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滑空スポーツ講習会2020(実技講習)

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実技講習 開催日時
(1) 2020年7月17日(金)~19日(日)たきかわスカイパーク(北海道滝川市)
(2) 2020年9月21日(月祝)~22日(火祝)角田滑空場(宮城県角田市)
(3) 2020年10月31日(土)~11月1日(日)板倉滑空場(群馬県板倉町)
(4) 2020年11月14日(土)~15日(日)関宿滑空場(千葉県野田市)
(5) 2019年11月21日(土)~23日(月祝)阿蘇場外離着陸場(熊本県阿蘇市)
講師
公益社団法人 日本グライダークラブ
インストラクター 櫻井 玲子

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滑空スポーツ講習会2020(実技講習)

  1. 1. 公益社団法人日本滑空協会 2020年度 EMFT学科資料 公益社団法人 日本グライダークラブ 櫻井 玲子2020/6/27 1
  2. 2. <内容> 1. グライダーの危険 2. 失速のメカニズム 3. スピンのメカニズム 4. 失速・スピンの兆候と回避 5. 飛行の根拠 6. 空間識失調とサブG感覚 7. グライダー事故防止のために 2020/6/27 2
  3. 3. 3 1. グライダーの危険 2020/6/27 3
  4. 4. 4 滑空機事故統計(1974~2019) 運輸安全委員会航空事故報告書検索より作成 0 2 4 6 8 10 12 14 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 その他の事故 重傷事故数 死亡事故数 2020/6/27
  5. 5. グライダー死亡事故原因(1974~2019) 5 27件 173 2 2 1 1 1 スピン 悪天候 低空進入 空間識失調 空中衝突 器物衝突 酸素欠乏 運輸安全委員会航空事故報告書検索より作成2020/6/27
  6. 6. スピン重大事故(死亡・重傷事故)発生形態(1974~2019) 6 26件 8 63 3 2 2 1 1 ウィンチ曳航 場周 ソアリング中 場外着陸 飛行機曳航 動力離陸 自動車曳航 山岳旋回 運輸安全委員会航空事故報告書検索より作成2020/6/27
  7. 7. スピン死亡・重大事故 操縦士資格(1974~2019) 7 13 10 2 1 自家用 教育証明同乗/保持者 練習生 飛行機自家用のみ 26件 運輸安全委員会航空事故報告書検索より作成2020/6/27
  8. 8. 日本の失速・スピン重大事故の機種 <複座> ( )内機数 ASK13 (2) プハッチ (2) H-36 ディモナ (1) 三田3改1 (2) デュオ・ディスカス (1) FOX (1) L23 スーパーブラニック (1) IS29 (1) H-23C (1) SF25C (1) ジマンゴ (1) <単座> ( )内機数 ASW24 (2) ディスカスbT (2) ピラタスB4 (2) ベンタス2a (1) クラブリベレ (1) LS-4 (1) Ka6CR (1) Ka6E (1) PW-5 (1) 82020/6/27 8
  9. 9. 9 EMFT講習会の変遷 第1世代: フルスピンに陥った場合の回復操作を習得する 。 第2世代: スピンの兆候を早期に察知して、フルスピンに陥る前に回復する。 第3世代: 起こりうる事態を予測し回避するための知識と状況認識能力を身に着け、危険に近づかない。 第4世代: パイロットの技能向上には限界がある。機材の向上と組織的な取り組みが必要。 第5世代: 初期教育の見直し。危険がどこにあるのかを知り、危機感知能力を身に着ける。 第6世代: 常に根拠を持ったフライトをできるパイロットを育成する初期教育を行う。 2020/6/27
  10. 10. 10 2. 失速のメカニズム 2020/6/27 10
  11. 11. 11 グライダーはなぜ飛ぶか? 水平直線滑空飛行=加速・減速がない一定の速度で飛行している滑空飛行 グライダーの推力は何か? 重量W=mg(質量x重力加速度) 重 量 ・迎え角=飛行方向(相対風)と翼弦線の角度 ・揚力は相対風に直角に発生 ・推力=位置エネルギー(高度)を運動エネルギー(速度) に変換して滑空 2020/6/27 翼弦線 揚力と抗力の合力 相対風 迎え角
  12. 12. 12 機体姿勢と迎え角(ウィンチ曳航中) 通常の速度でのウィンチ上昇 迎え角:小さい 低速でのウィンチ上昇 迎え角:大きい 進行方向 進行方向 迎え角 迎え角 2020/6/27 機体の姿勢からは、どれくらい失速に 近づいているかわからない。
