参考文献


  イノベーションの方法論Ⅰ
                                    『テクノロジストの


                                             条件』
ドラッカーが考えるイノベーションの定義、方法そして顧客に満足して貰


えるための戦略、マネジメント方法のポイントをピックアップ。

                                     PFドラッカー著




                                     上田淳生訳


                                     ダイヤモンド社
Ⅰ章:イノベーションを生み出す七つの機会

イノベーションとは何か?           p3 ................................ 2


1.イノベーションを生み出す七つの機会    p4 ................................ 4


2.予期せぬ成功               p5 ................................ 0


3.予期せぬ失敗               p6 ................................. 1


4.あるべき姿と現実のギャップ         p7 ................................ 1


5.ニーズの存在               p8 ................................. 2


6.産業構造の変化を知る            p9 ................................ 3


7.人口構造に変化              p10 ............................. 4


8.認識の変化                p11 ............................. 5


9.知識によるイノベーション         p12 ............................. 6


10.知識によるイノベーションと時間     p13 ............................. 7


11.体系としてのイノベーション       p14 ............................. 1
イノベーションとは何か?                               p3

 イノベーションは富を創造する能力を資源に与える。


 人間が利用方法を見つけ経済的価値を与えない限り何ものも資源となりえない。


 植物は雑草にすぎず、鉱物は岩に過ぎない。




 起業家として成功する者はその目的がなんであれ、価値を創造し、社会に貢献する。


 しかも、その目指すものは大きい。すでに存在しているものの修正、改善だけでは満足しない。


 彼らは新しい価値や満足を創造し、単なる素材を資源に変える。


 あるいは新しいビジョンのもとに既存の資源を組み合わせる。




 イノベーションとは意識的にかつ組織的に変化を探すことである。


 それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することである。


 <ふたつのイノベーション>


 イノベーションは技術に限ったものではない、ものである必要さえない。


 それどころか社会に与える影響力において新聞や保険をはじめとする社会的なイノベーションに


 匹敵するほどのイノベーションはない。



社会的イノベーション
                  •学校、銀行、経営、官僚機構、労使関係、保険
                  →導入時、アレンジが必要




技術的イノベーション
                  •蒸気機関、鉄道、街灯
                  →即時、導入、模倣可能
<明治維新のイノベーション>


日本は明治維新にその資源を社会的イノベーションに集中し、東洋の西洋化に成功し、結果として


西洋の東洋化に寄与した。


まず、はじめに福沢諭吉、中江兆民等が和製漢語、言葉を創造し、西洋社会のシステムの


日本化、東洋化に取り組み、近代化というイノベーションを行った。


和製漢語の事例:


文化、文明、民族、思想、法律、経済、資本、階級、分配、宗教、哲学、理性、感性、意識、主観、


科学、物理、化学、原子、質量、固体、時間、空間、理論、文学、美術、喜劇、社会主義、共産主義




「中華人民共和国」の「人民」や「共和国」なども和製漢語であり、国名だけでなく中国の体制に必要


不可欠な概念までも和製漢語が使用されており、毛沢東も和製漢語を使用して毛沢東思想を思考していた。


ここで重要なのは言葉を造った事ではない、その言葉を活かし新たな思考、システムを創造した事である。




 ポイント:


 言葉がなければ自ら思考することもできず、知識も得られず、創造することもできない。


 「はじめに言葉があった。言葉は神と共にあり、言葉は神であった。」- ヨハネによる福音書 1:1


 「我、思う、故に我あり」                     ルネ デカルト
1.イノベーションを生み出す七つの機会                          p4


天才のひらめきから生まれるイノベーションもある。だが成功したほとんどのイノベーション


はイノベーションの機会に対する体系的な探究から生まれている。


イノベーションの機会は産業の内部に四つある。


第一が予期せぬこと、第二がギャップ、第三がニーズ、第四が産業構造の変化である。


イノベーションの機会は産業の外部にも三つある、すなわち、第五が人口の変化、第六が認識


の変化である、第七が新知識である、これらの七つの機会は互いに重複する。


それぞれがそれぞれのリスク、むずかしさ、複雑さを伴う。


だがイノベーションのほとんどがこれらの七つの機会から生まれる。




                予期せぬこと

               調和しないもの
         内                        小
         部
         要     過程に潜むニーズ
         因
               産業と市場の変化           リ
                                  ス
                                  ク
                 人口構成

