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公益社団法人日本滑空協会 滑空スポーツ講習会
スピン事故防止と
滑空機の Threat & Error Management
2019 年 2 月 17 日(日) 福岡
公益社団法人日本グライダークラブ 櫻井玲子 
2
異常姿勢講習会の変遷
第 1 世代:
フルスピンに陥った場合の回復操作を習得する 。
第 2 世代:
スピンの兆候を早期に察知して、フルスピンに陥る前に回復する。
第 3 世代:
起こりうる事態を予測し回避するための知識と状況認識能力を身に着け、危
険に近づかない。
第 4 世代:
パイロットの技能向上には限界がある。機材の向上と組織的な取り組みが必
要。
Threat & Error Management (TEM) を実施する。
第 5 世代:
根拠を持った飛行を行えるよう、初期教育で考えることの重要性を教える。
なぜその速度と操作か?なぜその判断か?危険はどこに潜んでいるのか?
2019/2/17
<内容>
1. グライダーの危険
2. 失速とスピンのメカニズム
3. 旋回の根拠
4. ヒューマン・ファクターと TEM
(Threat & Error Management)
2019/2/17 3
4
1. グライダーの危険
2019/2/17 4
グライダー死亡事故原因
5
31 件
2019/2/17
 スピン重大事故発生フェーズ
6
26 件
2019/2/17
スピン重大事故 操縦士資格
7
26 件
2019/2/17
日本の失速・スピン重大事故の機種
<複座>   (   ) 内機数 ASK13
(2)
プハッチ (2) H-36 ディモナ (1)
三田 3 改 1 (2) デュオ・ディスカス
(1)
FOX (1) L23 スーパーブラニック
(1)
IS29 (1) H-23C (1)
SF25C (1) ジマンゴ (1)
<単座>   (   ) 内機数
ASW24 (2) ディスカス bT
(2)
ピラタス B4 (2) ベンタス 2a (1)
クラブリベレ (1) LS-4
(1)
Ka6CR (1) Ka6E (1) 82019/2/17 8
9
2. 失速とスピンのメカニズム
2019/2/17 9
10
揚力/抗力係数と迎え角
失速飛行
迎え角の増加
↓
抗力の増加
揚力の減少
定常飛行
迎え角の増加
↓
揚力の増加
抗力の増加
2 次元翼の失速に関する要素は、迎え角と揚力・抗力係数
のみ
揚力・抗力係数
 
機体に固有の値
2019/2/17
11
失速の兆候
1G 失速の兆候
・ノーズ位置が通常より高い
・速度が遅いまたは減少している
・気流の音の変化
・速度計の針が振れる
・バフェット
・エレベーター、エルロン、ラダーのレスポンスが悪い
・高い降下率
その他失速の兆候
・通常と異なる操縦装置の位置
・エレベーターを引いても機首があがらない
・荷重倍数が増加している
2019/2/17
BGA Flight Instructor Manual
グライダーでアクシデンタル・スピンに陥りやす
い状況
• 第 3 ・ 4 旋回中での速度不足
及びクロスコントロール・ス
ピン
• サーマル旋回時の注意不足
• 低空索切れにおける低空旋回
• ガスト、ウィンドグラジェン
トの影響
• 動力機の低空でのエンジン使
用の試み
• アウトランディング判断の遅
れ
• 疲労による注意力散漫
スピンに近づいている認識がなければ、スピン回避はでき
ない。
スピンに近づいていることは、何でわかるのか?
13
スピンの特徴
翼が失速し、左右の翼の揚力と抗力が不均等であっ
た場合、失速迎角を維持しながら自転を継続してい
る状態
スピン軸(自転軸)
2019/2/17
FAA Glider Flying Handbook
自転
スピンが持つ運動を持続する作用
失速時、機体の横安定性が失われるので、傾きを戻
す力が弱まり、アドバースヨーを上まわる抗力が発
生するので、自転が持続する。
リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典
スピンの兆候・・・「意図しない自転」
→失速するまで 旋回
→失速後     自転
旋回と自転の違いを認識できること。
1G 失速の兆候はないことが多い
14
クロスコントロール・ストール
FAA Glider Flying Handbook
エルロン:
左
ラダー:右
左ラダーを踏むと、右翼が左
翼より速く進むため、揚力が
増え、左にバンクし、ノーズ
は下がる。
もとのピッチ姿勢に戻すため
に、エレベーターを引くと、
クロスコントロール・ストー
ルに陥る。
第 4 旋回で低くなり、オーバーシュートした時の修正に、バンク
を深めるのではなく、ラダーを多めに使用して軸線を合わそうと
した場合に、クロスコントロール・ストールに陥ることがある。
2019/2/17
300m 以下のスピン
スピンに入ったところでゲームオー
バー。
スピンに入らないようにすることを考
えないといけない。
15
Boldmethod
下を向きながら回転しているので、回復するとノーズダイブの状態
回復時の速度
エレベーターやや戻す: 150km/h
エレベーター中立: 180km/h
エレベーター押す: 200km/h
増速~フレアー:失高  50-100m
150km/h からの引き起こし:約 50ft 上昇 ( プハッチの場合)
不時着適地は?風向は?
高速からフレアーかけられるか?
恐怖を感じながら、冷静に操作できるの
か?
2019/2/17
臨界迎角前後のヨーイングの影響
横安定による復元モーメント発生
(上反角効果)
臨界迎え角を超えると不安定になる。
機体はさらに左ロールする。
ロールから発生したアドバースヨーも
上回る左ヨーを発生する。
左ラダーを踏んだ場合
左翼の迎え角小、右翼は大左翼の迎え角大、右翼は小
 通常飛行
失速飛行
左
翼
右翼
左
翼
右
翼Cd 抗力
係数
Cl 揚力
係数
Cd 抗力
係数
Cl 揚力
係数
臨界迎角 臨界迎角
リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典
17
3 舵のコントロールする軸
縦軸 横軸 垂直軸
ROLL PITCH YAW
エレベーター
ピッチ軸
エルロン
ロール軸
ヨー軸
ピッチ軸
ラダー
ヨー軸
ロール軸
ピッチ軸
1 つの操縦系統を動かすと複数の軸の動きがあ
る。
2019/2/17
エレベーターを引いても機首が上がらなかったら、
それ以上エレベーターを引いてはいけない!
