じゅんじゅん(小玉 純一)
2021/10/30
Power Apps オンライン勉強会 ~環境&コンプライアンス祭り~
事例から学ぶ!
Power Platform
ガバナンス設計
~CoEの話も添えて~
自己紹介
小玉 純一(じゅんじゅん)と申します。
仕事
Dynamics 365 & Power Platform の技術営業を担当しています
趣味
Power Apps で楽器/知育/趣味アプリを作ること
その他
Blog:jn.hateblo.jp
Twitter:@KodamaJn
SlideShare:slideshare.net/JunichiKodama
著書:Microsoft Power Apps入門 手を動かしてわかるローコード開発の考え方 |翔泳社
今日のゴール
• 何でガバナンス設計が必要なの?が何となく
わかる
• どうガバナンス設計すればいいの?が何とな
くわかる
何でガバナンス設計が必要なの?
背景を整理する
なぜ使うか
•開発スピードを上げ
たい
•コストを下げたい
誰が作るか
•登場人物の整理
•案件の整理
•開発範囲の整理
何を作るか どこまで作るか どうやって進めるか
•市民開発者支援
•組織展開・変革推進
•ガバナンス設計
目的 設計 運用
背景を整理する
なぜ使うか
•開発スピードを上げ
たい
•コストを下げたい
誰が作るか
•登場人物の整理
•案件の整理
•開発範囲の整理
何を作るか どこまで作るか どうやって進めるか
•市民開発者支援
•組織展開・変革推進
•ガバナンス設計
目的 設計 運用
煩雑な業務を内製でアプリ化した例
• 試行開始から1年で40のアプリを開発し3000人の従業員に展開
(Belron)
外注予定のアプリを内製した例
• トレーニングや修正を含め25時間程度でアプリを開発(日清食品)
アプリ開発そのものがスピードアップした例
• フルスクラッチだと3~6ヶ月かかる規模の住宅ローン業務支援シ
ステムを2ヶ月で構築(足利銀行)
目的:なぜ使うか
Microsoft Customer Story-Power Apps でローコード開発による内製化に着手、ユーザーが求めるアプリを短いサイクルで実現
できる世界へ
株式会社足利銀行 Power Platform お客様事例 | アバナード日本 (avanade.com)
Microsoft Customer Story-Vehicle glass repair provider digitizes processes and increases productivity with self-developed apps
目的:なぜ使うか
IT新規開発コストの削減
• 1アプリあたり約700万円が内製化可能になり、5000万円分の開発費を削減(ヒースロー空港)
業務効率化によるコスト削減
• データ入力工数を1000時間短縮(ヒースロー空港)
• 建設現場のパンチの報告と管理を効率化するアプリでおよそ5億円の価値を創出(日揮グローバル
株式会社)
資源の削減
• 30のアプリで75000枚の書類を削減(ヒースロー空港)
• 残業申請アプリで12000枚の用紙を削減(前々職)
https://www.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE4pEU0
Microsoft Customer Story-現場発のDX推進と、IT リテラシー向上に Microsoft Power Apps を活用
背景を整理する
なぜ使うか
•開発スピードを上げ
たい
•コストを下げたい
誰が作るか
•登場人物の整理
•案件の整理
•開発範囲の整理
何を作るか どこまで作るか どうやって進めるか
•市民開発者支援
•組織展開・変革推進
•ガバナンス設計
目的 設計 運用
設計:誰が何をどこまで作るか
新たに現場から発生した要件に対して迅速に対応するために、軽度な改修・追加開発はベンダーに委託せず
内製化にて対応できるよう、ノーコード・ローコードでの開発基盤により内製化を支援
必要なスキルとリソース
ビジネスインパクト
高 低
多
少
プロ開発者 IT担当者 一般社員
(総務部、経理部)
システムの規模
大・複雑 小・単純
システム化
する範囲
設計:誰が何をどこまで作るか
一般社員
IT担当者
プロ開発者
軽微なアプリ
作成
高度な
カスタマイズ
コーディング開発
コネクタ開発
背景を整理する
なぜ使うか
•開発スピードを上げ
たい
•コストを下げたい
誰が作るか
•登場人物の整理
•案件の整理
•開発範囲の整理
何を作るか どこまで作るか どうやって進めるか
•市民開発者支援
•組織展開・変革推進
•ガバナンス設計
目的 設計 運用
Power Platform 本格展開時の陥りがちな落とし穴を避ける
コントロール過剰
何をするにもITに連絡必要
自由度過剰
何でもできる権限を利用者に与えてフォローなし
