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自宅でずっと暮らしつづけるために
- 1.
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自宅でずっと暮らしつづけるために
在宅医療、訪問看護、そして看多機が出来ること
2017/04/21
医療法人社団プラタナス
桜新町アーバンクリニック
遠矢純一郎
- 2.
- 3.
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父の言葉から
家族に迷惑はかけたくない
俺はひとりで生きられる
むしろ毎日楽しくやっている
病気は怖くない
別に長生きしようとも思わない
畑仕事は楽しくて、今年はメロンと
スイカを100個作るつもり
なにか商売でもう一花咲かせたい
- 4.
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「老後はひとり暮らしが幸せ」(辻川覚志著)より
① 生活環境をできるだけ変化させない
② 友達を維持する、信頼のおける人を持つ
③ 毎日何かやることをつくる
④ できるだけ自分で何でもする
⑤ ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす
⑥ 緊急時の対応策を決めておく
⑦ 自分の希望を周囲に伝えておく
ひとり暮らしを長く楽しめる7か条
- 5.
- 6.
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老衰の構成因子
くすり
副作用/相互作用
病気
慢性呼吸・心不全
悪性腫瘍、関節炎
心理社会因子
孤独、悲嘆
経済難、虐待
身体
機能障害
日常生活動作
の障害
虚弱
栄養失調
身体機能の低下
脳・精神
機能低下
老年期うつ
認知症
老衰
- 7.
- 8.
- 9.
- 10.
- 11.
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要支援・要介護者発生率
40-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85- 歳
- 12.
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介護が必要となった原因
厚労省 国民生活基礎調査 平成25年
第14表 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合
脳血管疾患
認知症
高齢に
よる虚弱転倒
・骨折
関節疾患
- 13.
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死亡原因 (全国 平成27年)
がん
29%
心疾患
15%
肺炎
9%
脳血管疾患
9%
老衰
6%
不慮の事故
3%
腎不全
2%
自殺
2%
その他
25%
3人に1人はがんで亡くなっている
平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況;厚労省
- 14.
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死に至るプロセス、3つのパターン
・病気になってもずっと身体機能は保たれているが、
ある時期(数ヶ月前)から急速に容体が悪化する
・患者の意志をケアに反映しやすい
・ホスピス・ケアの適応
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い 時間の経過
がん
がんが進行すると、
急に全身状態が低
下していく。数ヶ月で
死に至ることが多い
- 15.
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死に至るプロセス、3つのパターン
・2-3年の経過で次第に鋸状に低下
・医療と介護の両面で管理が必要、急性期病院が最も関わるパターン
・本人、家族、ヘルパー等に病気を理解させる -悪化の兆候、予防の方法
>どの状態になったら入院を控え在宅ケアに任すか?
予後予測が難しい
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い
時間の経過
心肺肝の不全
急性増悪により、救
急搬送・入院となり
やすい。本人・家族
の不安も大きい。
- 16.
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死に至るプロセス、3つのパターン
・5年以上の経過で機能が徐々に低下
・終末期の開始時期を規定するのが困難
・本人の終末期ケアの意思確認が困難
・家族の判断、意思決定が必要となることが多い
・かかりつけ医が中心となり、在宅医による看取りの中心
出典:Lynn and Adamson “Living Well at the End of Life”
身体機能
高い
低い
時間の経過
脳卒中・認知症
要介護の状態が長
く、徐々に低下して
いく。施設利用され
ることも多い。
- 17.
- 18.
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老後の不安は、「健康上の問題(73.6%)」がトップ
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
老後の不安 (n=3,000)
- 19.
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高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」
高齢期に生活したい場所 (n=3,000)
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
自宅
高齢者のための住宅
(サ高住、老人ホーム)
特養、老健
わからない
グループホーム
- 20.
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高齢期に生活したい場所は、70%以上が「自宅」
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
希望する場所で暮らすために必要なこと (n=3,000)
介護保険のサービスが利用できること
医療機関が身近にあること
- 21.
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自身が望む介護の姿は、73.5%が「自宅で介護を受けたい」
「高齢社会に関する意識調査」 厚労省,2016
自身が望む介護の姿 (n=3,000)
- 22.
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医療・看護・介護のあり方が
大きな変革を求められている
この半世紀で人口の高齢化により、
慢性病を複数抱えながら生活する方が増えた
感染症や外傷など
急性期ケア中心
長期的・継続的
緩和的ケア中心
- 23.
