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サルでも分かる「Ipo」
- 2. IPO(Initial Public Offering) と
は
• 自社の株式を証券取引所に新規上場させる
(自分の会社の株式を証券市場を通じて誰で
も自由に売買できるようにする)こと .
→ 会社が創業者の私的なものから、社会一
般の公けのものになる!
• ただし,株式の上場には厳しい基準が設けら
れ、証券取引所による厳格な審査が必要 .
- 3. 株式公開のメリット ( ゚∀゚ )
• 資金調達
• 知名度の向上
• 内部管理体制の充実
• 決算の迅速化・適正化
• 従業員持株会を通じた従業員の資産形成
• オーナーの創業者利益の確保
• ベンチャーキャピタルの出口確保
- 4. 株式公開のデメリット ヽ (`Д
´) ノ
• 上場維持費用・管理コストの負担
• ディスクローズ負担増
• 業績向上・企業価値向上へのプレッ
シャー
• オーナーの支配権の希薄化
• 買収されるリスクが増大
- 5. 新規公開時の引受審査項目 (2006.9)
公開適格性 企業経営の健全性と独立性
事業継続体制 コーポレート・ガバナンス
及び内部管理体制の状況
財政状態及び経営成績
業績の見通し
企業内容等の適正な開示 調達する資金の使途・売出しの目的
これらのチェックは監
査法人の仕事ニダ♪
- 6. 新規株式公開のコスト
新規公開日
IPO 企業 投資家 A 投資家 B
46 億円 50 億円 70 億円
(50 万円 = 公開価格 ) (70 万円 = 市場価格 )
証券会社
4 億円 =直接的コスト 20 億円 =間接的コスト
公開価格: 50 万円 70 万 -50 万 =20 万円の意味は?
発行株式数: 10000 株 • 投資家 A からすると, 20 万円の初期収益
→ 調達金額 =50 億円 (Gross) • IPO 企業からすると 20 万円の
引受手数料: 8 % アンダープライシング
- 8. 1.固定価格方式
1. アンダーライターが 2. 発行企業の取締役会で決議
類似会社比準方式によっ
て想定価格(公開価格)を 3. 日本証券業協会に届出が行
算出 われ,価格が公開される.
a b c
+ +
想定価格 = 類似会社平均価格 × A B C
3
A: 類似会社の 1 株あたり配当
金
a: 公開会社の 1 株あたり配当
金 価格の決定や株式の
B: 類似会社の 1 株あたり純利 配分プロセスが不透明 !!
益
b: 公開会社の 1 株あたり純利
益
C: 類似会社の 1 株あたり純資
- 9. 2.入札方式
1. 取締役会にて新株発行の決議(入札に関する価格情報は公開されな
い.)
2. 入札下限価格が,類似会社比準方式で算出した株価の 85% に決定され
る.
3. 入札実施.落札加重平均価格が決定 → 公開価格が決定
① ダッチ・オーク ② 複数価格決定方
ション 式
20 万円
19 万円
18 万円
17 万円
16 万円
購入価格 = 最低落札価格 購入価格は複数存在
- 12. 3.ブックビルディング方式
ブックビルディング方式の日米の違
比較項目い アメリカ 日本
想定発行価格の提示 なし(仮条件が最初 あり(目論見書に記
の開示) 載)
ロードショー 仮条件決定後 仮条件決定前
公開価格決定から新 短い(公開価格決定 長い(平均 10 日)
規公開までの期間 の翌日には公開)
公開株式の配分先 機関投資家メイン 個人投資家メイン
( 8:2 )
オーバーアロットメ 以前から導入 2002 年導入
ントオプション
- 13. ブックビルディング方式の普及
ブックビルディング方式は,入札方式に比べ
•アンダープライシングが大きい ( 70.8% vs
7.1% )
•アンダーライターの引受手数料が高い(らしい)
•公開後のボラティリティが大きい (後述)
にもかかわらずブックビルディング方式が主流なのは,
アンダーライターによる公開後の価格サポートや
アナリストのカバレッジの重要性が高まっているためか !?
- 14. ここまでのまとめ
• 株式上場によって,『資金調達』,『知名度の向上』などのメ
リットとともに,他企業に買収されるリスクが生じる.
• 新規公開にかかるコストには,引受手数料のような直接的なコス
トの他に,アンダープライシングによって生じる間接的コストが
存在する.
