植物生理学勉強会「植物ホルモン」Abaからジャスモン酸まで
- 2. アブシシン酸の発見と命名
• 1963: 大熊らがワタ未熟果実から落下促進物質を発見、
abscisin IIと命名
• 1963: Wareingがカエデ芽の休眠物質としてドルミン(ドーミ
ン)を発見
• 1965: abscisin IIとドルミンが同一物質であることが明らか
にされる
• 1967: 混乱を避けるため、Abscisic acid(略称ABA)という統一
した呼称を用いることが国際植物成長物質会議にて決定
abscisin: 葉などの離脱(abscission)にちなむ
dormin: 休眠(dormancy)にちなむ
「アブシシン酸」が正式名称だが、「アブシジン酸」や「アブサイシン酸」とい
う呼び方も依然として使われる。
- 5. 種子の休眠誘導と維持
• 発芽に必要な環境条件を与えても発芽しない状態
→種子休眠
• ABA欠損変異体は種子休眠しない(ABA添加で休眠する)
• GA欠損変異体は発芽しない(GA添加で発芽する)
• 種子休眠はABA/GA比によって制御されている
(植物ホルモンの作用には絶対濃度より他のホルモンと
の濃度比が重要である、という一般原則が現れている
例)
- 8. 水ストレスへの応答2
• ABAは水ストレス下で茎の成長を抑制し、根の成長
を促進する
• 通常の水ポテンシャル条件下ではABAは内生のエチ
レン濃度を抑制し、茎の成長抑制を抑制している
(ABA欠損株では茎の成長は遅くなる)
• 低水ポテンシャル条件下ではABAはシグナルとして
働き、茎の成長をより抑制する(ABA欠損株は水スト
レス下で茎を野生株より成長させる)
- 9. ブラシノステロイド
• 1970: Mitchellらがセイヨウアブラナ花粉抽出物に
インゲンマメの生育促進効果があることを発見
• 1979: Groveらはセイヨウアブラナ花粉40kgから
2mgのブラシノリドを単離、初のブラシノステロ
イド発見
• 現在までに70種以上のブラシノステロイドが単
離sれている
- 10. ブラシノステロイド
• オーキシンなど他のホルモンに類似した作用
を示すが、特にストレス環境下で強く作用を
表す
• 他のホルモンに比べて作用濃度が極めて低い
(1/100程度のオーダー)
• 暗所での芽生えの形、クリの葉にできる「虫
えい」形成などにも影響
Editor's Notes
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