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荊軻刺秦③(荊軻の最期)
- 1. 戦国篇 第 32 集
荊軻刺秦③(荊軻の最期)
地図の中に隠し持っていた匕首を政(左)の首に当てる荊軻(右)
(ここまでは予定通りだったのだが...)
- 2. 第 32 集 荊軻刺秦③(荊軻の最期) -戦国篇-
―あらすじ―
燕太子・丹は、秦王刺殺を承諾した荊軻(けいか)に多くの美女を派遣して感謝の気持ち
を表す。そして荊軻は、それらの美女に囲まれ、快適な日々を送っていた。その刺客として
有るまじき姿に、秦舞陽(しんぶよう)や他の刺客たちは反感を覚える。
ある夜、荊軻が高漸離(こうぜんり)や犬殺し(犬を屠殺してその肉を売る人)と共に酒
を酌み交わしていると、太子丹と秦舞陽がやって来た。丹は「秦軍が近づき、燕国滅亡の日
が迫ってきました。どうか燕をお助け下さい」と言って、荊軻に刺殺を促す。すると荊軻は、
鋭利な匕首と同行者が必要だと言う。
匕首は、丹が既に用意していたが、問題は同伴者の方だった。傍らに居た秦舞陽は、
「自分
が行く!」と主張するが、秦舞陽の実力を知り抜いている荊軻は、それを無視。犬殺しに向
かって言う:
「今から至急、沙棘の丘(サジー:砂漠に自生するグミ科の植物)に行き、剣士
の蓋聶(こうじょう)と魯句践(ろこうせん)を呼んで来てもらいたい」
そこで犬殺しは早速、沙棘の丘に行くのだが、蓋聶と魯句践は、荊軻の要請をけんもほろ
ろに断わる。その話を聞いた荊軻は、あまり失望した様子も見せず、むしろ「秦王暗殺とい
う名誉な使命を、自分一人で独占できて嬉しい」と言う。そして、同伴者は、結局、秦舞陽
が選ばれることになる。
その後、荊軻は一人で樊於期(はんおき)の屋敷を訪れる。ちょうど休憩していた樊於期
は荊軻の姿を見て驚き、何の用かと尋ねる。と、荊軻は澄まして「秦王暗殺に行くので、お
別れを言いに来た」と言う。樊於期は荊軻に「太子丹は、秦王に刃物を突きつけ、今までに
奪った六国の土地を返すよう脅迫する事を希望しているが、それではダメだ。一気に殺して
しまわなければ、絶対に失敗する」と忠告する。
しかし、実は別の目的でやって来た荊軻は、
そんな言葉には耳を貸さず、本論に入る。つ
まり秦王に近づくため、秦王が求める樊於期
の首を頂戴したいという訳だ。それを聞いて
驚く樊於期。彼は怯えて逃げ回る。それを執
拗に追う荊軻。
樊於期(左)の首に剣をあてる荊軻(右)→
- 3. 樊於期は逃げながら言う 「オレの首をやる訳にいかん。
: それにお前には秦王を殺せまい」 し
かし終に、樊於期は荊軻の手にかかって殺されてしまう。
その後、易水の辺で、丹や高漸離らが荊軻と秦舞陽の送別の宴を開く。だらしなく酔いつ
ぶれる荊軻。と、ふと目を開けた荊軻は、剣を抜き、剣舞を舞いながら歌う:
「風蕭蕭兮易水寒、壮士一去兮不復還(風、ショウショウとして、易水寒し。壮士ひとたび
去れば、帰ることなし)
」
そう歌い終わるや、秦舞陽の肩を掴んで、馬車の方へ走り出し、よろめきながら馬車に乗
り込む。しかし、しばらく行くと荊軻は急に正気に返る。実は酔った振りをしていただけな
のだ。
その後、荊軻と秦舞陽は斯妤(しよ)の宿屋へ行く。が、斯妤は荊軻を見てもわざと知ら
んぷり。
斯妤の乙女心を察した荊軻は、その後、一人でススキの原を歩く。と、案の定、後からつ
けて来た斯妤が荊軻に「私も連れて行って」と頼む。が、荊軻は「今回行けば、もう後戻り
できない」と言う。 それを聞いて涙を浮かべる斯妤。彼女はいきなり荊軻の胸に飛び込み、
思いのたけをぶちまける。荊軻はそんな彼女をススキの原に座らせ、抱きしめる。
ススキの
原で愛を
確かめ合
う 荊 軻
(右) と斯
妤(左)
- 5. 地図を見つ
める政、彼の
頭の中では既
に統一は完成
しており、統
一後の政策を
どうするかと
いう問題さえ
浮かんでいた。
政は、周が統
一後間もなく
衰退した事を
省みて、万世
に渡る政権を
確立しようと
考えていた。
すると傍らにいた尉繚が、それを受け、周の様な封建制ではなく、当時、前代未聞であった
郡県制を敷くことをほのめかす。
また尉繚は燕国にある空白地帯を指し、
「ここが督亢(とくこう)です」と言うと、政は「明
日、燕国の使者(荊軻のこと)が督亢の地図を持って来る。それで、この空白部分も埋まる
はず」と、ご機嫌になる。
翌日、予定通り、荊
軻と秦舞陽は秦の朝廷
に参内する。
秦兵の隊列の中、政に
拝謁するため前進しよ
うとする荊軻(赤い箱
を持った人)
副使である秦舞陽(左
下)は恐ろしさに腰が
ぬけ、ヘナヘナと座り
込む