映画「マネーボール」に学ぶ 
データ分析と組織行動論 
永安悟史
このセッションの目的 
• データ分析のスキルを持つ人が、今何を考えているのか、何 
を見ているのかを感じていただく 
• 映画「マネーボール」を通して、データ分析の可能性と、その 
実践の難しさを感じていただく 
• データ分析の実践における「落とし穴」や「要諦」についてヒ 
ントを持ち帰っていただく 
• 自社の「できているところ」と「次のチャレンジ」について考え 
ていただく 
• 「マネーボール」を楽しみ、来年からの活力としていただく
• 氏名 
自己紹介 
– 永安悟史(ながやすさとし) 
• 略歴 
– 2004年、NTTデータ入社。並列分散データベースシステムの研究開 
発や導入技術支援、保守サポートの後、データセンターの新規サー 
ビスの事業企画・開発・運用に携わる。 
– 2009年、NTTデータ退職。アップタイム・テクノロジーズ合同会社創業。 
– 2013年、株式会社ミナケアCTO。 
– 次世代型のR&D、テクノロジー・マネジメント(MOT)、およびICTによ 
る意思決定プロセスの向上、戦略の遂行能力の向上に特に強い関 
心を持つ。 
– 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士 
– グロービス経営大学院経営研究科経営学修士(MBA)
映画「マネーボール」 
“A Great American Movie That Will Leave 
You Cheering. Positively Thrilling.” 
“あなたを勇気づけてくれる素晴らしい 
アメリカ映画。良い意味でスリリングだ”
なぜ「マネーボール」か? 
• 世間一般の見方 
– 「データ分析の重要性」を訴求する題材 
– 「データサイエンティスト」ってこんな人 
• データ分析関係のエンジニア、コンサルタントの見方 
– 人間の意思決定プロセスへの洞察 
– ステークホルダマネジメントの難しさ 
– 新しい戦略を組織の中で如何に実行していくか 
– organizational behavior (組織行動論)のケースとして 
– データ分析を取り巻く現実が詰まっている
映画「マネーボール」 
• オークランド・アスレチックス(MLB)の実話 
– GM:ビリー・ビーン 
• あらまし 
– 2001年10月15日、ア・リーグ地区優勝決定戦でヤンキースに 
敗退 
– その後、主力選手が引き抜きに合う 
– 貧乏球団のため高額年棒で引き止めも引き抜きもできない 
– セイバーメトリックスと、それを使いこなす才能と出会う 
– 新しい戦略に基づいてチームを編成し直す 
– さまざまな抵抗や批判に晒されながら、2002年のシーズン 
は・・・
登場人物 
• アスレチックス 
– GM(ビリー・ビーン) 
– GM補佐(ピーター・ブランド) 
– 監督(アート・ハウ) 
– オーナー 
– スカウト 
– 選手 
• ハッテバーグ
見るときのポイント 
• どういう状況で、誰が、何を言うか、どう振る舞うか 
• そして、それはなぜなのか 
• ターニングポイントはどこか 
• その時、誰が、なぜ、何をしたのか 
• 自分だったらどうするか 
• 成功のカギは何か 
• その成功のカギは、自分たちでも使えそうか
それでは観ていきましょう
シーン解説 
Ch1 0:00:25 オープニング2001年地区優勝決定戦 
Ch1 0:05:12 オーナーとの会議で予算を要求組織におけるリソースの制約 
Ch2 0:08:24 スカウト会議昔から変わらず、問題を理解していないスカウトたち 
Ch3 0:19:14 ピーターとの出会いセイバーメトリックス。目標とすべきものは何か。何を得るべきか。 
Ch4 0:26:53 数値化とKPI KPI、目標の設定。 
Ch5 0:31:23 スカウト会議古い慣習との決別。新しい戦略への懐疑。 
Ch6 0:46:51 スカウトとの対立Old school、KKDの抵抗 
Ch7 0:55:40 開幕GMの意向を無視する監督 
Ch7 0:57:25 監督との対立経験を重視し、新しい戦略を無視する現場指揮官 
Ch8 1:03:53 出ない成果と押し寄せる批判結果が出ない時にどう振る舞うか。批判をどう受け止めるか。 
