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マインドマップを教室で使おう
- 2. 日本の教育の将来を真剣に考えているあなた様へ
どうすれば、 子どもたちが主体的に学習に取り組めるんだろう?
どうすれば、 お互いが認め合う人間関係のクラスに成長するんだろう?
どうすれば、 時間に追われずに仕事をこなすことができるんだろう?
あなたもそんな悩みをかかえていませんか?
あなたは一生懸命教育現場に身をささげ、
毎日を子どもたちのために生きているのに
デイタイムは、 授業と子どもの相手に追われ、
放課後は雑務や教材研究、 さらには保護者対応に追われ、
真剣に、 まじめに、 情熱的に取り組めば取り組むほど
自分が疲弊しているように感じませんか?
あなたは、 一生懸命がんばっているのです。
この冊子で紹介しているマインドマップというツールは、
きっとそんな一生懸命なあなたを助けてくれるツールのひとつになるはずです。
マインドマップってなに?
そう思いませんでしたか?
私もそうでした。
黒板いっぱいにマインドマップを描いたら、 同僚に
「宇宙人の授業ですね。」
と言われてしまいました。
しかし、 その威力は想像を絶します。
子どもたちは、 目を輝かせて、 自ら学びます。
学ばせておけばいいので、 自分の手も空き仕事に余裕がでてきます。
そんな魔法のようなツールを少しだけ紹介させてもらいます。
- 3. では、 なぜこの冊子に載っているようなテンプレートを作ったのかをお話しますね。
「マインドマップは、 教育現場にこそ必要だ!」
と感じた私は、 早速に子どもたちにかかせてみました。
すると ・ ・ ・
自由闊達にペンを動かす子と白紙の用紙を見つめたままじっとする子に
クラスが二分されてしまいました。
あっちゃ~
私の予想は、 まったく当たらなかったのです。
私はクラス全員が、 のびのびと自由に描いている姿をイメージしていたのです。
よくよく見るといわゆる勉強が苦手な子の方が自由にかいており、
勉強ができる子の方の手が止まっているという感じでした。
直感的に
白紙の紙に自由に絵を描いたり、
何もない状態で1から物事を考えたりする経験が少ないんだろうなぁ
と感じました。
学校現場で、 子どもたちの取り組みとして、 マインドマップを提示した場合には、
ある程度かける状態まで、 教師がかかわる必要がでてきます。
そこで、 かけないこどもたちを観察し 「何がかけないのか?」 を調べてみました。
手が止まっている子のパターンは、 大きく分けて二通りです。
①セントラルイメージからかけない。
②セントラルイメージはかけるが、 ブランチがかけない。
どちらの場合もそうですが、 「正しく」 描こうとするあまり手がとまっている状況に陥っているようです。
「正解はないんだよ」
「自分の頭に浮かんだとおり描けばいいんだよ」
と言ってもなかなか手が進まないのが現状です。
セントラルイメージがかけない子は、 もともと絵が苦手な子が多いです。
また、 ブランチがかけない子は、 「どうかいていいのかがわからない」 という状況だったんですね。
- 4. このことがわかったので、 「それならば」 ということで、 テンプレートを作ったのです。
セントラルイメージがかけなかったり、 ブランチがかけなかったりすることがストレスになって、
本来してほしい発想やひらめきがブロックされないようにしたかったのです。
テンプレートを使うことは、 白紙の紙を使うことに比べ、 脳に規制をかけることになりますが、
かきにくい子に 「発想やアイディアが生まれる」 体験をして欲しかったのです。
そういったことを念頭に、 徐々に白紙の紙でもマインドマップをかくことができるようにということで、
初めはテンプレートを4つに分けました。
次のページから4ページにわたって 「すきなもの」 をテーマにマインドマップをかく場合のテンプレートを
示しているのでご覧ください。
【入門編】 セントラルイメージ ・ ブランチ ・ 基本ワードあり
【初級編】 セントラルイメージ ・ ブランチあり
【中級編】 ブランチあり
【上級編】 何もなし
例:6年生がかいた【すきなもの】のマインドマップ
- 10. マインドマップをかこう!テーマ【ぞうさん】
く前
来
聞
未
直
後
去
過
あ ぞ そ ぞ ぞ
の だ う う お う う
ね れ さ よ 鼻 さ さ
が ん が ん ん
母 好 母 長
さ き ぞ さ い ぞ
ん な う ん の う
が の さ も ね さ ま
好 ん 長 ん ど
き い ・
な の み
の よ ち
よ お なまえ
- 21. さて、テンプレートをたくさん見ていただきましたがいかがですか?
現場で使えそうなイメージがわきましたか?
もう一歩踏み込んだお話をさせてくださいね。
実は、このテンプレート集の 4 つブランチの中には、 「PDCAサイクル」に似たものが、
暗黙に内在していることがわかります。 「P」は Plan(計画)「D」は Do(実施・実行)
、 、
「C」は Check(点検・評価)「A」、は Act(処置・改善)です。一つの行事や読書につ
いて、毎回この「PDCA」をすることになるんですね。科学の分野でいう「仮説・実験
・検証・意見(感想) 」というのものへの伏線になっているといってもいいと思います。
入り口は、作文指導の「起承転結」といった型なんですが、それを進めていくうちに、知
らず知らずのうちに「PDCAサイクル」の視点を意識させることになるんですね。
しかも、マインドマップの良いところは、一枚の紙に落とし込んでいるので、鳥瞰できる
ところ
です。つまり、 「部分と全体」を把握することになるんですね。一枚をぐるっと見れば、全
体像が見え、ブランチごとに部分が見えてくるんです。さらに、マインドマップは、気が
ついたそのたび毎に加筆ができ、ブランチごとの関係性も見えてくるんですね。
この「部分と全体」というのが、教室でクラスをまとめる際にとても役にたちます。クラ
スに置き換えると、 「一人と全員」ということです。学級で、マインドマップを導入した
副産物のように、子どもたちがそのことを意識してくれるようになり、 「他人と自分の関係
を意識するようになったなぁ」というのが私の実感です。
「作文指導」を入り口に「学級経営」を支えるツールとして使えると思っています。
この小冊子を手にしたあなたは、冒頭にも書いたように
日本の教育の将来を真剣に考えている人だと思っています。
教育の現場でマインドマップを使うことで、子どもたちはマインドマップの使い方を知る
ことができ、その後、人生のあらゆるシーンでマインドマップをかき、そのことで日本の
将来が明るいものになることを願ってやみません。
是非、ここにあるテンプレートをご活用いただき、子どもたちにマインドマップのすごさ
を実感させていただきたいと思っています。
お互いがんばりましょう。
ブザン公認マインドマップ教育フェロー
佐久間賢志