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自宅でずっと暮らしつづけるために
在宅医療、訪問看護、そして看多機が出来ること
2017/04/21
医療法人社団プラタナス
桜新町アーバンクリニック
遠矢純一郎
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老いてからの生き方、暮らし方
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父の言葉から
 家族に迷惑はかけたくない
 俺はひとりで生きられる
 むしろ毎日楽しくやっている
 病気は怖くない
 別に長生きしようとも思わない
 畑仕事は楽しくて、今年はメロンと
スイカを100個作るつもり
 なにか商売でもう一花咲かせたい
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「老後はひとり暮らしが幸せ」(辻川覚志著)より
① 生活環境をできるだけ変化させない
② 友達を維持する、信頼のおける人を持つ
③ 毎日何かやることをつくる
④ できるだけ自分で何でもする
⑤ ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす
⑥ 緊急時の対応策を決めておく
⑦ 自分の希望を周囲に伝えておく
ひとり暮らしを長く楽しめる7か条
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ひとはどうやって老いていくのか
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老衰の構成因子
くすり
副作用/相互作用
病気
慢性呼吸・心不全
悪性腫瘍、関節炎
心理社会因子
孤独、悲嘆
経済難、虐待
身体
機能障害
日常生活動作
の障害
虚弱
栄養失調
身体機能の低下
脳・精神
機能低下
老年期うつ
認知症
老衰
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疾病モデル 虚弱モデル
生活習慣病 虚弱化
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どんなふうに死に向かうのか
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要支援・要介護者発生率
40-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85- 歳
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介護が必要となった原因
厚労省 国民生活基礎調査 平成25年
第14表 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合
脳血管疾患
認知症
高齢に
よる虚弱転倒
・骨折
関節疾患
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死亡原因 (全国 平成27年)
がん
29%
心疾患
15%
肺炎
9%
脳血管疾患
9%
老衰
6%
不慮の事故
3%
腎不全
2%
自殺
2%
その他
25%
3人に1人はがんで亡くなっている
平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況;厚労省
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死に至るプロセス、3つのパターン
・病気になってもずっと身体機能は保たれているが、
ある時期(数ヶ月前)から急速に容体が悪化する
・患者の意志をケアに反映しやすい
・ホスピス・ケアの適応
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い 時間の経過
がん
がんが進行すると、
急に全身状態が低
下していく。数ヶ月で
死に至ることが多い
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死に至るプロセス、3つのパターン
・2-3年の経過で次第に鋸状に低下
・医療と介護の両面で管理が必要、急性期病院が最も関わるパターン
・本人、家族、ヘルパー等に病気を理解させる -悪化の兆候、予防の方法
>どの状態になったら入院を控え在宅ケアに任すか?
予後予測が難しい
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い
時間の経過
心肺肝の不全
急性増悪により、救
急搬送・入院となり
やすい。本人・家族
の不安も大きい。
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死に至るプロセス、3つのパターン
・5年以上の経過で機能が徐々に低下
・終末期の開始時期を規定するのが困難
・本人の終末期ケアの意思確認が困難
・家族の判断、意思決定が必要となることが多い
・かかりつけ医が中心となり、在宅医による看取りの中心
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い
時間の経過
脳卒中・認知症
要介護の状態が長
く、徐々に低下して
いく。施設利用され
ることも多い。
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「高齢社会に関する意識調査」 より
厚生労働省 2016年
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老後の不安は、「健康上の問題(73.6%)」がトップ
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
老後の不安 (n=3,000)
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高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」