17
18
スリップ旋回
スリップ旋回は、バンク角に比べてラ
ダーが足りないため、ノーズが旋回外
側に向く(旋回率に比べてバンクがつ
きすぎ)。
揚力の水平成分(向心力)が遠心力よ
り大きい場合、旋回の内側へ滑る。
2019/2/17
旋回中
ラダー足りない
遠心力向心力
右エルロン DOWN→ 揚力大
左エルロン UP→ 揚力小
パイロットは旋回
内側への力を感じ
旋回方向と自転方向が異なるので、
スピンに入るに時間がかかる。ラダ
ーを踏んだ方向に入る。
19
スキッド旋回
2019/2/17
遠心力向心力
旋回中
ラダー使いすぎ
スキッド旋回は、バンク角に比べてラ
ダーが多すぎるため、ノーズが旋回内
側に向く(旋回率に比べてバンクが少
なすぎ)。
揚力の水平成分(向心力)が遠心力よ
り小さい場合、旋回の外側へ滑る。
パイロットは旋回
外側への力を感じ
る。
旋回方向と自転方向が同一なので、
スピンに入りやすい
20
スキッド中の翼幅と翼弦方向の流れ
2019/2/17
スキッド中は、つり合い旋回の外側にドリフトするため、相対風が
機首に平行にならず角度をもつ。それにより、前縁に垂直な翼幅方
向の流れが発生し、翼端に向かって流れる。
翼端側はこの流れが顕著になる。この方向の気流は揚力を発生させ
ないので、翼の上面を流れる気流の効果が減少する。このため、翼
は通常より早く失速する(この方向の流れが顕著な方の翼が先に失
速する)。
21
スキッド中の遮蔽効果
スキッド中は胴体が翼面の気流
をブロックして、内側翼の気流
が減少するため、揚力が減少し
、内側翼が先に失速しやすくな
る。2019/2/17
翼型の変化
気流が翼の正面から当たらない
ので、翼型が変わり、 Cl/Cd 曲
線も設計時の性能とは異なる。
失速付近のエルロン使用の影響
デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典
失速付近で翼が傾いて下がるのを止めようとしてエルロン
を大きく使うと実際には翼端が失速してもっと左へ傾く。
失速付近で左翼が傾いて下
がるのを止めようとして右
エルロンを使用
失速付近で左翼が傾いて
下がる
傾きを止めるために
右エルロンを使用
キャンバーが増えることによ
り、失速を起こし、さらに左
に傾く
23
重心位置とスピン
BGA Instructor’s Manual / FAA Glider Flying Handbook
2019/2/17
前方重心
スピン初動後、ス
パイラルダイブに
なる。
後方重心
フルスピンになる。
重心が後方限界を
超えている
フラットスピン
24
失速・スピンからの回復時の注意
1. 引いている操縦桿を戻す
量どれくらい戻せばよいのか?
2. 旋回を伴う高速ダイブからの回復時の速度、制限荷重超過
3. スパイラルダイブへの転移
スピンとの違いは? 見分け方は? 回復方法の違いは?
4. 2 次スピンへの転移
   回復操作時に使ったトップラダーを中立に戻さなかった場合、急
激にエレ
   ベーターを引いた時に再度失速し、反対側にスピンに入るこ
とがある。
2019/2/17
スピン中に尾翼への気流が遮蔽される部分
リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典
CG 位置からできるだけ後方に離れた大きなラダーは近くの小さなラダーにくらべて
良好な回復特性。前方 CG もより長いモーメントで回復操作が容易。
通常姿勢のスピン中、T尾翼は水平尾翼とエレベーターが作り出す遮蔽部分が最も小
さい。
急角度のスピン
フラットなスピン
スピン中の相対風
回復にトップラダーを使用する理由
迎角の減少
SSA Soaring Magazine より出典
ラダーを使用して自転によるスピン軸のベクトルであるヨーを減らすと、慣
性力によるピッチアップ力が減少する。この動きにより機首は下向きとなり
迎え角は減少するため、エレベーターに気流があたりやすくなる。
回復操作は、トップラダー使用後、スティックフォワード
迎角
速い旋転 遅い旋転
トップラダー
速い回転
↓
遠心力大
↓
ピッチアップ
遅い回転
↓
遠心力小
↓
ピッチダウン
遠心力
スピン中の糸の動き
• 初期スピンでノーズが落ちていくとき、糸は中立または内すべり
を示すことがある。
・ スピンエントリー時の糸の動きは?糸は精密計器か?
272019/2/17
• 糸の役割は、機体に当たる気流の方向を示すもの。
• 滑りの度合いを正しく示さないことがある。
27
28
ヨーストリングの位置
正しい旋回は、ヨーストリングが内すべりしているように見える。
特に複座の前席は、重心から離れているので、この傾向が強い。
ヨーストリングをまっすぐにする動作は、スキッドを誘発するので、スピン
の危険が高まる。山肌に近いサーマリングをしている時は、上向き突風があ
ると危険なので、ヨーストリングが内滑りのような見え方をキープする。
2019/2/17
29
スピンとスパイラル
BGA Flight Instructor Manual
スピンの特徴
スピン軸を中心に自転
ノーズダウン
旋回率大きい
低速
通常の G
非常に大きな降下率
スパイラルダイブの特徴
旋回(円弧)
バンクは増大(結果的に安定
)
旋回率はスピンより小さい
すべてのコントロールは効く
高い G
2019/2/17
30
失速速度が増加する要因
• 機体そのものの重量の増加
搭乗者・バラスト・荷物・水バラスト・燃料
• 機体にかかる荷重の増加(飛行姿勢の変化)
旋回・高速引き起こし・アクロ・ウィンチ索の張力
• フラップ位置
    フラップ下げ→揚力係数・抗力係数の増加→失速速度が増加
• 抗力の増加
翼面のバグ・エアブレーキ・フラップ・エンジン・着氷
• 外部要因
ガスト・ウィンドシアー・ウィンドグラディエント
• 密度高度
   高高度、高温、多湿
2019/2/17
31
機体重量と失速速度の関係
機体重量=「実際の機体重量」 または 「運動による荷重が加わった総重量」 
失速速度は機体重量の 2 乗に比例する。
一定の翼型では臨界角での揚力係数は一定。重量が変化するときはそれに釣り合
った揚力を得るために、速度が変化しなくてはならない。
機体重量、荷重倍数、バンク角が増加すれば失速速度は増加し、
減少すれば失速速度も減る。
FOX 飛行規程より
2019/2/17
32
失速速度と重心位置 (CG)
CG 位置
・迎え角と CG 位置は関係ない。エレベーターの効果に影響する。
・失速速度の定義
気流の剥離(主翼の失速)または縦方向のコントロールを失う(尾翼の失速)
のどち
 らか。
・エレベーターの安定効果は表面を通過する気流の速さとエレベーターの制御
能力で 
決まる。
CG 位置が前方に移動すると速度を保つためにエレベーター操作量が多く必要
。
限界までいくと主翼は失速していなくても機首は下を向く。
CG が前方限界
・尾翼の制御能力の限界。
・水平安定版とエレベーターの大きさは、旋回時に十分な力をエレベーターが
発生するように決定される。
CG が後方限界
・失速速度は気流の剥離やバフェットなどの主翼の空力上の限界で設定される
。
2019/2/17
重心位置の影響
○  安定性が増す
○  失速から回復しやすい
○  高速飛行時機首下げ多
いので抵抗が多い
×  着陸時の引き起こし操
○  操縦性が増す
○  高速飛行時機首下げ少
な
いので抵抗が少ない
×  安定性が減少
×  失速に入りやすい
重心
前方限界 後方限界
2019/2/17 33
グライダーの最適な重心位置
• 古典的な飛行機理論では、主翼が揚力を発生して尾翼が安定性を生
むと説明されている。一般にキャンバーの有る主翼に発生する空力
モーメントは機首を下げる方向の力を発生させるため、尾翼はこの
力を打ち消さなくてはならない。
• 尾翼は重心位置や速度によって変化する機首下げの力に対抗した力
を発生させなくてはならず、速度が速く重心位置が前方にあるほど
より大きな下向きの力を発生させていることとなる。重心位置が後