  13. 13. 13 2次元翼の失速 失速飛行 迎え角の増加 ↓ 抗力の増加 揚力の減少 定常飛行 迎え角の増加 ↓ 揚力の増加 抗力の増加 2次元翼の失速に関する要素は、迎え角と揚力係数・抗力係数のみ 2020/6/27 揚力係数CL と抗力係数CD は、迎え角、翼型の形状、レイノルズ数の影響を表すもの。 翼の単位面積あたりの揚力と抗力。その翼型の特徴を表している。機体固有の値。
  14. 14. 翼型と失速特性 高速翼型 中速翼型 14 ・低いClとCd ・小さめの迎え角で失速する。 ・失速迎え角付近でClが急激に下がる ・前縁半径が大きい、大きなキャンバー、 翼厚が大きい ・大きいCLとCd ・失速迎え角付近は揚力係数勾配が なだらかに下がる。 2020/6/27 Cl Cl 迎え角 迎え角 14
  15. 15. 単座グライダーのスピン特性 ・安定性よりも操縦性を重視している。 ・スティック操作がすぐに姿勢の変化に反映される。 ・ソアリング等で低速で飛ぶことが多い。 ・高速翼型で翼が薄い。最大揚力係数から急激に揚力が減少する。 ・翼のねじり下げを抑えてある。 ・スキッドからだけでなく、ウィングドロップによるスピンも入り易い。 152020/6/27 15 Cl 高速飛行時、翼端にねじり下げがあると、 下向き揚力を発生し、翼が下向きに曲げら れ、抵抗が増えることがある。
  16. 16. 16 3次元翼の失速 揚力式 L=(1/2ρV2) SCL 抗力式 D=(1/2ρV2) SCD 空気密度:ρ [kg/m3] 相対速度:V [m/s] 翼面積 :S [m2] 揚力係数:CL (無次元) 抗力係数:CD (無次元) 揚力: L [kg] 抗力:D [kg] 動圧 パイロットが変えられる要素は何か? 2020/6/27 揚力と抗力の合力<機体重量の時 機体重量を支えられなくなる=失速する ↓ 何が失速に影響するか? L W
  17. 17. 17 失速速度に影響する要因 • 機体そのものの重量の増減 搭乗者・バラスト・荷物・水バラスト・燃料 • 高荷重の飛行姿勢 旋回・高速引き起こし・アクロ・ウィンチ索の張力 • フラップ位置 フラップ下げ→揚力係数・抗力係数の増加→失速速度が増加 • 抗力の増加 翼面のバグ・エアブレーキ・フラップ・エンジン・着氷 • 外部要因 ガスト・ウィンドシアー・ウィンドグラディエント • 密度高度 高高度、高温、多湿 2020/6/27
  18. 18. 18 抗力が増える状況 ・セルフローンチ機の エンジンパイロン ・エアブレーキ 2020/6/27 ・すべり ・降雨・バグ バグワイパー FAA Glider Flying Handbook
  19. 19. 19 機体重量と失速速度の関係 機体重量=「実際の機体重量」 または 「運動による荷重が加わった総重量」 失速速度は機体重量の2乗に比例する。 一定の翼型では臨界角での揚力係数は一定。重量が変化するときはそれに釣り合った 揚力を得るために、速度が変化しなくてはならない。 機体重量、荷重倍数、バンク角が増加すれば失速速度は増加し、 減少すれば失速速度も減る。 FOX 飛行規程より 2020/6/27
  20. 20. 20 旋回中の失速とエレベーター操舵範囲 デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典 グライダーの場合、低速での急旋回では、旋回半径が非常に小さいので機首にあた る気流と尾翼にあたる気流は角度が違う。 翼の実質的な取付角は小さくなるため、失速させるためには水平失速よりスティックを ずっと多く引くことが必要。 エレベーターの舵角範囲のほとんどは旋回で必要な揚力増加のために使われてし まっており、残されたわずかな量の引きしろでは機体を失速させることは困難。 2020/6/27
  21. 21. 21 運動包囲線図と失速の関係 すべて失速に 近づく操作 ← ス テ ィ ッ ク を 引 く 操 作 → ス テ ィ ッ ク を 押 す 操 作 スティックを引く操作 ・減速 ・+Gをかける 2020/6/27
  22. 22. 22 運動による荷重倍数(Load Factor) 日本航空技術協会 飛行機構造 n=3 n=2 n=1 n=1 n=2 n=3 荷重倍数 揚力=飛行機の重量 x 荷重倍数n ・Gがかかった時に主翼にかかる力は水平飛行時のn倍 ・パイロットにも体重のn倍の力が作用するので、+Gでは座席に押しつけられる感じ、 -Gでは、放り出されるような感じがする。 2020/6/27 エレベーター引く Positive G (+) エレベーター押す Negative G (-)
  23. 23. 23 荷重倍数の増加(旋回) 重量 1000kg 重量 1000kg 有効翼面積はバンク60度の場合、水平飛行の半分しかない。 単位翼面積は通常の荷重の2倍を支えなければならない=2G バンク60度では水平時と同じ速度60km/hで飛行している場合、2Gの時の迎角は1Gの 時の2倍必要になるので、失速迎角を超えてしまう。 1Gの時の失速速度=60km/hの時、 2Gの時の失速速度=60km/h x √2=85km/h バンク60度 60km/h 60km/h 1G 2G 2020/6/27
