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tsuji m

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  1. 1. ネットワーク外部性の働く製品市場の モデル化とプレゼント戦略評価に 関する研究 調和系 修士2年 辻 将之
  2. 2. 背景 VTR、ゲーム機、OS…といった製品では、 同じ製品を所有する人数が増加するほど、より便利になる ネットワーク外部性:周囲の所有状況によって製品の価値が変化 (Katz, Shapiro 1985) 問題点:消費者間での相互作用モデルの欠如 (Weitzel et al. 2002) 相互作用の構造の違いは普及率やシェアに影響を与えると考えられる 各消費者の購買選択とタイミングが後の普及に影響を持つ経路依存性  既に売れている製品がより売れやすくなるポジティブ・フィードバック  市場がある製品に固定されてしまうロック・イン (Liebowits 1995) (Arthur 1990,1996) 「デファクト・スタンダード」、「一人勝ち現象」(Winner-Takes-All)
  3. 3. 目的  ネットワーク外部性の働く製品市場のモデル化 ・ 消費者間の相互作用の導入 ・ 相互作用の構造とネットワーク外部性の関係を明確 に扱うことができる  プレゼント戦略の競争における有効性の評価 ・ 経路依存性と相互作用の構造との関係 ・ 初期時点での差を企業戦略による介入として捉える
  4. 4. シミュレーション・モデル  全体像 →  プラットフォーム ・消費の対象となるものであり、ネットワーク外部性の効果を有する  消費者エージェント ・プラットフォームを消費するエージェント ・相互作用ネットワークを通じ、他の消費者エージェントと影響を与えあう ・プラットフォームを購入するか、あるいは複数からの選択という意思決定 エージェントベースモデル  モデル化における仮定 ネットワーク 外部性は相互作用ネットワークによって形成される  製品を介した交流相手の大部分は既に存在している社会的関係に基づく ⇒ 交流の可能性を持つ相手と相互作用ネットワークを保持している  製品を良く利用し、頻繁に交流を行う相手の方がより影響が大きい ⇒ 製品の使用から得られる独自の値と交流頻度に応じた影響度の差異
  5. 5.  相互作用ネットワーク i j wij Ni jiijij LLNjijiL nNN   ,}1,0{リンク有無と: ,: 合消費者エージェント集  ijLNjjN iji  ,1,|  友人集合 Ni 友人、家族といった親しい関係を持つ集合 1.. 0 10        iNj ij ij ij wts otherwise Lif w  i の j に対する交流頻度 wij 友人間で相対化された交流頻度
  6. 6.  消費者エージェントの意思決定モデル プラットフォーム k に対する 製品価値 Rik(t) 希求水準 Ai Rik(t) > Ai → i は k を購入 消費者エージェント i は、      otherwise hasif 0 0 )( ki tU ik ik  使用価値による増分  ネットワーク外部性による増分 j が i に与える k のネットワーク外部性  ty j ik   }{ )()()( iNj j ikikik tytUtR製品価値 i jv wij  ty j ik )(tUjk jkijw jkijvi ww  wvi jk  ty j vk • リンクを持つ相手が、より高く製品価値を 認識することにより、購入可能性が高まる • 伝播は3人先までを計算 • 効果の伝播は同時に発生 • t は購買チャンスであり、状態遷移
  7. 7.  相互作用ネットワークの構造 Reg • 地理的要素を反映し、近隣 r 人とリンクを持つ • グループ化の度合いが高く、友人同士もまた友人である • VTRの規格競争(伊庭等 2001) Ran • ネットワーク外部性をシェアとしてモデル化しているものに近い • ランダムに r 回相手を選択 • 任意の2人をつなぐ最短距離の全組み合わせによる平均である 平均パス距離が短い  先行研究で用いられているモデル ⇒ Regular(Reg)、 Random(Ran)  社会的ネットワークを考慮したモデル ⇒ Small World(SW)、 Scale Free(SF)
  8. 8. SW • 職探しにおける社会的ネットワークの役割(Granovetter 1973) • RegとRanの中間に位置するモデル(Wattz, Strogatz 1998) • 友人関係は概ねグループを形成しているが、別グループへのリンクが 少数存在している • Regと同様グループを形成 • 別グループへのリンクが平均パス距離を大幅に短縮する SF • 各人の所有リンク数 r の分布 P(r )に注目(Barabasi, Albert 1999) • Webのリンク、俳優の共演関係はP(r )~ r-γによって近似できる • 非常に多くのリンクを持つハブと呼ばれるノードが存在している • 世の中には多くの友人を持つ人々が存在しており、友人関係といった ネットワークにも適応可能である
  9. 9. 基本特性  手順 : 初期時点で希求水準の最も低い消費者エージェントを初期購入者として 各プラットフォームについて同人数購入させる ある時点で新規に購入するエージェントが存在しないと停止 2プラットフォームによる競争市場シミュレーション ⇒ プレゼント戦略の対照実験、パラメータの影響、 相互作用ネットワークの構造ごとの特性 t = 0 t = 1 t = 2 普及率 75%(6/8) 赤シェア 67%(4/6) 青シェア 33%(2/6)
