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ゲームのルールを作った企業
~後発企業によるイノベーション~
133152 長森 研人
133166 野呂 隼大
133194 松浦 加奈
1. 定義・・・・・・・・・・・・・・・2
2. 後発企業の特徴と優位性・・・・・・2
3. 後発企業によるイノベーション・・・4
4. 企業例―DeNA・・・・・・・・・・6
5. DeNA が作ったゲームのルール・・・7
6. おわりに・・・・・・・・・・・・・10
2
1.はじめに――研究の流れと定義
私たちは、「ゲームのルールを作る」とは、「業界内に既に浸透している規範・基準とは全
く異なる、新しい規範・基準を作り出すこと」であると定義づけた。細かく見ていくと、「ゲ
ーム」とはそれぞれの企業が戦うフィールド(=業界)を指し、ゲームのルールとは、その
業界において常識とされている規範や判断基準のことを指す。ここでいうゲームのルール
は既に存在しているものであり、新たにゲームのルールを作り出していくのは、新しくその
市場に参入してくる後発企業であると私たちは考えた。
企業が既存市場に参入する際、まずはその業界のルールを見ようとする。市場には必ずそ
の市場を作り上げた先発企業や、現在ある市場内でトップを走る企業の存在がある。これら
の先発企業は、新規顧客の獲得・革新的な商品の開発・流通革新などによって自社のフィー
ルドを確立させている。ルールを確立させた企業は自社の売り上げの維持やさらなる成長
を狙う。しかし一度確立した基盤を覆すようなルール作りはしにくいという特徴を持つ。
さて一方、後発企業は、既にルールが確立されている市場へあとから参入してくる企業の
ことである。後発企業が参入した市場の中でより利益を上げるには、新たなルールを確立さ
せる必要があると考えられる。新たなルールを確立し、その市場のリーダーにとって代わる
ことができれば、企業の目的といえる利潤追求が十分達成されるはずである。ではその後発
企業が市場のルールを作るにはどうしたらよいのだろうか。この問いに対して、後発企業の
特徴や優位性に触れながら、さらに後発企業が起こすイノベーションについて述べていき
たい。また、市場における新たなルール作りに成功した後発企業の具体例として、株式会社
ディー・エヌ・エーを取り上げて、ルール作りに必要な要素について考察し、結論を導いて
いく。
2.後発企業の特徴と優位性
市場における後発企業にはいくつかの優位性がある。
まず、先発企業を模倣することができるということである。後発企業は、文字通り後から
参入してくる企業であるから、すでにその市場において確立しているルールを支配してい
るトップ企業を抜いて、いきなりトップに立つことは困難である。しかし、参入する際に一
から独自の仕組みを作り上げなくても、トップ企業のやり方を模倣して参入することが可
能なのである。模倣さえできればよいのだから、初期の研究開発コストや開発にかかる時間
が先発のそれに比べて圧倒的に低く抑えられる。また、成功例があるため新規開拓のリスク
を抑えることにもなる。そのため、確実に成功するであろう先発企業の製品や仕組みを模倣
し、模倣したものをもとにした独自の仕組みの開発に、より力を注ぐことができるというメ
リットがある。
もう一つは、他社の模倣を通じて仕組みレベルの差別化を実現しやすいということであ
る。ルールを作っていくためには、既存のものとの差別化を図る必要がある。差別化には、
3
「製品レベルの差別化」と商品提供システムなどの「仕組みレベルでの差別化」の大きく 2
つに分けられる。新たに競争基盤を作る企業が長く成功し続けるには、真似されにくい差別
化を行うことが不可欠といえる。仕組みレベルの差別化をすることができれば、競合他社の
製品との差別化がしやすくなるほか、製品レベルの差別化に比べて顧客ニーズにより対応
しやすいといったメリットがある。仕組みレベルの差別化というのは、言い換えると「ビジ
ネスモデルの差別化」ともいえる。ニーズに合った製品・サービスであることはもちろんの
こと、その製品・サービスを顧客に提供するための仕組みが競合他社より勝っていることが