高齢期に生活したい場所 (n=3,000)
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
自宅
高齢者のための住宅
(サ高住、老人ホーム)
特養、老健
わからない
グループホーム
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高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
希望する場所で暮らすために必要なこと (n=3,000)
介護保険のサービスが利用できること
医療機関が身近にあること
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自身が望む介護の姿は、73.5%が「自宅で介護を受けたい」
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
自身が望む介護の姿 (n=3,000)
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医療・看護・介護のあり方が
大きな変革を求められている
この半世紀で人口の高齢化により、
慢性病を複数抱えながら生活する方が増えた
感染症や外傷など
急性期ケア中心
長期的・継続的
緩和的ケア中心
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医療の目標の変化
治癒 QOL
人生の質
病気を治す
ことのみ
病気や虚弱さを
抱える生活を
ささえる
=>
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医療の中心の変化
地域
ケア
病院
短期集中的に
治療を行なう場
医療と介護の連携
で生活を支援<
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地域包括ケアシステムとは
 どこに住んでいても
(家、集合住宅、施設)
 本人・家族の選択が尊重され
 そのひとにとって必要な医療・介護・
福祉サービスが受けられる
 健康の維持・悪化予防のための支援
できるだけ住み慣れた地域で生活し続けることが出来る
包括的な支援・サービス提供体制の構築を地域毎に目指す
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介護施設
ホームヘルパー
ケアマネージャー
在宅医
訪問看護師
訪問リハビリ
訪問薬剤師
在宅ケアを支える人たち
病院
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在宅医
 通院困難な方に自宅や施設での訪問診療を行なう
✓定期訪問診療
✓必要時臨時対応(電話、臨時往診;24時間365日)
 在宅での緩和ケアや看取りも行なう
在宅医療とは、その人の価値観に敬意を払い、人生に寄り添い、
暮らしの中で「いのちを支え」、「生き方を支援」する医療活動である
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訪問看護師
日常生活
ケア
身体・症状
チェック
医療処置
・リハビリ
家族ケア
在宅での医療と介護の双方をささえる
最も重要な存在
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地域包括ケアシステムにおける「看護」の役割
看護はいのち、暮らし、尊厳を守りささえる
どのような健康状態でも
そのひとらしく暮らしていける社会
「医療」
の視点
「生活の質」
の視点
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当院のチーム医療について
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医療法人社団プラタナス
33
 住所 東京都世田谷区用賀2-41-18
 開設 2004年
 従業員数 217人(医師85人,看護師24人他)
 用賀アーバンクリニック(世田谷区、外来)
 桜新町アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)
 松原アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)
 鎌倉アーバンクリニック(鎌倉市、外来、在宅)
 青葉アーバンクリニック(青葉区、外来、在宅)
 イーク丸の内(千代田区、女性健診)
 イーク表参道(渋谷区、女性健診)
 桜新町アーバンデイサービス(通所介護)
 ナースケア・ステーション(訪問看護)
 ナースケア・プランニング(居宅介護事業所)
 <在宅医療診療実績>
 在宅医 52名(常勤13名、非常勤39名)
 機能強化型在支診(有床)
 患者数 1800名
看取り数 327名/年
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桜新町アーバンクリニック 在宅医療部
 住所 東京都世田谷区用賀
 スタッフ 医師10名(常勤5名)、看護師13名、薬剤師1名、
作業療法士1名、MSW1名、ケアマネージャ1名
<在宅医療診療実績>
 患者数 400名(個人宅300名、施設100名)
 看取り数 105名/年
※厚生局届出実績(H25,6~26.5実績)
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クリニックの自慢
その土台となる風土と環境
それを支える事務長の仕事
在宅医療開始から7年間の推移
1 2 2 2.8 3.5 4.5 5.2名
1
2 3
4
5
7
10名
2
3
4
6
9
10名
61名
65名
115名
196名
288名
350名
0名
50名
100名
150名
200名
250名
300名
350名
0
5
10
15
20
25
30
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
スタッフ数
看護師数
医師数
在宅患者数
※人数は在宅医療部の常勤換算人数
