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米国ETFを使った資産形成の勧め
―川田重信のありがとうアメリカ株式-
2019年1月11日(金)
エグゼトラスト株式会社
川田重信
1
川田重信 プロフィール
• 大手証券NYで米国株式部への配属が米国株式との出会い。その後香港・
シンガポールでアジア株式を担当、帰国後は外資系証券で米国株式の営業
責任者。
• 独立・起業後は投資助言や金融翻訳、さらにマーケットコメンテーターとして
米国株式と関わってきた。
• キャリアの多くは米国株式関連。結果として外資系証券に転職出来た。
待遇に恵まれ3人の娘が米国の大学に進学でき起業も可能になった。
独立後は、米国株式で自己資金を運用したことで人生や仕事で選択肢が
広がった。
• 米国株式との出会いは本当に幸運。このような魅力あふれる米国株式を
少しでも多くの人に理解、経験してもらいたい。
川田重信
https://www.kawataamekabu.com
www.exetrust.jp/
2
• 米国株式啓蒙家、個人投資家
• マーケットコメンテーター:TV出演日経CNBC、ストックボイス
• 『バロンズ拾い読み』編集人(米国の著名投資週刊誌Barron’sの日本語版)
第一部 米国株式の本質
Ⅰ いまだに米国株投資に懐疑的?
日本人(循環論、因果応報)vs.米国人(適者生存、創造的破壊)
Ⅱ 米国株式の真実
• S&P500指数の上昇する仕組み、国際分散投資は必要?
投資スタイルは有効?
Ⅲ 米国人型資産運用の勧め
• 提案:資産運用「断捨離」の勧め!
Ⅳ 米国は今後も強い、米国株市場“私”の攻略法
3
Ⅰいまだに米国株投資に懐疑的?
• 株式投資=「所詮売ったり買ったりでしょ?株なんて!」
→根深い不信感の塊
• ホームカントリーバイアス(日本株)に侵されている
→日本株でも儲からんのになんで米国株で儲かるのか?
• 米国経済への無理解(金融、軍事、情報通信で圧倒的)
→日本もすごいよ→覇権国家米国との差は決定的にデカい!(と思うけどなぁ)
つまり
• 米国株の魅力は日本人には永遠に理解できないのでは?(川田)
=循環論と因果応報に凝り固まり、適者生存と創造的破壊がイメージできない
だからいつまでも懐疑的?
• 疑問解消には米国株の長期投資がいいと思うけど(買ってもすぐ売るからッ!)
4
この人、
なにをブツブツ?
参考:ドル/円
日本銀行:ドル・円/月中平均
5
Dec-90 133.72
Dec-95 101.86
Dec-00 112.21
Dec-05 118.6
Dec-10 83.38
Dec-11 77.81
Dec-12 83.6
Dec-13 103.42
Dec-14 119.29
Dec-15 121.78
Dec-16 116.01
Dec-17 112.96
Dec-18 110.29
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
Ⅱ米国株式市場の真実(1)
S&P500 長期チャート (1950-2018)
6
出所: Yahoo! Finance
’18/12/31
2506pt
こりゃ、もっと下がるに
違いない!
1
10
100
1000
10000
1973-
1987
ITバブル
金融危機
CAGR 9.604%
出所:Yahoo! Finance
’18/12/31
2506 pt.
米国株式市場の真実(2)
S&P500 長期チャート 対数目盛 (1950-2018)
7
出所: S&P Dow Jones Indices S&P 500 EARNINGS AND ESTIMATE REPORT
8
’18/12/31現在
2018年(推)157ドル
2019年(予)172ドル
米国株式市場の上がる仕組み(1)
S&P500の一株利益(1960-2019予)
2002年~2018年の17年間で、年間平均23社、
4.6%の銘柄が入れ替え対象 出所: S&P Dow Jones Indices.
Data as of December 31, 2018
米国株式市場の上がる仕組み(2)
S&P500指数 の銘柄入替
そうなんだぁ、
これが
適者生存かぁ
9
市場の自然治癒とか
浄化作用ってことか!