  24. 24. 24 旋回中の荷重倍数と失速速度 FAA Pilot's Handbook of Aeronautical Knowledge 水平飛行中の失速速度をVsとすると W = L = ½ ρCLSVs2 Vs = √(2W/ρSCL) 旋回飛行中の失速速度をVSθとすると W = L cosθより VSθ = √(2W/ρSCLcosθ) = √cosθ 1 ×Vs 荷重倍数n=L/W または n=1/cosθ 2020/6/27 バンクをつけただけでは失速速度は増えない
  25. 25. 25 荷重倍数の増加要因(突風) 上昇気流 風速U 迎え角の増加 -迎え角の増加 速度V 風速U 相対速度V 静かな大気中を飛行してきた機体が風速Uの上昇気流に突入すると、主翼にあ たる気流の向きが変わる。 迎え角が増えて主翼の揚力を増し、機体全体は上方へ押し上げられる。 機体各部には正の荷重倍数がかかる。 2020/6/27
  26. 26. 26 荷重倍数の増加要因(高速からの引き起こし時) 旋回を垂直に行っている状態。 引き起こしの運動をすると、機体の各部に は重力の他に円運動をするための遠心力 が働く。 揚力は重力の他、遠心力の分も支えないと いけないので、大きな荷重がかかる。 FAA Pilot Handbook 2020/6/27 揚力 重力 遠心力(向きを変えることによって感じる慣性力) 下記の時、荷重倍数が大きい ・引き起こし半径が小さい ・高速度 揚力=重力+遠心力 L = W +
  27. 27. 27 荷重倍数の増加要因(ウィンチ索の張力) 2020/6/27 BGA Instructor’s Manual 揚力 索の張力 重量 抗力 100km/hで上昇中 合力 曳航初期上昇径路角45° 索角 5°100km/hで上昇中には 重量(重力)の 1.63倍の上向き 合力Ra(揚力とほぼ同じ強さ) が発生することで力が釣合う。 定常滑空時の1.63倍の 揚力が発生している 。 その時の迎え角は定常滑空 時よりやや大きい 。 100km/h定常滑空時は 4°とすると、 約7.5°。 水平飛行での失速速度60km/h 曳航中の失速速度 = √1.63VS1 ≒1.3 VS1 1.3x60km/h=78km/h
  28. 28. 28 ウィンド・グラディエント(Wind Gradient:風速の勾配) http://rockets2sprockets.com/issue-cross-winds-wind-tunnels/ 2020/6/27 空気と地面の間に粘性による摩擦力が生じ、地面から離れるごとに少しずつ摩擦力が 弱まるため、風は上空に行くほど強くなりある一定の高度以上ではほぼ一定になる。 ・風は地面のそばが一番急勾配になっている。 ・地形によって、風力の変化傾向が異なっている。 ・500ft 以下でとても著しく、150ft 以下で最も大きい。
  29. 29. 29 ウィンド・グラディエントと低空旋回 デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典 2020/6/27 風速 10m/s 風速 5m/s 風速 13m/s 風下への旋回 風上への旋回 グライダーは翼幅が大きく、ロールの運動性がやや悪い。急旋回では上の翼は下の 翼の高さより10m以上高くなる。 ウィンド・グラディエントのために上の翼にあたる気流の速度は下の翼より大きい。 バンク角が深くなる傾向が強くなる。特に地面近くは、傾きの修正が難しくなる。 対気速度 90km/hでの旋回 より大きな揚力 より大きな揚力より少ない揚力 より少ない揚力 水平にしやすい 水平にしにくい 翼端対気速度 108km/h 翼端対気速度 80km/h 翼端対気速度 72km/h 翼端対気速度 100km/h
  30. 30. 30 3. スピンのメカニズム 2020/6/27 30
  31. 31. 31 スピンの特徴 翼が失速し、左右の翼の揚力と抗力が不均等であった場 合、失速迎角を維持しながら自転を継続している状態 スピン軸(自転軸) 2020/6/27 FAA Glider Flying Handbook 自転 スピンが持つ運動を持続する作用 失速時、機体の横安定性が失われる。 傾きを戻す力が弱まり、アドバースヨーを上まわる抗力が 発生するので、自転が持続する。 スピン初動では、自分が操作して いるわけではないのに、 「意図しない自転」が発生する。 スピン軸(自転軸)
  32. 32. 300m以下のスピン スピンに入ったところでゲームオーバー。 スピン訓練に必要なのは、回復訓練よりも 回避訓練。 32 FAA Glider Flying Handbook 下を向きながら回転しているので、回復するとノーズダイブの状態 回復時の速度 エレベーターやや戻す:150km/h エレベーター中立:180km/h エレベーター押す:200km/h 増速~フレアー:失高 50-100m 150km/hからの引き起こし:約50ft上昇(プハッチの場合) 不時着適地は?風向は? 高速からフレアーかけられるか? 恐怖を感じながら、冷静に操作できるのか? 2020/6/27