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クリニックの自慢
その土台となる風土と環境
それを支える事務長の仕事
15件
28件
63件 64件
90件
105件
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
病院死亡
自宅・施設死亡
88%91%
85%
92%
82%
83%
在宅看取りの実績
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がん
39%
認知症
18%
心疾患
11%
脳血管疾
患
8%
呼吸器疾
患
7%
その他
17%
紹介患者の疾患別の割合
死亡(自宅
看取り)
87%
死亡(有床
診)
4%
死亡(病
院)
9%
自宅看取り率
(資料)桜新町アーバンクリニック在宅患者数(H24.10~25.9実績)
自宅看取り率
91%
がん39%
療養期間1.5ヶ月
非がん61%
療養期間2年以上
桜新町アーバンクリニックの診療実績
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在宅療養の限界点
39
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看護小規模多機能型居宅介護について
(かんたき)
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看護小規模多機能を開設した動機
 当院の在宅医療の利用者は、医療依存度の高い方が多い
 ターミナルケア、人工呼吸器や医療処置の多い方、症状悪化時
の緊急利用は、ショートステイや介護施設で受けてもらえない
 そのため、介護者の疲弊による希望しない入院・入所により、
ケアの継続性が損なわれ、ADLや認知症が悪化してしまう
 在宅を継続するために、安心して泊まれる場所を作りたい
訪問看護
訪問介護
通所
ケアプラン
泊まり
+
これらの機能を一体的に提供できるサービスが必要
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看護小規模多機能居宅介護とは
42
通所介護(看護師が常駐)を中心に利用しながら、
必要に応じてショートステイや訪問介護・訪問看護を
受けることができる地域密着型サービス
訪問看護
訪問介護通所
ケアプラン
泊まり
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在宅療養に必要なサービスをひとつに
43
訪問看護 訪問介護 通所 ケアプラン泊まり
“べつべつ”の事業所
“ばらばら”のサービス
ひとつの事業所で
すべてのサービス
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地域包括ケアシステム構築における看多機の位置づけ
 早期退院の促進(在院日数短縮)
 多職種チームケアによる病状の改善
 病状変化に在宅で迅速対応・早期治療して入院回避
 看多機のケアマネが「通い」「泊まり」「訪問看護・介護」を
一元管理するため、本人や家族へのきめ細やかで柔軟な
支援が可能となり、在宅療養が継続する
 重症者でも住み慣れた地域での暮らしを継続できる
 多様な看取りを実現
看多機は在宅の限界点を高めるサービス
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看多機の利用料
 介護報酬の1割または2割
 訪問介護療養費(医療保険利用の場合)
 食費
 宿泊に要する費用
 オムツ代その他日常生活において必要となる費用
自己負担額(1割の場合)
要介護1 12,341円/月
要介護2 17,268円/月
要介護3 24,274円/月
要介護4 27,531円/月
要介護5 31,141円/月
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看多機で対応可能な医療的ケアの例
 尿道カテーテル
 胃瘻、経鼻胃管、経管栄養
 気管切開チューブ、吸引
 在宅酸素
 NPPV(人工呼吸)
 中心静脈栄養
 点滴
 排泄援助
 リハビリテーション
 摂食嚥下アセスメント
 リンパマッサージ
 褥瘡・創傷処置
 薬剤管理
 ターミナルケア
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看多機の利用ニーズ
 退院からの在宅移行
 老老介護でレスパイト目的の通いと泊まりが必要
 病状変化により入退院を繰り返す
 サービス拒否
 がん末期の在宅生活
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看多機のメリット
 1か月の利用料が実費以外は定額
 たくさんの事業所との契約が不要
 連絡窓口も一本化され、分かりやすい
 いつも同じなじみの職員で話しやすい
 家族都合や本人の状態により、
臨機応変にサービスを組み替えられる
 泊まりが取りやすい
 急な病状の変化や医療的処置にも
24時間体制で緊急対応できる
 介護の仕方や食事のことなどの指導を受けられる
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「ナースケア・リビング」の由来
49
「リビング」
=Living room, Live-ing, Re-Being
居場所、私のいる場所、生き続ける
住み続ける、取り戻す、回復する
看護・介護の協働によるケアで、
住み慣れた自宅での生活を継続し
その人らしさを維持していく
東急世田谷中町プロジェクト
約一万坪の敷地
• マンション(約250戸)
• サ高住(約180戸)
• 老人ホーム(約80室)
• コミュニティカフェ
• 認可保育所
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ナースケア・リビングの特徴 (すごいところ!)
 地域とのつながりが強い
 認知症ケアに強い
 ターミナルケアに強い
 作業療法士が居る
 実はこの仕事が好きでたまらない優しさと情熱の精鋭チーム
 在宅医療の優秀なドクターたちがサポートする
チームワークの強さ!
