プロセスマイニングとソースコード解析を用いたマイクロサービス分割 （ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2021 発表資料） 2021年9月6日（月）‐2021年9月8日（水） NTTデータ 技術革新統括本部システム技術本部デジタル技術部　インテグレーション技術 横井 一輝

1. プロセスマイニングとソースコード解析を用いたマイクロサービス分割
SES2021 ポスター発表
株式会社NTTデータ
横井 一輝

2. 2
研究背景：モノリスからマイクロサービスへの移行
モノリスを疎結合にして保守性向上を目的とし、マイクロサービスへの移行が行われる
マイクロサービス移行の際は、分割境界の特定からはじめる
モノリス
DB
DB
API-Gateway
DB DB
マイクロサー
ビス
マイクロサー
ビス
マイクロサー
ビス
マイクロサー
ビス
単一の大きなシステムが
全ての業務を実行
複数の小さなサービスが
連携して業務を実行
分割境界の特定

3. 3
研究動機：マイクロサービス分割の難しさ
マイクロサービス分割では、ビジネスとシステムの両方の理解が必要
専門家の経験則に頼ることが多く、ツールによる支援が求められている
46
4
1
5
分割境界の決め方[1]
エキスパートの経験
ドメイン駆動設計
データフロー解析
その他
[1] XIANG, Qilin, et al. “No Free Lunch: Microservice
Practices Reconsidered in Industry”. (preprint)
DB
複雑な
システム
依存関係
不確かな
ビジネス
プロセス
専門家の経験則に頼ることが多く、
ツールによる支援も求められている
人手による分割境界の特定は
ビジネスとシステムの両方の
理解が必要なため困難

4. 4
提案手法の概要
プロセスマイニングとソースコード解析を用いることにより、
ビジネスとシステムの両方を考慮に入れて分割境界を特定
DB
マイクロ
サービス
分割境界
プロセスマイニング
ソースコード解析
実行ログ
ソースコード

5. 5
業務プロセスとプログラム依存関係のグラフ化
プロセスマイニングを用いることで業務プロセスをグラフ化する
ソースコード解析を用いることでメソッド呼び出し関係をグラフ化する
プログラム依存関係のグラフ化
ソースコード解析を用いてメソッド呼び出しをグラフ化
システム的なつながりをグラフで表現
業務プロセスのグラフ化
プロセスマイニングを用いて業務プロセスをグラフ化
ビジネス的なつながりをグラフで表現
開始時間 セッションID クラス メソッド
00:00 S1 A.Java A()
01:40 S1 A.Java B()
01:45 S1 B.Java B()
01.56 S1 B.Java C()
02:29 S2 B.Java C()
02:46 S2 A.Java B()
02:56 S2 A.Java C()
↑ 実行ログ
ログを吐く処理を
コードに埋め込む
グラフ化した
業務プロセス ↓
ソースコード解析を用いて
生成した Call グラフ →

6. 6
分割境界の特定と、今後の課題
今後の課題
 提案手法の評価
提案手法を定量的に評価し、
先行研究との比較を実施する
 グラフ化対象の拡張
業務プロセスとメソッドの呼び出し関係だけでな
く、トランザクション情報もグラフ表現に組み込む
 COBOLなどの他言語への拡張
本研究ではJavaアプリケーションを対象とした
が、COBOLなど他言語にも対象を拡張する
生成した2つのグラフに対して、協調的クラスタリングを行い分割境界を特定する
今後の課題として、提案手法の評価など3点を挙げている
分割境界の特定
2つのグラフに対して協調的クラスタリングを行い、
ビジネスとシステムを考慮した分割境界を特定
協調的クラスタリング：古典的な凝集型クラスタリングを拡張し、2
つのグラフをクラスタリングする手法[2]
[2] M. Daoud et al. “A multi-model based microservices
identification approach”.
協調的
クラスタリング