  33. 33. 臨界迎角前後のヨーイングの影響 左右非対称のCd/Clでも、横安定に よる復元モーメント発生 (上反角効果) 臨界迎え角を超えると不安定になる。 機体はさらに左ロールする。 ロールから発生したアドバースヨーも上 回る左ヨーを発生する。 Cd 左翼>右翼・ Cl左翼<右翼CdとCl 左翼>右翼 通常飛行で左ラダーを 踏んだ場合 失速直後に左ラダーを 踏んだ場合 左翼 右翼 左翼右翼 Cd抗力 係数 Cl揚力 係数 Cd抗力 係数 Cl揚力 係数 臨界迎角 臨界迎角 リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典 2020/6/27 33
  34. 34. 34 スリップとスキッド 2020/6/27 スリップ旋回 ・バンク角に比べてラダーが足りない。 ・ノーズが旋回外側に向く。 ・旋回率に比べてバンクが大きすぎる。 ・揚力の水平成分(向心力)>遠心力 ・旋回の内側へ滑る。 スキッド旋回 ・バンク角に比べてラダーが多すぎる。 ・ノーズが旋回内側に向く。 ・旋回率に比べてバンクが少なすぎる。 ・揚力の水平成分(向心力)<遠心力 ・旋回の外側へ滑る。 FAA Glider Flying Handbook
  35. 35. 35 スキッド中の問題 2020/6/27 相対風が翼の正面から当たらな いため、揚力を発生させる気流 の効果が減少する。このため、 翼は通常より早く失速する。 スキッド中は胴体が翼面の気流をブロックし て、内側翼の気流が減少するため、揚力が 減少し、内側翼が先に失速しやすくなる。 翼型が変わるので、翼の揚力・抗 力特性も変わる(本来の性能が出 ないかも)。
  36. 36. 36 失速付近のエルロン使用の影響 デレック・ピゴット著 「滑空工学入門」より出典 2020/6/27 失速付近で翼が傾いて下がるの を止めようとしてエルロンを大きく 使うと実際には翼端が失速しても っと左へ傾く。 失速付近で左翼が傾いて下 がるのを止めようとして右エ ルロンを使用 失速付近で左翼が傾いて 下がる 傾きを止めるために 右エルロンを使用 キャンバーが増えることにより、 失速を起こし、さらに左に傾く 失速付近の傾きの直し方は?
  37. 37. 37 スピン中に尾翼への気流が遮蔽される部分 リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典 CG位置からできるだけ後方に離れた大きなラダーは近くの小さなラダーにくらべて良好な 回復特性。前方CGもより長いモーメントで回復操作が容易。 通常姿勢のスピン中、T尾翼は水平尾翼とエレベーターが作り出す遮蔽部分が最も小さい。 2020/6/27 急角度のスピン フラットなスピン スピン中の相対風
  38. 38. 38 回復にトップラダーを使用する理由 迎角の減少 SSA Soaring Magazineより出典 ラダーを使用して自転によるスピン軸のベクトルであるヨーを減らすと、慣性力によ るピッチアップ力が減少する。この動きにより機首は下向きとなり迎え角は減少す るため、エレベーターに気流があたりやすくなる。 回復操作は、トップラダー使用後、スティックフォワード。 2020/6/27 迎角 速い旋転 遅い旋転 トップラダー 速い回転 ↓ 遠心力大 ↓ ピッチアップ 遅い回転 ↓ 遠心力小 ↓ ピッチダウン 遠心力
  39. 39. 39 スピンとスパイラル BGA Flight Instructor Manual スピンの特徴 スピン軸を中心に自転 ノーズダウン 旋回率大きい 低速 通常のG 非常に大きな降下率 スパイラルダイブの特徴 旋回(円弧) バンクは増大(結果的に安定) 旋回率はスピンより小さい すべてのコントロールは効く 高いG 2020/6/27 スピンとスパイラルの回復操作の 違いは?
  40. 40. 40 重心位置とスピン BGA Instructor’s Manual / FAA Glider Flying Handbook 2020/6/27 前方重心 スピン初動後、スパ イラルダイブになる。 後方重心 フルスピンになる。 重心が後方限界を 超えている フラットスピン (回復不能)
  41. 41. 41 4. 失速・スピンの兆候と回避 2020/6/27 41
  42. 42. 42 水平失速の定義と兆候 1G失速の兆候といわれる状況 ・ノーズ位置が通常より高い ・速度が遅いまたは減少している ・気流の音の変化 ・速度計の針が振れる ・バフェット ・エレベーター、エルロン、ラダーのレスポンスが悪い ・高い降下率 2020/6/27 BGA Flight Instructor Manual Q1 : 失速に近づいていることがわかる計器は何か? Q2 : スピンの兆候な何か?