         外
         部      認識の変化
         要                        大
         因
                新しい知識




 ポイント:


 七つの機会から生じる変化に着目、分析せよ そこからイノベーションが生まれる。
2.予期せぬ成功                                    p5

 最も単純かつ容易なイノベーションの機会として予期せぬ成功がある。


 これほど、リスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。


 しかるに予期せぬ成功はほとんど、無視される、困ったことにはその存在さえ拒否される。


 人間は誰しも長く続いてきたものこそ、正常であり永久に続くべきものであると考える。


 <予期せぬ成功の体系化>


 ・予期せぬ成功がかならず、目にとまる仕組みをつくる→『イノベーションの機会の見える化』


 ・予期せぬ成功の要因を探る。


 ・その利用方法を検討する為の人と時間を割く。




 :


 ポイント


 人は思いがけない幸運にあうと『ラッキー』とVサインを出して喜んで終わる。


 しかし宇宙はすべてカルマの法則が働いている、因果応報 自業自得である。


 貴方がひきつけた幸運の要因を掴み、集中して継続せよ、またVサインを出すために。
3.予期せぬ失敗                                     p6

予期せぬ失敗の多くは単に計画、実施段階における過失、不備の結果にすぎない。


だが慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときは機会の存在を教えることが多い。


製品やサービス、マーケットの前提が現実と乖離するにいたっているかもしれない、顧客の価値観や


認識が変わっているかもしれない。


それらの変化はすべて、イノベーションの機会である。


<事例:フォード   エドセルの失敗   そしてサンダーバードの成功>


        1957年   「中流の上」の顧客に的を絞って開発したエドセルが惨敗


        原因:ライフスタイルの変化→対応:サンダーバードの開発




 ポイント


 分析だけでは真の姿は見えてこない、先入観、洗脳された頭では「見たいもの」が見えるだけ。


 外に出かけ、素直に観察、聞けば「見えるもの」が見えてくる。
4.あるべき姿と現実のギャップ                              p7

 ここでいうギャップとは現実にあるものとあるべきものとの乖離、不一致である。


 いわば理想と現実のギャップである。


 ギャップはその産業、市場にいるものにはっきりと認識することができる。


 まさに彼らの前にある。


 しかし、同時にギャップはそれを当然のごととして受けとめしまいがちな内部のものが


 見逃しやすいものである。


 彼らは「ずっとそうだった」と言う。


 しかし、多くの場合、その「ずっと」が実はごく最近のことに過ぎない。


 イノベーションの機会としてのいくつかに分類できる。




 ポイント:         「神は細部に宿る」           ミース・ファン・デル・ローエ


差は少しである、だから気にする必要はない。


この考え方からは何ものも生まない、差を容認する心は他の事象まで浸食する。


「これ位の傷、問題ないよ!    これぐらいの変形、OKだよ!」


しかし、差が大きくなり大問題になった時はすでに遅しである。
5.ニーズの存在                                             p8

イノベーションの母としてのニーズは限定されたニーズである。


具体的でなければならない、それは予期せぬ成功、失敗、ギャップと同じように企業、産業に


内部に存在する。


その主なものはプロセス上のニーズ、労働上のニーズ、知識上のニーズである。



           プロセス上のニーズ

           •日本     夜間の急カーブ道路での交通事故、多発
            →岩佐多聞による視線誘導標(デリネーター)の開発


           労働力上のニーズ

           •AT&T   調査結果   将来の電話交換手の労働力不足
            →自動交換機の開発


           知識上ニーズ

           •1870年にアメリカのジョン・ウェズリー・ハイアットがセルドイド実用化に成功
            →1880年後半、イーストマンによってセルロイドベースのフィルムが実用化




ポイント:


