地球温暖化が琵琶湖に及ぼす
影響の理解と予測
人工知能学会 合同研究会2020
2020年11月21日
五十嵐 康伸1 藤原 務2 佐藤 拓也3,4
1 E2D3.org 2 滋賀県 琵琶湖環境部 琵琶湖保全再生課
3 NPO法人 琵琶故知新 4 YuMake合同会社
1 はじめに
3人に共通する課題は?
佐藤
奈良県在住
藤原
滋賀県在住
五十嵐
大阪府&奈良県に26年
近畿の水瓶:琵琶湖
琵琶湖は日本で一番大きな湖
北湖
南湖
琵琶湖⼤橋
琵琶湖の定量的特性
• 滋賀県の⾯積︓4,017km2
• 琵琶湖の⾯積︓670.25km2
(滋賀県⾯積の約1/6)
(淡路島より少し⼤)
• 湖岸線延⻑︓約235km
• 貯⽔量︓約275億m3
北湖︓約273億m3、南湖︓約2億m3
• 平均深度︓約41m
北湖︓約43m、南湖︓約4m
• 最⼤深度︓103.58m
• 最⼩幅︓1.34km
周辺が都市化する「南湖」
⾃然豊かな「北湖」
水質の定期モニタリング
【公共⽤⽔域の⽔質監視】
○調査地点数:琵琶湖51(北湖31、南湖20)
河川35(調査河川数31)
北湖では全層循環が起こっている
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター: 琵琶湖の全層循環
https://www.lberi.jp/setting/learn/jikken/junkan
今回の研究テーマ
• 平成30年度と令和元年度の冬に、2年連続で北湖の一部水域で全層
循環が完了しなかった。← 「理解」
• DOが2を下回ると琵琶湖の下の生物が死ぬ、可能性がある。 ← 「予測」
• 琵琶湖表層の水温は、気温と同様に上昇傾向にあり、約40年間で
約1.5℃の上昇
• 北湖今津沖中央の底層の水温が、これまで概ね7~8℃台で
推移していたが、近年9℃付近まで上昇。
• 平成27 年(2015 年)には、晩秋の11 月にアオコの発生が見られた。
• 平成30 年度の夏には、7月の豪雨の後、8月には少雨酷暑
となるような極端な降雨の影響により、琵琶湖の水が停滞。
これが原因で、南湖で植物プランクトンが大増殖し、CODや
窒素が観測史上最高濃度を記録するなど、琵琶湖南湖の水質が悪化。
琵琶湖環境科学研究センター 環境監視部門
平成30年度琵琶湖水質変動の特徴 &令和元年度 琵琶湖水質変動の特徴
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/306170.html
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/313082.html
材料と方法
• 滋賀県琵琶湖環境科学研究センターらが測定した
水温とDOのデータを用いた。
• 位置は北湖にある今津沖の第一湖盆の中央に限定
して用いた。
• 深さは水面から深さ0.5m・10m・20m・30m・40m・
60m・80m及び湖底上1mの8点に限定して用いた。
• 測定は毎月1〜4回実施されていた。月内のデータを
平均化して用いた。
• 期間は1979年4月から2020年3月の492ヶ月・41年に
限定して用いた。
材料と方法
• プログラミング言語:Python 3.8.3
• ライブラリー:StatsModels
• アルゴリズム:自己相関、SARIMAモデル
もものきとデータ解析をはじめよう
t.ly/3Vx0
3-1 結果:理解
DOの時系列データと
その構成要素の理解
DOの時系列データ
主な傾向
周期的な変動、季節性
時系列データから、トレンドと季節性
を除いた成分、残差(誤差やノイズ)
トレンドと季節性と残差を足し合わせると
オジリナルの時系列と一致
月別の平均値
最小
最大
DOの時系列の自己相関
青:95%信頼区間
信頼区間の領域を超えてプロットされているデータは
統計的に有意差がある値とみなされます。
<データ>
• 学習(訓練、モデル作成用)用データ:1979-04〜2019-03: 40年分
• テスト用データ:2019-04〜2020-3、1年分
<モデル>
• SARIMA:Seasonal AutoRegressive Integrated Moving Average(季節自己回帰和
分移動平均)
• S(季節)、AR(自己回帰)、I(和分)、MA(移動平均)
• パラメータ:(p, d, q)(P, D, Q)[s]
<AIC最適化>
• p:AR(自己回帰) 3 in 1〜5
• d :差分の次数 0 in 0〜2
• q : MA(移動平均)の次数 3 in 0〜5
• P,D,Q:季節調整に適用する次数=(1,1,2)in ( 0〜2, 0〜2, 0〜2)
• s:季節調整に適用する周期=12
<Pythonのライブラリー>
• StatsModelsのSARIMAX
• Xとして外部変数を入れうる
テスト期間学習期間
テスト期間
の拡大図 緑:95%信頼区間
3-2 結果:予測
<データ>
• 学習(訓練、モデル作成用)用データ:1979-04〜2020-03: 41年分
• 予測用データ:2020-03〜2022-3、2年分
<モデル>
• SARIMA:Seasonal AutoRegressive Integrated Moving Average(季節自己回帰和
分移動平均)
• S(季節)、AR(自己回帰)、I(和分)、MA(移動平均)
• パラメータ:(p, d, q)(P, D, Q)[s]
<AIC最適化>
• p:AR(自己回帰) 3 in 1〜5
• d :差分の次数 0 in 0〜2
• q : MA(移動平均)の次数 3 in 0〜5
• P,D,Q:季節調整に適用する次数=(1,1,2)in ( 0〜2, 0〜2, 0〜2)
• s:季節調整に適用する周期=12
<Pythonのライブラリー>
• StatsModelsのSARIMAX
• Xとして外部変数を入れうる
Applied for
学習期間
Applied for
予測期間
DOが2を下回ると
琵琶湖の下の生物が死ぬ
今後の課題
• 平成30年度と令和元年度の冬に、2年連続で北湖の一部水域で全層
循環が完了しなかった。← 「理解」
• DOが2を下回ると琵琶湖の下の生物が死ぬ、可能性がある。 ← 「予測」
• 琵琶湖表層の水温は、気温と同様に上昇傾向にあり、約40年間で
約1.5℃の上昇 ← 今後の課題
• 北湖今津沖中央の底層の水温が、これまで概ね7~8℃台で
推移していたが、近年9℃付近まで上昇。 ← 今後の課題
• 平成27 年(2015 年)には、晩秋の11 月にアオコの発生が見られた。
• 平成30 年度の夏には、7月の豪雨の後、8月には少雨酷暑
となるような極端な降雨の影響により、琵琶湖の水が停滞。
これが原因で、南湖で植物プランクトンが大増殖し、CODや
窒素が観測史上最高濃度を記録するなど、琵琶湖南湖の水質が悪化。
琵琶湖環境科学研究センター 環境監視部門
平成30年度琵琶湖水質変動の特徴 &令和元年度 琵琶湖水質変動の特徴
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/306170.html
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/kankyou/313082.html
地球温暖化が琵琶湖に及ぼす影響の理解と予測
地球温暖化が琵琶湖に及ぼす影響の理解と予測

地球温暖化が琵琶湖に及ぼす影響の理解と予測