  43. 43. 43 3舵のコントロールする軸 エレベーター ピッチ軸 エルロン ロール軸 ヨー軸 ピッチ軸 ラダー ヨー軸 ロール軸 ピッチ軸 1つの操縦系統を動かすと複数の軸の動きがある。 図:FAA Glider Flying Handbook 2020/6/27 43
  44. 44. ラダー使用時の機体の動き ・低速旋回中、ラダーを少しでも使用すると、バンクがつき、ノーズが下がる。 ・この状態でエレベーターを引いても機首は上がらない。 ・エルロンとラダーを中立にすると機首を上がる。 単舵操作の段階で理解しているか? ・初期スピンでノーズが落ちていくとき、糸は中立または内すべりを示すことがある。 糸は何を表す計器か?糸は精密計器か? エレベーターを引いて機首が上がらなければ、おかしいと思わないといけない。 これは唯一の「スピンの兆候」なので、 絶対にそれ以上引いてはいけない!! 442020/6/27 44
  45. 45. 45 ヨーストリングの位置 正しい旋回は、ヨーストリングが内すべりしているように見える。 特に複座の前席は、重心から離れているので、この傾向が強い。 ヨーストリングをまっすぐにする動作は、スキッドを誘発するので、スピンの危険が高 まる。山肌に近いサーマリングをしている時は、上向き突風があると危険なので、 ヨーストリングが内滑りのような見え方をキープする。 2020/6/27
  46. 46. 46 エレベーターの役割 ・エレベーターのコントロールする要素 ・ ピッチ ・迎え角 ・揚力 ・速度 ・荷重倍数 リッチ・ストーウェル著 「緊急機動訓練(EMT)」より出典 「エレベーター=高度」 「エレベーター=上昇」 エレベーターの使用を失敗すると、失速、構造破壊に直結する取り扱い 要注意の舵。 根拠のある時しか使用してはいけない。 2020/6/27 46
  47. 47. 47 縦の静安定(水平安定板の役割) FAA Glider Flying Handbook 機首下げ傾向の相殺 多くのグライダーはCPがCGの後方に あって、ノーズヘビー傾向に設計されて いる。 水平安定板はグライダーの常時機首下 げ傾向を相殺するために負の迎え角を つけてバランスさせている。 風圧中心 重心 下向き揚力を発生 主翼失速時に機首下げ 取り付け角の違いにより、主翼が水平 安定板よりも臨界迎え角に先に達する。 水平安定板の揚力の働きにより、主翼 揚力で機体重量を支えられなくなっても 機首が下がり、回復しやすさに貢献して いる。 失速したら必ず機首は下を向くのか? 2020/6/27 47
  48. 48. 48 失速速度と重心位置(CG) CG位置 ・迎え角とCG位置は関係ない。エレベーターの効果に影響する。 ・失速速度の定義 気流の剥離(主翼の失速)または縦方向のコントロールを失う(尾翼の失速) のどち らか。 ・エレベーターの安定効果は表面を通過する気流の速さとエレベーターの制御能力で 決まる。 CG位置が前方に移動すると速度を保つためにエレベーター操作量が多く必要。 限界までいくと主翼は失速していなくても機首は下を向く。 CGが前方限界 ・尾翼の制御能力の限界。 ・水平安定版とエレベータの大きさを、すなわち旋回時に十分な力をエレベータが発生 するよう、決定される。 CGが後方限界 ・失速速度は気流の剥離やバフェットなどの主翼の空力上の限界で設定。 ・安定性の限界。グライダーが十分な縦安定性を有してスピンからの回復に問題がな いように決定される。 2020/6/27
  49. 49. 重心位置の影響 ○ 安定性が増す ○ 失速から回復しやすい ○ 高速飛行に適する × 着陸時の引き起こし操 作が大きくなる ○ 操縦性が増す ○ 低速飛行に適する × 安定性が減少 × 失速に入りやすい 重心 前方限界 後方限界 2020/6/27 49
  50. 50. グライダーの最適な重心位置 DG HP「グライダーの最適な重心位置について」より グライダーは後方限界に近い位置では良 い性能は得られない。単にピッチとロール 方向のコントロールが非常に敏感となるだ け。また、パイロットは長距離飛行中に2L 程度の水分を失う(汗をかく)ことはありえ るので、飛行中に重心位置が許容範囲を 超えてしまい、すべてのコントロールが過 敏といえる状況になってしまうかも。 後方限界から30~35%前方の重心位置 を選択。このあたりが安全性の面からも性 能の面からも最適な位置。 2020/6/27 50
  51. 51. 51 スピンからの回復操作(飛行規程) 1. フル・トップラダー 2. エルロン・ニュートラル 3. フラップ・アップ 4. スティック・フォワード 5. 旋転がとまったら、ラダー・ニュートラル 6. 高速ダイブからのリカバリー これは、意図的にスピンを入れたらできる操作。 アクシデンタル・スピンの場合、ラダーを踏んでスピンに入っているという認識が そもそもないので、何が起こっているのかわからないのが現実。 スピンと認識できず、機体の挙動がおかしいと思ったらやるべきこと。 引いている操縦桿の力を緩め、エルロン・ラダーを中立にする。 それでも自転が止まらなかったら、トップラダーとスティックフォワード量を増やす。 (スピンがフラットな場合。多くのスティックフォワード量が必要) 2020/6/27 TWIN Ⅱ Spin Recovery
