムとBPRとの再帰的関係に基づく保守の役割(P.89)】より業務改⾰との関連性の中で生じる情報システムの保守は、「稼働後にシステムに更なる付加価値を⽣み出す重要な役割」を担っている。DiscussionPurpose Only10
  12. 12. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan1-3.保守活動の価値11DiscussionPurpose Only11事例調査(※)の結果より…作業工数に着目すると、新たな機能の追加や拡張を担う「拡張保守」作業が全体の8割を占め、拡張保守には、新サービス導入、新業務対応等のための「能動的保守」も含まれている。更に、法制度対応、緊急事態対応が、業務への即応ニーズであることを考えると…作業内容 分類内容 ⽐率拡張保守 新たな機能の『追加』や『拡張』80.8%適応保守 既存システムおよび既存機能への『調整』や『改良』8.2%ユーザ対応 ユーザからの単発的な問合せや要求への対応11.0%性質 作業例受動的保守(66.2%)業務効率化、法制度変更対応、緊急事態対応、等能動的保守(14.6%)新サービス導入、新業務対応、等保守活動では、「経営の業務改革や環境変化に対応するための作業」が大きな割合を占めており、保守作業を必要悪と軽視することは、結果として「企業の効率性,⽣産性,競争⼒に重大な影響を及ぼす可能性」がある。(※)調査の対象、実施⽅法、調査結果等の詳細については、書籍P.88~97をご参照願います。
  13. 13. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan2.運用業務における現状と今後の課題システム運用環境の変化運用業務の可視化の必要性ソフトウェア資産管理の役割DiscussionPurpose Only12
  14. 14. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan2-1.システム運用環境の変化同種共通のシステム環境クローズドなネットワーク知識不要ルーチンワーク(定形業務)リアクティブ(トラブル後対応)稼働時品質の維持運用費開発後に引継ぎ受動的な追従対応異機種混在のシステム環境オープンなネットワーク高度な技術知識ケースワーク(非定形業務)プロアクティブ(トラブル未然予防)継続的な品質向上サービスコスト設計時から参画能動的な変化対応従来 今後近年の情報システムのオープン化の流れの中で、運用環境は大きく変化運用環境の変化に伴い、システム運用の目的も従来の「設備の安定稼働」から、「ITサービスのマネジメント」へシフトしている。仮想リソースの制御仮想リソースの制御DevOps広範囲の標準化広範囲の標準化障害影響の可視化障害影響の可視化DiscussionPurpose Only13
  15. 15. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan2-2.運用業務の可視化の必要性DiscussionPurpose Only14JUASの調査レポート(※)より…年間IT予算の約4割が情報システムの運用コストながら、運用業務に対して「妥当に評価されている」ケースは3割に満たず、約7割の企業で運用プロセスが不明確、組織的な仕組みが不⼗分と認識更に、重要システムのサービス停止の約4割は、運用の管理徹底で未然防止が可能(出所:JUASソフトウェアメトリックス調査2010,2011)運用コスト39.9%安易な運用コストの削減は企業価値を損なうリスクがあるが、実情は経営層に対して必ずしも⼗分な情報が届いておらず、「運用業務の可視化」は急務。30%70%⼗分組織的な仕組みが不⼗分年間IT予算に占める運用コスト27%30%33%10%妥当に評価評価されていない評価が分からない役割と責任に⾒合った運用業務への評価運用業務への組織的な取組み(※)調査の対象、実施⽅法、調査結果等の詳細については、出所文献をご参照願います。
  16. 16. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan2-3.ソフトウェア資産管理の役割DiscussionPurpose Only15【ソフトウェア資産管理とライセンス管理の違い】 (出所: JIPDEC SAMユーザーガイド)情報システムは、稼働後に初めて業務に役⽴つ(価値を生み出す)ことを考えれば、ソフトウェアの資産(IT資産)を価値ある経営資産として評価・管理すべきでは?近年、法規制の変化からソフトウェア資産管理が注目を集めている。概念上は「IT全般に対する重要なマネジメントの一つ」と定義されているが、現実には、多くの企業で「ソフトウェア資産管理≒ライセンス管理」(単に著作権法、及び使用許諾条件の順守を目的とするもの)と考えていることが多い。また、財務会計の視点でもソフトウェア資産は「取得原価の資産計上、償却処理の扱い」に留まり、「経営的な観点からの価値の議論」はなされていない。ITサービスマネジメント全体の有効な支援ビジネスリスク管理の促進ITサービス及びIT資産に関するコスト管理の促進ITを有効に活用することによる競争上の優位を得ることソフトウエア資産管理の目的(ISO/IEC19770-1)ソフトウェア資産管理(SAM) ライセンス管理(LAM)目的 ・ライセンスコンプライアンス・情報セキュリティの維持、向上・IT投資の最適化・主にライセンスコンプライアンス対象資産 ハードウェア・利用ソフトウェア・保有ライセンス(有償・無償・開発/PKGの区別なし)保有ライセンス及び(ハードウェアを根拠としない有償の)利用ソフトウェア
