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計算を豊かにする「値を変えないものたち」~見えないものも見方を変えれば見えてくる~
- 2. 「0を加算」して正体をあぶりだせ!
2次関数𝑦 = 𝑎 𝑥 − 𝑝 2 + 𝑞は軸𝑥 = 𝑝,頂点 𝑝, 𝑞
では,𝑦 = 2𝑥2 − 4𝑥 + 1はどんな形??
𝑦 = 2 𝑥2
− 2𝑥 + 0 + 1
𝑦 = 2 𝑥2
− 2𝑥 + 1 − 1 + 1
𝑦 = 2 𝑥 − 1 2
− 1 + 1
𝑦 = 2 𝑥 − 1 2
− 1
軸𝑥 = 1,頂点 1, −1
下に凸の放物線
性質が見えない2次関数を,0を加算して形がわかる
式に変形する手法を平方完成という.
- 3. すべての2次方程式を解けるようにしたのは「0」だ!
2次方程式の一般式𝑎𝑥2 + 𝑏𝑥 + 𝑐 = 0を解く!
𝑎 𝑥2 +
𝑏
𝑎
𝑥 +
𝑏
4𝑎
2
−
𝑏
4𝑎
2
+ 𝑐 = 0
足して0になる
ものを加える
𝑎 𝑥 +
𝑏
2𝑎
2
= −𝑐 +
𝑏2
4𝑎
=
𝑏2
− 4𝑎𝑐
4𝑎
𝑥 +
𝑏
2𝑎
= ±
𝑏2 − 4𝑎𝑐
4𝑎2 𝑥 =
−𝑏 ± 𝑏2 − 4𝑎𝑐
2𝑎
2次方程式の
解の公式
2次方程式の一般解は「0」を活用した後, △ 2
= □
→△= ± □という計算と1次方程式から求められる!
- 5. 複雑な計算にも「1をかける」は活躍する!
方程式log2 𝑥 − 1 + log2 𝑥 + 2 = 2の解を求める
真数条件 → 𝑥 > 1
1をかけて,log2 𝑥 − 1 + log2 𝑥 + 2 = 2 ∙ log2 2
log 𝑎 𝑀 + log 𝑎 𝑁 = log 𝑎 𝑀𝑁 , 𝑘 log 𝑎 𝑀 = log 𝑎 𝑀 𝑘 より,
log2 𝑥 − 1 𝑥 + 2 = log2 22
対数の底が等しいため,この方程式は真数部の方程式を
解けばよい.よって,上記の赤線部の方程式を解くと,
𝑥 = 2, −3
真数条件を考慮すると,求める解は𝑥 = 2となる.
- 8. 方程式では,分数の複雑計算を省略可能!
2𝑥+1
2
+
2−𝑥
3
= 3の解を求める
6 ×
2𝑥 + 1
2
+
2 − 𝑥
3
= 6 × 3
「ひとかたまり」でかける
分母2と3の最小公倍数
3 2𝑥 + 1 + 2 2 − 𝑥 = 18
4𝑥 = 11
𝑥 =
11
4
「左右同じ数をかければ,
値が変わらない」性質を
利用すれば,分数計算が
不要になる!
注意!
2𝑥 + 1
2
+
2 − 𝑥
3
= 3 2𝑥 + 1 + 2 2 − 𝑥
のような計算はできない!
左のような計算は,「方程式」
だから成り立つ性質である.
「注意」で書いた間違えは実に多くの生徒がするミスなので教え方に注意が必要である.