方の場合には逆に尾翼が上向きの力を生む状況もありえる。
DG HP 「グライダーの最適な重心位置について」より2019/2/17 34
グライダーの最適な重心位置
DG HP 「グライダーの最適な重心位置について」より
グライダーは後方限界に近い位置では
良い性能は得られない。単にピッチと
ロール方向のコントロールが非常に敏
感となるだけ。また、パイロットは長
距離飛行中に 2L 程度の水分を失う(
汗をかく)ことはありえるので、飛行
中に重心位置が許容範囲を超えてしま
い、すべてのコントロールが過敏とい
える状況になってしまうかも。
後方限界から 30 ~ 35 %前方の重心位
置を選択。このあたりが安全性の面か
らも性能の面からも最適な位置。
2019/2/17 35
36
旋回中の荷重倍数と失速速度
FAA Pilot's Handbook of Aeronautical Knowledge
水平飛行中の失速速度を Vs とすると
W = L = ½ ρCLSVs2
Vs = √(2W/ρSCL)
旋回飛行中の失速速度を VSθ とすると
W = L cosθ より
VSθ = √(2W/ρSCLcosθ)
=
√cosθ
1
×Vs
荷重倍数 n = L/W または
n=1/cosθ
2019/2/17
バンクをつけただけでは失速速度は増えない
37
旋回と失速
デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典
グライダーの場合、低速での急旋回では、旋回半径が非常に小さいの
で機首にあたる気流と尾翼にあたる気流は角度が違う。翼の実質的な
取付角は小さくなるため、失速させるためには水平失速よりスティッ
クをずっと多く引くことが必要。
エレベーターの舵角範囲のうちほとんどは旋回で必要な揚力の増加分
のためにすでに使われてしまっており、残されたわずかな量の引き舵
では機体を失速させることは困難。
2019/2/17
直線飛行
急旋回
荷重の増加(突風)
上昇気流
風速 U 迎え角の増加
速度 V
風速 U
相対速度
V
静かな大気中を飛行してきた機体が風速 U の上昇気流に突入すると、
主翼にあたる気流の向きが変わる。
迎え角が増えて主翼の揚力を増し、機体全体は上方へ押し上げられる。
機体各部には正の荷重倍数がかかる。
2019/2/17 38
荷重の増加(高速からの引き起こし時)
旋回を垂直に行っている状態。
引き起こしの運動をすると、機体
の各部には重力の他に円運動をす
るための遠心力が働く。
揚力は重力の他、遠心力の分も支
えないといけないので、大きな荷
重がかかる。
揚力
重力
遠心力(向きを変えることによって感じる慣
性力)
下記の時、荷重倍数が大きい
・引き起こし半径が小さい
・高速度
揚力=重力+遠心力
L = W +
2019/2/17 39
荷重の増加(ウィンチ索の張力)
BGA Instructor’s Manual
揚力
索の張力
重量
抗力
100km/h で上昇中
合力
曳航初期上昇径路角 45°
索角 5°100km/h で上昇中には 重量
(重力)の 1.63 倍の上向き 合力
Ra (揚力とほぼ同じ強さ) が発生
することで力が釣合う。
定常滑空時の 1.63 倍の 揚力が発生
している 。
その時の迎え角は定常滑空 時より
やや大きい 。
100km/h 定常滑空時は 4° とすると
、 約 7.5° 。
水平飛行での失速速度 60km/h
曳航中の失速速度 = √1.63VS1 1.3 VS1≒
1.3x60km/h=78km/h
2019/2/17 40
41
運動包囲線図内の飛行
すべてストールに
近づく操作
←
ス
テ
ィ
ッ
ク
を
引
く
操
作
→
ス
テ
ィ
ッ
ク
を
押
す
操
作
スティックを引く
操作
2019/2/17
42
ウィンド・グラディエント (Wind Gradient :風速
の勾配 )
http://rockets2sprockets.com/issue-cross-winds-wind-tunnels/
2019/2/17
空気と地面の間に粘性による摩擦力が生じ、地面から離れるごとに少し
ずつ摩擦力が弱まるため、風は上空に行くほど強くなりある一定の高度
以上ではほぼ一定になる。
・風は地面のそばが一番急勾配になっている。
・地形によって、風力の変化傾向が異なっている。
・ 500ft 以下でとても著しく、 150ft 以下で最も大きい。
ウィンド・グラディエントと低空旋回
デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典
風速 10m/s
風速 5m/s
風速 13m/s
風下への旋回 風上への旋回
グライダーは翼幅が大きく、ロールの運動性がやや悪い。急旋回では上の翼は
下の翼の高さより 10m 以上高くなる。
ウィンド・グラディエントのために上の翼にあたる気流の速度は下の翼より大
きい。
バンク角が深くなる傾向が強くなる。特に地面近くは、傾きの修正が難しくな
対気速度 90km/h での旋回
より大きな揚力
より大きな揚力より少ない揚力
より少ない揚力
水平にしやすい 水平にしにくい
翼端対気速度 108km/h
翼端対気速度 80km/h
翼端対気速度 72km/h
翼端対気速度 100km/h
44
実運航での失速
• 揚力係数は 2 次元翼の失速
臨界迎え角を超えたら失速。
失速からの回復は迎え角を減らす。
• 実運航上は、 3 次元翼の失速
(翼が発生する揚力 L の機体重量を支える分力)から
(揚力が減衰したり、抗力が増える要因)を差し引いて(機体重量
W )を支えられなくなったら失速し、機体は落下する。
揚力 L=1/2ρV2  
SCL
翼型、空気密度、翼面積、速度が揚力の増減に関わる要因
回復には揚力が減衰したり、抗力が増える要因を取り除く必要があ
る。
フラップ、ダイブブレーキ、エンジンパイロン、
滑りによる翼の効率の減少、胴体による抗力の影響等
2019/2/17
45
抗力が増える状況
・セルフローンチ機のエンジ
ンパイロン
・エアブレーキ
2019/2/17
・すべり ・降雨・バグ
バグワイパー
翼型と失速特性
高速翼型 中速翼型
46
・低い Cl と Cd
・小さめの迎え角で失速する
。
・失速迎え角付近で Cl が急激
に
 下がる
・前縁半径が大きい、大きなキャ
ン
 バー、翼厚が大きい
・大きい CL と Cd
・失速迎え角付近は揚力係数勾配
 がなだらかに下がる。2019/2/17
C
l
C
l
迎え角 迎え角
46
47
高性能機のウィングドロップ
・高性能機は、失速よりも、滑空性能を重視して翼端のねじり下げを押さえ
ている。
・飛行機曳航時の地上滑走で、高性能機がウィングドロップしやすいのは、
高速型の翼型のため、低速時に主翼が揚力を発生していないため。
(フラップ機は離陸直後の低速時にエルロンの効きを向上してロールコン
ト ロ ー
ルするためにネガティブフラップを使用して離陸滑走をする場合がある)
・大きくエルロンを使用すると、下がった翼側の翼端部の失速がさらに進行
する。
・背風、エンジン出力、上り傾斜、草丈、泥濘、水バラスト搭載など離陸時
の 加 速
が遅い場合は注意が必要。
2019/2/17
http://szd.com.pl/en/products/szd-55-1
高速飛行時、翼端にねじり下げが
あると、下向き揚力を発生し、翼
が下向きに曲げられ抵抗が増える
ことがある。
単座グライダーのスピン特性
• 安定性よりも操縦性を重視している。
• スティック操作がすぐに姿勢の変化に反映される。
• ソアリング等で低速で飛ぶことが多い。
• 翼が薄い。最大揚力係数から急激に揚力が減少する。
• 翼のねじり下げを抑えてある。
• スキッドからだけでなく、ウィングドロップによるスピンも入り易い。
482019/2/17 48
C
l
49
旋回の根拠
2019/2/17 49
ポーラーカーブ
50
90km/h と 100km/h と 110km/h の沈下率の差は
?2019/2/17 50
LS-4
サーマル旋回の最適速度は?