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医療の目標の変化
治癒 QOL
人生の質
病気を治す
ことのみ
病気や虚弱さを
抱える生活を
ささえる
=>
- 24.
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医療の中心の変化
地域
ケア
病院
短期集中的に
治療を行なう場
医療と介護の連携
で生活を支援<
- 25.
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地域包括ケアシステムとは
どこに住んでいても
(家、集合住宅、施設)
本人・家族の選択が尊重され
そのひとにとって必要な医療・介護・
福祉サービスが受けられる
健康の維持・悪化予防のための支援
できるだけ住み慣れた地域で生活し続けることが出来る
包括的な支援・サービス提供体制の構築を地域毎に目指す
- 26.
- 27.
- 28.
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介護施設
ホームヘルパー
ケアマネージャー
在宅医
訪問看護師
訪問リハビリ
訪問薬剤師
在宅ケアを支える人たち
病院
- 29.
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在宅医
通院困難な方に自宅や施設での訪問診療を行なう
✓定期訪問診療
✓必要時臨時対応(電話、臨時往診;24時間365日)
在宅での緩和ケアや看取りも行なう
在宅医療とは、その人の価値観に敬意を払い、人生に寄り添い、
暮らしの中で「いのちを支え」、「生き方を支援」する医療活動である
- 30.
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訪問看護師
日常生活
ケア
身体・症状
チェック
医療処置
・リハビリ
家族ケア
在宅での医療と介護の双方をささえる
最も重要な存在
- 31.
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地域包括ケアシステムにおける「看護」の役割
看護はいのち、暮らし、尊厳を守りささえる
どのような健康状態でも
そのひとらしく暮らしていける社会
「医療」
の視点
「生活の質」
の視点
- 32.
- 33.
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医療法人社団プラタナス
33
住所 東京都世田谷区用賀2-41-18
開設 2004年
従業員数 217人(医師85人,看護師24人他)
用賀アーバンクリニック(世田谷区、外来)
桜新町アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)
松原アーバンクリニック(世田谷区、外来、在宅)
鎌倉アーバンクリニック(鎌倉市、外来、在宅)
青葉アーバンクリニック(青葉区、外来、在宅)
イーク丸の内(千代田区、女性健診)
イーク表参道(渋谷区、女性健診)
桜新町アーバンデイサービス(通所介護)
ナースケア・ステーション(訪問看護)
ナースケア・プランニング(居宅介護事業所)
<在宅医療診療実績>
在宅医 52名(常勤13名、非常勤39名)
機能強化型在支診(有床)
患者数 1800名
看取り数 327名/年
- 34.
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桜新町アーバンクリニック 在宅医療部
住所 東京都世田谷区用賀
スタッフ 医師10名(常勤5名)、看護師13名、薬剤師1名、
作業療法士1名、MSW1名、ケアマネージャ1名
<在宅医療診療実績>
患者数 400名(個人宅300名、施設100名)
看取り数 105名/年
※厚生局届出実績(H25,6~26.5実績)
- 35.
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クリニックの自慢
その土台となる風土と環境
それを支える事務長の仕事
在宅医療開始から7年間の推移
1 2 2 2.8 3.5 4.5 5.2名
1
2 3
4
5
7
10名
2
3
4
6
9
10名
61名
65名
115名
196名
288名
350名
0名
50名
100名
150名
200名
250名
300名
350名
0
5
10
15
20
25
30
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
スタッフ数
看護師数
医師数
在宅患者数
※人数は在宅医療部の常勤換算人数
- 36.
- 37.
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クリニックの自慢
その土台となる風土と環境
それを支える事務長の仕事
15件
28件
63件 64件
90件
105件
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
病院死亡
自宅・施設死亡
88%91%
85%
92%
82%
83%
在宅看取りの実績
- 38.
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がん
39%
認知症
18%
心疾患
11%
脳血管疾
患
8%
呼吸器疾
患
7%
その他
17%
紹介患者の疾患別の割合
死亡(自宅
看取り)
87%
死亡(有床
診)
4%
死亡(病
院)
9%
自宅看取り率
(資料)桜新町アーバンクリニック在宅患者数(H24.10~25.9実績)
自宅看取り率
91%
がん39%
療養期間1.5ヶ月
非がん61%
療養期間2年以上
桜新町アーバンクリニックの診療実績
- 39.
- 40.
- 41.