• ちょっとしたアプリの開発・改修も
申請依頼要、10営業日待ち
• 開発者への業務ニーズ伝達に
一苦労
• 生産性・柔軟性とガバナンスの
バランスの取れたプロセス
• ユーザー開発者育成と継続サポート
• モデル部門立ち上げ・好事例共有
ITに過剰な負担・ボトルネック
利活用が進まない
自然発生的に利活用が促進され
Line Of Business 改善に活かさせる
「市民開発者」実現
• アプリの作り方がわからない、
アプリは作ってみたが自分たちの
業務にどう活かしていいかわからない
• 同じ目的のアプリを別の人が重複作成
利用部門が育たない
環境・アプリ乱立、制御不能
Center of Excellence
コントロール・サポートと柔軟性のスイートスポット
目指すべき姿は羊飼いのリーダーシップ
羊飼い:CoE
背後から指揮
方針やガイドを提供
市民開発者を支援
賢い羊:市民開発者
道を決め先頭を歩く
現場ビジネス課題を
Power Platformで解決
――「羊飼いは群れの後ろにいて、賢い羊を先頭に行かせる。
あとの羊たちはそれについていくが、全体の動きに目を配ってい
るのは、
後ろにいる羊飼いなのだ」(東江一紀訳、『自由への長い道』 NHK出版)
出典元:https://www.dhbr.net/articles/-/1919
利活用を促進するために何が必要なのか
プラットフォーム整備
市民開発者支援
ビジネスユニットにおける市民
開発者チームへのソリューショ
ン設計・開発・テスト等の技術
支援
Power Platform 環境の設定、管理、ガイド
ライン、共通部品、運用自動化・モニタリ
ング
組織展開・変革推進
社内コミュニティの醸成、プロモー
ション、事例共有、トレーニング
2つの攻
め
1つの守
り
市民開発者支援
市民開発者とは
コアメン
バー
市民開発者
https://www.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE4pEU0
コアメンバーを育て、コアメンバーが市民開発者を育てる
Power Platformの浸透範囲
組織1/拠点1/PJ1
組織2/拠点2/PJ2
組織n/拠点n/PJn
組織3/拠点3/PJ3 IN : イノベーター
EA : アーリーアダプター
EM : アーリーマジョリティー
LM : レイトマジョリティー
コアメンバー
市民開発者
フェーズ 必要なアクション 実施者(例) 対象者
フェーズ1
コアメンバーの育成
コアメンバー選定 コアメンバー
フラッグシップケース選定 コアメンバー
フラッグシップケース開発&効
果測定
コアメンバー
フェーズ2
市民開発者の育成
トレーニングコンテンツ作成 コアメンバー 市民開発者
社内トレーナー育成 コアメンバー
先行部門選定 市民開発者
先行部門トレーニング コアメンバー 市民開発者
先行部門開発&効果測定 市民開発者
フェーズ3
市民開発者の自立支援
開発者サポート コアメンバー 市民開発者
社内コミュニティ整備・促進 コアメンバー 市民開発者
市民開発者支援で必要なアクション
組織展開・変革推進
50%を許す文化を醸成出来るか?が「市民開発者」へ軸足を移せるかの
分岐点
ビジネスニーズ
(ビジネス思考)
こんなのあったら
(デザイン思考)
100%目指して
リリース
最低限目指して
リリース
100%目指して
改修
できるところから
改修
組織展開・変革推進
必要なアクション 実施者(例)
エンドユーザーサポートの整備 利活用推進部門
プロモーション・事例共有サイ
ト整備
利活用推進部門
MVP表彰/コンテスト制度策定 利活用推進部門
導入効果測定(ROI) 利活用推進部門
改善活動 利活用推進部門
プラットフォーム整備
必要なアクション 実施者(例)
環境戦略策定(環境、DLP、セキュリ
ティロール、データベース容量、データ
ガバナンス、オンプレミス接続、ライフ
サイクル、監視など)
IT部門
責任分界点の定義 IT部門
利用ルール策定(申請方法など) IT部門
自動化・セルフサービス化 IT部門
プラットフォーム整備
今日のス
コープ
誰が何をどこまで担当するか
軽微なアプリ
作成
高度な
カスタマイズ
コーディング開発
コネクタ開発
コアメンバー
市民開発者
サポート
ガバナンス
管理
利活用推進
一般社員
IT担当者
プロ開発者
(再掲)利活用を促進するために何が必要なのか
プラットフォーム整備
市民開発者支援
ビジネスユニットにおける市民
開発者チームへのソリューショ
ン設計・開発・テスト等の技術
支援
Power Platform 環境の設定、管理、ガイド
ライン、共通部品、運用自動化・モニタリ
ング
組織展開・変革推進
社内コミュニティの醸成、プロモー
ション、事例共有、トレーニング
2つの攻
め
1つの守
り
どうガバナンス設計すればいいの?