512019/2/17 51
・最適速度を決める要素:サーマルの大きさ、沈下率、失速速度、旋回
半径
TWIN Ⅱ ポーラーカーブ
旋回中の沈下率
出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」
2019/2/17 52
nn
w
w
×==
φφ cos
1
cos
1
直線
旋回
旋回中の沈下率比 =
バンク
角
荷重倍数
n
沈下率比
30° 1.15 1.23
45° 1.41 1.67
60° 2.00 2.83
(注)この計算は基準のポーラー
カーブの精度に強く依存しており
、また、旋回の曲率により風が胴
体に真っすぐに当たらないこと、
及び舵面を動かすことによる抵抗
増を考慮していないため、この結
果を参考程度にとどめること。
TWIN Ⅱ 旋回中のポーラーカーブ
出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」
2019/2/17 53
[km/h]速度
- 3
- 2
- 1
0
0 50 100 150 200
[m/s]旋回中の沈下率
基準のポーラーカーブ
20°バンク
40°バンク
60°バンク
( 0° )理論曲線 バンク
( 60° )理論曲線 バンク
理
論
曲
線
(
60° )
60°
40°
20°
0°
最大滑空比
最小沈下率失速
理論曲線( 0° )
バンク角を増すと、沈下率は悪化し、速度を増さなければ失速すると
いう実際の現象を正しく再現できている。
定常旋回中に最小沈下率及び最大滑空比となる迎え角はそれぞれ直線
飛行時と同じであることが分かる。
× は各バンク角の定常旋回において直線飛行時の失速時と同じ迎え角である点
▲ は同様に最小沈下率と同じ迎え角である点
○ は同様に最大滑空比と同じ迎え角である点
TWIN Ⅱ 旋回半径と沈下率
出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」
2019/2/17 54
[m]旋回半径
- 3
- 2
- 1
0
0 50 100 150
[m/s]沈下率
20°バンク
30°バンク
40°バンク
45°バンク
50°バンク
55°バンク
60°バンク 60°
55°
50°
45°
40°
30°
20°
バンク角 40 ~ 45 度付近で旋回すると、旋回半径と沈下率が程よく小さくなる
。
コアのみが強いタイプの上昇気流に対してソアリングの上昇速度のみを追求す
ると、失速と隣り合わせになる可能性が高くなる( TWINⅡ に限らず、他の機
体でも同様)。
小さな旋回半径には、より速い速度と大きな CL 値(迎え角)が必要。重量が
重いほど早く最大 CL 値に達してしまう。
旋回中は内側の翼がより低速で進むこと、及びエルロンの当て舵により旋回内
90km/h
80km/h
105km/h
77km/hバンク 0° の失速速度
=75km/h
180° 旋回の失高
出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」
2019/2/17 55
[km/h]速度
- 100
- 90
- 80
- 70
- 60
- 50
- 40
- 30
- 20
- 10
0
50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150
180[ft]大気静穏時に度旋回した場合の失高
20°バンク
25°バンク
30°バンク
35°バンク
40°バンク
45°バンク
50°バンク
55°バンク
60°バンク
[km/h]速度
- 100
- 90
- 80
- 70
- 60
- 50
- 40
- 30
- 20
- 10
0
50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150
1m/s180[ft]沈下帯で度旋回した場合の失高
20°バンク
25°バンク
30°バンク
35°バンク
40°バンク
45°バンク
50°バンク
55°バンク
60°バンク
180 度旋回に必要な時間に沈下率を掛けて失高を計算。
大気静穏時 -1m/s の沈下帯通過時
大気静穏時では 45 度バンクで失速に近い状態で 180 度旋回をすると
失高が最小限に抑えられるが、沈下帯では 45 度以上のバンク角で速
やかに 180 度旋回を終えた方が失高が少ない。
次のリフトにたどり着けなかった場合や索切れ時など、不利な状況で
180 度旋回を実施する場合、高度を温存するために、失速付近の速度
で急旋回するというのは現実的ではない。
ヒューマ・ファクターと TEM
(Threat & Error management)
562019/2/17 56
人間の能力の限界
• 人間は地上で 2 本足をつけて生活するように進化してきたため、
生まれながらに 3 次元空間で適正な行動を行えるようにはできて
いない。
57
自転中、視野が狭まり、空間
把握ができなくなる。
地面が近いと恐怖を感じて、身体が固まる
。
      ↓
頭が白くなって、操縦することをやめてし
まう。
地面衝突寸前になると、上に上がりたい一
心で、引けるものを渾身の力で全部引く。
「やりたい操作とやるべき操作が違う」2019/2/17 57
スピン
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1311828/Shoreham-air-crash-pilot-escapes-stunt-glider-smashes-runway.html
58
追加資料
2019/2/17 58
ヒューマン・ファクターとは
59
http://primaryshop.jp/hpgen/HPB/entries/53.html  
動体視力
http://www.honda.co.jp/safetyinfo/senior/senior02.html
視野
普段できていることが、何等かの要因でできなくなる状態
2019/2/17 59
航空機の設計、証明、訓練、運航、整備に適用される原理であ
り、ヒューマン・パフォーマンスを適切に考慮することにより
、人間と周りの他の要素との安全の調和を求めるもの。 (ICAO
ANNEX 4)ヒューマン・パフォーマンス
航空における運航の安全と効率性に影響を及ぼす人間の能力と限界
・せかされたり、何かに気を取られることにより、手順を抜かすなど
・加齢による動体視力が低下や視野狭窄など
グライダー・パイロットに求められる技能につい
て
グライダー
パイロットの技能
飛行技術
計画・判断力
状況認識力
規則の遵守
操縦技術
知識
判断
取組姿勢
手順
操作
モニター
自己能力
航空機
環境
自己管理能力
情報処理能力
問題解決能力
危険予知能力
法令遵守
積極性
協調性
沈着性
コミュニケーション能力
計画マネージメント能力
Crew Resource
Management 能
力
リーダーシップ
非常時の乗客への配慮
機外への脱出指示能力
搭乗者の安全の確
保
リーダーシップ
エアマンシップ
( ICAO 定義)
正しい判断力、確固
たる知識と技術、そ
して飛行目的を完遂
する心構えを常に持
ち続けるパイロット
精神
2019/2/17 60
アクシデンタル・スピンに陥りやすい状況
• 第 3 ・ 4 旋回中での速度不足
及びクロスコントロール・ス
ピン
• サーマル旋回時の注意不足
• 低空索切れにおける低空旋回
• ガスト、ウィンドグラジェン
トの影響
• 動力機の低空でのエンジン使
用の試み
• アウトランディング判断の遅
れ
• 疲労による注意力散漫
2019/2/17 61
ローカル飛行のリスク要因
リスク要素 評価内容
パイロット 健康状態、精神・感情の状態、疲労度、極度の緊張等
スピン訓練の実施状況、機体の慣熟度等
機体 性能・運用限界・装備・耐空性、重量、フラップ・ダ
イブ位置、計器の作動、速度や降下率等
環境 風向と風速・天候の変化、上昇気流・下降気流の状態
、他機の動向、地形や障害物の位置、ピストによる指
示、法令・空域・空港規則等の指定経路・高度、離着
陸場の条件等
外圧 他者からの飛行完遂への期待や圧力。スケジュール上
の圧力。仕事・家庭・友人・先輩・教官からの圧力等
。
2019/2/17 62
飛行中の意思決定のための 3P モデル
FAA Aviation Instructor’s Handbook
状況認識
実行
決定
危険の認識
ソアリング中、風が強く
、沈下が強くなってきた
。
滑走路に届くか?