重要になってくる。
では、後発企業はなぜしくみレベルの差別化を行いやすいといえるのだろうか?一つ目
の理由として、一般的に途中から参入してくる企業は、先発企業に比べシステムが完全化さ
れてない、あるいは組織のフットワークが軽いと推測できる、という点がある。この理由に
ついては先発企業がかかえるデメリットと合わせて説明する。
自社の作ったルールを確立させ安定している先発企業は、さらなる改革に着手するより
も、確立したルールを維持しつつ利益を追求しようとする場合が多い。大成功した企業ほど
組織は重くなり、一度経験した成功にとらわれ、破壊的イノベーション(特に組織レベルの
改革)がしにくくなるためである。それに加え、新たなイノベーションを起こした際、既存
の製品・サービスとのカニバリゼーション(共喰い)のリスクを抱えているのも先発企業の
特徴といえる。
それに対し後発企業は、これらの懸念は持っていない。ほかの業界・市場では成功を収め
ていたとしても、市場に新しく参入するときには、まだビジネスモデルは完全化されてない
ことが多いのである。そのため、先発企業や他業種のビジネスシステムの分析・考察を通し
て、先発企業や市場内の競合他社とのビジネスシステムの差別化をはかりやすいのである。
また、システムが完全化されてないことは裏を返せば柔軟性が高いということがいえる。柔
軟性が高いため、顧客ニーズや市場の変化に素早く対応がしやすいため、イノベーションを
行ううえでかなり有利になるといえる。また、新しく参入する市場・業界に対して、後発企
業のほうが考慮すべきリスクが少ない。そのため、思い切ったビジネスを行いやすいという
特徴があるのだ。
まとめると、後発企業には大きくわけて二つの優位性があるといえる。先発企業の成功・
失敗を観察でき、いいところを模倣することができるという点と、模倣を通じた仕組みレベ
ルの差別化が比較的行いやすいという点である。では、これらの優位性を踏まえ、次の章で
は後発企業によるイノベーションについて述べていきたい。
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3.後発企業によるイノベーション
後発企業はイノベーションを起こすためにどのような手順を踏むべきか?それは、後発
企業の優位性を活かした、模倣を通じたイノベーションであると私たちは考えた。模倣につ
いての利点は第2章で述べているが、実際にどのように模倣を行っていけばよいのだろう
か?もちろん手当たり次第に模倣して良いわけではない。
模倣を行うにあたって、いくつかのステップを踏む必要がある。
① 模倣を行う前に自社の現状を分析する。
② 模倣する企業やモデルを選ぶ。
③ 自社のあるべき姿の青写真、つまり将来像を描くこと。
④ 目標達成に向けて必要な要素を模倣する
⑤ 現状とのギャップを逆算する
⑥ 変革を実行する
この 6 つの手順について、順にみていきたい。
まず、模倣を行う前に自社の現状を分析することが大前提になってくる。後発企業でなく
ても、イノベーションを起こそうとする企業が必ず心がけるべき作業であると言える。この
際、外部・内部環境を分析する SWOT 分析や、ターゲット・価値提案・カギとなる活動や
経営資源を把握するための P-VAR 分析といったフレームワークを選ぶとよい。
自社分析ができたら、それをもとに次に模倣したいと思える企業やモデルを選んでいく。
モデルを選ぶ方法としては、自社と同じ業界(参入しようとしている業界)のなかのお手本
となる企業を探すか、全く別の業種のシステムを参考にする方法に分けられる。さらに、モ
デルとする企業やモデルをそのまま取り入れる「正転」と、逆にモデルの悪い所を見つけ、
反対の行動をとる「反転」といった区分もある。模倣の際には、組織をありのまま模倣する
のではなく、システムの本質を探り、その本質を生かしつつ、新たなビジネスモデルを創造
していくのが望ましい。さらに正転・反転にさらに市場の内外といった指標を加えると、次
の 4 つのモデリングパターンに分けられる。 表①
まず「単純模倣」とは、全く異なる業界や
地域などの遠いところから、ビジネスモデル
の一部または全体をそのまま模倣するやり
