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JJ1017の
普及に向けて
〜画像検査マスターをメンテナンスする意味〜
Visionary Imaging Services, Inc.
Tatsuaki KOBAYASHI
2016/4/6
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マスターの規格
 画像検査手技や放射線治療手技に関する電子情報を
医療情報システム内で取り扱うために、いくつかの
マスター規格が開発されています。
用語とそのコードとを対応させた表
例えば、特定の「本」をコンピュー
タが識別するための「バーコード」
は一定の規則性(JAN)に従って番
号が配置されているように、検査の
手技もこのようにコードで管理され
ています。
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画像検査を対象としたマスター規格
JJ1017 ( 日本放射線技術学会が運営管理 )
RadLex Playbook ( RSNAが研究開発 )
LOINC ( 海外の営利団体が提供 )
ベンダー標準
施設固有の標準 現状は、
標準規格のマスターコード
による運用が
普及していません。
これらが普及し
ている。
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あまり普及しない背景の考察
(個人的考察)
 システム導入の意思決定に参加するキーパーソンが、「システムの
リプレイス時の作業効率化」や「標準化団体が行う統計解析の効率
化」といった側面を知っているものの、画像検査や放射線治療など
の実業務では具体的なメリットがないと捉えている可能性
 別の意見として、標準化団体から具体的な導入方法が十分に公開さ
れていないなどのインフラ整備不足など
 マンパワーの懸念(例えば、JJ1017を導入する際の従来のマスター
と代表的頻用コードとのマッピング作業、各ベンダーの調整、導入
後の技術の進歩によって利用されなくなった手技や新しく導入され
た手技のためのマスターのメンテナンスといった作業の負荷)。
標準規格の画像検査マスターを導入するメリットはあ
るのでしょうか?
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これまでの背景の整理
 これまで、画像検査や放射線治療のワークフローで利用
する医療情報システム内のデータ処理は、主にベンダー
に任せていた。
 しかし、放射線情報システムなど、放射線(技術)部門
の情報化が進むにつれて、このような画像検査や放射線
治療の手技に関するワークフローを対象とした電子情報
管理のニーズが生まれてきた。
例)業務の改善を目指したワークフローの分析
1. 多忙/間暇な曜日・時間帯の分析
2. 適切な人材配置の検討
3. モダリティごとの手技別・部位別・場所別頻度分析
4. 検査件数と損益分岐点計算など
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「技術の高品質化」を実現するために
 このような管理を実現するには、これらのワークフローに関わる
HIS・RIS・PACS・モダリティ間のデータの相互運用性を考慮し、
かつ、これらの電子情報をマスターとして機械が理解可能な形で定
義することが必要不可欠です。
1. オーダ
2. 受付
3. 計画立案
4. 検査/治療
5. 画像処理
6. 検査完了
7. 画像解析
8. 読影
9. オーダーした医師によるレビュー
このようなワークフローに関する
電子情報をコンピュータシステム
内で管理する必要があります。
放
射
線
検
査
/
治
療
の
流
れ
の
例
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実は独自の画像検査マスターは
今現在も密接に関わっています。
見える部分の例
 オーダリングシステムで診察医師がコンピュータ上で選択
する検査項目
 放射線情報システムでリストされる検査項目
 モダリティごとの受付コンソールに表示される検査項目
見えない部分の例
 病院情報システム・放射線情報システム・画像保存共有シ
ステム・CR/DRなど各種モダリティのデータベースなど
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重要なことは、本質的なメリット
標準規格(JJ1017規格)を導入すること自体が
目的ではなく、重要なことは、本質的なメリッ
トが「技術の高品質化」にあるということ。
前述のような電子情報管理のニーズが高まって
いるという背景のもとで、こういったマスター
をユーザがメンテナンスすることが必要不可欠
になりつつあることもポイント。
+画像検査マスターのメンテナンスで得られる
メリットの例
基本的なメリット
• マスターをメンテナンスするために数百から数千の手技の意味
を記録する・技術者間で認識のすり合わせを行うことにより、
これらの技術に関する「記録」が作成され、施設における技術
の伝承のための永続的に利用可能な技術の高品質化を生み出す
源になる「知識基盤」が作成可能。
知識基盤が生み出す副次的メリット
• 手技の意味を捉えた正確なオーダーリングやスケジューリング
• 医療被ばく線量管理のためのメタデータ
• 検査や治療手技のプロトコールのテンプレート化
• 単純なポストプロセッシングの自動化のためのアルゴリズム開発
• 画像検査手技の教育支援のためのデータ構造化
+ 押さえておくべき大切なポイント:
ユーザ主導の画像検査マスターメンテナンス
 画像検査マスターをユーザ主導でメンテナンスできなければ、ベンダー依存
型になり、費用対効果が不透明になるリスク
予定にない工数増
A社,B社,C社、どう
したいのかわからな
い!