• 公開価格の決定方式には『固定価格方式』,『入札方式』,
『ブックビルディング方式』があるが,今日の IPO のほとんどは
『ブックビルディング方式』である.
• ブックビルディングは,企業価値の評価によって想定発行価格を
決定した後,ロードショーなどを通じて上限,下限価格が決定さ
れるが,この工程はアンダーライターの能力に大きく依存する.
- 17. 10%
29.7
27%
%
VC が株式を
20% 以上保有
している企業
の割合
- 18. 入札方式の採用期は 3% 強の
低水準に固定されていたが,
BB 方式ではアンダーライターが
自由に設定できるようになった.
発行企業のリスク
高
引受手数料も上が
る傾向が強い.
- 24. JQ の場合
Volatility
入札方式 ブックビルディング方 公開企業数
式
入札方式:
Ave. STDEV Ave. STDEV 222~308
20 日取引 0.033 0.013 0.057 0.027 BB 方式 : 368~432
60 日取引 0.029 0.009 0.051 0.02
120 日取引 0.028 0.007 0.052 0.019
ボラティリティは全て『入札<BB』
Volatility Relative
入札方式 ブックビルディング方
式
Ave. STDEV Ave. STDEV
20 日取引 50.8 61.9 52.3 108.4
60 日取引 24.9 22.3 26.6 31.3
120 日取引 19.7 14.3 27.6 31.8
- 26. 企業および発行の特徴とボラティリティの相関
関係
入札方式 ブッ クビルディング方式
VR 60日取引 120日取引 60日取引 120日取引
企業年齢 - 0.137 - 0.11 - 0.137 - 0.117
発行規模 0.1 0.058 - 0.085 - 0.117
時価総額 0.083 0.03 - 0.104 - 0.134
企業年齢の若い企業は
不確実性が高い! 入札方式では発行規模が大きい
IPO の VR が大きい一方,ブックビ
ルディング方式では発行規模が大
きい IPO の VR が小さい.
- 27. ボラティリティ =
『新規公開から t 取引日までの企業 i の日次収益
率 rit 』の標準偏差
n
∑ (rit − r ) 2
σ ( Rit ) = i =1
n −1
IPO 銘柄と市場全体の関連性を見る
→ 相対ボラティリティ( Volatility
Relative;VR )
σ 2 ( Rit )
VR = 2
σ ( Rmt )
- 28. 後半のまとめ
• 新規公開企業は, JQ では【資本金規模は小さいが事業実績の
長い企業】が多く,マザーズでは【小規模でまだ十分な実績を
挙げていない企業】が多い.ヘラクレスはその中間.
• マザーズ・ヘラクレスの新規公開企業では JQ と比べて高い引
受手数料が設定されている.
• 新興市場における新規公開企業のボラティリティは,ヘラクレ
ス・マザーズ・ JQ の順に高く,またブックビルディング方式
の方が入札方式より高い.
• 企業年齢の若い企業は不確実性が高いため,公開後のボラティ
リティも高くなる.
Editor's Notes
- 公募( IPO) により株主資本が拡充し、事業規模の拡大のための資金に充当できる。また、新事業への進出も容易となる。また、ふたたび公募( PO) するときも、容易に資金調達ができる また、ふたたび公募( PO) するときも、容易に資金調達ができる 規程の整備・運用を通じて、不正・誤謬を防ぎ、リスクを意識した体制が実現 従業員の自社株式取得にあたり会社が拠出金の給与からの控除、奨励金の支給などの種々の便宜を与えることにより、 従業員の自社株取得を容易にし、財産形成を助成する制度
- 調達可能な資金が獲得できなかったことを
- リクルート・コスモス(現 コスモスイニシア )社未公開株が、 中曽根康弘 、 竹下登 、 宮澤喜一 、 安倍晋太郎 など大物 政治家 に、店頭公開前に譲渡していたことが相次いで発覚する。
- 市場が設定している公開基準(株主数)を増やすために流動性を高める必要がある. 多数の個人投資家に配分されるため,アンダーライターはある程度の期間的余裕を見ておく必要がある.
- 市場が設定している公開基準(株主数)を増やすために流動性を高める必要がある. 多数の個人投資家に配分されるため,アンダーライターはある程度の期間的余裕を見ておく必要がある.