令和３年２月９日発表教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について～教育研究機能の高度化を支える教職員と組織マネジメント～（審議まとめ）について語る

1. 令和３年２⽉９⽇発表
教育と研究を両輪とする⾼等教育の在り⽅について
〜教育研究機能の⾼度化を⽀える教職員と組織マネ
ジメント〜（審議まとめ）
について語る

2. ⼤学における「教育」と「研究」
に関する現状分析と、これをどう
両⽴させ、活性化させるかという
点について書いてある
審議まとめに何が書いてあったか？

3. 2
educe Co., Ltd.
教員は個⼈事業主的な活動から脱却しきれず、組
織として活動する意識が希薄であるという論調。
⼀⽅で、管理運営業務が教員の業務を圧迫し、教
育・研究双⽅にリソースを避けない現状について
も⾔及。
現状分析で書いてあること

4. 3
educe Co., Ltd.
5つのポイントにまとめている
1.連携
2.withコロナ
3.教員の種別化
4.職員の⾼度化
5.これらの統合
解決策で書いてあること

5. 4
educe Co., Ltd.
学⽣を中⼼としながら、教員間の連
携や、TA/RAの活⽤について提案し、
チームとして教育研究に取り組む
TA…teaching assistants
RA…Research assistants
1.連携について

6. 5
educe Co., Ltd.
ハイブリッド型授業や、ニューノー
マルに対応した国際交流のあり⽅の
⽴ち上げ
2.withコロナ
これは正直
唐突感がある

7. 6
educe Co., Ltd.
教育重視教員、研究重視教員など、
⼤学のミッションに基づき横並びの
教員像から多様な教員像の転換と、
それを促す⼈事制度の整備
3.教員の種別化について

8. 7
educe Co., Ltd.
事務職員の意識改⾰、
専⾨性向上を果たし、
教員の管理運営負荷の
低減と管理運営の⾼度化
3.事務職員の⾼度化について

9. 8
educe Co., Ltd.
組織の機能を分化させ、
組織として成果を
上げる体制への転換。
またそれを促進させる
IRなどの意思決定基盤の整備
5.統合

10. 9
educe Co., Ltd.
まだ教育と研究の両⽴の話を
しているの？という既視感。
⼀⽅で、
組織としてこれを解決する、
という点には新しさも。
どう思ったか？

11. 10
educe Co., Ltd.
• 教員の種別化
• TA/RAの活⽤
• IRの活⽤を組織機能の分化の⽂脈
から語った点
は新しいのでは。
審議まとめの新しい点

12. 11
educe Co., Ltd.
いままでは教育と研究を⼀⼈の教員が両⽴させる
ことを前提に議論が⾏われていた（気がする）。
この審議まとめでは、それは無理だから、⼤学全
体が組織として教育と研究が両⽴すればいいん
じゃない、と⾔っている。
なぜ新しいのか

13. 12
educe Co., Ltd.
審議まとめが⽰す教育と研究のあり⽅は既存の⼤学運営
の前提を少なからず、ずらす提案。マーチントロワがい
うところのユニバーサル化を果たした⼤学が今までエ
リート向けにある程度最適化された枠組みで存続してき
た事⾃体が、不思議なのかもしれない
⼤学の形がかわるのか

14. 13
educe Co., Ltd.
⼀⽅で
このような⼤学像に変化する
にはまだ時間がかかるはず。
審議まとめが⼤学経営におよぼす影響

15. 14
educe Co., Ltd.
ここでのキーワード
は組織としての
⼤学である
審議まとめの⼤学経営への影響をどう読むか？

16. 15
educe Co., Ltd.
2018年に出された、いわゆるグラン
ドデザイン答申の⽂脈に位置づける
と、⼤学経営に求められる変化の順
序がみえてくる
審議まとめが⼤学経営におよぼす影響

17. 16
educe Co., Ltd.
グランドデザイン答申で謳われてい
るのは、⼤学の種別化であり、その
前提には各⼤学のミッションの明確
化がある。
グランドデザイン答申は何をいっているのか

18. 17
educe Co., Ltd.
⼀⽅で本審議まとめは組織として⼤学の
ミッションを達成するための具体的な⼿
法が例⽰されている
⼤学はまだ組織の体をなしていない

19. 18
educe Co., Ltd.
つまり、教員の種別化や、TA/RAの活
⽤などは、⼤学がどういう姿を⽬指すか
というミッションに基づいて駆動すべき、
と審議まとめは⾔っているわけだ。
審議まとめは組織になった⼤学を前提にしている

20. 19
educe Co., Ltd.
必然、この変化に⾄る前に各⼤学がどの
ような姿を社会に対して提⽰するのか、
すなわちミッションの設定ができなけれ
ばならない。
組織としての改⾰の前に、組織にならなければならない

21. 20
educe Co., Ltd.
筆者が、審議まとめが直ちに⼤学
経営に影響を及ぼすことはないだ
ろう、と⾔っているのはこの点に
ある。
つまり

22. 21
educe Co., Ltd.
現在の⼤学の状況を⾒回すと、組織としてのミッ
ションを提⽰できているところは極めて少数。
むしろできている⼤学はメディアに取り上げられている

23. 22
educe Co., Ltd.
昨年度から義務化された中⻑期計画の策定状況を
聞いても、義務化されたから慌てて作ったという
話を少なくない⼤学で⽿にする。
補助⾦カットされるといわれたらそりゃ作るよね

24. 23
educe Co., Ltd.
⼤学という多様な⽬的を
もった機関が、それらを束
ねる軸を持つことは極めて
難しいのだ
公益に資する機関だから当たり前なんだけど

25. 24
educe Co., Ltd.
先般実施したesmiのセミナーでも、教学マ
ネジメントの実質化は可能かという問いに対
して、授業レベルでの教育改善は可能だろう
が、それをカリキュラムレベルで実質化する
ことは相当の困難があるという回答があった。
教員⼀⼈ひとりは、⾃分の学⽣に真剣

26. 25
educe Co., Ltd.
それぞれの教員が⾃⾝の受け持つ学
⽣にコミットすればするほど、⾃⾝
の教育へのこだわりは⼤きくなり、
結果として組織として統合すること
が難しくなっていく。
普通にしてれば⾃分の授業を最も良くしたいと思うわけよ

27. 26
educe Co., Ltd.
そういった分断の⼒学が⾮常に強く
働く⼤学という機関にあって、それ
らを束ねるミッションの設定が難し
いというのはしごく⾃然なこと。
⼤学は専⾨家集団だから

28. 27
educe Co., Ltd.
要約すれば、組織化の最初の⼀歩で
あるミッションの設定すらままなら
ない状況にあるのだから、組織化を
前提とした改⾰が根付くのは当然時
間がかかるということだ。
簡単に⾔うと

29. 28
educe Co., Ltd.
筆者個⼈としては⾼等教育政策でよく志向される、統合を前提とし
た組織の設計⾃体に疑問を投げかけてもよいのではないか、という
気もするが、まぁそれはまた別の機会に。
今回はこのへんで終わりにする。
おわり