  17. 17. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan3.オペレーション・マネジメントのパラダイム転換オペレーション・マネジメントの役割の変化オペレーション・マネジメントのPDCAIT投資とオペレーション・マネジメントDiscussionPurpose Only16
  18. 18. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan3-1.オペレーションマネジメントの役割の変化環境変化に伴い、オペレーション・マネジメントの役割は大きく変化知識不要で、定型的・反復的なマニュアル作業受動的な追従対応リアクティブな対応(トラブル事後処理)稼働時品質の維持広範な技術知識に基づく、非定型で高度なオペレーション作業能動的な変化対応プロアクティブな対応(未然予防)継続的な品質管理保守運用資産管理是正保守、適応保守現⾏情報システムの不具合を修正する後ろ向きな作業コスト削減の対象(未実施が望ましい)拡張保守、適応保守、ユーザー対応経営の業務改⾰や環境変化へ対応する積極的な作業効率化・生産性向上の対象「受動的保守」と「積極的保守」の再帰的関係へ着目取得原価に基づく減価償却の管理財務会計的な費用の視点継続利用前提のバージョンアップ知財としての適正な評価・活用管理会計的な投資の視点継続/廃却の採算性評価(継続の経済性)「初期投資回収型」から「変動費型IT投資モデル」へ「設備の安定稼働」から「サービスのマネジメント」へ「情報システムの維持・運⾏」から「IT資産価値の維持・増大」へ【従来】 【今後】DiscussionPurpose Only17
  19. 19. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan3-2.オペレーション・マネジメントのPDCA稼働中の情報システムは、企業の資産保守・運用は(将来の収益を含め)企業が業務を遂⾏する上で,継続的な貢献と品質の向上が期待DiscussionPurpose Only18【図表5-8 保守プロセスおよび運用プロセスとPDCAサイクル(P.103)】より保守および運用に関する評価基準を確⽴計画フェーズ実⾏フェーズ評価フェーズ改善フェーズ 更なる目的の達成に向け業務プロセスの改⾰を支援・促進する能動的保守の実施適切な評価基準に沿った実施結果のモニタリング環境変化への適応を中心に受動的保守を実施運用・保守プロセスを横断してPDCAサイクルを効果的に回すオペレーション・マネジメントにより、情報システムに高い付加価値を創造していくべきでは?IT のIT資産としての「価値」向上
  20. 20. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan保守・運用への活動を一律に費用(コスト)と位置付け、新規開発のみを戦略的なIT投資と捉えるような従来の考え⽅は、⾒直されるべき。情報システムの価値は設計段階だけで決まるものではなく、保守・運用を軽視することは不適切。従来今後新規開発≒戦略的なIT投資保守・運用のIT投資を減らし、新規開発を増やすべき新規開発も保守・運用も平等新たな企業価値(資産)を生み出すモノ:新規開発稼働資産の価値を向上させるモノ:保守・運用新規開発固有のリスクを考えれば、現⾏資産の価値増大を考える⽅が(費用対)効果が大きいケースもあるはず193-3.IT投資とオペレーション・マネジメント稼働から廃棄に至るシステムライフサイクルの中で変化に対して適切に改良・機能拡張し、かつITサービスとして適切に運用管理することで、IT投資効果の最大化(継続的なIT資産価値の向上)を目指すべきでは?DiscussionPurpose Only
  21. 21. Copyright (c) Brains Technology, Inc. Japan保守活動では、「経営の業務改革や環境変化に対応するための作業」が大きな割合を占めており、保守作業を必要悪と軽視することは、結果として「企業の効率性,⽣産性,競争⼒に重大な影響を及ぼす可能性」がある。システム運用の目的が「ITサービスのマネジメント」へ変化している中、安易なコスト削減は企業価値を毀損するリスクがあるが、実情は経営層には⼗分には届いておらず、「運用業務の可視化」は急務。保守・運用の役割は、従来の「情報システムの維持・運⾏」から、「IT資産価値の維持・増大」へシフトしており、価値再発⾒のためにオペレーション・マネジメントに取り組む意義は大きい。まとめDiscussionPurpose Only20
  22. 22. IT資産の価値はシステムそのものの客観的な価値ではなく、それを利用する事業、経営層との関係性の中で価値を⾒出すことを含めて検討していく必要がある。オペレーション・マネジメントを課題認識しつつも、現実的な対応が後手となっている企業は少なくないのが実情。・経営層への説明のしやすさの問題・要員スキルの問題(該当分野の改善/改⾰は企画~保守の一連のプロセスの経験が必要)・関連範囲の問題(保守・運用は共通業務的な部分も多く、全社的な取組みが必要)→稼働システム(IT資産)に対する管理ニーズは顕在的、潜在的にあるが、具体的なアクションには繋がっていない。更に、実際にIT資産を事業資産として扱うことは、かなり難しい問題。投資額≠資産価値であり、累積投資額の大きさで価値は測れないシステムとして有効に使われてこそ、ソフトウェアの価値が生み出される業務的ノウハウが詰め込まれたシステムであれば、償却の概念(数年後に価値ゼロ)も馴染まない最後に…(今後の検討課題)

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