Power Platform の全体像
サンドボックス
サンドボックス
Contoso USA
運用
テナント
環境(既定、Dataverse for Teams、運用など)
アプリ、フロー
Microsoft Dataverse
コネクタ
1
2
3
4
5
コントソ株式会社(default)
コントソ株式会社
既定
利用ルール策定のための 4 つの整理ポイント
①登場人物 ③責任範囲 ④費用の管理
②各機能の特徴
• 環境
• コネクタ
• 権限
①登場人物を整理する
IT 部門のみ存在するケース 各拠点や部門に IT 担当がいる
ケース
全体 IT 担当
拠点/部門 IT 担当
作成者 / 利用者
②各機能の特徴を整理する
環境
 運用環境の作成者を Power Platform 管理者に限定できる
 Dataverse for Teams 環境の作成は抑止できない(作成された環境を検知することは可能)
コネクタの制御
 ブロックできないコネクタがある(ビジネスと非ビジネスで利用を分離することは可)
 Power Platform 管理者が設定した DLP ポリシー※ は Power Platform 管理者のみ変
更可
権限
 システム管理者ロールを持つユーザーは他のユーザーのセキュリティロールを変
更できる
 既定の環境ではユーザーによるアプリやフローの作成を制限できない
②各機能の特徴を整理する
環境の種類 用途 環境の作成 アプリの
作成権限
コネクタの利用制
御
運用環境
(N個)
大規模利用
業務案件利用
要申請 作成権限を持つ
ユーザーのみ
一部のコネクタ
+申請されたコネク
タ
Dataverse for Teams環境
(N個)
チームでの利用 自由に作成可 誰でも作成可 一部のコネクタのみ
既定の環境
(1個)
個人または一部
メンバーでの利用
- 誰でも作成可 一部のコネクタのみ
③各機能について誰がどこまで責任を持つかを整理
する
運用環境の作成
コネクタの利用制限の設定
(DLPポリシーの設定)
ポータルの作成
運用環境内の権限の管理
(セキュリティロールの設
定)
IT 担当 利用者
④ライセンス費用の管理体制を整理する
運用環境の作成には容量(コスト)がかかる
→ ライセンス費用をどこで負担するか? Contoso USA
Prod
≧ 1 GB
A. IT 部門
ex. 予算に合わせて環境の最大容量を決める
B. 環境が必要なプロジェクト
ex. 環境のデータ利用量に応じたライセンス料をプロジェクトに負担して
もらう
事例
これまでシステム開発の為に開発者を雇う事はできたが、業務ドメイン知識
が不足している為、必然的に開発は長期化していた。そのため、 IT部門の多
大な関与なしに、 ITガバナンスの確保とビジネスニーズへのスピーディーな
対応の2つの軸を満たすソリューションを模索していた
市民開発者育成と継続的な成長を促すために、Center of Excellence を設立。
EUCとガバナンスを両立させる為に、リリース時に5回行う承認プロセス自体も
Power Apps で作成。
社員は週2回のセンター営業中 or 予約によりサポートを受けられる体制を構築。
• 承認プロセスにより、アプリの機能の重複や無秩序なアプリの増加を抑
止
• サポート体制により、市民開発者の行き詰まりによる興味喪失を抑止
• 紙ベースのプロセスをデジタル化するアプリを使用することで、数十万
枚の紙を節約し、材料費を数千ドル節約
• データ入力に費やす時間を月間数百時間削減
「当社のすべての事業部門にクリエイティブな人材がいま
す。彼らは Power Apps を活用して小さな問題を解決してい
るだけではなく、その積み重ねによって、とても大きな問
題に一緒になって取り組んでいるのです」
– Chris Ingalls 氏、Toyota のBusiness and Solution Architect
導入事例の全文をオンラインで読む (英語)
課題
解決策
成果
アプリリリース時に5回の承認プ
ロセスを設けることで、野良ア
プリが広く共有されることを阻
止
Toyota Motor North America
まとめ
ガバナンス設計のための全体像とポイントを事例付きでご紹
介
まずはルールを描いてみる
ガバナンス設計は利用開始の一部分
バランスよく進められると効果大だけど、まずはやれるところからやってみるのも
あり
登場人物の整理は超大事
ここが定まらないと何も始まらないけど、とりあえずやってみて既成事実を作るの
も手
やれるところからやってみよう。後から何とで
もなる
ありがとうございました

事例から学ぶ!Power Platformガバナンス設計~CoEの話も添えて~