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看護小規模多機能を開設した動機
当院の在宅医療の利用者は、医療依存度の高い方が多い
ターミナルケア、人工呼吸器や医療処置の多い方、症状悪化時
の緊急利用は、ショートステイや介護施設で受けてもらえない
そのため、介護者の疲弊による希望しない入院・入所により、
ケアの継続性が損なわれ、ADLや認知症が悪化してしまう
在宅を継続するために、安心して泊まれる場所を作りたい
訪問看護
訪問介護
通所
ケアプラン
泊まり
+
これらの機能を一体的に提供できるサービスが必要
- 42.
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看護小規模多機能居宅介護とは
42
通所介護(看護師が常駐)を中心に利用しながら、
必要に応じてショートステイや訪問介護・訪問看護を
受けることができる地域密着型サービス
訪問看護
訪問介護通所
ケアプラン
泊まり
- 43.
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在宅療養に必要なサービスをひとつに
43
訪問看護 訪問介護 通所 ケアプラン泊まり
“べつべつ”の事業所
“ばらばら”のサービス
ひとつの事業所で
すべてのサービス
- 44.
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地域包括ケアシステム構築における看多機の位置づけ
早期退院の促進(在院日数短縮)
多職種チームケアによる病状の改善
病状変化に在宅で迅速対応・早期治療して入院回避
看多機のケアマネが「通い」「泊まり」「訪問看護・介護」を
一元管理するため、本人や家族へのきめ細やかで柔軟な
支援が可能となり、在宅療養が継続する
重症者でも住み慣れた地域での暮らしを継続できる
多様な看取りを実現
看多機は在宅の限界点を高めるサービス
- 45.
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看多機の利用料
介護報酬の1割または2割
訪問介護療養費(医療保険利用の場合)
食費
宿泊に要する費用
オムツ代その他日常生活において必要となる費用
自己負担額(1割の場合)
要介護1 12,341円/月
要介護2 17,268円/月
要介護3 24,274円/月
要介護4 27,531円/月
要介護5 31,141円/月
- 46.
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看多機で対応可能な医療的ケアの例
尿道カテーテル
胃瘻、経鼻胃管、経管栄養
気管切開チューブ、吸引
在宅酸素
NPPV(人工呼吸)
中心静脈栄養
点滴
排泄援助
リハビリテーション
摂食嚥下アセスメント
リンパマッサージ
褥瘡・創傷処置
薬剤管理
ターミナルケア
- 47.
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看多機の利用ニーズ
退院からの在宅移行
老老介護でレスパイト目的の通いと泊まりが必要
病状変化により入退院を繰り返す
サービス拒否
がん末期の在宅生活
- 48.
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看多機のメリット
1か月の利用料が実費以外は定額
たくさんの事業所との契約が不要
連絡窓口も一本化され、分かりやすい
いつも同じなじみの職員で話しやすい
家族都合や本人の状態により、
臨機応変にサービスを組み替えられる
泊まりが取りやすい
急な病状の変化や医療的処置にも
24時間体制で緊急対応できる
介護の仕方や食事のことなどの指導を受けられる
- 49.
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「ナースケア・リビング」の由来
49
「リビング」
=Living room, Live-ing, Re-Being
居場所、私のいる場所、生き続ける
住み続ける、取り戻す、回復する
看護・介護の協働によるケアで、
住み慣れた自宅での生活を継続し
その人らしさを維持していく
東急世田谷中町プロジェクト
約一万坪の敷地
• マンション(約250戸)
• サ高住(約180戸)
• 老人ホーム(約80室)
• コミュニティカフェ
• 認可保育所
- 50.
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ナースケア・リビングの特徴 (すごいところ!)
地域とのつながりが強い
認知症ケアに強い
ターミナルケアに強い
作業療法士が居る
実はこの仕事が好きでたまらない優しさと情熱の精鋭チーム
在宅医療の優秀なドクターたちがサポートする
チームワークの強さ!
- 51.
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地域包括ケアシステムにおける看多機の未来
地域包括ケアの拠点として
日常生活圏域ごとに看多機事業所が増えると
病院と地域をつなぐ
医療が変わる
移動時間の短縮で、よりきめ細やかなサービスに
地域住民との協働や健康と福祉、生活のよろず相談所に
病院以外の場所での看取りが増える
介護施設への入居が減る
看護・介護の教育研修の場となる
小児、身障者を地域で支援