S&Pの裁量に
よる除外
33%
倒産または
上場廃止,
4%
組織改編、
部門売却
その他
12%
M&A
52%
作成 エグゼトラスト株式会社
S&P500 構成企業の海外売上高比率
出所:S&P 500® 2017: Global Sales Year in Review Data as of July 2018. 10
世界中で稼ぎ
まくるってことね!
米国
56%
アフリカ 4%
アジア
8%
オーストラリア
0.1%
欧州
8%
北米(除く米国)
3%
南米 2%
その他
19%
その儲が
株主のものって
ことね!
情報技術
20.1%
ヘルスケア
15.5%
金融
13.3%コミュニケーション・
サービス10.1%
一般消費財・
サービス
9.9%
資本財・
サービス
9.2%
生活必需品
7.4%
エネルギー
5.3%
公益事業
3.3%
不動産
3.0%
素材
2.7%
S&P500
トップ銘柄と業種別構成比
http://www.spindices.com/indices/equity/sp-500
S&P500の業種別構成比(%)S&P500時価総額トップ10
(2018年12月31日時点) (2018年12月31日時点)
11
銘柄名 業種
マイクロソフト (MSFT) 情報技術
アップル (AAPL) 情報技術
アマゾン・ドット・コム(AMZN)
一般消費財・
サービス
バークシャー・ハサウェー (BRK-B) 金融
ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ) ヘルスケア
JPモルガン・チェース (JPM) 金融
フェイスブック
コミュニケーション・
サービス
アルファベット(GOOG)
コミュニケーション・
サービス
エクソンモービル (XOM) エネルギー
アルファベット(GOOGL)
コミュニケーション・
サービス
S&P500指数 パフォーマンス
(1970~2018)
作成 エグゼトラスト株式会社
12
ありえん!
マイナスの年 史上最高の年
過去49年 10回≒20% 30回≒60%
年
年間リターン 1970年
年
年間リターン 1970年
年
年間リターン 1970年
(配当込み) 年初の (配当込み) 年初の (配当込み) 年初の
% 1ドルの時価 % 1ドルの時価 % 1ドルの時価
1970 4.01 1.04 1990 −3.10 8.63 2010 15.06 49.61
1971 14.31 1.19 1991 30.47 11.26 2011 2.11 50.65
1972 18.98 1.41 1992 7.62 12.11 2012 16.00 58.76
1973 −14.66 1.21 1993 10.08 13.33 2013 32.39 77.79
1974 −26.47 0.89 1994 1.32 13.51 2014 13.68 88.43
1975 37.20 1.22 1995 37.58 18.59 2015 1.38 89.65
1976 23.84 1.51 1996 22.96 22.86 2016 11.96 100.38
1977 −7.18 1.40 1997 33.36 30.48 2017 21.83 122.30
1978 6.56 1.49 1998 28.58 39.19 2018 −4.38 113.70
1979 18.44 1.77 1999 21.04 47.44 年率最高 37.58 1995年
1980 32.50 2.34 2000 −9.10 43.12 年率最低 −37.00 2008年
1981 −4.92 2.23 2001 −11.89 37.99 年率複利 9.60
1982 21.55 2.71 2002 −22.10 29.60 中央値 18.44
1983 22.56 3.32 2003 28.68 38.09
1984 6.27 3.52 2004 10.88 42.23
1985 31.73 4.64 2005 4.91 44.30
1986 18.67 5.51 2006 15.79 51.30
1987 5.25 5.80 2007 5.49 54.12
1988 16.61 6.76 2008 −37.00 34.09
1989 31.69 8.90 2009 26.46 43.11
S&P500長期保有の実績
(1970~2018年の49年間)
出所:http://en.wikipedia.org/wiki/S%26P_500
作成 エグゼトラスト株式会社例)
1970年 2018年
13
保有年数 5 10 15 20 25
計測回数 45 40 35 30 25
マイナスの年 7 2 0 0 0
年率複利
最高(%) 28.56 19.21 18.93 17.88 17.25
最低(%) −2.35 −1.38 4.24 7.19 9.15
平均(%) 10.93 11.02 11.28 11.65 11.83
誕生年 年齢
S&P500
日経平均だと?