ひとつ、「必要」は我々が解くべき問題を明確にしてくれる。


 ふたつ、「必要」は我々に市場を与え、発明を誘う。


 日本の企業は自分の「必要」しか考えず、自分の「市場」しか考えないのでガラパゴス化し


 グロバール戦で淘汰される、傲慢     硬直   独断ゆえに・・・。
6.産業構造の変化を知る                              p9

 産業構造は不変のように思われるがそれは一夜で変わるものであって事実、一夜で変わってきた。


 この産業構造の変化がイノベーションの機会になる。


 産業が急速に成長するとき、すでに基盤を確立している企業はみずからが手にしているものを守ること


に汲々として新規参入者の挑戦に応じようとしない。


 長い間成功をおさめ支配的な地位の生産者、供給者は傲慢になりがちである。新規参入者が現れても取


るに足らぬ存在、素人にすぎないと見る。




  ポイント:


  すべてのものは変化する。唯一、確実なものは変化だけである。


 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。


 沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。


 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。


 たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。       平家物語より
7.人口構造に変化                                       p10

 産業市場の変化のうち、人口の増減や年齢構成、雇用や教育水準、所得などの人口構造の変化ほど明確


なものはない、いずれも見誤るようがない。


それらの変化がもたらすものは予測がもっとも容易である、しかもリードタイムまであきらかにわかる。


人口の変化の分析は統計から始まる、ただし人口の総数そのものにはあまり意味がない。


年齢構成のほうが重要である。


しかし、統計を読むだけでは十分ではない、統計は出発点にすぎない。


現場に行き、見て、聞くものにとって人口構造の変化は生産性と信頼性の高いイノベーションになる。


                                   日本の人口プラミッド2050年




  ポイント


  タイムマシン「デロリアン DMC-12」は要らない、既に未来は起こっているのだから。


 既に起こっている未来のサインを見逃すな!


 そのサインから新の顧客を創造せよ!
8.認識の変化                                     p11

コップに半分入っているのと半分空であるのは量的に同じである。


だが意味が違う。世の中の認識が前者から後者にかわる時大きなイノベーションに機会が生まれる。


認識の変化は事実を変えない、事実の意味を変える。


しかも急速に変える。


かってコンピュータは一般の人にとって恐ろしいものであって大企業が使用するものであった。


ところが突然、それは彼ら一般人が税を申告するものとなった。


<だまし絵>


貴方には若い女性が見えるか、老婆が見えるか。




ポイント


 同じ事象が認識の違いで行動が変化する。

2.既存の事業においては今いる場所から行こうとする場所へと仕事を組織する。
人は自らのことはあまり認識せず、外部からの刺激を気にする、「隣の芝は青い」である。

 これに対してイノベーションは行こうとする場所から今しなければならないことへと遡って仕事を
認識を変えるには難しい、なぜなら我々の思考は過去の社会システムの中で育成、洗脳されてきたから。

組織する。
しかし、自らが行動して社会にでて認識を変えればイノベーションの機会が見えてくる。

事例:ロボット産業のトップの地位を失った工作機械メーカー
9.知識によるイノベーション                                              p12

    歴史を変えるイノベーションには科学技術や社会にかかわる新知識にもとづくイノベーションが多い。


それらは起業家精神の華である。


通常、イノベーションと言われるものがこれである。


歴史を変えるようなイノベーションの中で知識によるイノベーションはかなりの上位に位置づけられる。


知識によるイノベーションはリードタイムの長さ、失敗の確率、不確実性等他のイノベーションとは異なる。


マネジネントが難しい、しかし不可能ではない。


はじめに必要な知識を分析し、欠けているものを明確にする。



           •欠落して部分を明らかにし補う
    分析

           •将来のコピー対策を打つ
    戦略

    マネジネ   •財務・人材
     ント




    知識によるイノベーション事例:


    ・ライト兄弟の飛行機   ・エジソンの電球   ・フォン   ノイマンのコンピューター


    ポイント


    神は細部に宿る・・・イノベーションは我々の持っている知識の欠けている場所に潜んでいる。




 しかし
「一即多、多即一」(個は全体のなかにあり、全体は個の中にある)       One for all ,all for one




,
10.知識によるイノベーションと時間                            p13

まず、最初に長期にわたって胎内期、つまりイノベーションが起こりそうで何も起こらない期間が続く。


そして突然、インベーションが発生し、導入期が始まる、そして 5 年後には成熟期に入り、最後に


ごくわずかな企業だけが生き残る。


製品開発のリードタイムは長いが新規参入者が模倣して参入するまでに時間は短い。


チャンスは 2 度とない、最初から失敗してはならない。


また、今日ではきわめて多くの国が科学、技術によるイノベーションのために直ちに働きはじめる人材を


持っており、更にIT、通信の発達によりグローバル化した新規参入者の数は大幅に増加しつつある。




ポイント:    光あれば陰あり、陰あれば光あり。


 課題を利点に変更 :


   ネック                      メリット


① 時間:新規参加者は早期参加が可能→ スタート点は制御可能、その間に戦略を検討。


② 国際化が敵             → スタート前から敵を味方に変える戦略を検討。


③ ITが敵              → スタート前からITを武器にグローバルな情報体制を構築。
11.体系としてのイノベーション                                p14

 目的意識、分析、体系によるイノベーションだけがイノベーションの方法として掲示され論ずるに


値する。しかも、イノベーションとして成功したものの内で少なくても90%はそのようなイノベーショ


ンである。


1.   なすべきこと:


     1)    機会の分析:右脳と左脳を使う、数字を見るとともに人を見る。


     2)    現場での認識、確認そして顧客の声を聞く。


     3)    単純、具体的である。


     4)    ひとつだけ小さくおこなう


     5)    TOPの位置を狙う


2.   なすべきでないこと:


     1)    利口であろうとはしない。


     2)    多角化してはならない。


     3)    明日のためのイノベーションをしてはならない、今日のためにイノベーションをおこなう


3.   イノベーションの条件:


      1)    イノベーションはあくまでも意識的かつ集中的な仕事である。勤勉さと持続性、それに


            献身性を必要とする。これがなければいかなる知識も創造性も才能もムダとなる。


      2)    イノベーションは強みを基盤としなければならない。


            イノベーションを行うとするものの価値観と合っていなければならない。


      3)    イノベーションは経済、社会を変えるものでなければならない。

Innvaitionの方法論ⅰ

  • 1.
    参考文献 イノベーションの方法論Ⅰ 『テクノロジストの 条件』 ドラッカーが考えるイノベーションの定義、方法そして顧客に満足して貰 えるための戦略、マネジメント方法のポイントをピックアップ。 PFドラッカー著 上田淳生訳 ダイヤモンド社
  • 2.
    Ⅰ章:イノベーションを生み出す七つの機会 イノベーションとは何か? p3 ................................ 2 1.イノベーションを生み出す七つの機会 p4 ................................ 4 2.予期せぬ成功 p5 ................................ 0 3.予期せぬ失敗 p6 ................................. 1 4.あるべき姿と現実のギャップ p7 ................................ 1 5.ニーズの存在 p8 ................................. 2 6.産業構造の変化を知る p9 ................................ 3 7.人口構造に変化 p10 ............................. 4 8.認識の変化 p11 ............................. 5 9.知識によるイノベーション p12 ............................. 6 10.知識によるイノベーションと時間 p13 ............................. 7 11.体系としてのイノベーション p14 ............................. 1
  • 3.
    イノベーションとは何か? p3 イノベーションは富を創造する能力を資源に与える。 人間が利用方法を見つけ経済的価値を与えない限り何ものも資源となりえない。 植物は雑草にすぎず、鉱物は岩に過ぎない。 起業家として成功する者はその目的がなんであれ、価値を創造し、社会に貢献する。 しかも、その目指すものは大きい。すでに存在しているものの修正、改善だけでは満足しない。 彼らは新しい価値や満足を創造し、単なる素材を資源に変える。 あるいは新しいビジョンのもとに既存の資源を組み合わせる。 イノベーションとは意識的にかつ組織的に変化を探すことである。 それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することである。 <ふたつのイノベーション> イノベーションは技術に限ったものではない、ものである必要さえない。 それどころか社会に与える影響力において新聞や保険をはじめとする社会的なイノベーションに 匹敵するほどのイノベーションはない。 社会的イノベーション •学校、銀行、経営、官僚機構、労使関係、保険 →導入時、アレンジが必要 技術的イノベーション •蒸気機関、鉄道、街灯 →即時、導入、模倣可能
  • 4.
    <明治維新のイノベーション> 日本は明治維新にその資源を社会的イノベーションに集中し、東洋の西洋化に成功し、結果として 西洋の東洋化に寄与した。 まず、はじめに福沢諭吉、中江兆民等が和製漢語、言葉を創造し、西洋社会のシステムの 日本化、東洋化に取り組み、近代化というイノベーションを行った。 和製漢語の事例: 文化、文明、民族、思想、法律、経済、資本、階級、分配、宗教、哲学、理性、感性、意識、主観、 科学、物理、化学、原子、質量、固体、時間、空間、理論、文学、美術、喜劇、社会主義、共産主義 「中華人民共和国」の「人民」や「共和国」なども和製漢語であり、国名だけでなく中国の体制に必要 不可欠な概念までも和製漢語が使用されており、毛沢東も和製漢語を使用して毛沢東思想を思考していた。 ここで重要なのは言葉を造った事ではない、その言葉を活かし新たな思考、システムを創造した事である。 ポイント: 言葉がなければ自ら思考することもできず、知識も得られず、創造することもできない。 「はじめに言葉があった。言葉は神と共にあり、言葉は神であった。」- ヨハネによる福音書 1:1 「我、思う、故に我あり」 ルネ デカルト
  • 5.
    1.イノベーションを生み出す七つの機会 p4 天才のひらめきから生まれるイノベーションもある。だが成功したほとんどのイノベーション はイノベーションの機会に対する体系的な探究から生まれている。 イノベーションの機会は産業の内部に四つある。 第一が予期せぬこと、第二がギャップ、第三がニーズ、第四が産業構造の変化である。 イノベーションの機会は産業の外部にも三つある、すなわち、第五が人口の変化、第六が認識 の変化である、第七が新知識である、これらの七つの機会は互いに重複する。 それぞれがそれぞれのリスク、むずかしさ、複雑さを伴う。 だがイノベーションのほとんどがこれらの七つの機会から生まれる。 予期せぬこと 調和しないもの 内 小 部 要 過程に潜むニーズ 因 産業と市場の変化 リ ス ク 人口構成 外 部 認識の変化 要 大 因 新しい知識 ポイント: 七つの機会から生じる変化に着目、分析せよ そこからイノベーションが生まれる。