リスクレベルの検討
滑走路に届かないと判断
した場合に、プラン B を
用意しているか?
リスクマネージメ
ントの実行
このままだと滑走
路に届くのは難し
いため、場外着陸
の意思決定をする
。
状況認識に戻る。
場外着陸の経路はど
うするか?
無線で連絡するか?
注意点は?
2019/2/17 63
64
TEM モデル
UAS (望ましくない航空機の状況)が発生
してしまった場合、パイロットがその UAS
の対処に失敗すると、インシデント・アク
シデントとなる。
マネージメント
失
敗
マネージメント
失
敗
マネージメント
失
敗
アクシデント
(Undesired Aircraft Status)
2019/2/17
65
出発前の確認 スレット&エラー・マネージメン
ト
スレット エラー マネージメント
気象 強風と大きな沈下
帯
滑空比の計算間違いに
よる高度の低下
計算結果に十分なマージ
ンがあるかの確認
ATC 管制空域の通過 他機とのニアミス レーダーアドバイザリー
と見張りの強化
空港 夕方の西日による
視程低下
他機とのニアミス 自機の位置を一方送信で
アナウンス
地形 場周経路場の送電
線
索切れ時に見えにくい
送電線に接触
事前に地図をチェック。場
外着陸の手順を決める。
組織 場外着陸した際の
リトリブ要員確保
要員がいないので、無
理に滑走路に帰る。
事前に場外着陸時の手順
を決めておく。
その他 体重が軽いパイロ
ットとの交代
バラスト搭載忘れによ
る不適切な重心位置
事前に交代パイロットに
注意喚起する
2019/2/17
低高度でスピンの危険に近づかない工夫
注意力散漫・一点集中になる状況の除去
•状況認識能力を高めるためのシミュレーション実施
•注意力をそらせる訓練等の実施
•優先順位の判断
•普段と異なる経路の飛行の実施
•考える訓練、自分の考えを評価してもらう機会の設定
失速から遠ざかるためのマージン
・ソアリング速度の検討
・旋回時にバンクをしっかりつける。
・旋回時に内滑り気味で飛ぶ。
・ベース~ファイナルを高めに持ってきて、ダイブを使用して降りる。
・トリムを前気味に取る
・ストール・ウォーニングの活用
2019/2/17 66
グライダーのストール・ウォーニング
http://www.dg-flugzeugbau.de/en/library/dei-nt-simpl
67
http://www.dg-flugzeugbau.de/en/library/stall-warning-indicator
http://www.safeflight.com/
http://www.olk.com.pl/
2019/2/17 67
スピン事故ケース・スタディ 
平成 17 年 板倉滑空場
機体:ベントゥス 2a 型(単座)
機長:総飛行時間 354 時間   
最近 30 日間の経験 3.5 時間
同型式の飛行時間 3.5 時間
機体損傷:大破
パイロット:死亡
日本選手権出場を計画しており、
選手権に使用するレース機の慣熟
とクロスカントリーの練習飛行
2019/2/17 68
スピン事故例 状況
風向約 300° 風速約 5m/s 。滑走路は
33 。上空では、 2/8 程度の積雲が 4-
5,000ft で、赤城山から佐野市付近ま
で雲道があった。
飛行後、約 2km 北北西の佐野 IC を
100m で通過して、高度約 58m まで
160km/h に増速し、高さ約 85m の鉄
塔間の高圧線を、高度約 100m 、対
地速度約 80km/h で越えたところでピ
ストに対し 「高度が下がったのでダ
イレクトに入る」との通報。
進入中、ピスト担当者から同機に、
現在の使用滑走路は風に正対する 33
との通報。機長は滑走路 15 上のピス
ト横を通過時、ギヤを出さず、エ
ア・ブレーキも使用しないまま滑走
路上を 低高度で通過し滑走路のエン
ド付近で 中央付近に向け、旋回を開2019/2/17 69
スピン事故例 状況
追い風の滑走路上を低高度で通過後
、滑走路端で風にほぼ正対する滑走
路に着陸しようとして、左上昇旋回
(対地高度 42m 、対地速度 116km/h)
したが、オーバーシュート気味にな
り、深いバンクで外滑り状態となり
失速状態に陥ったため、地面に衝突
した。
当日は高度による風の強さの違いに
よるウィンド・グラディエントが
あったと予測された。
2019/2/17 70
回復不能のスピン事故遭遇率
71
事故に至るスピンに発展するためには、エレベーター、ラダーの量、す
べりの度合い、上昇気流の状態、重量重心位置等いくつかのクリティカ
ルな条件が偶然の確率で揃うことが必要。
スピンに必要な操作をしていても、一つの要因が少しでも臨界点から外
れた場合、スピンに移行しないか、スパイラルになるか、何事も起こら
ない。
2019/2/17 71
組織的な安全文化の構築
近年における交通事故死者数減少理由
警察庁は「交通安全教育の普及や車の安全性の向上、信号機や道
路の改良などが進んだ結果」と分析している。
パイロットとしての人間の能力の限界を高めることには限界があ
る。
ピストや曳航担当者の状況認識力と判断力向上は、安全に直結す
る。
個別で行動するよりも組織に所属し、社会的に「群れで守る」こ
とが生存率向上につながる。
安全は効率よりも優先されるという安全文化を組織の中で構築し
、構成員は全員、常に安全について考え、
行動しなければならない。
ヒューマン・エラーをなくすことは不可能。
人はエラーを犯すものということを前提に、
フォローし合う体制が必要。
2019/2/17 72
Safe Flying!
