マーケティングのはなし
マーケティングとはなんだろう
 マーケティングとは、消費者、顧客や社会にとって価値のある提供物を創造
・伝達・配布・交換するための活動、一連の制度、プロセスである(アメリカ
マーケティング協会)
 マーケティングは、企業というものを、顧客を創造して維持する目的のため
に組織された過程だと考える (T.レビット)
 マーケティングとは、組織をその環境に成功裡に関連づける諸活動である
(G.D.ヒューズ)
 マーケティングとは、交換過程を通して、ニーズとウォンツを満たすことを
意図する人間の活動である ( F. コトラー )
 多少古臭いが J.P.マッカーシーの4P (Product、Price
、 Place、Promotion)がいまだにもっとも分かりやすい
マーケティングの 4P
 Product (製品)
 消費者・ユーザーのニーズと合致する製品の設計
 ターゲット消費者・ユーザーの製品受容度の確認
 Place (流通)
 流通市場の選択
 流通戦略の決定
 営業活動の組織的管理
 Price (価格)
 消費者・ユーザーの欲求に合致する価格の設定
 Promotion (販売促進)
 ブランドの認知やイメージの向上による販売量の増大
 広義の Promotion には Sales Promotion 、 POP 、 PR 、広告、
  Personal Selling (人的販売)が含まれる
近代マーケティングの誕生
1908 年にフォード・モータースが T 型フォードを発売し、 1500 万台
を売り上げた成功例をもって近代マーケティングの誕生とされる
  大量生産、大量消費の生産体制を可能にした最初の例
    ‐ ベルトコンベア使用による生産効率化
    ‐ 競合の 2000 ドルに対して 850 ドルの価格優位性
マーケティング概念の進展・変化(コトラー)
1950 年代 -1970 年代 1980 年代 -2000 年代   2000 年代以降
少品種大量生産・販売 多品種少量生産・販売 新たな価値創造
製品中心 消費者志向 価値主導
製品開発 企業 / 製品ポジショニング ミッション・ビジョン
製品を売ること 消費者を満足させること 世界をより良くする
STP(Segmentation,Targeting,Psitioning)
3Is(Brand Image,Integrity,Image)
2014 年にコトラーはマーケティング 4.0 である自己実現マーケティングを提唱
日本におけるマーケティング
1955 年に日本生産性本部が石坂泰三(当時東芝社長、翌年から
経団連会長)を団長とする「トップマネジメント視察団」を結成して訪米
帰国後マーケティングの導入を発表
  「これからの日本にはマーケティングが必要である」
1956 年に「マーケティング特別視察団」が訪米し、企業による
マーケティングへの取り組みが始まる
マーケティングの起源は江戸時代の日本?
ピーター・ドラッカーは、シアーズローバックよりも 250 年も早く三井家が
1650 年頃最初に百貨店(越後屋呉服店、三越の前身)を開いた時の施策
が元祖マーケティングだと言う
 コンサルティング・セールス
 1:1マーケティング
 在庫レス
 チラシの配布
 値札の設定(現金売り、値引きなし)
 異議を唱えないで返金します、という原則
 三井家のロゴ
売り上げを最大にするためには
売り上げ = 顧客数 X 平均購入単価 X 平均購入点数 X 平均購入頻度
  購入単価と購入点数は増やすのが困難なことが多いので
  顧客数を増やす、購入頻度を上げる、が重要になる
顧客数 = 既存顧客 + 新規顧客 - 流出顧客 なので
  新規顧客を獲得する、流出顧客を防ぐ、および過去の流出顧客を引き戻す
  ことに注力する
  新規顧客の獲得が容易ではない場合は、購入頻度を上げる、流出顧客を
  防ぐ、過去顧客を引き戻すことに力点を置くほうが賢明なことが多い
売り上げを上げるための四要素
取扱店・配荷率を上げる
  トレード・プロモーション(対卸店、対小売店)、社内販促(セールス・
トレーニング、セールス・インセンティブ、セールス・コンテスト)
ブランド認知率を上げる
  広告(含 SNS )、 POP 、デモ販、大陳、サンプリング、イベント
試し買い・初回購入率を上げる
  サンプリング、クーポン、大陳、特売、 POP 、デモ販、製品モニター
再購買率・ロイヤルティを上げる
  特売、ボーナス / マルチパック、大陳、消費者プロモーション
売りを上げるためには配荷率と認知率が必要
4 0 認 知 率 1 0 0
認 知 は あ る が 配 荷 も な く
配 荷 が な い 認 知 も な い
1 6 % 2 4 % 6 0
配 荷 率
配 荷 が あ り 配 荷 は あ る が
認 知 も あ る 認 知 さ れ て い な い
2 4 % 3 6 %
0
なぜブランド認知が重要なのか
ブランド認知がないということは、最初から購入の選択肢から外れる
可能性が高いことを意味する
ブランド認知は消費者に親しみ・好意・安心感・確信を与える
企業が長期間その製品を製造・販売し、流通させている
企業が大量の広告でサポートしている
たくさんの人がその製品を使っている = 成功ブランド
ブランド認知率(知名率)は定期的に調査されるべきである
ブランド認知は二つのファクターから生成される
経験(購買・使用経験、試供品、店頭での目撃)
情報(広告、PR、口コミ)
ブランド認知を強化するためには
競合品との差別化ポイント、製品特徴を覚えやすく訴える
お口で溶けて手で溶けない( M&M's )、うまい・やすい・はやい(吉野家)
スローガンやジングルを用いる
インテル入ってる、アート引越しセンターへ、お値段以上ニトリ
シンボルやアイコンを使用する
KFC のカーネル・サンダース、ナイキのスウォッシュ、アップルのりんご
パブリシティ(情報源効果)
ブランドの拡張・社名の強化
日本の場合は三菱、ヤマハのように社名がブランド化
認知や好意を獲得するための PESO
企業やブランドが、その存在や活動、利点を認知させ、望ましいイメージの
熟成、ユーザーや社会と良い関係を構築する活動手段
   Paid Media (有料広告)
     TV 広告、新聞・雑誌広告、ネット広告、交通広告など
   Earned Media (良い評判を獲得するための PR メディア)
    パブリシティ、ニュースリリース、 WOM 、 IR など
   Shared Media (ソーシャル・メディア)
     SNS 、 CGM 、個人ブログ、掲示板など
   Owned Media (自社メディア)
    自社 HP 、 EC サイト、自社刊行物など
広告を用いずに認知を上げるには
認知は情報と経験の二つから築かれる
情報から認知に結び付けるには
  店頭(パッケージ、大陳、特売、販促活動、 POP など)
  口コミ(購買者、使用者からの情報)
   SNS (メーカーサイト、 EC 、インフルエンサー情報)
経験から認知に結び付けるには
  店頭で試食 / 試飲する、購入する
  街頭・店頭などでサンプリング品を試食 / 試飲
  モニターなどの使用 / 試用 / 試乗などの経験
顧客満足に関する法則・格言
1 対 5 の法則
  新規顧客の獲得コストは既存顧客を維持するコストの 5 倍になる
5 対 25 の法則
  顧客の離反率を 5 %改善できれば、収益率は 25 %~ 85 %改善する
1 人の不満足は 66 人に伝播する
  満足した客は 7 人にそのことを話す。不満足な客は 11 人にそのことを
  話し、 11 人がそれぞれ 5 人に話すと言われる
プロスペクト理論
  得られた筈の利益を失った悲しみはより大きい(人は徳より損に敏感)
  同じ規模の利得と損失を比較すると損失の方が 1.5 ~ 2.5 倍大きくなる

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