  10. 10.  固定パラメータ : 消費者エージェント数1000人、初期購入者20人(各10人) 使用価値αik ~ N (3,1) 、交流頻度wij ~ I (0,1)を正規化 希求水準 Ai ~ I (0, Amax)  変更パラメータ : 平均リンク数 μ(r) → (2,10)を2刻み 需要決定パラメータ g (= Amax / 3) → (1.0,3.0)を0.2刻み  評価 : 各パラメータとネットワーク構造による組合せで独立に100回ずつ試行
  11. 11. μ(r) g =1.4 構造の特性 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 2 4 6 8 10 μ(r) 平均普及率 Reg SW Ran SF 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 2 4 6 8 10 μ(r) 平均勝者シェア Reg SW Ran SF 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1 1.4 1.8 2.2 2.6 3 g 平均普及率 Reg SW Ran SF 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1 1.4 1.8 2.2 2.6 3 g 平均勝者シェア Reg SW Ran SF 平均リンク数 μ(r)の増加は相 互作用する人数 の増加である g μ(r)=6 強い独占は相手 がストップする必 要がある  Reg、SWは局所的に強い波及効果を持つが、グループ間での波及は弱い  Ranはネットワーク外部性の効果が一定の水準に保たれる  SFはハブが強い影響力を持ち、ハブの購入したプラットフォームの普及が進む ピークが存在
  12. 12. プレゼント戦略の導入  手順 : 前設定に加え、初期時点でプレゼント数 p を決定し、友人プレゼント割合 s によって p×(1-s)を単純プレゼント戦略で、残りの p×s を友人プレゼント戦略で配布  固定パラメータ : 平均リンク数μ(r)= 6、 プレゼント数 p = 10  変更パラメータ : 需要決定パラメータ g → (1.0,3.0)を0.2刻み 友人割合 s → (0,1.0)を0.1刻み ・ s = 0 なら全て単純プレゼント戦略 ・ s = 0 なら全て友人プレゼント戦略 競争市場において一方のプラットフォームがプレゼント戦略を採用 •「単純プレゼント戦略」 ⇒ 懸賞 戦略をとるプラットフォームの既購入者をはじめに選択し、交流頻度 の高い順に選択した友人一人に配布 プラットフォームを所有していない消費者を無作為に選択し配布 •「友人プレゼント戦略」 ⇒ 応募券付き販売、友人紹介キャンペーン
  13. 13. ・対象は普及に失敗した試行の影響を除くため普及率50%越の試行 ・基準は前シミュレーションをプレゼント無しとして用いる ・各 g についての合計によって計算 プレゼント無し プレゼント有り 普及率50%越試行数 勝 負 ① ② ③ ④ あるg  総効果 = (∑g③ / ∑g①)- 1  普及効果 = (∑g③+④ / ∑g①+②)- 1  競争効果 = 1 -(∑g④ / ∑g②) プレゼント無し プレゼント有り 赤の増分 3人 (赤2→5 +150%) ⇒ 白→赤 2人 (購入人数4→6 +50%) ⇒ 青→赤 1人 (青2→1 -50%)  プレゼントの効果の測定 試行ベースの勝敗数によって計算
  14. 14. 50 100 150 200 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 s 総効果(%) Reg SW Ran SF 0 10 20 30 40 50 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 s 普及効果(%) Reg SW Ran SF 40 60 80 100 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 s 競争効果(%) Reg SW Ran SF  Reg、SWでは単純プレゼント戦略が優位性を持つ グループを形成しているため、購入の誘発が見込 める友人へのプレゼントはあまり意味が無い  SFでは友人プレゼント戦略が優位性を持つ 特に普及効果の差が大きく、消費者のつながりを 利用する方が、ハブの獲得可能性が大幅に高まる  Ranでは両戦略に差は認められない 各戦略に有利なグループ化とハブの存在という点 でランダムな構造が境界線となっていると考えられる  全消費者数に対し、プレゼント数が1%でほぼ相手 の勝利する可能性がなくなっている 単純 友人
  15. 15. 結論  経路依存性と消費者の相互作用の構造には明らかに関連がある  プレゼント戦略として考えた場合、消費者のネットワーク構造を充分に 考慮する必要がある  RegやSWのようなグループを形成するネットワークでは、単純プレゼント 戦略が有効である  SFのようなキー・パーソンが存在する構造では、消費者のつながりを利用 することによって、効果を最大限引き出すことができる  各構造で適切な戦略を取る事によって、比較的少ないプレゼント数であっ ても相手が勝利する可能性を大幅に減少することができる

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