御清聴ありがとうございました。
END

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Editor's Notes

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  2. 次ページ:目次
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  4. コントロールされた飛行のためには、翼周辺の空気の流れにも目を向ける必要がある。 臨界角は翼の効率的な操作上重要な分岐点。臨界角を越えると気流の剥離が発生し、抗力の増加と揚力の減少がおこる。この減少はすべての飛行機・グライダーに共通で、機体姿勢や速度に関係なく起こる。
  5. The objective of this demonstration maneuver is to show the effect of improper control technique and to emphasize the importance of using coordinated control pressures whenever making turns. This type stall occurs with the controls "crossed" - that is, aileron pressure applied in one direction and rudder pressure in the opposite direction.    In addition, when excessive back elevator pressure is applied a "cross control stall" may result (Fig. 11-25).   This is a stall that is most apt to occur during a poorly planned and executed base to final approach turn and often is the result of overshooting the centerline of the runway during that turn. Normally, the proper action to correct for overshooting the runway is to increase the rate of turn by using coordinated aileron and rudder. At the relatively low altitude of a base to final approach turn, however, improperly trained pilots may be apprehensive of steepening the bank to increase the rate of turn. So, rather than steepening the bank, they hold the bank constant and attempt to increase the rate of turn by adding more rudder pressure in an effort to align it with the runway.    The addition of inside rudder pressure will cause the speed of the outer wing to increase and thus create greater lift on that wing. To keep that wing from rising and to maintain a constant angle of bank, opposite aileron pressure would need to be applied. The added inside rudder pressure will also cause the nose to lower in relation to the horizon. Consequently, additional back elevator pressure would be required to maintain a constant pitch attitude. The resulting condition, then, is a turn with rudder applied in one direction, aileron in the opposite direction, and excessive back elevator pressure - a pronounced cross control condition.    Since the airplane is in a skidding turn during the crossed control condition, the wing on the outside of the turn speeds up and produces more lift than the inside wing; thus the airplane starts to increase its bank. The down aileron on the inside of the turn helps drag that wing back, slowing it up and decreasing its lift, which requires more aileron application. This further causes the airplane to roll. The roll may be so fast that it is possible the bank will be vertical or past vertical before it can be stopped.    For the demonstration of the maneuver it is important that it be entered at a safe altitude because of the possible extreme nose down attitude and loss of altitude that may result.    Before demonstrating this stall, the pilot should clear the area for other air traffic while slowly retarding the throttle. Then the landing gear (if retractable gear) should be lowered, the throttle closed, and the altitude maintained until the airspeed approaches the normal glide speed. Because of the possibility of exceeding the airplane's limitations, flaps should not be extended. While the gliding attitude and airspeed are being established, the airplane should be retrimmed. When the glide is stabilized, the airplane should be rolled into a medium banked turn to simulate a final approach turn which would overshoot the centerline of the runway. During the turn, excessive rudder pressure should be applied in the direction of the turn but the bank held constant by applying opposite aileron pressure. At the same time increased back elevator pressure is required to keep the nose from lowering.    All of these control pressures should be increased until the airplane stalls. When the stall occurs, recovery is made by releasing the control pressures and increasing power as necessary to recover.    In a cross control stall, the airplane often stalls with little warning. The nose may pitch down, the inside wing may suddenly drop, and the airplane may continue to roll to an inverted position. This is usually the beginning of a spin. It is obvious that close to the ground is no place to allow this to happen.    If recovery can be made before the airplane enters an abnormal attitude (vertical spiral or spin), it is a simple matter to return to straight and level flight by coordinated use of the controls. If a recovery cannot be completed before the airplane reaches an abnormal or inverted attitude, the control pressures must be released to break the stall and the roll allowed to continue until the airplane reaches straight and level flight. Applying power when the nose is pointed toward the ground will result in a greater loss of altitude - with the possibility of impacting the ground if the stall were to occur during an actual landing approach.    The pilot must be able to recognize when this stall is imminent and must take immediate action to prevent a completely stalled condition. It is imperative that this type of stall not occur during an actual approach to a landing, since recovery may be impossible before the airplane strikes the ground.         
  6. ①通常飛行では、横滑りして左翼と右翼にアンバランスが生じても、機体の持つ横安定により復元モーメントが発生し、元の姿勢に戻る。 ②失速させ左ラダーを踏む。機首は左、左ロールを誘発。左翼の迎え角大、右翼は小。 臨界角を超えると左翼の揚力は右翼に比べて小。機体はさらに左ロールする。左翼には大きな抗力の差も生じ、ロールから発生したアドバースヨーも上回る左ヨーを発生。 失速はスピンに必要な条件だが、原動力にはならない。ロールに加えた過大なヨーが主たる要因。適切な三舵の調和がスピン防止にもっとも重要。
  7. 普段は平面的な地上での生活なので地平線を基準にして考えようとしている。2次元の世界での感覚を強固にしている。しかし、実際飛んでいるのは3次元の世界。上空では、いかなる方向からのものであっても相対風に反応する。 ロール、ヨー、ピッチの動きは機体の姿勢とは無関係。地平線へのこだわりを減少し、機体姿勢に対する先入観を少なくする。
  8. The Slip During a slip, the opposite scenario happens. The nose of the aircraft yaws to the outside of the turn, and the aircraft's banked too much for the rate of turn. The outside wing has a higher angle of attack, and you're most likely lowering the aileron on that wing to keep it up.