方である。たとえば、ファッションアパレル
の企業がコンビニエンスストアの流通システムを模倣するなど、他業種に最適なモデルが
潜んでいる場合があるのである。一見、競合他社に追いつくための手段にすぎないと感じる
かもしれないが、既存のシステムであっても導入した先で立派なイノベーションとなる場
合がある。
この単純模倣を成功させるために注意するべきポイントは、模倣したいと思うシステムや
企業を取り巻く環境と、自社の資源や環境との脈絡を考慮することである。目標や理念、環
正転模倣 反転模倣
社外(他社) 単純模倣 反面教師
社内(自社) 横展開 自己否定
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境などに共通点が多くあるほど、そこからそのままシステムを模倣した際に失敗するリス
クが低くなると考えられる。
他社からの反転模倣に当たる「反面教師」とは、市場における既存のシステムを否定して、
それにとって代わるような新しいシステムを展開するようなやり方である。良いお手本は
そのまま模倣すればよいのだが、必ずしも良いお手本が見つかるとは限らない。その場合は
参入しようと思っている市場のシステムを分析し、自社の目標達成のために非効率である
ような要素を排除したり、より合理的だと思われる新たな要素を加えてみるなどの方法が
ある。
社内からヒントを得るパターンとして、社内のほかの事業部や過去の成功体験を参考に
仕組みを模倣する「横展開」と、自社分析を踏まえて自社の悪いところを改善していく「自
己否定」がある。横展開の例を挙げると、社内のある事業部が新規事業の立ち上げに成功し
た際に、他の事業部がそれをモデルとして後に続く、といったやり方である。社内でのモデ
リングには、環境が似ていたり情報の入手が容易であることなど様々なメリットがあるが、
ライバルの部署から模倣するということに対して心理的な抵抗が生じる場合も少なくない。
そのため、この障壁とうまく付き合っていくことが重要となる。一方で自己否定の場合で重
要となるのは、今までの評価基準にとらわれることなく、自己の失敗ときちんと向き合うこ
とである。様々な視点から自社の現状を検討し、新たなビジネスチャンスにつなげていくの
が望ましい。
ここまでで、6つの手順のうち④までのステップについて述べてきた。模倣の仕方は模倣
の目的や自社の置かれている環境によって分かれるが、模倣はあくまでもきっかけである
場合がほとんどであり、最も重要なのは模倣した後の行動である。
模倣を通じて、当初立てていた将来像とのずれが生じたり、よいと思って取り入れたシス
テムに何らかの問題や矛盾が生じてしまう可能性は十分にあるだろう。そうした問題に直
面したときに、それらのギャップをいかに埋めていくかが企業に問われていることである。
模倣による「気づき」から、模倣で取り入れた技術やシステムと、自社が持つ経営資源や組
織などといった強みを上手く組み合わせることで、イノベーションにつながっていくのだ
と私たちは考えた。
では、ここまで一般的な模倣を通じたイノベーションについて述べてきたが、今度は実際
の企業の例をみていこう。私たちは、この研究を行う上で株式会社ディー・エヌ・エー(以
下、DeNA)を取り上げた。DeNA は SNS 業界において後発企業でありながら新たなルー
ルを作ったと言える企業である。DeNA がどのようにしてイノベーションを行ってきたか、
順を追って見ていこう。
6
4.企業例:DeNA
DeNA は 1999 年に創業し、東京都渋谷区に本社を構えている。資本金が 103 億円、売上
高 10 億円、従業員数 1000 人を超える日本の大企業である。E コマース事業や携帯電話用
ウェブサイトの企画・運営などが主な事業内容だ。中でも携帯電話用 SNS「mobage」は
DeNA が大きく成長するきっかけとなった事業である。今回はその SNS 事業において
DeNA がどのようにして、また、どのようなゲームのルールを作ったか述べていきたい。
まずは当時の SNS 業界における DeNA の立ち位置を確認しておこう。SNS 業界には
GREE や mixi といった先発企業が存在していた。特に GREE は、当時メールのやり取り