  52. 52. 52 失速・スピンからの回復時の注意 1. 引いている操縦桿を戻す 量どれくらい戻せばよいのか? 2. 旋回を伴う高速ダイブからの回復時の速度、制限荷重超過 3. スパイラルダイブへの転移 スピンとの違いは? 見分け方は? 回復方法の違いは? 4. 2次スピンへの転移 回復操作時に使ったトップラダーを中立に戻さなかった場合、急激にエレ ベーターを引いた時に再度失速し、反対側にスピンに入ることがある。 2020/6/27
  53. 53. 53 5. 飛行の根拠 2020/6/27 53
  54. 54. サーマル旋回の最適速度は? 542020/6/27 54 ・最適速度を決める要素:サーマルの大きさ、沈下率、失速速度、旋回半径 TWIN Ⅱ ポーラーカーブ
  55. 55. 旋回中の沈下率 出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」 2020/6/27 55 nn w w ==  cos 1 cos 1 直線 旋回 旋回中の沈下率比= バンク角 荷重倍数n 沈下率比 30° 1.15 1.23 45° 1.41 1.67 60° 2.00 2.83 (注)この計算は基準のポーラーカーブの 精度に強く依存しており、また、旋回の曲 率により風が胴体に真っすぐに当たらな いこと、及び舵面を動かすことによる抵抗 増を考慮していないため、この結果を参 考程度にとどめること。
  56. 56. TWIN Ⅱ 旋回中のポーラーカーブ 出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」 2020/6/27 56 速度[km/h] -3 -2 -1 0 0 50 100 150 200 旋回中の沈下率[m/s] 基準のポーラーカーブ バンク20° バンク40° バンク60° 理論曲線(バンク0°) 理論曲線(バンク60°) 最大滑空比 最小沈下率失速 理論曲線(0°) バンク角を増すと、沈下率は悪化し、速度を増さなければ失速するという実際の現 象を正しく再現できている。 定常旋回中に最小沈下率及び最大滑空比となる迎え角はそれぞれ直線飛行時と 同じであることが分かる。 ×は各バンク角の定常旋回において直線飛行時の失速時と同じ迎え角である点 ▲は同様に最小沈下率と同じ迎え角である点 ○は同様に最大滑空比と同じ迎え角である点
  57. 57. TWIN Ⅱ 旋回半径と沈下率 出典:佐藤文幸「旋回中の沈下率について」 2020/6/27 57 旋回半径[m] -3 -2 -1 0 0 50 100 150 沈下率[m/s] バンク20° バンク30° バンク40° バンク45° バンク50° バンク55° バンク60° 60° 55° 50° 45° 40° 30° 20° バンク角40~45度付近で旋回すると、旋回半径と沈下率が程よく小さくなる。 コアのみが強いタイプの上昇気流に対してソアリングの上昇速度のみを追求すると、失速と隣 り合わせになる可能性が高くなる(TWINⅡに限らず、他の機体でも同様)。 小さな旋回半径には、より速い速度と大きなCL値(迎え角)が必要。重量が重いほど早く最大 CL値に達してしまう。 旋回中は内側の翼がより低速で進むこと、及びエルロンの当て舵により旋回内側のエルロン付 近の迎え角が増え、図中の×よりも速い速度で失速が始まる。 90km/h 80km/h 105km/h 77km/hバンク0°の失速速度=75km/h
  58. 58. 58 6.空間識失調とサブG感覚 2020/6/27 58
  59. 59. 人間の空間識 1. 視覚 3. 体性感覚 (筋肉、皮膚、関 節より) 2. 内耳の感覚 脳内で情報の統合処理 空間中の位置把握 身体各部へ指令 http://code7700.com/spatial_disorientation.html 2020/6/27 59 3次元空間の中でどのように自分の姿勢や方向を知るのか? 地上 重力の方向は、体の各部分によって感じること ができ、地球がどの方向にあるかがわかる。 空中 遠心力と重力の合力がGとなり、体の感覚が姿 勢指示器として役立たなくなる。
  60. 60. 内耳の働き FAA Pilot Handbook of Aeronautical Knowledge ①三半規管 回転角加速度検出 ロール・ピッチ・ヨーの動き 長時間一様な動きのあとのゆっくりした動きを感知することができない。 ②耳石器 直線加速度検出 上下・前後・左右の動き 重力と運動による加速度を区別することができない。 空間識失調 正常な感覚機能を有したパイロットの空間識が混乱した状態。 加速度による錯覚:地球に対する航空機の動きを正しく認知していない場合。 視覚による錯覚、体性感覚による錯覚、平衡感覚による錯覚などがある。 バーティゴ、飛行錯覚とも呼ばれる。 2020/6/27 60 http://www.skybrary.aero/i ①三半規管 ②耳石器
  61. 61. 空間識失調の事故例 昭和58年 妻沼滑空場 機体:萩原式H-23C 前席:ファースト・ソロの練習生 機体損傷:大破 パイロット:死亡 2020/6/27 61 事故の概要 事故当日は雲が低く、今にも雨が 降りそうであった。 複座によるソロチェック後、パイ ロットはファーストソロでウィン チ曳航により発航したが、地上約 250mで雲に入った。 その後、機体が見えたときには垂直 急降下姿勢になっており、そのまま 地面に激突した。 約250m 雲に入る