  9. ou may have heard that a skid during a stall is more dangerous than a slip, and it's true. But, why? Stall-spin accidents have been a problem since the first days of flight. Most of us are simply taught to keep an aircraft coordinated when stalling. But, the problem is, most stall-spin accidents don't happen during an intentional stall. They usually happen unintentionally and down low - like when you're turning base to final. Here's a common scenario: You're turning left base to final, but you're going to overshoot the runway. What do you do? Here's what you absolutely shouldn't do: You add left rudder to tighten the turn, but you don't keep the bank and rudder coordinated - putting the airplane into a skid.
  10. As the inside wing exceeds the critical angle of attack, it stalls and drops. The downward deflected aileron on the low wing is still generating drag, which pulls the aircraft's nose further into the turn. And, the aircraft is still yawing into the turn from the rudder, which accelerates the roll. The result is a quick roll into the turn, and your entry into an incipient spin. There are a few other factors at play, as well. During a skid, the relative wind isn't coming straight down the airplane's nose, it blows crosswise at an angle from the outside of the turn. That causes the relative wind to flow over the wing at an angle, creating "spanwise" flow - a component of the air flows perpendicular to the wing's leading edge, traveling laterally down the wing. As you move towards the wingtip, you get more and more spanwise flow. And here's the problem - spanwise flow doesn't generate lift. It effectively reduces the airspeed over that portion of the wing. That causes the wing to stall earlier than normal - so the wing with all of the spanwise flow stalls first.
  11. Finally, the fuselage may block some of the airflow over the wing during a skid, further decreasing the airflow over the inside wing and causing the wing to drop during a stall. All of these factors play out differently on various aircraft designs - but when combined, they make a skid a deadly condition during a stall.
  12. 失速付近でよくが傾いて下がるのをとめようとしてエルロンを大きく使うと実際には翼端が失速してもっと傾く。
  13. 背面スピンへの転移:エレベーターの過大な操作
  14. CG位置からできるだけ後方に離れた大きなラダーは近くの小さなラダーにくらべて良好な回復特性。 前方CGもより長いモーメントで回復操作が容易。 通常姿勢のスピン中、T尾翼は水平尾翼とエレベーターが作り出す遮蔽部分が最も小さい。
  15. ラダーを使用して自転によるスピン軸のベクトルであるヨーを減らすと、慣性力によるピッチアップ力が減少する。この動きにより機首は下向きとなり迎え角は減少する。
  16. フラップ下げ→揚力係数・抗力係数の増加→失速速度が増加します。 CG位置 迎え角とCG位置は関係ない。エレベーターの効果に影響すう。 失速速度の定義・・気流の剥離(主翼の失速)または縦方向こコントロールを失う(尾翼の失速)のどちらか。 エレベーターの安定効果は表面を通過する気流の速さとエレベーターの制御能力できまる。CG位置が前方に移動すると速度を保つためにエレベーター操作量が多く必要。限界までいくと主翼は失速していなくても機首は下を向く。 CGが前方にあるとき失速速度は後方限界より高く設定されている。尾翼の制御能力の限界。 CG後方限界での失速速度は気流の剥離やバフェットなどの主翼の空力上の限界。安定性の限界。
  17. 失速速度は機体重量の2乗に比例する。 一定の翼型では臨界角での揚力係数は一定。重量が変化するときはそれに釣り合った揚力を得るために、速度が変化しなくてはならない。 機体重量、荷重倍数、バンク角が増加すれば失速速度は増加し、減少すれば失速速度も減る。
  18. フラップ下げ→揚力係数・抗力係数の増加→失速速度が増加します。 CG位置 迎え角とCG位置は関係ない。エレベーターの効果に影響すう。 失速速度の定義・・気流の剥離(主翼の失速)または縦方向こコントロールを失う(尾翼の失速)のどちらか。 エレベーターの安定効果は表面を通過する気流の速さとエレベーターの制御能力できまる。CG位置が前方に移動すると速度を保つためにエレベーター操作量が多く必要。限界までいくと主翼は失速していなくても機首は下を向く。 CGが前方にあるとき失速速度は後方限界より高く設定されている。尾翼の制御能力の限界。 CG後方限界での失速速度は気流の剥離やバフェットなどの主翼の空力上の限界。安定性の限界。
  19. AkafliegBraunschweigのメンバーは再び最適な重心位置に着目した研究を行 いました。 慎重に検査されてチェックされた2機のASH-25を使っての試験飛行が何度か実 施されました。双方のグライダーには予想される小さな性能差をもきちんと計測 できるように高度で複雑な計測機器が積み込ました。1機は基準として、またも う1機は飛行前に重心位置を移動できるように設計されました。 飛行試験はさまざまな速度とフラップ位置で行われ、飛行後にコンピュータによ って詳細な解析が実施されました。 それぞれの飛行試験の結果は我々の興味とするところではありません。標準的な パイロットは通常の長距離飛行中にさまざまな速度とフラップセッティングで飛 んでいますから、我々がもっとも興味有るのは平均的な結果です。全ての結果が 入手できなかったとしても次のような結論は得られます。 後方限界位置では最適な結果は得られませんでした。一番良い結果は重心位置が 後方限界から30~35%前方の時に得られました。これは重心位置がセンターの 時にエレベータが中立(気流に対して平行)でなく、設計では想定されていない 下向きの揚力を発生させているために抵抗を増やしているからです。 私どものお客様で競技に参加するパイロットの方から、機体を精密に測定して重 心位置を後方98%にセットしてほしいと要望されることがあります。私どもで はお客様のどのようなご要望でも実現できるように努力していますが、これはお 応えできかねるご要望の一つです。 グライダーはこのような後方限界に近い位置では良い性能は得られません。単に ピッチとロール方向のコントロールが非常に敏感となるだけです。また、パイロ ットは長距離飛行中に2L程度の水分を失う(汗をかく)ことはありえますので、 飛行中に重心位置が許容範囲を超えてしまい、すべてのコントロールが過敏とい える状況になってしまうでしょう。 後方限界から30~35%前方の重心位置を選んでください。 このあたりが安全性の面からも性能の面からも最適な位置 です。
  20. 荷重倍数は、そのまま機体重量の増加として考えられます。仮に今、失速迎角ギリギリで水平飛行時飛行している飛行機を考え、少しでもエレベーターUPすると即失速してしまうとします。さて、この飛行機が30度バンクで旋回を始めました。この時、荷重倍数は1.15なので、機体重量が1.15倍になっています。ただし、もう失速迎角ギリギリなので迎角を上げて釣り合わせる事ができません。よって速度を上げて釣り合わせることになります。そこで、エレベーターを少し引くとか、パワーを入れるかして揚力Lの垂直成分を増やしてあげる必要が出てきます。このような操作で、最終的に垂直成分(L・cosθ)が機体重量mgと釣り合うと、揚力Lが水平飛行時の時よりも大きくなります。この水平飛行時より、何倍揚力が大きくなったかを表す値が荷重倍数nとなります。ここで、θは機体のバンク角です。n倍になった揚力Lは、そのまま旋回時のGとして機体や操縦者に掛かってきます。見かけ上、機体の重量がn倍になった状態になるため、大きな揚力を発生させていないと高度を一定に保っていられません。 揚力は速度の2乗に比例するため、増えた重量を速度増で賄うためには増加分の平方根だけ増速してあげればいいことになります。よって速度を1.15の平方根である1.07倍に増速してあげれば、釣り合い旋回を行うことができます。 つまり水平飛行では失速を起こさなかった速度でも、バンク角が30度で1.15Gが掛かっている状態だと、速度を1.07倍まで増速しないと失速してしまうという事になります。
  21. グライダーの場合、低速での急旋回では、旋回半径が非常に小さいので機首にあたる気流と尾翼にあたる気流は角度が違う。翼の実質的な取付角は小さくなる。スティックをずっと多く引くことが必要。 エレベーターの舵角範囲のうちほとんどは旋回で必要な揚力の増加分のためにすでに使われてしまっており、残されたわずかな量の引き舵では機体を失速させることは不可能。
  22. 静かな大気中を飛行してきた機体が風速Uの上昇気流に突入すると、主翼にあたる気流の向きが変わる。迎え角が増えて主翼の揚力を増し、機体全体は上方へ突き上げられる。機体各部には下向きの力=荷重倍数がかかる。
  23. 最大速度での急降下からの引き起こしのときに、最もきびしい荷重がかかる。高速では風圧中心は後退し、大きな機種下げのピッチングモーメントを生じる。これは水平尾翼の大きな下向き荷重で釣り合いが取られる。 引き起こしでは尾翼は慣性力による分も負担しなければならない。 慣性力は加速度を受けたときに感じる見かけの力です。 向心力は運動の向きを変えるときに、運動経路の曲率の内側に向かって作用させる力です。向心力の作用によって運動経路は向きを変えるのです。一方、遠心力は、向きを変えることによって感じる慣性力です。遠心力は、向心力と逆方向で同じ大きさになります。
  24. This is a good illustration of ABL. While most of the gradient is quite high, the steepest gradients are right at the bottom next to the ground (where we’re hopefully riding bikes). This means your 10 meter weather station is reading a significantly higher wind speed than your bike is seeing. This also shows the difference in gradients between different types of terrain
  25. グライダーは翼巾が大きく、ロールの運動性がやや悪い。急旋回では上翼は下翼の高さより10mほど高くなる。 WGのために上翼にあたる気流の速度は下翼より大きい。バンク角が深くなる傾向が強くなり、傾きの修正が難しくなる。
  26. フラップ下げ→揚力係数・抗力係数の増加→失速速度が増加します。 CG位置 迎え角とCG位置は関係ない。エレベーターの効果に影響すう。 失速速度の定義・・気流の剥離(主翼の失速)または縦方向こコントロールを失う(尾翼の失速)のどちらか。 エレベーターの安定効果は表面を通過する気流の速さとエレベーターの制御能力できまる。CG位置が前方に移動すると速度を保つためにエレベーター操作量が多く必要。限界までいくと主翼は失速していなくても機首は下を向く。 CGが前方にあるとき失速速度は後方限界より高く設定されている。尾翼の制御能力の限界。 CG後方限界での失速速度は気流の剥離やバフェットなどの主翼の空力上の限界。安定性の限界。