わからないことがわ
からない!
予定通りの工数 必要分の情報取得
I’d like to make ---
自分たちのプラット
フォームからデータ
提供
最悪の
ケース
(例)
理想の
ケース
(例)
 ベンダーに依存しない、標準規格に準じたユーザのプラットフォームを持て
ば、マルチベンダー対応のマスターコード管理が可能。
+ ユーザ主導の
画像検査マスターメンテナンスの方法
 もっとも利用されていると思われる「エクセル」など
シンプルなテーブル管理ができ、作業は簡便。
人工知能研究に利用される技術を使って、マスターを保存。マス
ターの手技の技術的背景も記録して「技術の伝承のためのデータ
の保存」が可能。
施設の利用用途に合わせて開発。
 その他、ベンダーや施設で作成した自作アプリなど。
 新しい手段「知識ベースアプリケーション」
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画像検査マスターの標準化に
興味を持っていただけると嬉しいです。
• このように、わたしたち技術者のもつ技術をなんらかの
一定の法則に基づくマスターとしてメンテナンスするこ
とで、私たちが将来必要とする正確な情報の検索や交換
を可能にするための一歩が踏み出せると考えられます。
• このような流れを理解した上で、意思決定権のあるキー
パーソンは、施設独自のマスターを使い続けるか、標準
規格を導入するかを選定する必要があると考えます。
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JJ1017 Knowledge-based Application
(JKA)のご紹介
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JJ1017 Knowledge-based
Application (JKA)
 JKAは、人工知能研究で利用されているオントロジー技術を利
用した日本国内で唯一の画像検査法の電子的な体系化を支援す
るオープンソース(BSD)アプリケーション。
 JKA は医療情報システムに求められる意味的に正確な情報の検
索や交換への対応を可能にするための,画像検査マスタそのも
のの維持や発展を図る一助となることを目的に開発。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrt/71/7/71_585/_pdf
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JKAの利用用途
臨床での利用
画像検査マスターコードをメンテナンスするために利用
研究目的での利用
JJ1017オントロジーを“安全”-“有効”-“適格”な医療技術開発研
究に利用。
(詳細はJKAプロジェクトを参照:”JJ1017 knowledge based
application” で検索)
※JJ1017オントロジー
医療における専門家や技術者が考える画像検査などの手技そのものの概念の
持つ意味を捉え、その意味を臨床で有効に活用するための “構造化データ”。
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JKAの機能
JJ1017-32コードの操作
(検索、削除、内容説明編集、新規コード
作成、リタイア)
JJ1017-32コードを対象とした入出力
グラフ機能(手技数やバー/パイグラフ)
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起動画面
メニューエリア
ツリーエリア コード情報エリア
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ツリーの探索
ツリーを辿って検索
キーワード検索
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JJ1017-32コードの
内容説明編集
ワンポイント!
JKAは個人または施設における技術の辞書になる。
• 手技のエビデンスや共通認識を文章化
• 技術を永続的に伝承するための知恵に。
手技コード1つ1つに、
内容説明を記録できる。
+ JJ1017-32コードの新規作成
拡張が可能なもののみ、
ユーザーが概念を定義でき
る。
新規性がある場合は、ユーザが
(この世でひとつの)手技を定
義できる!
+ JJ1017-32コードを対象とした
Import/Export
• 削除する前のバックアップ
• 他のJKAとの手技の共有
Import
+ グラフ機能⑴
モダリティ種別ごとの
手技クラス数 総基本分類クラス数
-割合の変化を経時的にモニタリング-
+ グラフ機能⑵
-モダリティ種別ごとの基本分類クラス数-
モダリティごとの手技
の傾向分析に利用可能。
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最後に
 JKA project web site
 https://sites.google.com/site/jj1017managementapplication/home
 User’s guide
 https://sites.google.com/site/jj1017managementapplication/user-s-guide
 お問い合わせ
 小林達明(こばやしたつあき)
 Mail:t_kobayashi@vis-ionary.com
JKAは、技術者が実施する手技の潜在的な価値を高めるためのベスト
なアプリケーションになることを目指しています。
私は、「画像検査/放射線治療マスターのメンテナンスは、技術の高品
質化という意味を含んでいる」と考えています。

JJ1017の普及に向けて(一般公開用)