電子書店概況 2017
JEPAセミナー資料 2017.9.29
鷹野 凌
表示 4.0 国際 (CC BY 4.0)
※ 鷹野凌が書いた文章部分だけです
http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
まずは自己紹介
鷹野凌(たかの・りょう)について
● 2011年3月から使っているペンネーム
● フリーライターでブロガー
● INTERNET Watch、ぶくまる、
DOTPLACE、シミルボン、出版ニュース
などに寄稿
● NPO法人日本独立作家同盟理事長
● 実践女子短期大学でデジタル出版論とデ
ジタル出版演習を担当
● 明星大学でデジタル編集論を担当
ブログ「見て歩く者」
毎週月曜日に、出版業界
(電子出版界隈が中心)の
ニュースで、鷹野が気に
なったトピックスをまとめ、
一言コメントを付けて配信し
ています。
http://www.wildhawkfield.com/
アイコン詐欺ですいません(挨拶)
(C)樫津りんご
本題に入ります
電子出版市場はいまなお急成長中
■
紙の市場と比較するとまだ小さい
コミック市場は電子の比率が高い
有料サービスの利用率は微増
■
未利用者の利用意向が低い
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2016』
Why?
NPO法人日本独立作家同盟の宣伝
第1回 デジタル読書ってこんなに楽しい!
ライトニングトーク大会 9月30日開催
パッケージ販売
(もしくはレンタル)
電子書店は群雄割拠
電子書店一覧|講談社BOOK倶楽部
さまざまな企業が参入
● 出版社/新聞社
● 印刷会社
● 取次
● 書店
● メーカー
● 通信事業者
● 通販/流通
● 電子書店専業
● 音楽/映像配信系
● プラットフォーム
電子書店利用率(PC)
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2016』 ※NTTコム リサーチ
±2%くらい
電子書店利用率(スマホ)
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2016』 ※コロプラ スマートアンサー
±5%くらい
定額読み放題
読み放題サービス
日本出版学会春季研究発表会ワークショップ“電子出版における「定額制読み放題サービス」が出版に与える影
響”で使用した資料(見て歩く者 by 鷹野凌)
読み放題サービスの利用率
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2017』
読み放題のおおまかな傾向
● パッケージ販売(紙・電子)よりライン
アップが限定されている
● 中身がパッケージ販売版より少ない
場合が多い(まれに電子版オリジナ
ルページがある場合も)
● これらの傾向は、出版社や編集部の
方針によって異なる
出版社から見た有料読み放題
● そりゃもちろんパッケージ販売の方
が販売単価は高い
● とはいえ、ユーザー数が多ければ、
総配分額は多くなる
● 配分率は読まれた量によって決まる
ので、もちろん中身も重要
● ラインアップや中身が薄いとユー
ザーが離れてしまう難しさ
出版社から見た読み放題
● 無料読み放題のほうがたくさん読ま
れ認知度向上には効くが、ユーザー
数の多いDモデルのが儲かる
● だからユーザー数が多いプラット
フォームは有利だが、横暴
● 出版社が直接運営する読み放題
サービスが増えていく?
● コンテンツをユーザーに届け収益を
上げる手段が1つ増えただけ
Yahoo!ブックストア読み放題 提供終了
【重要】Yahoo!ブックストア読み放題 提供終了のお知らせ - お知らせ - Yahoo!ブックストア
無料アプリ
投稿もできる
出版社直営
無料アプリ
無料アプリ
無料アプリ
無料アプリ利用率
±2%くらい
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2017』
電子書店・アプリの主なビジネスモデル
出版社(者)から電子書籍/電子雑誌のデータファイ
ルを預かった上で、
● 販売 / レンタルを行い手数料収入
● 定期購読 / 有料会員制 / 読み放題
● 無料配信連載で認知獲得、単行本販売
● 無料配信によって集客し広告で収益
● 無料配信だが数量や時間に制限があり、数量増
/ 時間延長 / ライフ回復時短などが有料
● スタンプなど別のコンテンツが有料
デジタル出版のメリット
● 印刷、製本コストがかからない
● 流通コストがかからない
● 場所をとらない(保管コストが少ない)
● 絶版になる可能性が低い
● 検索性が高い
● 誰でも出版できる
● 著者と読者の距離が近い
デジタル出版のデメリット(1)
● いくらでも簡単にコピーできてしまう
● コピーを防止するデジタル著作権管理
( DRM : Digital Rights Management )
の問題(※詳細は後ほど)
● 一度インターネット上に公開された情報を、
完全に消すことは難しい
● 物として存在していないため、手触り、匂い
といった情報に欠ける
● 著者が意図した通りのレイアウトが再現で
きるとは限らない(画面の大きさ)
デジタル著作権管理(DRM)の問題
● コピーやシェアが禁止されている場合があ
る(コンテンツや電子書店次第)
● 貸し借りできない(電子書店次第)
● プレゼントできない(電子書店次第)
● 読書体験も電子書店のサービス次第
● 購入が面倒(クレジットカード、コンビニなど
で売ってるギフトカードなど)
● 電子書店の本棚に縛り付けられてしまう
● サービスが終わってしまうと、二度とダウン
ロードできなくなる
デジタル出版のデメリット(2)
● デジタル出版されたコンテンツ読むためには、必ず
デジタル情報機器と電気が必要
紙の本は、媒体(メディア)と
中身(コンテンツ)が一体に
なっている
デジタル出版は、媒体(メディ
ア)と中身(コンテンツ)が
別々になっている
端末の普及率
≧ 利用者数
市場規模は端末の普及率に左右
情報通信機器保有状況推移(世帯)
総務省「情報通信白書」平成29年版
スマートフォン個人保有率
総務省「情報通信白書」平成29年版
電子書籍専用端末は?
● 軽くて持ち運びに便利
● 電子ペーパーディスプレイの採用で、
特に文字が読みやすい
● 基本的に電子書籍を「買う」「読む」「保
存する」以外の用途には使えない
● 特定の電子書店専用
● 普及率は非常に低い
● ただし、濃いユーザーが使っている
● コレじゃなきゃ電子書籍は読めないと
勘違いしてる人が意外と多いみたい
利用率
5.0%
(『電子書籍ビジネス調査報告
書2016』 n=44,364)
今後新たに普及しそうな端末は?
● AR(拡張現実)
● VR(バーチャルリアリティ)
● MR(複合現実感)
● SR(代替現実感)
wikimedia: PD

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