継続保有($) 何倍? $/Yen 円建で何倍?
1958年 60歳 312,308 312 360 98 34
1968年 50歳 110,373 110 360 35 13
1978年 40歳 75,373 75 210 41 3.7
1988年 30歳 18,099 18 128 16 0.7
1998年 20歳 3,788 4 131 3.3 1.6
2008年 10歳 2,730 3 103 3.0 2.5
14(配当再投資)
S&P500の変化率は配当再投資込、日経平均は指数の変化率
あの時の千ドルはいまいくら?
誕生日に千ドルをS&P500指数に投資したら
作成 エグゼトラスト株式会社
グローバル投資は必要?
米国株vs.新興vs.先進国vs.日本株
証券の人
言わんよねぇ、これ!
15
https://app2.msci.com/products/indexes/performance/regional_chart.html?asOf=Dec%2031,%202018&size=36&scope=R&style=C&currency=15&priceLevel=0&indexId=106#
米国株
先進国株
新興国株
日本株
※米国株=MSCI USA指数 新興国株=MSCI エマージング・マーケット指数 先進国株=MSCI ワールド指数
日本株=MSCI ジャパン指数 (全て米ドルベース)
※1989年末=100として指数化
※ 米国株=MSCI USA指数
米国株大型グロース=MSCI USA Large Cap Growth指数
米国株大型バリュー=MSCI USA Large Cap Value指数
(全て米ドルベース)
※1999年末=100として指数化
※ 期間は2008年12月末から2018年12月末
※ 米国株=MSCI USA指数
米国株大型グロース=MSCI USA Large Cap Growth指数
米国株大型バリュー=MSCI USA Large Cap Value指数
(全て米ドルベース)
※2008年末=100として指数化
個人投資家にスタイル投資は必要?
S&P500 vs.バリューvs.グロース(2000年~と2009年~)
器用に立ち回るの
難しいねッ!
米国株大型グロース
米国株大型バリュー
米国株
米国株大型グロース
米国株
米国株大型バリュー
16
17
出典:日本銀行調査統計局 2018年8月14日
S&P500 +個別銘柄少々 そんなに米国株
買って大丈夫?
株を全体の 54%
Ⅲ米国人型資産運用の勧め
川田式で、
投信、債券をカット!
なぜか「資産が増えない日本人」
消えゆく個人投資家 70歳以上保有 110兆円の行方は?
高いリスク選好度
日本の人口の4分の1が65歳以上。約1860兆円の家計金融
資産の過半がこの層に集中し、さらにその半分は75歳以上が
保有。
しかも彼らは株式や投資信託などのリスク資産が多い。投資
の鉄則は「若いうちはリスクを取れ」だが日本では逆。「リスク
資産の比率が最も高いのは70歳以上」。その額およそ110兆
円強―全体で約280兆円規模の家計のリスク資産の4割を70
歳以上が保有。
シニア層の資産を日米で比較すると差は歴然。日本の70歳以
上の世帯が保有する金融資産額は1994年から14年までの20
年間で横ばい。一方、米国の同年代は3倍に増加。
米国株高の追い風が大きいが、可能にしたのが「株など値下
がりリスクのある資産は長期保有してリターンを育てるという
『常識』」
2018/12/23付日経新聞 朝刊から抜粋
18
答えは簡単:ゼロ金利と
上がらない株式市場では
増えるはずがない
断捨離の
仕方が
分かんない!
提案:資産運用「断捨離」の勧め!
• 日本株?→買わんとダメですか?
• 国際分散投資?→証券会社にいわれた?
• バリューとグロース?→違いあんの?
• セクター配分?→そんなに器用だっけ?
• 個別銘柄?→納得した頃は天井では?
• 債券?→この低金利でどうするつもり?
• 相場研究?→真面目に仕事したほうが?