Ch9 1:08:10 GMの意向を無視し続ける監督現場指揮官のインセンティブは何か 
Ch9 1:13:30 選手をトレードで放出強硬手段、退路を断つ、信じ続けられるかどうか 
Ch10 1:20:50 組織に戦略を浸透させるには現場に戦略を浸透させる。戦術レベルで説いて回る。 
Ch12 1:35:58 成果が出始める粘り強く続けた結果、「奇跡」が起こる 
Ch14 1:49:23 「ゲームを変えたい」ゲームが変わる。常識が変わる。 
Ch15 1:52:09 地区優勝できず地区優勝できず 
Ch15 1:54:31 レッドソックスオーナーと会談 
Ch15 1:56:50 何を成し遂げたのか数字で見れば明らかな成果 
Ch16 2:06:18
実際の話 
• ビリー・ビーンの前任GMが、セイバーメトリックスに興味を持っていた 
– 但し、当時は予算が潤沢だったこと、前任GMは野球の経験がなかった(ロース 
クール出身)ため、踏み切らず 
– オーナーが変わって、赤字を許容しなくなった 
– ハーバードの経済学出身の若者を雇う 
• 2002年のアスレチックスの勝ち星はヤンキースと同じ、年間102勝(前年 
+1勝) 
– 地区優勝してプレイオフ進出 
– ヤンキース:140万ドル/1勝 
– アスレチックス:26万ドル/1勝 
• 3チームのみが明確にアスレチックスの戦略に追随 
– ロサンゼルス・ドジャース、トロント・ブルージェイズ、ボストン・レッドソックス
「ビッグデータ」は“「過度な期待」のピーク期” 
ガートナー| プレス・リリース| 「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年」を発表 
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20131015‐01.html 
ビッグ 
データ
データ活用における組織の成熟度の 
考え方 
※出典:NTTデータの考えるBI成熟度モデル
映画「マネーボール」に学ぶデータ分析と組織行動論

映画「マネーボール」に学ぶデータ分析と組織行動論

  • 1.
  • 2.
    このセッションの目的 • データ分析のスキルを持つ人が、今何を考えているのか、何 を見ているのかを感じていただく • 映画「マネーボール」を通して、データ分析の可能性と、その 実践の難しさを感じていただく • データ分析の実践における「落とし穴」や「要諦」についてヒ ントを持ち帰っていただく • 自社の「できているところ」と「次のチャレンジ」について考え ていただく • 「マネーボール」を楽しみ、来年からの活力としていただく
  • 3.
    • 氏名 自己紹介 – 永安悟史(ながやすさとし) • 略歴 – 2004年、NTTデータ入社。並列分散データベースシステムの研究開 発や導入技術支援、保守サポートの後、データセンターの新規サー ビスの事業企画・開発・運用に携わる。 – 2009年、NTTデータ退職。アップタイム・テクノロジーズ合同会社創業。 – 2013年、株式会社ミナケアCTO。 – 次世代型のR&D、テクノロジー・マネジメント(MOT)、およびICTによ る意思決定プロセスの向上、戦略の遂行能力の向上に特に強い関 心を持つ。 – 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士 – グロービス経営大学院経営研究科経営学修士(MBA)
  • 4.
    映画「マネーボール」 “A GreatAmerican Movie That Will Leave You Cheering. Positively Thrilling.” “あなたを勇気づけてくれる素晴らしい アメリカ映画。良い意味でスリリングだ”
  • 5.
    なぜ「マネーボール」か? • 世間一般の見方 – 「データ分析の重要性」を訴求する題材 – 「データサイエンティスト」ってこんな人 • データ分析関係のエンジニア、コンサルタントの見方 – 人間の意思決定プロセスへの洞察 – ステークホルダマネジメントの難しさ – 新しい戦略を組織の中で如何に実行していくか – organizational behavior (組織行動論)のケースとして – データ分析を取り巻く現実が詰まっている
  • 7.
