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#03
マーケティング戦略の策定と実行(1)
顧客価値(定義はp. 80参照)の創造においてマーケティン
グが果たす役割を2回に分けて考えます。1回目は、企業の
グが果たす役割を2回に分けて考えます 1回目は 企業の
戦略計画および事業部の戦略計画について検討します。
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一橋大学大学院商学研究科
松井 剛
#matsuimktg2010
マーケティング・マネジメント・プロセス
の全体像(講義の構成)
Part I Introduction
R STP MM I C
Marketing
Segmentation Mix Implemen-
Research Targeting Product, Price tation
Control
Positioning Place, and
Promotion
Part II R Part II STP Part IV MM
2
Part V Application 2
1
3. 価値連鎖(VALUE CHAIN)(P. 30)
5つの基本活動(Primary Activities)
1.
1 内向きのロジスティクス(Inbound logistics):原材料
の社内への導入
2. オペレーション:最終製品への変換
3. 外向きのロジスティクス(Outbound logistics):最終
製品の出荷
4. マーケティングと販売:
買い手が製品を買える手段を提供
買い手が買いたくなるようにし向ける活動(広告、プロモー
ション、流通チャネルの選択など)
5. サービス:据付、修理など
5
価値連鎖(P. 30)
4つの支援活動(Support Activities)
1.
1 企業のインフラストラクチャ :
企業のインフラストラクチャー:
本社経営、企画、財務、経理、法規対策、対政府関連業務、
品質管理など
他の3つの支援活動とは異なり、通常は価値連鎖全体を支援
し、個々の活動には関与しない
2. 人的資源の管理
3. 技術開発
製品の品質を上げる活動
生産工程を向上させる活動
4. 資材調達
6
3
4. コア・コンピタンス
(CORE COMPETENCE, 中核能力)(P. 31)
個別的なスキルや技術が組織的な学習の積み重ねを
通じて統合された技術や生産についての能力
3つの特徴
1. 顧客ベネフィットの知覚に大きく貢献し競争優位の源
になる
2. 応用範囲が広く、多様な市場に通用する
3. 競争相手が模倣しにくい
ケイパビリティ(Capability):もっと広い業務プ
ロセスにおける優秀さ
例:Dell
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ホリスティック・マーケティング志向(1)
(PP. 31‐32)
価値の探求:企業はどうすれば新しい価
値を見いだせるのか? 価値の探求
1.
1 認知空間 実在するニ ズと潜在的なニ
認知空間:実在するニーズと潜在的なニー
ズのこと
2. コンピタンス空間
幅:広い事業範囲か絞り込んだ事業範囲か 価値の創造
深さ:物理的なケイパビリティか知識をもとにし
たケイパビリティか
3. 資源空間
1. 水平的パートナーシップ:企業が関連性のある市
水平的パ トナ シップ:企業が関連性のある市
場機会を利用する能力を求めてパートナーを選ぶ 価値の提供
2. 垂直的パートナーシップ:価値創造に寄与する能
力を求めてパートナーを選ぶ
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4
5. ホリスティック・マーケティング志向(2)
価値の創造:企業はどうすればより有望
価値の探求
な新しい価値提供物を効率よく創造でき
るのか
マーケターは顧客の視点から新しい顧客ベ
ネフィットを見つけ出し、自社の事業領域
からコア・コンピタンスを活用し、協力ネ 価値の創造
ットワークから事業パートナーを選んでマ
ネジメントしなくてはならない
価値の提供
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ホリスティック・マーケティング志向(3)
価値の提供:企業は自社のケイパビリテ
ィとインフラストラクチャーをどのよう 価値の探求
に使えば、新しい価値提供物をより効率
よく提供できるのか
1. カスタマー・リレーションシップ・マネジ
メント:顧客が誰で、どのように行動し、 価値の創造
ニーズや欲求が何であるかを知る
2. 社内資源マネジメント:主要な業務プロセ
ス(注文処理、一般会計、給与計算管理、
生産)を、いくつものソフトウェア・モジ
生産)を いくつものソフトウェア・モジ
ュールにまとめた単一の集合体に統合する 価値の提供
3. 事業パートナーシップ・マネジメント:製
品の資材調達、加工、提供の取引パートナ
ーとの複雑な関係をさばく 10
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6. 企業レベル
■ 企業の戦略計画および
事業部の戦略計画 事業部 事業部
事業 事業 事業 事業
4つのレベル: 単位 単位 単位 単位
企業レベル
製 製 製 製 製 製 製 製
事業部レベル 品 品 品 品 品 品 品 品
事業単位レベル
製品レベル
4つの計画立案
1. 企業ミッションの明確化
2. 戦略的事業単位(SBU)の設定
3. 各SBUへの資源配分
4. 成長機会の評価
11
企業ミッションの明確化
ミッション・ステートメント
明確でよく考え抜かれたミッション ステ トメント
明確でよく考え抜かれたミッション・ステートメント
があれば、従業員は目的、方向性、機会について共通
の意識を持つことができる
これがなかなか難しい
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6
7. ★ 考えてみよう:どこの会社?
■ウェイ(企業理念)
消費者と顧客の立場にた
った“よきモノづくり”
を支える、■グループの
企業理念「■ウェイ」
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戦略的事業単位(SBU)の設定、各SBUへの資源配分
戦略的事業単位(SBU; Strategic
Business Unit)の3つの特徴 顧客
1.
1 企業の他の部分とは独立して計画
を立案できる単一事業または関連
事業の集合
2. 独自の競争相手を有する
3. 戦略計画と利益成果に責任を持つ
と同時に、利益に影響を与える要
因の多くをコントロールしている
マネージャーがいる 機能
事業の定義:3つの次元
誰に(どのような顧客に)
技術 出所:エーベル『事業
何を(どのような機能を) の定義―戦略計画策
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いかにして(どのような技術で) 定の出発点』千倉書房
, 1984.
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8. 富士ゼロックスとゼロックス本社の
事業の定義
顧客 顧客
PPC OA
中小 コピー
PPC
コンピュータ通信機
大手
機能 大手 機能
コピー
技術 技術
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富士ゼロックス ゼロックス本社
★ 考えてみよう
事業の定義の3つの次元を用いて、
顧客
なんらかのビジネスを説明してみ
う
よう
誰に(どのような顧客に)
何を(どのような機能を)
いかにして(どのような技術で)
機能
技術
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8
9. 成長機会の評価
新規事業の計画と古い事業の合理化ないし廃止
成長のための方法
1. 集中的成長:アンゾフの製品/市場拡大グリッド
2. 統合的成長
後方統合
前方統合
水平統合
3
3. 多角的成長:既存事業以外に有望な機会が存在する場合
角 長 業 在 場
に有効
同心円的多角化戦略
水平的多角化戦略
コングロマリット的多角化戦略
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古い事業の合理化ないし廃止:こちらの方が難しい
Ansoff, I., “Strategies for Diversification,”
Harvard Business Review, 35(5), 113-124
製品/市場拡大グリッド
既 新製品
存 市場浸透
市 開発
場
新
市場開拓 多角化
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既存 新
製品
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