や日記などのコミュニケーションを主としたコンテンツが SNS の主流だった中で、無料ソ
ーシャルゲームの提供を行っており、SNS 業界では注目されていた。DeNA が参入したと
きも似たような位置づけにおり、互いにライバル企業であることを意識していた。そこで
GREE と DeNA の二社を比較して当時の歩みをみていこうと思う。
GREE が 2004 年にサービスを開始し、2 年遅れの 2006 年に DeNA が「モバゲータウン
(現在は mobage)」の運営を開始した。GREE は無料ゲームをコンテンツに取り入れてはい
たが、メールや掲示板、日記、アバターなどを使ってのコミュニケーションがメインコンテ
ンツであった。ゲームをコミュニケーションの手段として活用していたのだ。一方の DeNA
はゲームをメインコンテンツとした SNS を立ち上げた。他のコミュニティサイトが存在す
る中で人が集まってコミュニケーションのきっかけとなるようなコンテンツが必要だと考
えた。当時無料ゲームに対する需要が高いことを知っており、無料ゲームを中心としたコミ
ュニティサイトを立ち上げることでユーザーの獲得を狙ったのだ。
DeNA がモバゲータウンのサービスを開始した翌年の 2007 年に、GREE はサイト内で
の課金サービスを開始し、さらに翌年の 2008 年に DeNA が続いて課金サービスを開始し
た。課金サービスは SNS を運営する会社の主な収入源である。それまでは広告や成果報酬
型広告が SNS での主な収入だったが、ゲームを SNS のコンテンツに取り入れたことで、
ゲームを進めていくうえで楽に攻略できるようなアイテムを有料で配信し、それをユーザ
ーに買ってもらうことで収益を得るという課金による収入が大きくなった。スマートフォ
ンが登場して無料で遊べるゲームアプリが多く登場してきた今でもこの課金による収入が
大半を占めている。無料で遊べるという手軽さを売りにして顧客の目を引き、そこから有料
アイテムを買ってもらうという一連の仕組みをマネタイズというのだが、これは後ほど詳
しく説明することにする。
ここまでは先発企業 GREE の取り組みを遅れて開始する形となった DeNA だったが、後
発企業の優位性を活かして新たな取り組みを行った。それはオープン化だ。DeNA は 2010
年 1 月に SNS のオープン化をし、自社で製作したゲームの他に、外部のゲーム開発会社か
ら取り入れたゲームも提供することでより大きな利益を上げることに成功した。これまで
GREE の後手に回っていた DeNA だがどうして GREE より先に新たな仕組みを取り入れ
7
ることができたのだろうか。オープン化を導入できた要因の一つとして DeNA が後発企業
だったということが考えられる。後発企業は先発企業からシェアを奪うために試行錯誤し
改革をするため、先発企業に比べて新たな仕組みを導入しやすいのだ。一方先発企業は既存
のやり方で利益を出すことに成功しているので、新たなことに挑戦したときのリスクを考
慮するとなかなか新たな仕組みを取り入れにくい。こうした要因があり DeNA はオープン
化に成功し、SNS 業界に新たなルールを作った。
5.DeNA が作ったルール
それではここからは SNS 業界において後発企業にあたる DeNA が、実際にどのようなル
ールを作ったのか紹介して分析していきたいと思う。
DeNA が SNS 業界の常識を覆した方法はなんだろうか。それはオープン化だ。DeNA は
SNS サイトのオープン化を通じて SNS 業界の新しいルールをつくったのである。それで
は、ルールを作るカギとなったオープン化について詳しく述べていこう。SNS サイトにお
けるオープン化はオープンプラットフォーム化とも呼ばれる。プラットフォームとはこの
場合、「場」という意味で使われる。つまりオープンプラットフォーム化とは、SNS サイト
を開かれた「場」として、他の企業にも提供するということである。具体的には、SNS サ
イト上のコミュニティやゲームなど、多数存在するツールの開発を自社だけで行うのでは
なく、外部の企業にも依頼して自社と他社の両方で行うようにすることである。このオープ