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地域包括ケアシステムにおける看多機の未来
 地域包括ケアの拠点として
 日常生活圏域ごとに看多機事業所が増えると
 病院と地域をつなぐ
 医療が変わる
 移動時間の短縮で、よりきめ細やかなサービスに
 地域住民との協働や健康と福祉、生活のよろず相談所に
 病院以外の場所での看取りが増える
 介護施設への入居が減る
 看護・介護の教育研修の場となる
 小児、身障者を地域で支援

自宅でずっと暮らしつづけるために

  • 1.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 自宅でずっと暮らしつづけるために 在宅医療、訪問看護、そして看多機が出来ること 2017/04/21 医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック 遠矢純一郎
  • 2.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 老いてからの生き方、暮らし方
  • 3.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 父の言葉から  家族に迷惑はかけたくない  俺はひとりで生きられる  むしろ毎日楽しくやっている  病気は怖くない  別に長生きしようとも思わない  畑仕事は楽しくて、今年はメロンと スイカを100個作るつもり  なにか商売でもう一花咲かせたい
  • 4.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 「老後はひとり暮らしが幸せ」(辻川覚志著)より ① 生活環境をできるだけ変化させない ② 友達を維持する、信頼のおける人を持つ ③ 毎日何かやることをつくる ④ できるだけ自分で何でもする ⑤ ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす ⑥ 緊急時の対応策を決めておく ⑦ 自分の希望を周囲に伝えておく ひとり暮らしを長く楽しめる7か条
  • 5.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. ひとはどうやって老いていくのか
  • 6.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 老衰の構成因子 くすり 副作用/相互作用 病気 慢性呼吸・心不全 悪性腫瘍、関節炎 心理社会因子 孤独、悲嘆 経済難、虐待 身体 機能障害 日常生活動作 の障害 虚弱 栄養失調 身体機能の低下 脳・精神 機能低下 老年期うつ 認知症 老衰
  • 7.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 疾病モデル 虚弱モデル 生活習慣病 虚弱化
  • 8.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
  • 9.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
  • 10.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. どんなふうに死に向かうのか
  • 11.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 要支援・要介護者発生率 40-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85- 歳
  • 12.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 介護が必要となった原因 厚労省 国民生活基礎調査 平成25年 第14表 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合 脳血管疾患 認知症 高齢に よる虚弱転倒 ・骨折 関節疾患
  • 13.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 死亡原因 (全国 平成27年) がん 29% 心疾患 15% 肺炎 9% 脳血管疾患 9% 老衰 6% 不慮の事故 3% 腎不全 2% 自殺 2% その他 25% 3人に1人はがんで亡くなっている 平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況;厚労省
  • 14.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 死に至るプロセス、3つのパターン ・病気になってもずっと身体機能は保たれているが、 ある時期(数ヶ月前)から急速に容体が悪化する ・患者の意志をケアに反映しやすい ・ホスピス・ケアの適応 出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life” 身体機能 高い 低い 時間の経過 がん がんが進行すると、 急に全身状態が低 下していく。数ヶ月で 死に至ることが多い
  • 15.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 死に至るプロセス、3つのパターン ・2-3年の経過で次第に鋸状に低下 ・医療と介護の両面で管理が必要、急性期病院が最も関わるパターン ・本人、家族、ヘルパー等に病気を理解させる -悪化の兆候、予防の方法 >どの状態になったら入院を控え在宅ケアに任すか? 予後予測が難しい 出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life” 身体機能 高い 低い 時間の経過 心肺肝の不全 急性増悪により、救 急搬送・入院となり やすい。本人・家族 の不安も大きい。
  • 16.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 死に至るプロセス、3つのパターン ・5年以上の経過で機能が徐々に低下 ・終末期の開始時期を規定するのが困難 ・本人の終末期ケアの意思確認が困難 ・家族の判断、意思決定が必要となることが多い ・かかりつけ医が中心となり、在宅医による看取りの中心 出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life” 身体機能 高い 低い 時間の経過 脳卒中・認知症 要介護の状態が長 く、徐々に低下して いく。施設利用され ることも多い。
  • 17.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 「高齢社会に関する意識調査」 より 厚生労働省 2016年
