今月は、7月と8月のデータをプールし、景気観について、ウオッチャーの地域と、業種の2種の帰属属性と、景気動向、その理由、および市場の様子の3種の判断属性について、いわば5変数の全体的相関性を俯瞰分析した。
7月のDIは、44.5と対前月比+4.5p改善しダウントレンドが止まったかに見えたが、8月は44.1pと微減となった。DIの数値は少し動いただけだが、景気ウオッチャーの心象風景の分布は、2ケ月でシステマチックな変化が見られた。景気と言う多義的な概念を単一の数値だけで捉えその平均値で理解することの危うさがある。
もともと、この社会情報天気図は、日本の経済動向を理解することと、イノベーションのための示唆を得ることが、目的である。そのため地域別、業種別の帰属属性を持った延べ1,700名について、景気動向の5段階評価区分データをそのまま、その理由のキーワード、および市場の様子等の3種の判断属性の全ての関係性を持った多次元変数データを、機械学習により情報圧縮し、主要な属性別のスクリーンに写像し、2ヶ月のウオッチャーの分布の変化を俯瞰した。
結果は、7月から8月にかけて、東京や近畿等の多くの「悪くなって」「やや悪くなって」の地域が、「変わらない」ゾーンに移行した。これらはDI値へはプラスに効くが、景気は悪いままの塩漬け状態で良くなったとは言えない。ただ、「変わらない」の対極ゾーンに居た九州等が「良くなって」ゾーンに移動したのは、落ち込みが底打ちしたと理解することもできる。
業種も、「悪い方向」に居座っていた「百貨店」が、「変わらないゾーン」に移動した。業種をさらに上位の属性別に、流通系、物販系、サービス家に分けて連環マップで俯瞰した。簡単にいえば、物販系は価格の高低を問わず不振であり、サービス系が好調で、いわゆるモノからサービスへと消費はシフトしている。流通系では、百貨店等の大型集中店舗から、コンビニのような小型分散型店舗へとリモート可が進んでいるとも言える。
景気の5段階評価は、中庸を好む日本人の特性で、「変わらない」がマジョリティであるが、8月は特にそこに集中度が高くなった。それはDIとしての効果には影響しないが、景気という実態の意味は違ってくる。興味深いのは、「変わらない」の対極にあるいわば「潜在的変わる」クラスターにあった5地域が全て「良い」方向のクラスターへ移動したことである。
6月のボトムは、消費税の