ン化によって他社も開発に加わることでアイデアなどの幅が広がり、ユーザーの需要への
対応力が高まるのだ。
DeNA はその中でも SNS サイト上で提供する無料ゲームに力を入れていたため、ゲーム
の開発を中心にして、サードパーティと呼ばれるゲーム開発会社にも依頼するという形で
オープン化を開始したのである。
そして、オープン化には SNS の運営側と外部から無料ゲームを開発して SNS を通じて
提供する企業との双方に大きなメリットがある。まず SNS の運営側のメリットについて述
べていく。
一つ目に「ゲームを開発する費用が抑えられること」二つ目に「より高品質なゲームを提
供できるようになること」三つ目に「ゲーム開発会社からプラットフォーム手数料を徴収で
きること」そして、一つ目と二つ目のメリットを通じて「集客性を高められること」といっ
た、大きく分けて三つのメリットが挙げられる。
一つ目の「ゲームを開発する費用が抑えられること」とは、今まで全て自社だけでゲーム
を開発していたことによる費用を、オープン化によって削減できるということである。外部
のゲーム開発会社が開発したゲームを自社の SNS 上で提供できるようになるため、自社で
開発・提供するゲームの数を相対的に減らして、費用を抑えることができるのだ。これによ
り SNS 上でのゲームの提供に力を入れつつ、ゲーム以外の細かなコンテンツに費用を回し
て改善し、サイト自体の質の向上にもつなげることができるのである。
8
次に二つ目の「より高品質なゲームを提供できるようになること」だがこれは、無料ゲー
ムの提供に力を入れているとはいえ本来 SNS 事業を軸にしている DeNA だけでゲームを
開発するよりも、ゲームの開発が本職である会社にも依頼することでより効率的に高品質
なゲームを提供できるということである。さらに、ゲームの開発を効率化できることにより、
一つのゲームの開発にかける時間や費用を増やすことができて結果的に自社ゲームの品質
も高めることができるのである。
そして三つ目は「ゲーム開発会社からプラットフォーム手数料を徴収できること」である。
オープン化は、ゲーム開発会社にもゲームの開発をしてもらい、それを自社の SNS 上で提
供することを可能にした。そして、その際にゲーム開発会社と SNS を利用する消費者の仲
介の「場」として提供する上での手数料を「プラットフォーム手数料」と呼ぶ。つまり、ゲ
ーム内での課金売り上げの一部を「プラットフォーム手数料」としてゲーム開発会社から徴
収することができ、収益性を高めることができたのである。そして最後に「集客性を高める
ことができる」というメリットが挙げられる。より高品質なゲームを数多く提供できるよう
になれば、必然的に消費者の需要に応える能力は上がり、無料ゲームの提供に力を入れてい
る SNS としての知名度も上がるだろう。
このように、オープン化することによって DeNA は集客性・収益性をともに向上させる
ことに成功したのである。
次に、SNS 運営会社にゲームを提供する外部企業のメリットについて述べていく。「ゲー
ムや企業自体の知名度を上げることができること」や「マーケティングコストを抑えること
ができること」や「短期間で多数の利用者を獲得できること」など、ゲーム開発会社側にも
多くのメリットがある。ある程度の知名度のある SNS 上にゲームを提供すれば、SNS の既
存の顧客が存在するため「マーケティングコストを抑える」ことができ、さらに「短期間で
多数の利用者を獲得する」ことができる。これらのことより、結果的に「ゲームや企業自体
の知名度をあげることができる」のである。
このように、SNS 運営側とゲーム開発が社側の双方に大きなメリットのあるオープン化
であるが、DeNA の場合にはこのオープン化をより効率的に実行する支えとなった要因が
いくつかあった。ここからはそちらの内容について話を進めていこう。
ではまずオープン化の支えとなったものか何か。それは大きく二つ挙げられる。一つは
「マネタイズ」もう一つは「ゲームを中心とした SNS の方針」である。この二つの要因が
あったからこそ、DeNA はオープン化を通じてゲームのルールを作るに至ったと言えるだ