  • 6.
    2.予期せぬ成功 p5 最も単純かつ容易なイノベーションの機会として予期せぬ成功がある。 これほど、リスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。 しかるに予期せぬ成功はほとんど、無視される、困ったことにはその存在さえ拒否される。 人間は誰しも長く続いてきたものこそ、正常であり永久に続くべきものであると考える。 <予期せぬ成功の体系化> ・予期せぬ成功がかならず、目にとまる仕組みをつくる→『イノベーションの機会の見える化』 ・予期せぬ成功の要因を探る。 ・その利用方法を検討する為の人と時間を割く。 : ポイント 人は思いがけない幸運にあうと『ラッキー』とVサインを出して喜んで終わる。 しかし宇宙はすべてカルマの法則が働いている、因果応報 自業自得である。 貴方がひきつけた幸運の要因を掴み、集中して継続せよ、またVサインを出すために。
  • 7.
    3.予期せぬ失敗 p6 予期せぬ失敗の多くは単に計画、実施段階における過失、不備の結果にすぎない。 だが慎重に計画し、設計し、実施したものが失敗したときは機会の存在を教えることが多い。 製品やサービス、マーケットの前提が現実と乖離するにいたっているかもしれない、顧客の価値観や 認識が変わっているかもしれない。 それらの変化はすべて、イノベーションの機会である。 <事例:フォード エドセルの失敗 そしてサンダーバードの成功> 1957年 「中流の上」の顧客に的を絞って開発したエドセルが惨敗 原因:ライフスタイルの変化→対応:サンダーバードの開発 ポイント 分析だけでは真の姿は見えてこない、先入観、洗脳された頭では「見たいもの」が見えるだけ。 外に出かけ、素直に観察、聞けば「見えるもの」が見えてくる。
  • 8.
    4.あるべき姿と現実のギャップ p7 ここでいうギャップとは現実にあるものとあるべきものとの乖離、不一致である。 いわば理想と現実のギャップである。 ギャップはその産業、市場にいるものにはっきりと認識することができる。 まさに彼らの前にある。 しかし、同時にギャップはそれを当然のごととして受けとめしまいがちな内部のものが 見逃しやすいものである。 彼らは「ずっとそうだった」と言う。 しかし、多くの場合、その「ずっと」が実はごく最近のことに過ぎない。 イノベーションの機会としてのいくつかに分類できる。 ポイント: 「神は細部に宿る」 ミース・ファン・デル・ローエ 差は少しである、だから気にする必要はない。 この考え方からは何ものも生まない、差を容認する心は他の事象まで浸食する。 「これ位の傷、問題ないよ! これぐらいの変形、OKだよ!」 しかし、差が大きくなり大問題になった時はすでに遅しである。
  • 9.
    5.ニーズの存在 p8 イノベーションの母としてのニーズは限定されたニーズである。 具体的でなければならない、それは予期せぬ成功、失敗、ギャップと同じように企業、産業に 内部に存在する。 その主なものはプロセス上のニーズ、労働上のニーズ、知識上のニーズである。 プロセス上のニーズ •日本 夜間の急カーブ道路での交通事故、多発 →岩佐多聞による視線誘導標(デリネーター)の開発 労働力上のニーズ •AT&T 調査結果 将来の電話交換手の労働力不足 →自動交換機の開発 知識上ニーズ •1870年にアメリカのジョン・ウェズリー・ハイアットがセルドイド実用化に成功 →1880年後半、イーストマンによってセルロイドベースのフィルムが実用化 ポイント: ひとつ、「必要」は我々が解くべき問題を明確にしてくれる。 ふたつ、「必要」は我々に市場を与え、発明を誘う。 日本の企業は自分の「必要」しか考えず、自分の「市場」しか考えないのでガラパゴス化し グロバール戦で淘汰される、傲慢 硬直 独断ゆえに・・・。
  • 10.
    6.産業構造の変化を知る p9 産業構造は不変のように思われるがそれは一夜で変わるものであって事実、一夜で変わってきた。 この産業構造の変化がイノベーションの機会になる。 産業が急速に成長するとき、すでに基盤を確立している企業はみずからが手にしているものを守ること に汲々として新規参入者の挑戦に応じようとしない。 長い間成功をおさめ支配的な地位の生産者、供給者は傲慢になりがちである。新規参入者が現れても取 るに足らぬ存在、素人にすぎないと見る。 ポイント: すべてのものは変化する。唯一、確実なものは変化だけである。 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。 平家物語より
  • 11.
