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生活者である対象の理解4
認知症
2016/11/29
担当:栗原 律子
1.認知症療養者の理解
*認知症の特徴と心理
・判断力や理解力の障害があっても、その人らしさや感情、
自尊心は保たれる
・周囲の人の対応に仕方によりBPSDが悪化する場合がある
・高齢者にとっては、すべての言動に理由がある
・認知症の進行に伴い日常生活動作(ADL)の自立が困難
になる
・喪失体験により現実の中で生きるのに不安(親しい人がそばにい
れば安心)
・一人で何とか病前の日常生活をしようとする(自分ではそのつもり
でも、周囲では困った行動ととられたりする)
・自分の思いを家族や他人に十分伝えられない(言語障害を伴うこと
もある)
・自分が記憶している世界に逆行して、それを拠り所として生きる
・なじみの習慣(生活態度)や環境にこだわる
・臨機応変な対応が困難(変化に対する順応性が低い)
・抽象的な観念は理解困難である
・矛盾を感じない(体験の前後関係は感じない)
・抑制がきかない
・反省ができない
・近くにいる人、親しい人、好意的な人が身内となる
(近親感、同類感で形成)
出典:河原加代子他:系統看護学講座 統合分野 在宅看護論、P.182、医学書院、2013.
ASSESSMENTのPOINT!
*高齢者がしている活動を知る
“できること”:何がどこまでできるのか
“できないこと”:何ができないのか
何に援助が必要か
“わかること”:何をわかっているのか
何をどこまで理解できているか
表18 認知症高齢者を看護するためのアセスメント
●高齢者の全体像
・年齢、性別、家族構成(介護者、キーパソン、友人など)
・入院前の生活状況(これまでの生活史)
・生活、職歴、教育歴
・生活習慣・趣味・役割(家、社会など)
●認知症の症状
・さまざまな訴え、コミュニケーションの状況
・診断スケール
・中核症状:記憶障害、見当識障害など
・周辺症状(BPSD)の内容、程度
・症状の内容・経過・程度
●高齢者の一般状態
・バイタルサイン
・日常生活動作 ・食事動作 ・洗面・入浴の動作
・身体機能、感覚機能(視覚、聴覚など) ・衣服の着脱
・睡眠の状態 ・栄養状態・嚥下の状態
・指導動作に関わる機能(立位保持、歩行など)
・排泄動作・排泄パターン(排尿・排便、失禁の有無)
●治療・ケアに関する情報
・薬物療法(内服薬の確認など)
・リハビリテーション・アクティビティケアなど
・社会資源の活用状況(介護保険制度など)
出典:小玉敏江他編著:改訂高齢者看護、P.368、中央法規出版株式会社、2007.
2.認知症高齢者の
BPSD(行動・心理症状)の看護
認知症高齢者のBPSDは、基本的な認知症の
中核症状に関連した「事実の取り違え」と
それに伴う「反応行動」ととらえることがで
きる。
<事実の取り違え>
<反応行動>
*対応*
• 「事実の取り違え」
①否定しない
②話題を切り替えて気分転換を図る(仕切り直し)
③認知症高齢者の認識(世界)にあわせる
• 「反応行動」
①叱らない、説得しない
②環境を調整する
③行動の動機や心理を類推して対応する
*BPSDの背景*
①身体的不調、身体的不快、身体疾患に基づくもの
②ベッド、部屋、環境の不適応に基づくもの
③食事に対する不快感の表出によるもの
④周囲の人たちへの不満、あるいはその人たちからの愛情を求める
ためのもの
⑤自己防衛のため、または、自分の世界の秩序を守ろうとしたことに
よるもの
⑥自らの見当識、あるいは過去の生活パターンに従ったために起こっ
たもの
⑦世話、思いやりといった他人への気持ちが裏目に出たもの
表11 メンタルヘルスケアの原則
1.認知症高齢者の態度や言動を、受容し理解する
2.なじみの人間関係をつくる
3.認知症高齢者の心のペース(特に思い、感情)に合わせる
4.理屈による説得よりも、気持ちが通じて心でわかるような共感的な納得を図る
5.よい刺激をたえず与える、ふさわしい状況で隠れた能力を発揮させる
6.認知症高齢者を孤独にしない、安易に寝たきりにしない
7.急激な環境変化を避ける、記憶の学習では変化させずに(パターン化して)教える
8.現在:今を大切にして、安心・安定・安住の暮らしを図る
9.過去:従来の“過去の自分らしさや生き方”をできるだけ保つ、良い質の生き方を図る
10.未来:安心・安全・安楽の余生を図る
出典:室伏君士:認知症高齢者に対するメンタルヘルスケア、老年精神医学、19(1)、P21-27、2008.