ろう。ではこの二つの要因についてそれぞれ詳しく見ていこう。
まずは一つ目の「マネタイズ」である。マネタイズとは一言でいえば課金システムのこと
であるが、DeNA はこのマネタイズによって SNS 上のゲームから利益を得ていたのである。
この課金システムにはいくつかの段階があり、その最後の段階にマネタイズが位置してい
る。まず初めの段階が「フック」である。これは SNS 利用者にゲームをプレイしてもらう
ための段階で、具体的にはそのゲームのわかりやすさや、無料でプレイできること、招待特
9
典がもらえるなどの、ゲームに興味をもってもらうきっかけを作るのがこの段階の役割で
ある。
そして次の段階が「リテンション」である。これはゲームを利用し始めた人に、継続して
利用してもらうための段階だ。この段階では主に、そのゲーム内のプレイヤーが多ければ多
いほどゲームの楽しみ方の幅が広がったり、楽しさが増したり、効用が高まるというネット
ワーク外部性や、毎日そのゲームにログインしてプレイすることでもらえる特典をつけた
りして、利用者の生活の中でゲームをルール化・習慣化することによって継続利用を促すこ
とが求められる。
そして最後が「マネタイズ」の段階である。この段階から、継続してゲームを利用してい
る人に対して有料への転換が始まる。まず課金させるための方法として、ゲーム内でユーザ
ー同士の競争をさせたり、ガチャと呼ばれるようなものを代表とする課金することで希少
性の高いアイテムを入手できるシステムを作ったりすることで、有料プレイヤーと無料プ
レイヤーとの差を生み出す方法がとられている。有料プレイをすることで無料プレイヤー
よりも手っ取り早く強くなれたり、楽しく遊べたりするということを強調することで、無料
プレイヤーへの課金の促進を行うのである。そして有料プレイへ転換した利用者に継続し
て課金をさせるために価格政策やさらなる課金の促進を行ったり、デジタル資産の価値保
全を図ったりして、収益性を向上させるのである。このような一連の課金システムが整って
いた状態でオープン化に踏み切ったことで、ゲームの開発費用の抑制をより効率的なもの
にし、より収益性を高めることに成功したのである。
そして次にオープン化を支えた要因として挙げられるのが「ゲームを中心とした SNS の
方針」である。これは、DeNA が運営する SNS サイト「mobage(モバゲー)」がその運営に
関する方針としてゲームの提供に力を入れていたことによって、オープン化が DeNA にと
ってより有益なものになったということを意味している。先の内容でも述べたように、SNS
業界では先発企業として GREE が先にサイトを設立していた。しかしゲームと同時にコミ
ュニケーションツールとしての SNS 運営にも力を入れていた GREE とは違い、DeNA は
ゲームの提供中心の方針をとっていたのである。SNS 上でのソーシャルゲームに収益性が
あると見越してこの方針を変えずにゲームの提供に力を入れていたことにより、オープン
化当時にはゲーム主体の SNS という知名度が高くなっていた。つまり、先にも述べたよう
なゲーム開発会社のメリットである「マーケティングコストを抑えることができること」や
「短期間で多数の利用者を獲得できること」をより顕著にゲーム開発会社に享受させるこ
とができたのである。これを理由に、ゲーム開発会社もゲームを提供する「場」として
「mobage」を積極的に利用し、集客性を高めたのである。このように SNS 運営の方針も作
用して、オープン化のメリットを最大限に活かすことができたのである。
10
6.おわりに
このように DeNA を具体例に取り上げて調査してきたわけだが、意外にも後発企業のほ
うが先発企業よりも「ゲームのルール」を作りやすいということに気づいた。後発企業には
いくつか優位な点があり、それらをうまく活用することで先発企業を追い越し、さらにはイ
ノベーションを起こすことも可能なのだ。
後発企業がゲームのルールを作るうえでカギとなるのが「模倣」することである。後発企
業は先発企業が作った製品や仕組みを真似することができ、また、先発企業が既に市場を開