    映画「マネーボール」 • オークランド・アスレチックス(MLB)の実話 – GM:ビリー・ビーン • あらまし – 2001年10月15日、ア・リーグ地区優勝決定戦でヤンキースに 敗退 – その後、主力選手が引き抜きに合う – 貧乏球団のため高額年棒で引き止めも引き抜きもできない – セイバーメトリックスと、それを使いこなす才能と出会う – 新しい戦略に基づいてチームを編成し直す – さまざまな抵抗や批判に晒されながら、2002年のシーズン は・・・
  • 8.
    登場人物 • アスレチックス – GM(ビリー・ビーン) – GM補佐(ピーター・ブランド) – 監督(アート・ハウ) – オーナー – スカウト – 選手 • ハッテバーグ
  • 9.
    見るときのポイント • どういう状況で、誰が、何を言うか、どう振る舞うか • そして、それはなぜなのか • ターニングポイントはどこか • その時、誰が、なぜ、何をしたのか • 自分だったらどうするか • 成功のカギは何か • その成功のカギは、自分たちでも使えそうか
  • 10.
  • 11.
    シーン解説 Ch1 0:00:25オープニング2001年地区優勝決定戦 Ch1 0:05:12 オーナーとの会議で予算を要求組織におけるリソースの制約 Ch2 0:08:24 スカウト会議昔から変わらず、問題を理解していないスカウトたち Ch3 0:19:14 ピーターとの出会いセイバーメトリックス。目標とすべきものは何か。何を得るべきか。 Ch4 0:26:53 数値化とKPI KPI、目標の設定。 Ch5 0:31:23 スカウト会議古い慣習との決別。新しい戦略への懐疑。 Ch6 0:46:51 スカウトとの対立Old school、KKDの抵抗 Ch7 0:55:40 開幕GMの意向を無視する監督 Ch7 0:57:25 監督との対立経験を重視し、新しい戦略を無視する現場指揮官 Ch8 1:03:53 出ない成果と押し寄せる批判結果が出ない時にどう振る舞うか。批判をどう受け止めるか。 Ch9 1:08:10 GMの意向を無視し続ける監督現場指揮官のインセンティブは何か Ch9 1:13:30 選手をトレードで放出強硬手段、退路を断つ、信じ続けられるかどうか Ch10 1:20:50 組織に戦略を浸透させるには現場に戦略を浸透させる。戦術レベルで説いて回る。 Ch12 1:35:58 成果が出始める粘り強く続けた結果、「奇跡」が起こる Ch14 1:49:23 「ゲームを変えたい」ゲームが変わる。常識が変わる。 Ch15 1:52:09 地区優勝できず地区優勝できず Ch15 1:54:31 レッドソックスオーナーと会談 Ch15 1:56:50 何を成し遂げたのか数字で見れば明らかな成果 Ch16 2:06:18
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    実際の話 • ビリー・ビーンの前任GMが、セイバーメトリックスに興味を持っていた – 但し、当時は予算が潤沢だったこと、前任GMは野球の経験がなかった(ロース クール出身)ため、踏み切らず – オーナーが変わって、赤字を許容しなくなった – ハーバードの経済学出身の若者を雇う • 2002年のアスレチックスの勝ち星はヤンキースと同じ、年間102勝(前年 +1勝) – 地区優勝してプレイオフ進出 – ヤンキース:140万ドル/1勝 – アスレチックス:26万ドル/1勝 • 3チームのみが明確にアスレチックスの戦略に追随 – ロサンゼルス・ドジャース、トロント・ブルージェイズ、ボストン・レッドソックス
  • 13.
    「ビッグデータ」は“「過度な期待」のピーク期” ガートナー| プレス・リリース|「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年」を発表 http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20131015‐01.html ビッグ データ
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