多目的遺伝的アルゴリズム
Multi objective
Optimization
Genetic
Algorithm 2018/12/10
東京工業大学 工学院 経営工学系 3年
松井諒生
1
単目的と多目的
遺伝子ベクトルのすべての要素を同じ目的関数で評価できる
例)ナップザック問題、onemax問題
・個体の遺伝子が1である要素の荷物の価値を、重さと価値のリ
ストから全要素で同様に評価できる
・個体の遺伝子の1の数だけ評価値が高くなる
2
単目的と多目的
遺伝子ベクトルのすべての要素を同じ目的関数で評価できない
例)消費行動の決定、経路検索
・価格、便利さ、デザイン、重さ、大きさなど一つの評価基準で
はすべてを包括的に評価できない
・時間、費用、快適度(道幅、乗り換え数、信号)など様々な要因
で決める
3
パレート最適について
パレート改善:
ほかのどの判断要素の評価も落とさずにある一つの要素に関
してよい評価を持つものに変えていくこと
パレート最適:
パレート改善ができないもの
パレート最適解集合:
パレート最適となるものが一つとは限らず、集合となる
最適化の
方向
価格
重
さ
4
GAでパレート最適解集合を求める
①非パレート的アプローチ
VEGA(Vector Evaluated GA)
各要素ごとの評価関数で評価して独立に選択演算を行う
5
GAでパレート最適解集合を求める
①非パレート的アプローチ
VEGA(Vector Evaluated GA)
問題点
個々の評価関数の決め方によって偏りが出てしまう可能性がある
(解の多様性が失われる可能性がある)
⇒それぞれ個体でパレート的に評価する方法を使う
6
GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
0
1
2
3
4
5
6
0 1 2 3 4 5 6
1.ランキング法
解の優越関係に基づく個体の適応
度関数を作り、その関数でそれぞ
れの点がn個の点に劣っていると
き、その点のランクrをr=1+nとし
てランクを付けていく。
このランクによって各世代内で、
個体に順番を付けていく。
65
3
2
1
1
2
この四角の中
に何点あるか
を見る
良
良
悪
悪7
GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
2.混雑度評価
パレート最適解集合は広範囲に均等に分布するとよいので、点
の周辺の混雑度dを評価する必要がある。
(dは小さいほど混雑していることを示す)
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GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
2.混雑度評価
同ランクの個体だけをみる
1番目の個体とn番目の個体は無限大とする
(d1=dn=∞)
i=2~n-1の点は一つの目的関数について隣
り合う二つの点どうしの目的関数の方向の
距離をすべての目的関数について足し合わ
せたもの
fi
f1(i+1)
f1(i-1)
f2(i+1)f2(i-1)
9
GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
3.混雑度トーナメント選択
ある集団からランダムに二つの個体を抜き出し、以下の基準で
優れているとされたものを選択する
⑴di<dj ⇒iが優れている
⑵di=dj かつ ri>rj ⇒iが優れている
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GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
計算方針(1→2~6の繰り返し)
1. まずはアーカイブ集団P(t)と母集団Q(t)を用意
する
2. P(t)とQ(t)の和集合をランクソート
3. 境界となるランクで混雑度でソート
4. 残ったものをP(t+1)として残す
5. P(t+1)から混雑度トーナメント選択をして
Q‘(t+1)を決定する
6. このQ’(t+1)に遺伝的操作を施してQ(t+1)とする 11
GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
直観的なイメージ
必要なもの:A ベクトルとして人の手で可変な要因
(道順、購入する組み合わせ、時間-割合、など)
B 複数の評価関数
(時間、費用、利便性、など)
作るもの: P アーカイブ集団
Q 探索個体集団
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GAでパレート最適解集合を求める
②パレート的アプローチ(NSGA-Ⅱ)
直観的なイメージ
A
要因 プロット
B
評価関数
0
1
2
3
4
5
6
0 1 2 3 4 5 6
P(t+1)
Q‘(t+1)
P(t)
Q(t)
遺伝
操作
混雑度
トーナ
メント
保存
淘汰
B1
B
2
*注意
Aのベクトルを示
すわけではない
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応用
• 問題点
VEGA
とにかく計算量が多い
重み分けをする必要
SAGA-Ⅱ
それぞれの評価関数で良い悪いが評価される必要がある
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応用例①
• 最適経路検索
A:道順 B:速さ・費用・利便性など
電車の経路検索のように、早さ、費用など、人の目的に応じて最適なも
のを選択できる。
• 巡回セールスマン問題
A:道順 B:長さ・地点数
一般的な巡回セールスマン問題は単目的GAで計算することができるが、
いくつの地点を巡回できるか、という目的関数を加えた問題も解くこと
ができる。
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応用例②
• エンジン効率
A:時間-強度 B:燃費・排出ガス・耐久度
どれだけの強さ、どれだけの時間間隔でジェット噴射させるとよいのか
を決定できる。
• 建築における樹木の設置
A:位置-本数-木の種類 B:遮熱性・景観・費用
住宅等の樹木の配置をあらゆる観点から評価できる。
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