拓しているので新たに市場を開拓する必要がなくリスクを発生しない。さらに、先発企業が
あれこれ試行錯誤して開発した製品・サービスを真似するだけでいいので開発コストを抑
えることができる。成功例はもちろん自社に取り入れることができるが、さらには先発企業
が失敗した事例をもとに研究・分析をおこなって製品・サービスを改良することができるの
で先発企業に比べて後発企業のほうがコスト面においては圧倒的に有利である。ここで大
事なのは製品レベルの模倣だけでなく、仕組みレベルの模倣もすることである。製品レベル
の模倣のだけだと、先発企業の製品と同じようなものを売ることができるものの販売方法
や利益の出し方といった仕組みレベルで先発企業と差が出てしまい、先発企業に追いつく
ことができない。また、製品の模倣は技術的な問題であり、技術さえ持っていれば誰でも真
似することができるので似たような企業が多くなり差が出にくい。先発企業に追いつき似
たような後発企業と差別化をするためには仕組みレベルの模倣も必要となるのだ。
先発企業の製品や仕組みを模倣することができたら次はそれらの分析をしなければなら
ない。DeNA の場合、GREE から無料ゲームという製品と、課金サービスによって利益を
得るという仕組みを習った。今までは広告や成果報酬型広告が SNS の主な収入源だったが、
課金による収入も入ってくることで当然とるべき戦略が変わってくる。DeNA の「モバゲー
タウン」は従来の SNS とは違い、ゲームを中心に遊んでもらうという狙いがあるため、よ
りユーザーに課金してもらえるような仕組みを作り出す必要がでてきた。
模倣、分析ときたら最後は実行である。DeNA が SNS のオープン化を行うまでは、2社
とも自社で開発したゲームだけをユーザーに提供していた。しかし自社で開発したゲーム
だけでユーザーを確保するのには限界があった。そこで DeNA は SNS のオープン化に踏み
切り、外部のゲーム開発会社からゲームを取り入れユーザー確保を狙った。結果、ユーザー
数は増加し、課金による収益も増加した。オープン化によって自社ですべてまかなっていた
ゲームの開発を減らしコスト削減、また、ゲーム開発の専門家であるサードパーティに質の
高いゲームを開発してもらい提供してもらうことでユーザーを確保し、プラットフォーム
としてゲーム提供の場を与えることによる一定の収入を得るという仕組みを確立した。自
社で開発したゲームだけでサイトを運営しているとどうしてもヒット作が出るかどうかで
収入がばらついてしまうので安定した収入を得るためには SNS のオープン化が必要だった。
先発企業である GREE も DeNA の半年遅れで SNS をオープン化したのだが、先発企業と
して自社のゲームが好調だったのでオープン化による弊害を考慮して踏みとどまっていた
11
のだろう。DeNA が後発企業だったから今回 SNS のオープン化を実行できたのだ。
以上のことをふまえて、我々は後発企業がゲームのルールを作るためには次のようなス
テップが大事であると考える。
① お手本とする先発企業を模倣する
② 模倣した戦略の問題点や自社との共通点を探す
③ 後発企業だからこそできる仕組みレベルのイノベーションを起こす
この3つのステップをうまく踏めたから DeNA は「ゲームのルール」を作ることができ
たのだ。我々はこの研究をする前までは、まさか後発企業のほうが先発企業よりもイノベー
ションを起こしやすいだなんて思いもしなかった。ルールを作るなら一番初めに業界で幅
を利かせた企業のほうが断然有利だと考えていたからだ。しかし DeNA という企業に出会
い調査していくうちに、実は後発企業のほうがイノベーションを起こしやすいということ
を知った。今回のように、先入観とは逆の結果が得られる、といったテーマが他にもあるか
もしれない。「ゲームのルールを作った企業」という漠然としたテーマから出発し、そのテ
ーマの定義を自分たちで決め、具体例を用いて結論までもっていくのはなかなか骨の折れ
る作業だったが論理的に物事を語る力がついたと思うので良い研究ができたと思う。

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