19
20
日米時価総額上位企業の変遷
銘柄 時価総額
①トヨタ自動車 22.1
②三菱FUJFG 16.0
③みずほFG 11.2
④三井住友FG 9.1
⑤NTTドコモ 8.8
⑥NTT 8.4
⑦セブン&アイH 6.8
⑧ホンダ 6.2
⑨キヤノン 6.1
⑩武田薬品工業 5.7
日本
2005年末
米国
銘柄 時価総額
①ジェネラル・エレクトリック 370
②エクソン・モービル 349
③マイクロソフト 278
④シティグループ 245
⑤P&G 198
⑥ウォルマート 194
⑦バンク・オブ・アメリカ 185
⑧ジョンソン&ジョンソン 178
⑨AIG 177
⑩ファイザー 171
(兆円)
(十億ドル)
(出所)Bloomberg、日本経済新聞、Yahoo!ファイナンス
銘柄 時価総額
①トヨタ自動車 20.9
②NTTドコモ 9.4
③NTT 8.7
④ソフトバンクG 8.0
④三菱UFJ 7.4
⑥キーエンス 6.8
⑦ソニー 6.8
⑧KDDI 6.6
⑨ソフトバンク 6.5
⑩ファーストリテイリング 6.0
銘柄 時価総額
①マイクロソフト 771
②アップル 741
③アマゾン・ドット・コム 723
④アルファベット(A+C) 683
⑤バークシャー・ハサウェイ(A+B) 497
⑥ジョンソン&ジョンソン 341
⑦JPモルガン・チェース 322
⑧フェイスブック 320
⑨エクソン・モービル 289
⑩ウォルマート 268
見た顔多いね、
オールジャパン
2005年末
2018年12月
2018年12月
投資の真実=業界の現実
個別銘柄では指数に勝てない?
S&P 500のリターンは多くの場合、
ミューチュアルファンドを上回った!!
出典:「SPIVA U.S. Scorecard Mid-Year 2018」
注: 2018年6月末が基準
http://us.spindices.com/resource-center/thought-leadership/spiva/
指数によってアウトパフォームされた
アクティブ運用のファンドの比率 (%)
カテゴリー 1年間 3年間 5年間
S&P 500 対 ラージ・キャップ・ファンド 63.46 78.64 76.49
21
悪いこと言わんから
ワシのいうこと
聞いとけッ!
バフェットもお勧めS&P500
• 「資産の10%を米国の短期国債に、
90%をS&P500指数に連動する
インデックス型の投資信託に振り向け
ておけば、高い手数料をとるファンドマネージャーより長期で
よい成績を上げられる。」バフェット氏は自らの死後、妻に残
す信託財産の運用方法についてこんな指示を出したと2014
年の「株主への手紙」で明かした。
出所:日経ヴェリタス2014年9月14日号
22
• 「過去240年『米国売り』は間違い。今も
その時期ではない」
ウォーレン・バフェット 2016年2月27日株主への手紙
• 「際限なき進歩を信じ、暴力的破壊と創造を
是とし、神の恩寵を信じてやまぬ人々」
エグゼトラスト 川田重信
Ⅳこれからも強いの、米国?
マジ?なんだか
怖い!
23
• 経済、軍事、ソフトパワーで圧倒的な国力
• エリート層が合理的思考で勤勉、禁欲的
• 国内外の英知結集を促す寛容性とインセンティブ
• 既存秩序の刷新に使命感=人類の“進歩”信じる
• ビジネスを“戦場”と心得え世界中から戦利品
• 他社との意思疎通に弛まぬ努力
• 自らが“普遍的”と信じる価値観の普及にことさら熱心
• →これらがまだまだ続くと私は信じている
「今後も米国企業は投資家を潤す!」
と言い切れる理由
日本も
すごいんちゃうの?
24
• 「果報は寝て待て!」で年率10%台を目標に!
• 『バロンズ拾い読み』を手元に
「楽観主義でシンプルに」
• いいとこどりの投資術-居心地最高の日本から
投資家優遇最高の米国に!
米国株式市場“私”の攻略法
やってみるかぁ、俺も!
25

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米国ETFを使った資産形成の勧め

Editor's Notes

  1. 出所は? →追記いたしました