  • 18.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 老後の不安は、「健康上の問題(73.6%)」がトップ 「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016 老後の不安 (n=3,000)
  • 19.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」 高齢期に生活したい場所 (n=3,000) 「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016 自宅 高齢者のための住宅 (サ高住、老人ホーム) 特養、老健 わからない グループホーム
  • 20.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」 「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016 希望する場所で暮らすために必要なこと (n=3,000) 介護保険のサービスが利用できること 医療機関が身近にあること
  • 21.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 自身が望む介護の姿は、73.5%が「自宅で介護を受けたい」 「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016 自身が望む介護の姿 (n=3,000)
  • 22.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 医療・看護・介護のあり方が 大きな変革を求められている この半世紀で人口の高齢化により、 慢性病を複数抱えながら生活する方が増えた 感染症や外傷など 急性期ケア中心 長期的・継続的 緩和的ケア中心
  • 23.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 医療の目標の変化 治癒 QOL 人生の質 病気を治す ことのみ 病気や虚弱さを 抱える生活を ささえる =>
  • 24.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 医療の中心の変化 地域 ケア 病院 短期集中的に 治療を行なう場 医療と介護の連携 で生活を支援<
  • 25.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 地域包括ケアシステムとは  どこに住んでいても (家、集合住宅、施設)  本人・家族の選択が尊重され  そのひとにとって必要な医療・介護・ 福祉サービスが受けられる  健康の維持・悪化予防のための支援 できるだけ住み慣れた地域で生活し続けることが出来る 包括的な支援・サービス提供体制の構築を地域毎に目指す
  • 26.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
  • 27.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
  • 28.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 介護施設 ホームヘルパー ケアマネージャー 在宅医 訪問看護師 訪問リハビリ 訪問薬剤師 在宅ケアを支える人たち 病院
  • 29.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 在宅医  通院困難な方に自宅や施設での訪問診療を行なう ✓定期訪問診療 ✓必要時臨時対応(電話、臨時往診;24時間365日)  在宅での緩和ケアや看取りも行なう 在宅医療とは、その人の価値観に敬意を払い、人生に寄り添い、 暮らしの中で「いのちを支え」、「生き方を支援」する医療活動である
  • 30.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 訪問看護師 日常生活 ケア 身体・症状 チェック 医療処置 ・リハビリ 家族ケア 在宅での医療と介護の双方をささえる 最も重要な存在
  • 31.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 地域包括ケアシステムにおける「看護」の役割 看護はいのち、暮らし、尊厳を守りささえる どのような健康状態でも そのひとらしく暮らしていける社会 「医療」 の視点 「生活の質」 の視点
  • 32.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 当院のチーム医療について
  • 33.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 医療法人社団プラタナス 33  住所 東京都世田谷区用賀2-41-18  開設 2004年  従業員数 217人(医師85人,看護師24人他)  用賀アーバンクリニック(世田谷区、外来)  桜新町アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)  松原アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)  鎌倉アーバンクリニック(鎌倉市、外来、在宅)  青葉アーバンクリニック(青葉区、外来、在宅)  イーク丸の内(千代田区、女性健診)  イーク表参道(渋谷区、女性健診)  桜新町アーバンデイサービス(通所介護)  ナースケア・ステーション(訪問看護)  ナースケア・プランニング(居宅介護事業所)  <在宅医療診療実績>  在宅医 52名(常勤13名、非常勤39名)  機能強化型在支診(有床)  患者数 1800名 看取り数 327名/年
  • 34.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 桜新町アーバンクリニック 在宅医療部  住所 東京都世田谷区用賀  スタッフ 医師10名(常勤5名)、看護師13名、薬剤師1名、 作業療法士1名、MSW1名、ケアマネージャ1名 <在宅医療診療実績>  患者数 400名(個人宅300名、施設100名)  看取り数 105名/年 ※厚生局届出実績(H25,6~26.5実績)
  • 35.
    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. クリニックの自慢 その土台となる風土と環境 それを支える事務長の仕事 在宅医療開始から7年間の推移 1 2 2 2.8 3.5 4.5 5.2名 1 2 3 4 5 7 10名 2 3 4 6 9 10名 61名 65名 115名 196名 288名 350名 0名 50名 100名 150名 200名 250名 300名 350名 0 5 10 15 20 25 30 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 スタッフ数 看護師数 医師数 在宅患者数 ※人数は在宅医療部の常勤換算人数
