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skypeやgnutella等のP2Pネットワーク
• ネットワーク構造を工夫 ⇒ 特定の通信条件下で効率的なパケットフローを実現する仕組
• 通信の質の変化(音声→動画など)など通信条件の変化 ⇒有効性が保証されない
• 最適性の観点に基づかず試行錯誤的に設計 ⇒ 改良の余地がある
P2Pのネットワーク構造設計
• 数万∼数百万ノードの範囲でノード数が時系列的に変化
• ネットワーク全体の構造を把握し制御する仕組みの実現が困難
局所的な情報に基づきリンクを生成・張り替え
厳密な構造最適化が困難 などするアルゴリズムによって構造を改良
構造改良の難しさ
n=10 n=50 n=100
大幅な構造の改良は計算コスト等の観点から困難であるため
できるだけ少ないリンク張り替えが求められる
最良 最良 最悪
ある構造から推移可能な構造に制限
x
このような状況下でのリンク生成・張り替え
最良 アルゴリズムの設計手法は未だ確立されていない
6. 提案する設計手法
1. リンク生成・張替えを最適化
・ノードの追加に伴う
G(t-1) リンク生成
・リンクの張り替え
G(t-1):t-1における G(t-1)から生成可能なG(t)
ネットワーク構造
各tにおいてG(t-1) から,張り替え率Pe(t)≦ 制約下で
生成可能なG(t)のうち平均待ち時間が最小となるG(t)を選択
2. 最適なリンク生成・張り替えの分析によるアルゴリズム設計
各tにおける最適化の際生成・除去されたリンク両端のノードの特徴量 を分析
生成・除去でその特徴に差異が観測されれば
リンク生成・張り替えのルールは少なくとも設計可能と考えられる
7. リンク生成・張り替え最適化問題
given E(t-1), k,
平均待ち時間を最小化する
min f(t) リンク集合の決定問題
E(t)
subject to
Pe (t ) 最大張り替え率を とする制約
2 E (t )
k 各tで平均次数kを超えない
n (t )
where
n (t ) n (t 1) 1
8. 山登り法による解法
1. [ノードの追加・リンクのランダム生成]
G(t-1)にノードを1つ追加し,ランダムにリンクk/2本生成し,G(t)を生成
2. [リンクのランダム張り替えによる近傍解の生成]
近傍解G*(t)をNp(=30)個作成
G(t)の各リンクについて,
・ Pm(=2.5%)の確率でリンクを除去し
・ リンクの無いノード対をランダムに選択しリンクを生成
(ただし,各近傍解は最大張り替え率の制約を遵守)
3. [最良近傍解の採用]
G*(t)のうち平均待ち時間が最小のものをG(t)に代入
4. 2~3を繰り返す
ただし,解の改善がNg(=200)回連続して発生しなければ,t:=t+1とし,1を実施.
9. 実験
1. どの程度少ないリンク張り替えによって小さい平均待ち時間の構造を実現できるか
・ 各最大張り替え率制約 による平均待ち時間を比較
・ 各 の制約下おいて生成されるネットワークの構造を比較
2. 張り替えにより生成・除去されるリンクの特徴分析・比較によって
本アプローチによるアルゴリズム設計が可能であるかを検討
・各tにおける最適化の際,生成・除去されたリンク両端のノードの特徴量を比較
実験条件
[ネットワーク構造] [パケットフロー]
• n(0) 10 • 各ノード間パケット発生量qij 1
• n(tmax) 100 • サービス率の平均値 500
(正規分布乱数でμiを付与)
• k 6
• G(0) ERモデル(ランダムグラフ)で生成
10. 実験結果
平均待ち時間比の比較
各 における平均待ち時間を =100%の場合の平均待ち時間で割ったもの
1.5
1.4
ある1試行においてサービ
1.3
waiting time ratio
ス率が高いノードが追加
1.2
1.1
1.0
0.9
10 30 50 70 90
number of nodes: n(t)
・リンク張り替えを実施しない場合,待ち時間が長くなる
・ が小の場合,ネットワークの性質の変化に対しての追随性が悪い
・全体的には ∼ を上限とする張り替え率によって十分な通信性能
11. 実験結果
構造の比較
クラスタリング係数 最短平均パス長
0.5 3.5
3.3
0.4 3.1
Ave. Shortest Path Length
2.9
Clustering Coef.
0.3 2.7
2.5
0.2 2.3
2.1
0.1 1.9
1.7
0.0 1.5
10 30 50 70 90 10 30 50 70 90
number of nodes: n(t) number of nodes: n(t)
・張り替えを実施する場合,張り替え率にかかわらず,およそ同様の構造
12. 実験結果
生成・除去されたリンク両端ノードの特徴量の比較( の場合)
生成されたリンク両端のノードの特徴量 除去されたリンク両端のノードの特徴量
ノードにおける1パケットあたり待ち時間:τ ノードのサービス率:μ
0.012 600
0.011
550
0.010
0.009 τが同程度のノード間 500 特に傾向なし
のリンクを除去し
0.008
450 +
0.007
-
0.006
0.005
+ τが同程度のノード間 400
-
0.004
0.003
にリンクを生成 350
0.002 300
0.002 0.004 0.006 0.008 0.010 0.012 300 350 400 450 500 550 600
ノードの次数:k ノードのクラスタリング係数:C
16
1.0
14
12 0.8
10 除去しない
kが3∼6のノード間のリ Cが小同士のノード間
ンクを除去し のリンクを除去し
0.6
8 +
除去する
-
6
kが小と大のノード間に +
0.4
Cが小と大のノード間に
4
2 リンクを生成 - 0.2
リンクを生成
0 0.0
0 2 4 6 8 10 12 14 16 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0