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ソフトウェア開発プロセスの話
中佐藤 麻記子
この資料何?
• ウォーターフォールの人にアジャイルの話をする
時になんで話がすれ違うんだろう、 とつらつら
考えていて、プロセスを組み立てる時の 「指向」
の違いかも? と思いました
• DADの説明の時に必ず出てくるキーワードとして
「ゴール指向」 がありますが、これ本当に意味が
伝わっているの? と疑問がありました
• というわけで、思いついたことをぽちぽちメモして
みました
ソフトウェア開発プロセスって何
ProcessInput
やりたいこと 解決策
(システムとかソフト
ウェアになることが
多い)
Output
要は、ここでどんな「お約束」で
仕事をすれば、効率よく仕事を
して正しいOutputが出せるか
という話
プロセスを考える時の「指向」
• 作るもの指向
– 堅い言葉だと、成果物指向
• やること指向
– 堅い言葉だと、タスク指向
• めざすもの指向
– 堅い言葉だと、ゴール指向
作るもの(成果物)指向
• ウォーターフォールの場合、工程を分けて
その間をつなぐのが成果物なので、これが
形になったものがあって分かりやすい
• 文書のテンプレートを作ってそれを埋める形に
なるので、初心者には分かりやすい
• テンプレートが腐りやすい
– 何のために作っているものか忘れられがち
– 「要はこれ埋めればいいんでしょ」 的な
やること(タスク)指向
• 手順が決まっている場合と
あんまり厳密でない場合がある
– 手順が決まっていると、ワークフローになる
– 厳密でないと、チェックリストになる
• やった結果が目に見える形にならないと不安な
人がいるかな
– その場合 「作るもの指向」 と組み合わせる
• これも 「やること」 そのものが目的になる危険は
ある
めざすもの(ゴール)指向
• アジャイルはスタート地点はこれ
– これだけだと分かりづらいと言われてしまうので
「作るもの」 や 「やること」 も混ぜる
(Scrumのバックログとか、プラクティスとか)
• DADもこれ
– 但し、フェーズに分かれている
• UP/RUPも本質はこれ
– 特にRUPは 「作るもの」 や 「やること」 もてんこ盛りに
語るので、誤解されがちだけど
UPのフェーズ
方向付け
Inception
推敲
Elaboration
作成
Construction
移行
Transition
「大体これくらいの
コストと期間で、
こんなものになり
そうなんだけど、
進めていい?」 と
訊いて、関係者が
全員OKを出すこと
「よし、これで
難しいことは目途
がついたぞ。
これで技術的には
イケる」 と自信を
持てること
「これで必要な
ものは大体できた
かな。
細かい調整は
まだあるかもしれ
ないし、マニュア
ルの作成とかは
残ってるけど」
本番リリース
できた!
ゴール:
SEMATは
• SEMATはプロセスではないが、考え方として
は、めざすもの指向
– 7つの Alfa の状態で、プロジェクトの進捗状況を
確認するので
– 7つの Alfa の状態遷移をモノサシとして使って、
いろんなプロセスを語ることができる
SEMAT Alfa : Waterfall の場合
SEMATsubmission2012-11-01.pdf から引用
SEMAT Alfa : UPの場合
SEMATsubmission2012-11-01.pdf から引用

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