  27. 横安定性  横安定性の大部分を主翼が担っています。図2-Aのように、例えばグライダーの模型の両翼を台座に載せた場合は安定しますが、図2-Bのように、重心のみで保持しようとすると非常に不安定で、わずかな擾乱でもバランスを崩してしまいます。例えば、失速速度近傍でエルロンを使用することにより、操縦意図に反するウィングドロップ(エルロン舵面を下げた翼の失速が進行)が起きることがあります。そのため失速速度近傍では、ラダーを使ってバンクをコントロールといわれますが、操縦応答は緩慢です。 上半角や後退角は横安定性を増大させますが、エルロンは、(主翼の)失速時でも使用可能なエレベーター、ラダーとは異なり、Rollのコントロールには主翼が揚力を発生していることが必要です。とはいうものの、失速特性の穏やかな現代のグライダーは(特に練習機、ASK21など)、完全に失速せず、エルロンコントロールが可能なものが殆どです。これは捻り下げなどにより、失速が翼根部から発生するように、急激に失速が伝搬しないように設計されているためです。概して東欧製の機体はハッキリとした失速特性をもっているように感じます。 失速の練習において、初期失速(主翼の一部が失速)で回復させることが多く、この場合は横安定性、エルロンコントロールがある程度残っています。日本でのグライダー大破事故では、索切れ等により低空での旋回を余儀なくされ、失速から横不安定又はスピンに陥ったということが多いようです。ほぼ完全に揚力を失った場合、スパンの長いグライダーでも、全く別の乗り物のごとく不安定な挙動をし、低空での失速は不幸な結果となります。 失速時の挙動は、離着陸時にも体験することができます。飛行機曳航時の地上滑走で、高性能機がウィングドロップしやすいのは、   ・ 高速型の翼型のため、低速時に主翼が揚力を発生していない (フラップ機はRoll ControlのためにFlapを下げて離陸する場合がある) ・ 失速よりも、滑空性能を重視して捻り下げを押さえている。 ・ 大きくエルロンを使用して下がった翼側の翼端部の失速がさらに進行する 加速が遅い場合(背風、エンジン出力、上り傾斜、草丈、泥濘、水バラスト搭載など)は注意が必要です。着陸滑走は曳航機の後流がないため、エルロンコントロール必要とする横風時などにウィングドロップの感覚を体験できると思います。
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  29. グライダーの心理的圧迫の例としては、一番大きいのは「低い」だと思います。「低い」と注意力散漫になるため、無意識のうちに必要のない力をラダーにかけてしまい姿勢がずれたことに対応して誤った認識を行い、不適切な操作(スピンエントリー)を行ってしまいます。そこでなぜ低くなるかを考えてみます。たとえば、ソアリング中バリオにばかり目が行き、気が付けば風に流されていたなどです。では、どうすれば低くならずに済むのでしょうか?たとえばFLT前に気象データを見てThreat Managementを行う、チェックポイント高度を上げる(妻沼は低いと思います。何かあった時のマージンがほとんどない)などです。上記の Situational Awareness、Decision Making、Airmanship力は、状況をシミュレーションしてディスカッションを行うことで高めることができると思います。また普段の訓練でも、「ここでXXだったら何に気をつけるか?」という質問に答えさせることによって、注意力の配分と状況認識力を高めることができると思います。現状の滑空界の問題点は、権威勾配等によるクラブ内のコミュニケーションの欠如であり、ヒヤリハットに関する意見交換やフライトの話をざっくばらんに話し合えるハンガートークのカルチャーがないことです。即効性のあるのは、上記ですが、長期的目線としては、教材の充実、訓練シラバスの見直し、教官の育成だと考えています。
  30. 加齢では、それほど衰えない視力に比べ、動体視力は20歳前をピークに徐々に衰えはじめ、40代から落ち方が速くなり、60代からは急激に衰えていきます。 座っている高齢者が、立ち上がろうとしてフラフラとふらついたり、なかなか上手く立ち上がれなかったりするのは、足腰が弱っているからだと思われがちですが、実は、視覚能力の低下が原因の場合が多いんです。 一番の原因は、眼球の動きをつかさどる眼筋の衰えです。 その結果、眼球の動きがスムーズでなくなり、視力はそれほど落ちていなくても、動体視力がどんどん衰えることになります。 そうすると、若い内は、パッ、パッっと眼球だけを素早く動かし、状況を判断しながら立ち上がることができるのですが、高齢になると、首から上の顔全体を大きく振りながらでないと状況を判断できなくなるので、バランスを崩してフラフラとふらついてしまうというワケです。 ここで言う動体視力とは、広義の動体視力で、瞬間視や広角視野、などを含むものです。 加齢による動体視力の衰えは眼球や視覚システムの問題ではなく、筋肉の問題なので、少しトレーニングすればかなり回復させることが可能です。 そこで活躍するのが、動体視力トレーニングメガネ『Visionup』です。 Visionupの点滅システムを使うことで、眼球を強制的に頻繁に動かすことで眼筋を鍛えることができます。見えない部分を補うとするので、眼球が普段より活発に動き、結果として眼筋をほぐし、眼球がよりスムーズに動くようになります。 Visionupを使った高齢者向けのトレーニングは、方法的にも、時間的にもとても驚くほど簡単です。 用意するのは、Visionupと大きめの柔らかいゴムボール設定は、D(遮断率) 50%、H(周波数) 20Hz 100円ショップなどで売っている写真のようなゴムボールが最適です。取り扱えるのであれば、もっと小さなボールや固めのボールでもかまいません。 有効視野(※1)は、年齢を重ねるに従って狭くなっていく傾向があります。また、動体視力(※1)も年齢とともに低下していきます(※2)。若い頃には見えていたものが見えないこともあるのです(※3)。また、目で見てものを判別するには、対象物の明るさだけでなく、周囲とのコントラスト(明度の差)の違いが重要になります。高齢になると、特に夕暮れや夜明け時などは、コントラストが小さいものを見分けることが難しくなります。こうした、目の機能の変化を補うことが、安全運転につながります(具体的な方法については、下記をご参考にしてください)。※1 有効視野=必要なものを識別できる範囲。   動体視力=動いているものを見たり、動きながらものを見る場合の視力。
  31. What is the situation in gliders? Why don’t they have stall warning devices? One reason is that we don’t want a flap valve on the wing as in airplanes because it disturbs the airflow too much.  However, a sailplane manufacturer can drill holes in the nose to take pressure measurements and get a stall warning system of sufficient precision. In contrast to airplanes, we often fly very near stall speed in small thermals.  In that case the stall warning would be bleating at us constantly.  Do we want that? This argument is the most common one against a stall warning device. Stall warning: The crucial additional safety feature however is the integrated stall warning, which is always activated and looks after your safety. Some of you might know that 5 years ago a very good friend of mine crashed because he apparently didn’t notice that he was flying far too slowly. This additional safety feature is a consequence of his accident and will save lives – maybe yours! Only chances are that you would not even notice. You would just speed up a bit as the stall warning goes off, and that would be all… You only need to calibrate the stall warning once – for further information on how to do it please consult the manual. Once that’s done it works correctly, irrespective of speed and wing loading, which distinguishes it from the stall warning you get in on-board computers: Those are always set to a certain wing loading and will therefore have to be reset when you dump your water ballast – which is often not done. The stall warning works on the basis of two sensors which measure the pressure difference in the nose of the glider – not with flaps in the wings or other “aerodynamic cruelties”. In the example it shows 0.08. When the difference is more than 0.30 the warning should be activated. I know that a lot of pilots argue that such a stall warning is superfluous in a glider and just not practical. According to those pilots it’s superfluous because accidents will only happen to “others”; while allegedly it’s not practical because as a pilot you would quite often have to fly close to stall speed. I won’t waste any time on the first argument, but the second one is also wrong: If you fly below stall speed in a glider with a modern profile you fly inefficiently and badly! You may not notice it as much as you do in an older model, because the elevator buffet is not quite as noticeable as on an older profile, but you will climb more slowly or not at all. If the stall warning goes off you are very simply flying too slowly, not optimized and you are in danger. This is exactly what the DEI-NT is designed to show you. We will decide in the course of the flight tests whether the stall warning will be in the form of a sound alert or through a vibrating stick. Additionally it will show a warning in the display. Of course the really “tough” pilots can deactivate the stall warning by calibrating it higher than 0.50 to go off at a speed when the glider is already in a mushing stall or worse. There is a long and rather personal article on the subject “stall warning” on our website. Even though it is 5 years old it only needed minimal tweaking to be as relevant as when it was first written. You really ought to read it again!