科学分類

1. 確率論及統計論 輪講
科学の四分類と確率分布
SWEST18
2016/08/26
技術士（情報工学）・工学博士
名古屋市工業研究所・岐阜大学非常勤講師
小川清

2. 背景
• 文系、理系という区分は受験科目による区分
であって理論の区分ではない
• 取り扱う対象、理論の確率分布の違いによる
分類を検討することにより、類似の理論が適
用できないか検討する
• 人の能力の組み合わせにより、効率的な作
業を行う小集団の能力の網羅性を確保し、見
直し(review)の効率を上げる

4. 科学の四層構造（仮説）
•
論理科学（離散系）
– 哲学、論理学、数学、言語学
• 物理科学（連続系・無機系）
– 力学、熱力学、電磁気学、量子力学、無機化学
• 生命科学（有機系・個体）
– 有機化学、生物学、医学、文学、心理学
• 社会科学（組織）
– 社会学、法学、経済学、経営学

5. 違いは？
• 範囲?
• 主体?
• …..?
• 個々の学問分野ごとに検討してみよう

6. 政治は何科学か？
• 勝ち負けしか問題にならないのなら論理科学
• 主体が人間であるのなら生命科学
• 対象が社会全般であれば社会科学
• 利用できるモデルが物理科学にあるかも
• ということは、各科学への分布確率を記録

7. 厳密性は不要
• 確率分布を順序で検討
• 優先順位がついていれば対応可能なこと多し
• 学術分野の科学分布を優先順位で記録
– 一番関係の深いもの：４
– 二番目：３
– 三番目：２
– 一番関係が浅いもの：１

8. 四項目の優先順位
• 優先順位を確率とみなす（近似）
• 一番多いものを４とするのは40%に
• 二番目に多いものを3とするのは30%に
• 三番目に多いものを2とするのは20%に
• 四番目に多いものを1とするのは10%に
• 多いものから対応するとABC分析と同じ
– ABC分析：確率の高いもの３つに対応すれば、大
事なことに対応できるという経験則

9. 例
政治
農
教育
論理
4
1
2
物理
1
2
1
生命
2
4
4
社会
3
3
3

10. 5分かけて10項目埋めてください
政
治
農
教
育
文
医
薬
法
情
報
電
気
機
械
論理
物理
生命
社会

11. 大事なこと
• 工場のラインであれば表向きの認識は同じであ
る必要がある
• 量産であっても設計部門であれば認識は同じで
なくてよい
– 同じ考えの人だと設計審査で指摘に抜け漏れができ
る
– 異なる視点で、見直しが必要
– 管理者がそれぞれの見方の違いを知っていて、仕事
を振り分ければよい
• ここが得意だから任せよう
• ここが不得意だからたまにはやらせてみよう
• 不得意な人にまかせたから、得意な人に見直ししてもらおう

12. 自分の得意分野も書いてみよう
政
治
農
教
育
文
医
薬
法
情
報
電
気
機
械
自
分
論理
物理
生命
社会

13. 最低限の技能・興味判定
• ４項目の優先順位だけでも仕事の割り振りは
可能
• 同じ累計の人を見直し(review)担当にしなけ
ればよい

14. 参加者
1
2
3
4
5
6
7
小
川
⚪︎
論理
4
4
2
1
4
3
4
2
四
物理
3
2
3
3
3
2
2
4
一
生命
1
1
4
2
2
1
3
1
一
社会
2
3
1
4
1
4
1
3
ニ

15. 考察
• 得意分野が違うのに、学術分野の分布が同じ場
合は、得意分野の順番が思い込みの可能性あり
• 得意分野という抽象度の理解と、学術分野ごとの
分布というより一段具体的な項目の順番を比較す
るとよい。
• 抽象的な得意分野が違っても、具体的な順番が同
じ場合には、見直し担当(reviewer)には向かないと
仮定する。
– そのままの内容で洗練化する場合はよい。

16. まとめ（参加者の感想を含む）
• 簡単な得意の順位付けでレビュアを選ぶ方
法は試してみたい
• ごく簡単なことでも、いろいろ扱える
• 論理が主だったので確率で扱うということをし
てこなかった
– 紹介：SWESTのSTARC
RTL設計スタイルガイドの
ルールの優先順位づけで、推奨ルールが上位10
に２つあった。
– 結果を学会発表し、ルールを改定してもらえた