  62. 62. 直線加速度による空間識失調 資料提供 嶋田 和人氏 2020/6/27 62 ・サブG感覚(空間識失調の一種)→1G以下からゼロG以上の重力状態とする。 ・体が浮く、自由落下、失速したような感じ。→エレベーターを押し続けてしまう。 ・正確には「Reduced G」と表現すべきである(3G→2Gの時も同様な感覚となる)。
  63. 63. サブGを感じる状況 Derek Piggott著 「Sub-Gracity Sensation and Gliding Accident」より出典 ①乱気流やウィンドシアに遭遇し、機体が沈下して いる状態 ②失速からの回復時に過剰な機首下げをした状態 ③滑空中に機首下げをした状態 2020/6/27 63 ④ウィンチ索切れからの回復時 ⑤スティックを押しすぎた時
  64. 64. 空間識失調防止の方法 1. 視覚情報の確保 視程が悪い、視野が狭い時に機械的にエレベーターを押す操作をしない 地平線との位置関係や計器の読みを確認しつつ丁寧な操作をする。 体の感覚だけで操作を行わない(根拠のある操作を行う) 2. サブG環境への適応 複座によるトレーニングを行う。 サブG状態と失速状態の違いを認識し、正しい回復操作を理解する。 失速、ウィンチ索切れからの回復方法を正しく理解する。 2020/6/27 64
  65. 65. 65 7. 事故防止に必要な訓練と環境 2020/6/27 65
  66. 66. グライダー・パイロットに求められる技能について グライダー パイロットの技能 操縦技術 知識 判断 取組姿勢 通常操作 非常操作 モニター 航空機・空力・機材 環境(気象・地形) 人間の能力の限界 意志決定能力 リスクマネージメント能力 タスクマネージメント能力 状況認識(危険予知)能力 搭載機器マネージメント能力 CFIT*マネージメント能力 法令遵守 積極性 協調性 沈着性 コミュニケーション能力 計画マネージメント能力 リーダーシップ 緊急時の対応 不時着時のサバイバル リーダーシップ エアマンシップ (ICAO 定義) 正しい判断力、確固 たる知識と技術、そし て飛行目的を完遂す る心構えを常に持ち 続けるパイロット精神 飛行技術 計画・判断力 状況認識力 規則の遵守 SRM・TEM*能力 同乗者の安全確保 *CFIT=Controlled Flight Into Terrain *SRM=Single Pilot Resource Management *TEM=Threat and Error Management 2020/6/27 66 テクニカルな能力 ノン・テクニカルな能力
  67. 67. 67 パイロットの能力向上のための訓練 1. テクニカルな能力→根拠のある飛行を心がける ・航空力学・飛行規程の理解(わかっているようでわかっていないこと) ・その速度、そのバンク、その行動を決定した根拠は何か? ・飛行毎に状況が異なるグライダー性能の把握(ポーラーカーブの理解) ・重量重心位置の飛行への影響 2. ノン・テクニカルな能力→人間の能力の限界を知る ・空間認識のメカニズム、空間識失調 ・視機能のしくみと限界を踏まえた効果的な見張りの方法 ・加齢による衰えの影響 3. 状況認識能力・判断力向上のための考える訓練 ・事故事例研究 ・飛行のフェーズ毎にグライダーの危険はどこにあるのか? ・危険はどのように予知して、避けられるのか? ・危険に陥った場合、どのように回復するのか? ・航空法の定める内容が実飛行において意味することは何か? 2020/6/27
  68. 68. スピン事故ケース・スタディ 平成17年 板倉滑空場 機体:ベントゥス2a型(単座) 機長:総飛行時間354時間 最近30日間の経験3.5時間 同型式の飛行時間3.5時間 機体損傷:大破 パイロット:死亡 日本選手権出場を計画しており、選 手権に使用するレース機の慣熟とク ロスカントリーの練習飛行 2020/6/27 68
  69. 69. スピン事故例 状況 風向約300°風速約5m/s。滑走路は33。上 空では、2/8程度の積雲が4-5,000ftで、赤城 山から佐野市付近まで雲道があった。 飛行後、約2km北北西の佐野ICを100mで通 過して、高度約58mまで160km/hに増速し、 高さ約85mの鉄塔間の高圧線を、高度約 100m、対地速度約80km/hで越えたところで ピストに対し 「高度が下がったのでダイレクト に入る」との通報。 進入中、ピスト担当者から同機に、現在の使 用滑走路は風に正対する33との通報。機長 は滑走路15上のピスト横を通過時、ギヤを出 さず、エア・ブレーキも使用しないまま滑走路 上を 低高度で通過し滑走路のエンド付近で 中央付近に向け、旋回を開始した。 2020/6/27 69
  70. 70. スピン事故例 状況 追い風の滑走路上を低高度で通過後、 滑走路端で風にほぼ正対する滑走路に 着陸しようとして、左上昇旋回(対地高度 42m、対地速度116km/h)したが、オー バーシュート気味になり、深いバンクで 外滑り状態となり失速状態に陥ったため、 地面に衝突した。 当日は高度による風の強さの違いによ るウィンド・グラディエントがあったと予測 された。 2020/6/27 70 ・何が問題だったのか? ・どうすれば避けられたのか? ・ピスト、曳航パイロット、教官だったら 何ができたのか?