3.看護のめざすところ
*訪問看護の目標*
・療養者の健康管理、安全面の確保による事故予防をす
る
・療養者が尊厳を保ち、残存機能を活かしながら穏やかな
生活をおくることができ、家族も安心して社会生活を営
むことができるような支援体制をつくる
・精神症状・認知症による行動への支援
*在宅看護の援助目標と特徴*
援助の目標とするところ
• どんな状態であっても、その人のよりよい
状態、その人らしい状態で過ごせるような
生活をつくっていくこと
4.介護家族への援助
◆認知症高齢者の介護家族への
看護サポートのポイント(看護目標)
介護家族が介護満足感を得て、介護が
少しでも長く継続できること
• 家族にとってすべては「初めての体験」
• 正しい診断・適切な対応が家族を楽にする
• BPSDは疾患による症状行動としてとらえていくための教育が必要
• 「認知症だ」という現実を受け入れる難しさを理解しよう
• 認知症ケアのポイント(認知症ケアの基本)
• 認知症の人の尊厳を守ること
• 認知症という障害をもった1人の生活者と捉え、生活の主体はあくまで本人(
パーソン・センタード・ケア)
• 「“その人らしさ”の復活を諦めないこと」
• 「認知症だから・・・」と看護・介護者が諦めないこと!!
• 社会資源(サービス)の活用支援、相談機関等の情報提供
• 緊急時対応について決めておくこと
<介護者の心理的ステップ>
第4ステップ:受容
第3ステップ:割り切り
第2ステップ:混乱・怒り・拒絶
第1ステップ:驚き
戸惑い
拒否出典:認知症サポーター養成講座標準教材:
全国キャラバンメイト連絡協議会発行.図の一部改変
5.在宅看護の特徴
1.在宅でのケアの主役は家族である
①家族の行っていること、考えていることを否定しない
②無理なことを指導しない、こちらが良いと思うことを押し付
けない
2.他職種との連携
3.在宅生活の見極め
4.社会資源の活用
6.活用できる社会資源と地域包括ケア
• 利用できる制度
(1)介護保険制度:通所リハビリテーション、通所介護、 小規模
多機能型居宅介護施設、複合型サービス、認知症対応型共同生活
介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護
(2)権利擁護する制度:成年後見制度、日常生活自立支援
事業、オンブズマン制度、
徘徊高齢者SOSネットワークなど
相談機関
• 在宅介護支援センター
• 地域包括支援センター
• 市町村(保健センター)
• 社会福祉協議会
• 高齢者総合相談センター(シルバー110番)
• 老人性認知症センター
• 医療機関(専門病院、物忘れ外来など)
• 認知症の人と家族の会
出典:厚生労働統計協会編:厚生の指標 増刊 国民福祉と介護の動向2014/2015、P.20、厚生労働統計協会
出典:厚生労働統計協会編:厚生の指標 増刊 国民福祉と介護の動向2014/2015、P.21、厚生労働統計協会
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生活者である対象の理解1(認知症)

Editor's Notes

  1. 今日は生活者である対象の理解として認知症の人々とその家族・介護者について学習します。Moodleに自己学習として、認知症の基礎知識の理解として、学習しておいて欲しいpointをアップしています。提出や期限は設けていませんが、定期試験では認知症について基本的な知識が理解できているという視点で、本日の講義に関しての問題を出題します。試験対策だけではありませんが、自己学習として取り組むことが望ましいと思います。自己学習に取り組んだ後は、確認テストで自分の知識の確認ができるようにしてありますので、合わせて取り組んでみてください。それとば別に、本日の講義終了後から今週金曜日17時までに全員が受験してもらう、本日の確認テストがありますので、こっちは全員受験してください。
  2. 今日は、認知症についてなので、まず最初に認知症とはどういう状態のことなのかを理解しておきましょう。年齢と知的機能を表したグラフですが、正常の場合、年齢とともに知的機能は成長して、年齢とともに若干の低下は見られますが、正常範囲内で保たれます。一方、認知症はというと、一旦正常な知的機能を獲得して、その後、後天的な脳の障害によって日常生活が困難になる程持続的に衰退した状態です。精神発達遅滞は、正常域まで知的機能が発達しないまま、衰退していく状態です。いい?認知症は正常な知的機能を獲得あいています。が、加齢やその他後天的な原因によって日常生活が困難になるくらい持続的に衰退した状態です。
  3. まず、認知症療養者の特徴や心理について知ることが必要です。ということで、認知症療養者の理解です。
  4. 例えば、「財布を盗られた」「あんたが隠した」などもの盗られ妄想といったりしますが、それは、認知症の中核症状である“記憶障害”からくる、自分が財布をしまった場所を忘れる、財布を置いた場所を忘れてしまった、という、盗られたのではなく、記憶障害による、事実を取り違えているだけ。
  5. 徘徊するのも、自分では盗られたとおもっている「財布」を探すためかもしれないし、昼夜逆転とか不眠というのも、もしかしたら「だれか家に忍び込んで財布を持って言ってしまうかもしれないという不安」や、何か見えないものが見えたり、恐ろしくて、心配で眠れないかもしれない。そういう反応行動として症状である場合もあるということを理解しする姿勢が大切です。必ず、そういう行動をとるには理由がある、それをこちらが勝手に決めつけないことが大事です。