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. クリニックの自慢 その土台となる風土と環境 それを支える事務長の仕事 15件 28件 63件 64件 90件 105件 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 病院死亡 自宅・施設死亡 88%91% 85% 92% 82% 83% 在宅看取りの実績
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. がん 39% 認知症 18% 心疾患 11% 脳血管疾 患 8% 呼吸器疾 患 7% その他 17% 紹介患者の疾患別の割合 死亡(自宅 看取り) 87% 死亡(有床 診) 4% 死亡(病 院) 9% 自宅看取り率 (資料)桜新町アーバンクリニック在宅患者数(H24.10~25.9実績) 自宅看取り率 91% がん39% 療養期間1.5ヶ月 非がん61% 療養期間2年以上 桜新町アーバンクリニックの診療実績
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 在宅療養の限界点 39
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看護小規模多機能型居宅介護について (かんたき)
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看護小規模多機能を開設した動機  当院の在宅医療の利用者は、医療依存度の高い方が多い  ターミナルケア、人工呼吸器や医療処置の多い方、症状悪化時 の緊急利用は、ショートステイや介護施設で受けてもらえない  そのため、介護者の疲弊による希望しない入院・入所により、 ケアの継続性が損なわれ、ADLや認知症が悪化してしまう  在宅を継続するために、安心して泊まれる場所を作りたい 訪問看護 訪問介護 通所 ケアプラン 泊まり + これらの機能を一体的に提供できるサービスが必要
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看護小規模多機能居宅介護とは 42 通所介護(看護師が常駐)を中心に利用しながら、 必要に応じてショートステイや訪問介護・訪問看護を 受けることができる地域密着型サービス 訪問看護 訪問介護通所 ケアプラン 泊まり
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 在宅療養に必要なサービスをひとつに 43 訪問看護 訪問介護 通所 ケアプラン泊まり “べつべつ”の事業所 “ばらばら”のサービス ひとつの事業所で すべてのサービス
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 地域包括ケアシステム構築における看多機の位置づけ  早期退院の促進(在院日数短縮)  多職種チームケアによる病状の改善  病状変化に在宅で迅速対応・早期治療して入院回避  看多機のケアマネが「通い」「泊まり」「訪問看護・介護」を 一元管理するため、本人や家族へのきめ細やかで柔軟な 支援が可能となり、在宅療養が継続する  重症者でも住み慣れた地域での暮らしを継続できる  多様な看取りを実現 看多機は在宅の限界点を高めるサービス
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看多機の利用料  介護報酬の1割または2割  訪問介護療養費(医療保険利用の場合)  食費  宿泊に要する費用  オムツ代その他日常生活において必要となる費用 自己負担額(1割の場合) 要介護1 12,341円/月 要介護2 17,268円/月 要介護3 24,274円/月 要介護4 27,531円/月 要介護5 31,141円/月
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看多機で対応可能な医療的ケアの例  尿道カテーテル  胃瘻、経鼻胃管、経管栄養  気管切開チューブ、吸引  在宅酸素  NPPV(人工呼吸)  中心静脈栄養  点滴  排泄援助  リハビリテーション  摂食嚥下アセスメント  リンパマッサージ  褥瘡・創傷処置  薬剤管理  ターミナルケア
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看多機の利用ニーズ  退院からの在宅移行  老老介護でレスパイト目的の通いと泊まりが必要  病状変化により入退院を繰り返す  サービス拒否  がん末期の在宅生活
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 看多機のメリット  1か月の利用料が実費以外は定額  たくさんの事業所との契約が不要  連絡窓口も一本化され、分かりやすい  いつも同じなじみの職員で話しやすい  家族都合や本人の状態により、 臨機応変にサービスを組み替えられる  泊まりが取りやすい  急な病状の変化や医療的処置にも 24時間体制で緊急対応できる  介護の仕方や食事のことなどの指導を受けられる
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 「ナースケア・リビング」の由来 49 「リビング」 =Living room, Live-ing, Re-Being 居場所、私のいる場所、生き続ける 住み続ける、取り戻す、回復する 看護・介護の協働によるケアで、 住み慣れた自宅での生活を継続し その人らしさを維持していく 東急世田谷中町プロジェクト 約一万坪の敷地 • マンション(約250戸) • サ高住(約180戸) • 老人ホーム(約80室) • コミュニティカフェ • 認可保育所
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. ナースケア・リビングの特徴 (すごいところ!)  地域とのつながりが強い  認知症ケアに強い  ターミナルケアに強い  作業療法士が居る  実はこの仕事が好きでたまらない優しさと情熱の精鋭チーム  在宅医療の優秀なドクターたちがサポートする チームワークの強さ!
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    Sakura Shinmachi UrbanClinic Copyright © Platanus All Rights Reserved. 地域包括ケアシステムにおける看多機の未来  地域包括ケアの拠点として  日常生活圏域ごとに看多機事業所が増えると  病院と地域をつなぐ  医療が変わる  移動時間の短縮で、よりきめ細やかなサービスに  地域住民との協働や健康と福祉、生活のよろず相談所に  病院以外の場所での看取りが増える  介護施設への入居が減る  看護・介護の教育研修の場となる  小児、身障者を地域で支援