  71. 71. 71 TEM (Threat & Error Management)モデル UAS(望ましくない航空機の状況)が発生して しまった場合、パイロットがそのUASの対処に 失敗すると、インシデント・アクシデントとなる。 マネージメント 失 敗 マネージメント 失 敗 マネージメント 失 敗 アクシデント (Undesired Aircraft Status) 2020/6/27
  72. 72. リスクとなりえる状況をどう認識するか? リスク要素 評価内容 パイロット 健康状態、精神・感情の状態、疲労度、極度の緊張等 スピン訓練の実施状況、機体の慣熟度等 機体 性能・運用限界・装備・耐空性、重量、フラップ・ダイブ位置、計器 の作動、速度や降下率等 環境 風向と風速・天候の変化、上昇気流・下降気流の状態、他機の動 向、地形や障害物の位置、ピストによる指示、法令・空域・空港規 則等の指定経路・高度、離着陸場の条件等 外圧 他者からの飛行完遂への期待や圧力。スケジュール上の圧力。 仕事・家庭・友人・先輩・教官からの圧力等。 2020/6/27 72
  73. 73. 73 出発前の確認 スレット&エラー・マネージメント スレット エラー マネージメント 気象 強風と大きな沈下帯 滑空比の計算間違いに よる高度の低下 計算結果に十分なマージ ンがあるかの確認 ATC 宇都宮ACAの通過 他機とのニアミス レーダーアドバイザリー と見張りの強化 空港 夕方の西日による視 程低下 他機とのニアミス 自機の位置を一方送信で アナウンス 地形 場周経路場の送電 線 索切れ時の送電線との 異常接近 事前に地図をチェック 場外着陸の手順を決める 組織 場外着陸した際の リトリブ要員確保 要 員 が い な い の で 、 無理に滑走路に帰る 事前に場外着陸時の手順 を決めておく その他 体重が軽いパイロ ットとの交代 バ ラ ス ト 搭 載 忘 れ に よる不適切な重心位置 事 前 に 交 代 パ イ ロ ッ ト に 注意喚起する 2020/6/27
  74. 74. 飛行中の意思決定のための3Pモデル FAA Aviation Instructor’s Handbook 状況認識 実行 決定 危険の認識 すべての行動の始まり ソアリング中、風が強く、沈下 が強くなってきた。滑走路に届 くか? リスクレベルの検討 滑走路に届かないと判断した 場合に、プランBを用意してい るか? リスクマネージメントの 実行 このままだと滑走路に 届くのは難しいため、 場外着陸の意思決定 をする。 状況認識に戻る。 場外着陸の経路はどう するか?無線で連絡す るか?注意点は? 2020/6/27 74
  75. 75. 危険に近づかない工夫例 注意力散漫・一点集中になる状況の除去 • 状況認識能力を高めるためのシミュレーション実施 • 注意力をそらせる訓練等の実施 • 優先順位の判断 • 普段と異なる経路の飛行の実施 • 考える訓練、自分の考えを評価してもらう機会の設定 失速から遠ざけるためのマージン ・ソアリング速度の検討 ・旋回時にバンクをしっかりつける。 ・旋回時に内滑り気味で飛ぶ。 ・ベース~ファイナルを高めに持ってきて、ダイブを使用して降りる。 ・トリムを前気味に取る パイロットだけでなく、ピスト、曳航パイロット、教官だったら何ができるのか? 752020/6/27
  76. 76. 組織的な安全意識の向上 近年における交通事故死者数減少理由 警察庁は「交通安全教育の普及や車の安全性の向上、信号機や道路の 改良などが進んだ結果」と分析している。 パイロットとしての人間の能力の限界を限られた時間で高めることには限 界がある。 ピストや曳航担当者の状況認識力と判断力向上は、安全に直結する。 個別で行動するよりも組織に所属し、 社会的に「群れで守る」ことが生存率向上に つながると考える。 運航に関わる方全員の力を合わせて グライダーの事故防止に務めましょう! 2020/6/27 76
  77. 77. Safe Flying! END 2020/6/27 77

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