    7.人口構造に変化 p10 産業市場の変化のうち、人口の増減や年齢構成、雇用や教育水準、所得などの人口構造の変化ほど明確 なものはない、いずれも見誤るようがない。 それらの変化がもたらすものは予測がもっとも容易である、しかもリードタイムまであきらかにわかる。 人口の変化の分析は統計から始まる、ただし人口の総数そのものにはあまり意味がない。 年齢構成のほうが重要である。 しかし、統計を読むだけでは十分ではない、統計は出発点にすぎない。 現場に行き、見て、聞くものにとって人口構造の変化は生産性と信頼性の高いイノベーションになる。 日本の人口プラミッド2050年 ポイント タイムマシン「デロリアン DMC-12」は要らない、既に未来は起こっているのだから。 既に起こっている未来のサインを見逃すな! そのサインから新の顧客を創造せよ!
  • 12.
    8.認識の変化 p11 コップに半分入っているのと半分空であるのは量的に同じである。 だが意味が違う。世の中の認識が前者から後者にかわる時大きなイノベーションに機会が生まれる。 認識の変化は事実を変えない、事実の意味を変える。 しかも急速に変える。 かってコンピュータは一般の人にとって恐ろしいものであって大企業が使用するものであった。 ところが突然、それは彼ら一般人が税を申告するものとなった。 <だまし絵> 貴方には若い女性が見えるか、老婆が見えるか。 ポイント 同じ事象が認識の違いで行動が変化する。 2.既存の事業においては今いる場所から行こうとする場所へと仕事を組織する。 人は自らのことはあまり認識せず、外部からの刺激を気にする、「隣の芝は青い」である。 これに対してイノベーションは行こうとする場所から今しなければならないことへと遡って仕事を 認識を変えるには難しい、なぜなら我々の思考は過去の社会システムの中で育成、洗脳されてきたから。 組織する。 しかし、自らが行動して社会にでて認識を変えればイノベーションの機会が見えてくる。 事例:ロボット産業のトップの地位を失った工作機械メーカー
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    9.知識によるイノベーション p12 歴史を変えるイノベーションには科学技術や社会にかかわる新知識にもとづくイノベーションが多い。 それらは起業家精神の華である。 通常、イノベーションと言われるものがこれである。 歴史を変えるようなイノベーションの中で知識によるイノベーションはかなりの上位に位置づけられる。 知識によるイノベーションはリードタイムの長さ、失敗の確率、不確実性等他のイノベーションとは異なる。 マネジネントが難しい、しかし不可能ではない。 はじめに必要な知識を分析し、欠けているものを明確にする。 •欠落して部分を明らかにし補う 分析 •将来のコピー対策を打つ 戦略 マネジネ •財務・人材 ント 知識によるイノベーション事例: ・ライト兄弟の飛行機 ・エジソンの電球 ・フォン ノイマンのコンピューター ポイント 神は細部に宿る・・・イノベーションは我々の持っている知識の欠けている場所に潜んでいる。 しかし 「一即多、多即一」(個は全体のなかにあり、全体は個の中にある) One for all ,all for one ,
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    10.知識によるイノベーションと時間 p13 まず、最初に長期にわたって胎内期、つまりイノベーションが起こりそうで何も起こらない期間が続く。 そして突然、インベーションが発生し、導入期が始まる、そして 5 年後には成熟期に入り、最後に ごくわずかな企業だけが生き残る。 製品開発のリードタイムは長いが新規参入者が模倣して参入するまでに時間は短い。 チャンスは 2 度とない、最初から失敗してはならない。 また、今日ではきわめて多くの国が科学、技術によるイノベーションのために直ちに働きはじめる人材を 持っており、更にIT、通信の発達によりグローバル化した新規参入者の数は大幅に増加しつつある。 ポイント: 光あれば陰あり、陰あれば光あり。 課題を利点に変更 : ネック メリット ① 時間:新規参加者は早期参加が可能→ スタート点は制御可能、その間に戦略を検討。 ② 国際化が敵 → スタート前から敵を味方に変える戦略を検討。 ③ ITが敵 → スタート前からITを武器にグローバルな情報体制を構築。
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    11.体系としてのイノベーション p14 目的意識、分析、体系によるイノベーションだけがイノベーションの方法として掲示され論ずるに 値する。しかも、イノベーションとして成功したものの内で少なくても90%はそのようなイノベーショ ンである。 1. なすべきこと: 1) 機会の分析:右脳と左脳を使う、数字を見るとともに人を見る。 2) 現場での認識、確認そして顧客の声を聞く。 3) 単純、具体的である。 4) ひとつだけ小さくおこなう 5) TOPの位置を狙う 2. なすべきでないこと: 1) 利口であろうとはしない。 2) 多角化してはならない。 3) 明日のためのイノベーションをしてはならない、今日のためにイノベーションをおこなう 3. イノベーションの条件: 1) イノベーションはあくまでも意識的かつ集中的な仕事である。勤勉さと持続性、それに 献身性を必要とする。これがなければいかなる知識も創造性も才能もムダとなる。 2) イノベーションは強みを基盤としなければならない。 イノベーションを行うとするものの価値観と合っていなければならない。 3) イノベーションは経済、社会を変えるものでなければならない。