We propose a methodology for Innovation Process Technology by Dual ComBine Analysis and Purpose Engineering. This methodology consists of purpose orchestration for target creation, innovation concept design and mind means encounter process. This technical area can be formulated as the trilateral matching problem. Dual ComBine Analysis will be effective approach to the problem.
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序説 イノベーション・プロセス・テクノロジー
~連環データ分析と目的工学からのアプローチ~
唐澤英安*1
・嵯峨根勝郎*1
・唐澤英長*1
・栗山晃*1
・小林稔*2
An Introduction to Innovation Process Technology
By Dual ComBine Analysis and Purpose Engineering
of Transdisciplinary Federation of Science and Technology
Shinji HARA*1
, Kaoru HIROTA*2
, and Hiroshi OSADA*3
Abstract- We propose a methodology for Innovation Process Technology by Dual ComBine
Analysis and Purpose Engineering. This methodology consists of purpose orchestration for target
creation, innovation concept design and mind means encounter process. This technical area can be
formulated as the trilateral matching problem. Dual ComBine Analysis will be effective approach to
the problem.
Keywords- innovation process technology, concept design, Dual ComBine Analysis, Purpose
Engineering, F-CAP system, mind means encounter process, trilateral matching problem
1. はじめに
国家民主制と国際資本制の軋轢が、格差をグローバル
に拡散し,経済の低成長がそのストレスを解消できず,
リスクを増大させている.そして新たな価値を生むため
のプロダクツ・サービスや政策・制度等のイノベーショ
ンが、唯一で喫緊の課題となって来ている.
一方、モノ・コト・カネのレイヤーが国境を越えて情
報ネットワークで結びつきを強め、リアルタイムに市場
メカニズムでフィードバックし合い、第4 次産業革命と
新常態:ニューノーマルの創発の兆しが感じられる[1].
日本は,課題先進国ではあるが,摺合せ技術論,暗黙
知,PDCA を回す連続的カイゼン力等、枠組みを守る建
前に籠り、その中で一所懸命努力する精神性を志向し、
結果として既得権益を守り、変化への対応の機会を失っ
ている.しかし,シュンペータが指摘しているように,”
馬車をいくら加えても鉄道は得られない”のである[2].
イノベーションのための方法論は,アイデア発想法と
して,ブレーンストーミングや KJ 法[3],TRIZ 法[4]等が
あり,また経験知や衆知を集めるグラウンデッド・セオ
リーやアイデアソン・ハッカソンや、システマティック
に探索するシナリオ・プランニング等が併用されること
もある.また現象論としてシュンペータの 5 類型やクリ
ステンセンの破壊的なダウンサイジングや市場ルール破
壊論などがある[5].顧客の本音を探る評価グリッド法や
最近注目のNPS 等の調査法がある.さらに市場メカニズ
ムをシミュレートする、リビングラボ,集合知メカニズ
ム、実験経済学、さらに社会実験などが試行されている.
アイデアを整理するテンプレートとして,ブルーオーシ
ャンの戦略キャンパスや,ビジネスモデルキャンパス等
がある.またこうした知識を処理する機械学習法自体も
まだ発展しつつある.
しかし,イノベーションを創発するイノベーション・
プロセスの技術的方法論に対し、正面から立ち向かう必
要があるように思われる.本報では,イノベーションを,”
サービスニーズを満たすために,資源や時間の不確実性
を軽減できる革新的な仕組みや実現法を開発し,多くの
人が利用できる技術つまり知識として普及させることで
ある”と,E.M.ロジャーズにならって定義する[6] .
さらにその開発対象は,①個人や組織や社会の心身に
まつわる状況変更欲求と,②それを満たす時空間の場と,
③そこに提供されるサービスコンテントの 3 者が出会っ
て実現する状況変更ニーズが解消される経験のプロセス
という,いわば”3群のマッチング・デザイン”の方法論
であると考えてみよう.本報文では、イノベーションは
それらの新しい出会いのデザインであるとし、それを創
発する仕組や実現プロセスそのものへの挑戦を試みる.
2. イノベーション技術の分野と方法
イノベーションは,成功まで連続する失敗活動の一連
の知識獲得プロセスである.例えば,イノベーションの
*1 データ・ケーキベーカ株式会社 東京都多摩市桜ケ丘1-53-46
*2 福岡工業大学 福岡県福岡市東区和白東3-30-1
*1 DataCakeBakerCorporation, 1-53-46 Sakuragaoka Tama-City, Tokyo
*2 Fukuoka Institute of Technology, 3-30-1 Wajiro-higashi, Higashi-ku,
Fukuoka, Japan
本報文は、横幹連合会誌”横幹 第9巻第1号”に掲載の解説/Review
を基に、一部追加し再編集したのもである.