京都に求められる
自然史博物館を考える
佐久間大輔
大阪市立自然史博物館
京都に自然史博物館が
望まれる理由
 京都の自然を理解するための
ディスカッションテーブルとして
 人材育成の場として(子どもだけでな
く大人も)
 先人の資産を受け継ぐ場所として
自然史博物館ってどんなとこ?
大阪市立自然史博物館を例に
 資料収集保管
 調査研究
 教育・普及
 展示
 大阪の「自然の情報拠点」
として自然史博物館の機能
を 発 展 さ せ て い き ま す 。
 社会教育施設として、人々
の知的好奇心を刺激し、見
つめる学習の援助を行いま
す。
 地域との連携を促進してよ
り広範な市民との交流に努
めます。
大阪市立自然史博物館のミッション
市民を自然へいざなう
 自然を語るための博
物館の展示は、展示
室内で完結しません
。
 大阪各地の自然環境
へと市民を誘い、ま
たアマチュア研究者
の楽しく、奥深い道
へと誘います。
菌類に最初に触れる場所にも
なるかも知れない
友の会会員≠ボランティア
自ら学び、巣立つ
 様々なイベントの中
から参加したいもの
を選択
 研修を積んでスキル
アップ
 アマチュア研究者に
なって、今度は自分
で企画も!
友の会は自然に興味のある人を
自律的に学ぶ物へ養成する組織
子どもの居場所事業
ワークショップ
 学芸員の話をファッ
シリテーター
( NPO の有給スタ
ッフ)が子供向けに
展開。
 プログラムによって
は学芸員+有給スタ
ッフ+ボランティア
により展開
ジュニア自然史クラブ
 親子では参加しない、中高生をターゲットに
した活動。もはや学校には文化部的活動は稀
少
 同世代のつながりが一番重要
大阪自然史フェスティバル:
自然を見つめる活動の楽しさを表現する
 毎回 2 日で 1.5 〜 2 万人程度
が来場
 基本的にはスポンサーから
の賛助金で実施
 2015 はテーマを鳥にした
『大阪バードフェスティバ
ル」として実施予定
 博物館の来館者・市民に自
然をめぐる活動の楽しさを
伝える
 受け手なだけではなく,知
識を求め交流する喜び,そ
れを表現する喜びを伝える
(学習の新たなステップ)
アマチュアの活性化
サークル活動の成果を還元
 博物館を拠点に活動するアマチュア・サークルの成果発
表の場として大人にもアクティブ・ラーニング
 友の会会員のサークル活動への巻き込みの機会として
 社会に貢献するアマチュア活動
収蔵庫
 100 万点以上の標本
 「倉庫」ではない
植物標本庫
(ハーバリウ
ム)
収蔵庫の中でもっとも
利用者が多い大阪市立自然史博物館の標本を基礎に作られた
植物関連の生物多様性情報
・大阪府植物誌
・奈良県植物誌(作成中)
・近畿地方の苔類(児玉コレクション)
・和歌山県産シダ植物標本目録(真砂コレクション)
・近畿地方の保護上重要な植物
・大阪府レッドリスト
・奈良県レッドリスト
・三重県レッドリスト
・堺市レッドリスト、上野市レッドリスト・・
菌類標本(右側列は蘚類)
情報の価値
目撃の記憶(プロアマ問わず)<目撃の
記録(媒体にもよる)<間接的証拠
(民俗・道具など)<映像記録
<<物的証拠
<<きちんと科学的に記録・処理された
      標本 
(再検証の可能性を保証・内在する情報) 
建物よりも機能と Spirit
大阪も最初はボロかった。
 1950 年に天王寺の美術館
の廊下で展示活動を開始
その後1958年から
1974 年まで、靱公園の小
学校跡で自然科学博物館
として活動
 1974 年に自然史博物館と
して長居植物園とともに
開館。65年の蓄積・友
の会も60年で現在に至
る
 琵琶湖博物館も準備室時
地方自然史博物館は
「地域の自然の情報拠点」だ
 過去の学術成果の集積地として
 情報収集の担い手であるプロ・アマの
結節点として
 教育・広報拠点、人材育成拠点として
 新たな情報を生み出すモノの集積地と
して
(証拠ベースの多様性研究)
京都には自然研究の伝統がある
生物多様性科学・政策の基礎
社
会
へ
の
広
が
り
過去から未来への時間軸
京都の生物多様性は伝統文化
と長い時間軸を持って語りた
い
植物園+総合資料館+府立大学で
21世紀版の『山本読書室』を!
自然を愛で楽しみに来るロケーションとしての
植物園は生物多様性を考えるために最適
生物多様性は文化の背景。京都の文化資料、特
に山本茫洋資料を持つ資料館、小野蘭山資料を
持つ植物園で京都ならではの生物多様性発信を
情報と指導者を開放し人材育成を。
政策提言に繋げるために府立大との連携は重要
。

京都自然史構想